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第3章 配信者「姫宮みこと」
第42話 門出
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「ありがとう、パパ」
雪乃のその言葉に、今日という一日がすべて詰まっているような気がした。
今日は中学総体の都大会だった。地区大会で準優勝し、シングルスで勝ち上がった雪乃は、強豪が揃うこの舞台で二回戦を突破し、続く三回戦で敗退した。
「引退かぁ。もうちょっとやりたかったな」
「パパはテニスとかやったことがないから、素人目からしか言えないけど……めちゃくちゃ良い試合だったと思うよ」
「そう? パパがそう言うなら、諦めないで続けた甲斐があったよ」
雪乃はそう言って、少しだけ口元を緩めた。
汗で濡れた前髪が頬に張り付き、首元にはタオルがかかっている。ラケットバッグを肩に掛けた姿は、もうすっかり“選手”だった。
試合が終わった直後、雪乃は泣かなかった。
負けた瞬間、ほんの一瞬だけ視線を落とし、それから相手に深く一礼した。その背中を、俺は観客席から見ていた。
――強くなったな。
心の中で、そう呟いていた。
駐車場まで歩き、車に乗り込む。
エンジンをかけると、外の喧騒が一気に遮断され、静かな空間が戻ってきた。
「疲れてるだろ。寝てていいぞ」
「ううん。まだ大丈夫」
雪乃は助手席でシートベルトを締め、窓の外を眺めた。
夕方の光に照らされた会場が、バックミラーの中で遠ざかっていく。
信号待ちの間、俺はハンドルに両手を置いたまま、言葉を探していた。
慰めすぎても違う。突き放しても違う。ただ、今日という一日を、きちんと終わらせたかった。
「……悔しい?」
「うん。そりゃね」
即答だった。
「でも、やりきったって感じもある。負けたけど、逃げなかったし」
「それが一番だと思う」
俺の言葉に、雪乃は小さく頷いた。
車は幹線道路に入り、流れに乗る。
エアコンの風が、じんわりと汗を冷ましていく。
「ねえ、パパ」
「ん?」
「今日、来てくれてありがとう」
「当たり前だろ」
それ以上、言葉はいらなかった。
家に着くころには、空はすっかり茜色に染まっていた。
駐車場に車を停め、二人で荷物を持って玄関に向かう。
「シャワー、先どうぞ」
「いいよ、パパ先で」
「今日は主役なんだから」
「……じゃあ、お言葉に甘えて」
バスルームの扉が閉まる音を聞きながら、俺はリビングのソファに腰を下ろした。
スマホを取り出す。癖のように、通知を確認する。
配信管理画面。
SNS。
メッセージアプリ。
相変わらず、未読の数字は多い。
――姫宮みこと。
この名前が、いつの間にか俺の日常に深く根を張っていた。
数日前の配信は、これまでとは明らかに空気が違った。
炎上は一週間ほどで鎮火した。大事にはならなかった。だが、完全に消えたわけでもない。
〈今日のみこと、声が強い〉
〈覚悟決まってる感じする〉
〈前より芯がある〉
そんなコメントが流れるたび、胸の奥で静かに息を吐いていた。
何かを“乗り越えた”というより、“抱えたまま続ける”ことを選んだ結果なのだと思う。
そのとき、一通のメール通知が画面に浮かんだ。
差出人は、テレビ局の制作部。
嫌な予感ではなかった。
だが、軽くもなかった。
メールを開く。
――姫宮みこと様
――番組出演のご相談でご連絡差し上げました。
指が止まる。
読み進めるうちに、心臓がゆっくりと、しかし確かに音を立て始めた。
音楽番組への出演依頼。
しかも、ただのゲストではない。
桐立健太郎。
その名前を見た瞬間、思わず息を呑んだ。
桐立健太郎――
シンガーソングライターとして長年第一線を走り続ける存在。
テレビをつければ誰もが知っている、そんな歌手だ。
その桐立健太郎が、新曲のコーラスパートに「姫宮みこと」を起用したい、と書かれていた。
「……は?」
声が、自然と漏れた。
冗談ではない。
日程、リハーサル、契約条件。すべてが具体的で、現実的だった。
スマホを置き、天井を見上げる。
(来たな……)
喜びよりも先に、責任の重さが肩に乗る。
テレビ出演。
全国放送。
桐立健太郎の楽曲。
姫宮みことは、もう「個人配信者」の枠に収まらなくなりつつある。
そのとき、バスルームの扉が開いた。
雪乃が、髪をタオルで拭きながら出てくる。
「パパ、どうしたの? 難しい顔して」
「あ、いや……仕事の連絡」
「また配信?」
「……まあ、そんな感じ」
嘘ではない。
だが、すべてを話すには、まだ早い気がした。
