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第3章 配信者「姫宮みこと」
第43話 傾く天秤
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「めっちゃ凄いじゃん!! やりなよ!」
雪乃は、ほとんど間髪入れずにそう言った。
俺が話し終える前から、結論は決まっていたみたいに。
「え、ちょっと待って。まだ全部言ってないんだけど」
「だってさ、有名歌番組でしょ? しかも桐立健太郎でしょ? やらない理由なくない?」
ダイニングの椅子に腰かけた雪乃は、テーブルに両肘をつき、目を輝かせている。
その様子を見ていると、こっちが慎重になっているのが、なんだか悪いことのように思えてくる。
「顔出しはしなくていいって話だし、声だけなんでしょ? だったら“姫宮みこと”として出るだけじゃん」
「……そうなんだけどさ」
言葉を濁す俺を、雪乃はじっと見つめた。
「パパ、また“失敗したらどうしよう”って考えてるでしょ」
図星だった。
何かがうまく行き始めると、その先にある“崩れる可能性”ばかりが目につく。
失う痛みを知っているからこそ、手を伸ばすのが怖くなる。
「怖いならさ、一緒に考えればいいじゃん」
雪乃は、そう言って少しだけ声のトーンを落とした。
「パパが頑張ってるの、ちゃんと見てるよ。配信も、ボイトレも、筋トレも。毎日さ」
胸の奥が、じんわりと熱くなる。
「それに……」
雪乃は、照れたように視線を逸らした。
「正直、ちょっと誇らしいし」
その一言で、腹の底に溜まっていた迷いが、少しだけ溶けた気がした。
「……前向きに検討する、って返事はした」
「じゃあ、それでいいじゃん!」
即断即決。
中学生らしい単純さが、今はやけに頼もしい。
「配信では、まだ言えないけどな」
「そりゃそうでしょ。匂わせとか炎上するし」
妙にリアルな指摘に苦笑する。
「だから、しばらくは“ボイトレ頑張ってます”くらいにしておく」
「いいと思う」
雪乃はうなずきながら言った。
〈今でも上手いけどな〉
〈配信者としては十分過ぎる歌唱レベル〉
――リスナーの声が、脳裏をよぎる。
だが、それに甘えた瞬間、止まってしまう気がしていた。
「今の生活、壊したくないんだ」
ぽつりと漏れた本音に、雪乃は小さく笑った。
「壊れないよ。パパ、ちゃんと積み上げてるもん」
その言葉に背中を押されるように、俺はボイストレーニングへの向き合い方を一段階引き上げた。
腹式呼吸。響きの位置。母音の処理。
レッスンが終わったあとも、録音しては聴き返し、細部を削っていく。
筋トレも欠かさなかった。
朝の自重トレーニング、夜の軽いウェイト。
身体を動かしている間だけは、余計な不安が頭から消える。
深夜。
いつも通りの雑談配信。
「こんばんは、姫宮みことです」
画面の向こうから、変わらないコメントが流れる。
〈今日も落ち着く〉
〈この時間助かる〉
何も特別なことは言わない。
歌も、朗読も、いつも通り。
ただ、“続ける”ことだけを大事にして、配信を終えた。
ベッドに横になり、天井を見上げる。
眠気がゆっくりと降りてきて、意識が沈んでいく。
――そのときだった。
スマホの通知音。
「……ん?」
まだ夢の中に片足を突っ込んだまま、端末に手を伸ばそうとした瞬間――
「パパ!!」
勢いよくドアが開き、寝起きの雪乃が飛び込んできた。
「ちょ、どうした……?」
「やばい! 見て!」
差し出されたスマホの画面には、桐立健太郎の公式SNS。
短い文章と、意味深な一文。
―――「声に、恋をした夜がある。」
添えられたハッシュタグが、静かに燃え始めていた。
俺は、息を呑んだ。
物語は、もうこちらの都合なんて待ってくれない。
◇◆
桐立健太郎が、楽曲提供をすることを“匂わせ”ではなく、ほとんど明言に近い形で口にしたのは、その翌日の昼だった。
ワイドショー。音楽ニュース。SNS。
どこを見ても、同じ話題が渦を巻いている。
「桐立健太郎、新人女性ボーカルに楽曲提供か?」