雪乃はそれ以上聞かなかった。
冷蔵庫からアイスを取り出し、「今日くらいいいよね」と言う。
「もちろん」
二人で並んでアイスを食べる。
テレビはつけなかった。
この静かな時間を、俺は守りたい。
それと同時に、前に進まなければならない。
夜。
雪乃が部屋に戻ったあと、俺はパソコンを立ち上げた。
次の配信。
サムネイル。
テレビ出演。
桐立健太郎。
すべてが、まだ“入り口”に過ぎない。
マイクの前に座り、深く息を吸う。
今日の雪乃の、最後の一礼が脳裏に浮かんだ。
負けても、胸を張る。
それが、次につながる。
「……よし」
小さく呟き、配信ソフトを起動する。
配信者【姫宮みこと】の物語は、ここから本格的に動き出す。
◇◆
テレビ局の最寄り駅で降りたとき、空は薄く曇っていた。
雲の切れ間から差す光が、巨大な建物のガラス面に反射している。
(……ここか)
何度もテレビの画面越しに名前だけは見てきた場所。だが、実際に足を踏み入れるとなると、まるで別の世界に来たような気分になる。
受付で名前を告げると、若いスタッフが慣れた様子で来客用のカードを差し出した。
首から下げると、それだけで自分が“部外者”であることを突きつけられるような気がして、少しだけ背筋が伸びる。
案内された会議室は、思ったよりも質素だった。白い壁に長机。ペットボトルの水と、簡単な資料が並べられている。
最初に現れたのは、有名歌番組のディレクターだった。年齢は四十代半ばだろうか。落ち着いた口調で、しかし言葉の端々に現場慣れした鋭さがある。
「本日はお時間ありがとうございます。まずは、今回のお話の経緯から説明させてください」
俺は頷き、背もたれに深くもたれすぎないように姿勢を整えた。
ディレクターの説明は明快だった。
桐立健太郎の新曲制作にあたり、コーラス部分に「今の空気感を持つ声」が欲しかったこと。
そこで候補に挙がったのが、姫宮みことだったという。
「配信の切り抜きも、かなり拝見しました。声の安定感、感情の乗せ方、リスナーとの距離感。どれも、今の時代に合っている」
褒め言葉だと分かっていても、胸の奥がむず痒くなる。
自分の積み重ねが、知らないところで評価されていた事実に、戸惑いのほうが勝っていた。
資料には、番組構成の案や、想定される出演形式が書かれている。その一つひとつを、俺は慎重に目で追った。
そのとき、ノックの音がして、会議室の扉が開いた。
「遅くなりました」
入ってきたのは、番組プロデューサーだった。柔らかな笑みを浮かべた女性で、場の空気が一段階和らぐ。
「初めまして。プロデューサーの妻形《つまがた》です」
名刺を受け取り、軽く頭を下げる。
「実は私、姫宮みことさんの配信、かなり前から見てるんですよ。新参ではありますが、大ファンです!」
「……え?」
「百万人登録者記念配信も、オンタイムで」
一瞬、言葉を失った。
まさか、ここで“ファン”という言葉を聞くとは思っていなかった。
「番組としても、無理なお願いをするつもりはありません」
プロデューサーは、そう前置きしてから話を続けた。
今回の件は、あくまでも桐立健太郎本人からの楽曲提供の意向が先にあること。
番組出演は、その延長線上にある選択肢のひとつに過ぎないということ。
「つまり、出演をお断りいただいても、楽曲の提供自体は成立します」
その言葉に、肩の力が少し抜けた。
「もちろん、ギャランティも発生します。ボイスチェンジャーを使用し、顔出しは一切なし。姫宮みこととしての出演です」
俺の中で、ひとつずつ条件が整理されていく。
顔は出さない。
本名も出さない。
あくまでも、配信者・姫宮みこととして。
それならば――。
だが同時に、頭の中には雪乃の顔が浮かんでいた。
この選択が、自分一人のものではないことを、改めて思い知らされる。
「……すぐに返事はできません」
俺は正直にそう言った。
「家族と相談して決めたいです。ただ……前向きに検討させていただきます」
プロデューサーは、満足そうに頷いた。
「ありがとうございます。その言葉だけで、今日は十分です」
会議室を出るころには、最初に感じていた緊張は、別の重さに変わっていた。
期待。
責任。
そして、選択。
テレビ局の外に出ると、曇っていた空の向こうから、わずかに陽が差していた。
(ここまで来たんだな……)
姫宮みことは、もう画面の中だけの存在ではない。
だが、だからこそ、慎重でありたい。
俺はスマホを取り出し、まだ送らないメッセージの画面を開いた。
宛先は――雪乃。
指を止め、深く息を吸う。
話すべきことは、山ほどある。
だが、順番を間違えてはいけない。
ポケットにスマホを戻し、俺はもう一度、テレビ局の建物を振り返った。
雪乃のその言葉に、今日という一日がすべて詰まっているような気がした。
今日は中学総体の都大会だった。地区大会で準優勝し、シングルスで勝ち上がった雪乃は、強豪が揃うこの舞台で二回戦を突破し、続く三回戦で敗退した。
「引退かぁ。もうちょっとやりたかったな」
「パパはテニスとかやったことがないから、素人目からしか言えないけど……めちゃくちゃ良い試合だったと思うよ」
「そう? パパがそう言うなら、諦めないで続けた甲斐があったよ」
雪乃はそう言って、少しだけ口元を緩めた。
汗で濡れた前髪が頬に張り付き、首元にはタオルがかかっている。ラケットバッグを肩に掛けた姿は、もうすっかり“選手”だった。
試合が終わった直後、雪乃は泣かなかった。
負けた瞬間、ほんの一瞬だけ視線を落とし、それから相手に深く一礼した。その背中を、俺は観客席から見ていた。
――強くなったな。
心の中で、そう呟いていた。
駐車場まで歩き、車に乗り込む。
エンジンをかけると、外の喧騒が一気に遮断され、静かな空間が戻ってきた。
「疲れてるだろ。寝てていいぞ」
「ううん。まだ大丈夫」
雪乃は助手席でシートベルトを締め、窓の外を眺めた。
夕方の光に照らされた会場が、バックミラーの中で遠ざかっていく。
信号待ちの間、俺はハンドルに両手を置いたまま、言葉を探していた。
慰めすぎても違う。突き放しても違う。ただ、今日という一日を、きちんと終わらせたかった。
「……悔しい?」
「うん。そりゃね」
即答だった。
「でも、やりきったって感じもある。負けたけど、逃げなかったし」
「それが一番だと思う」
俺の言葉に、雪乃は小さく頷いた。
車は幹線道路に入り、流れに乗る。
エアコンの風が、じんわりと汗を冷ましていく。
「ねえ、パパ」
「ん?」
「今日、来てくれてありがとう」
「当たり前だろ」
それ以上、言葉はいらなかった。
家に着くころには、空はすっかり茜色に染まっていた。
駐車場に車を停め、二人で荷物を持って玄関に向かう。
「シャワー、先どうぞ」
「いいよ、パパ先で」
「今日は主役なんだから」
「……じゃあ、お言葉に甘えて」
バスルームの扉が閉まる音を聞きながら、俺はリビングのソファに腰を下ろした。
スマホを取り出す。癖のように、通知を確認する。
配信管理画面。
SNS。
メッセージアプリ。
相変わらず、未読の数字は多い。
――姫宮みこと。
この名前が、いつの間にか俺の日常に深く根を張っていた。
数日前の配信は、これまでとは明らかに空気が違った。
炎上は一週間ほどで鎮火した。大事にはならなかった。だが、完全に消えたわけでもない。
〈今日のみこと、声が強い〉
〈覚悟決まってる感じする〉
〈前より芯がある〉
そんなコメントが流れるたび、胸の奥で静かに息を吐いていた。
何かを“乗り越えた”というより、“抱えたまま続ける”ことを選んだ結果なのだと思う。
そのとき、一通のメール通知が画面に浮かんだ。
差出人は、テレビ局の制作部。
嫌な予感ではなかった。
だが、軽くもなかった。
メールを開く。
――姫宮みこと様
――番組出演のご相談でご連絡差し上げました。
指が止まる。
読み進めるうちに、心臓がゆっくりと、しかし確かに音を立て始めた。
音楽番組への出演依頼。
しかも、ただのゲストではない。
桐立健太郎。
その名前を見た瞬間、思わず息を呑んだ。
桐立健太郎――
シンガーソングライターとして長年第一線を走り続ける存在。
テレビをつければ誰もが知っている、そんな歌手だ。
その桐立健太郎が、新曲のコーラスパートに「姫宮みこと」を起用したい、と書かれていた。
「……は?」
声が、自然と漏れた。
冗談ではない。
日程、リハーサル、契約条件。すべてが具体的で、現実的だった。
スマホを置き、天井を見上げる。
(来たな……)
喜びよりも先に、責任の重さが肩に乗る。
テレビ出演。
全国放送。
桐立健太郎の楽曲。
姫宮みことは、もう「個人配信者」の枠に収まらなくなりつつある。
そのとき、バスルームの扉が開いた。
雪乃が、髪をタオルで拭きながら出てくる。
「パパ、どうしたの? 難しい顔して」
「あ、いや……仕事の連絡」
「また配信?」
「……まあ、そんな感じ」
嘘ではない。
だが、すべてを話すには、まだ早い気がした。
雪乃はそれ以上聞かなかった。
冷蔵庫からアイスを取り出し、「今日くらいいいよね」と言う。
「もちろん」
二人で並んでアイスを食べる。
テレビはつけなかった。
この静かな時間を、俺は守りたい。
それと同時に、前に進まなければならない。
夜。
雪乃が部屋に戻ったあと、俺はパソコンを立ち上げた。
次の配信。
サムネイル。
テレビ出演。
桐立健太郎。
すべてが、まだ“入り口”に過ぎない。
マイクの前に座り、深く息を吸う。
今日の雪乃の、最後の一礼が脳裏に浮かんだ。
負けても、胸を張る。
それが、次につながる。
「……よし」
小さく呟き、配信ソフトを起動する。
配信者【姫宮みこと】の物語は、ここから本格的に動き出す。
◇◆
テレビ局の最寄り駅で降りたとき、空は薄く曇っていた。
雲の切れ間から差す光が、巨大な建物のガラス面に反射している。
(……ここか)
何度もテレビの画面越しに名前だけは見てきた場所。だが、実際に足を踏み入れるとなると、まるで別の世界に来たような気分になる。
受付で名前を告げると、若いスタッフが慣れた様子で来客用のカードを差し出した。
首から下げると、それだけで自分が“部外者”であることを突きつけられるような気がして、少しだけ背筋が伸びる。
案内された会議室は、思ったよりも質素だった。白い壁に長机。ペットボトルの水と、簡単な資料が並べられている。
最初に現れたのは、有名歌番組のディレクターだった。年齢は四十代半ばだろうか。落ち着いた口調で、しかし言葉の端々に現場慣れした鋭さがある。
「本日はお時間ありがとうございます。まずは、今回のお話の経緯から説明させてください」
俺は頷き、背もたれに深くもたれすぎないように姿勢を整えた。
ディレクターの説明は明快だった。
桐立健太郎の新曲制作にあたり、コーラス部分に「今の空気感を持つ声」が欲しかったこと。
そこで候補に挙がったのが、姫宮みことだったという。
「配信の切り抜きも、かなり拝見しました。声の安定感、感情の乗せ方、リスナーとの距離感。どれも、今の時代に合っている」
褒め言葉だと分かっていても、胸の奥がむず痒くなる。
自分の積み重ねが、知らないところで評価されていた事実に、戸惑いのほうが勝っていた。
資料には、番組構成の案や、想定される出演形式が書かれている。その一つひとつを、俺は慎重に目で追った。
そのとき、ノックの音がして、会議室の扉が開いた。
「遅くなりました」
入ってきたのは、番組プロデューサーだった。柔らかな笑みを浮かべた女性で、場の空気が一段階和らぐ。
「初めまして。プロデューサーの妻形《つまがた》です」
名刺を受け取り、軽く頭を下げる。
「実は私、姫宮みことさんの配信、かなり前から見てるんですよ。新参ではありますが、大ファンです!」
「……え?」
「百万人登録者記念配信も、オンタイムで」
一瞬、言葉を失った。
まさか、ここで“ファン”という言葉を聞くとは思っていなかった。
「番組としても、無理なお願いをするつもりはありません」
プロデューサーは、そう前置きしてから話を続けた。
今回の件は、あくまでも桐立健太郎本人からの楽曲提供の意向が先にあること。
番組出演は、その延長線上にある選択肢のひとつに過ぎないということ。
「つまり、出演をお断りいただいても、楽曲の提供自体は成立します」
その言葉に、肩の力が少し抜けた。
「もちろん、ギャランティも発生します。ボイスチェンジャーを使用し、顔出しは一切なし。姫宮みこととしての出演です」
俺の中で、ひとつずつ条件が整理されていく。
顔は出さない。
本名も出さない。
あくまでも、配信者・姫宮みこととして。
それならば――。
だが同時に、頭の中には雪乃の顔が浮かんでいた。
この選択が、自分一人のものではないことを、改めて思い知らされる。
「……すぐに返事はできません」
俺は正直にそう言った。
「家族と相談して決めたいです。ただ……前向きに検討させていただきます」
プロデューサーは、満足そうに頷いた。
「ありがとうございます。その言葉だけで、今日は十分です」
会議室を出るころには、最初に感じていた緊張は、別の重さに変わっていた。
期待。
責任。
そして、選択。
テレビ局の外に出ると、曇っていた空の向こうから、わずかに陽が差していた。
(ここまで来たんだな……)
姫宮みことは、もう画面の中だけの存在ではない。
だが、だからこそ、慎重でありたい。
俺はスマホを取り出し、まだ送らないメッセージの画面を開いた。
宛先は――雪乃。
指を止め、深く息を吸う。
話すべきことは、山ほどある。
だが、順番を間違えてはいけない。
ポケットにスマホを戻し、俺はもう一度、テレビ局の建物を振り返った。
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