「顔出しなし? 謎の“声の主”に注目集まる」
――俺は、脂汗をかいていた。
自分の名前が出ているわけじゃない。
姫宮みことだとバレているわけでもない。
それなのに、胸の奥が落ち着かない。
(やめてくれ……そんなに煽らないでくれ……)
話題が大きくなるほど、隠れていたものが照らされていく気がする。
光は、必ず影を生む。
午後。
ボイストレーニングのスタジオで、いつものように発声練習を終えたあと、トレーナーがふとカルテを見ながら言った。
「この半年ほどで、かなり上達しましたね」
「……ありがとうございます」
腹に落とした息。
声の芯。
高音の抜け。
以前は意識しないとできなかったことが、今は無意識でできている。
「それでも通われているということは……プロを目指しているからですか?」
柔らかな問いかけだった。
試すようでも、詮索でもない。
俺は一瞬だけ言葉に詰まり、曖昧に笑った。
「……まぁ」
それ以上は、何も言わなかった。
言えなかった、という方が正しい。
夜。
深夜の雑談配信。
「こんばんは、姫宮みことです」
いつもと同じ声。
いつもと同じ挨拶。
だが、コメント欄の空気は、少しだけ違っていた。
〈今日も落ち着く〉
〈姫宮の声ほんと沁みる〉
そして――。
〈桐立、誰に曲書くんだろ〉
〈声に恋をした夜、ってやつ?〉
〈ウチの姫宮にも歌つくってくれないかなぁ〉
心臓が、ひくりと跳ねる。
「えー……最近、音楽界隈が賑やかだね」
できるだけ、軽く。
いつも通りを装う。
〈オレらは姫宮に惚れた夜がある〉
〈それな〉
〈声だけで好きにさせる女〉
コメントが、冗談めいた熱を帯びて流れていく。
バレてはいない。
誰も、確証を持っていない。
それでも――。
(近い。近すぎる)
配信者として、声で生きている以上、避けられない道なのかもしれない。
だが、今はまだ、その境界線の手前にいたい。
「……歌はね、もう少し上手くなってから」
ぽつりと落とした言葉に、コメントが返る。
〈今でも十分だよ〉
〈焦らなくていい〉
その優しさが、胸に沁みる。
同時に、怖くもなる。
配信を終え、マイクをオフにした部屋は静かだった。
冷えた空気の中で、俺は一人、息を整える。
(逃げてるわけじゃない)
ただ、準備をしているだけだ。
そう言い聞かせながら。
◇◆◇◆
姫宮みこと――その名前を、私は最初「よくある配信者のハンドルネーム」程度にしか認識していなかった。
だが、桐立健太郎が口を滑らせた――いや、意図的に“匂わせた”瞬間から、状況は一変した。
たった一文。
たった一枚の、スタジオ写真と短いコメント。
それだけで、世間は一気に色めき立った。
桐立健太郎は、言わずと知れた国民的シンガーソングライターだ。
彼が「今、とても面白い声の持ち主と仕事をしている」と言えば、それはもう、答え合わせのようなものだった。
SNSは期待で溢れた。
正体探しが始まり、候補者の名前が次々と挙げられ、憶測が憶測を呼ぶ。
その中で、異様なほど名前が浮上してきた存在。
顔出しをせず、声だけで支持を集める配信者――姫宮みこと。
(……なるほど)
私は、ディレクターから渡された資料をめくりながら、静かに息を吐いた。
確かに、数字はある。
登録者数。
同時接続。
アーカイブの再生回数。
だが、それ以上に引っかかったのは、音声データだった。
初めて聴いたとき、思わず再生を止めた。
そして、もう一度、最初から聴き直した。
技巧ではない。
完成度でもない。
――「感情の置き場」を知っている声。
桐立が目を留めた理由も、理解できた。
だが、理解できることと、番組に起用できるかどうかは、まったく別の話だ。
一ヶ月後に控えた歌番組は、ゴールデンタイム。
スポンサーも、編成も、すでに動いている。
ここに、事務所未所属の人間を放り込む――それが、どれほど神経を使う判断か。
契約。
権利。
リスク管理。
なにか一つでも躓けば、番組全体に傷がつく。
(……それでも)
私は、資料を閉じた。
桐立健太郎は、無責任な人間ではない。
むしろ、慎重すぎるほどだ。
その彼が、名前を出さずに“期待”だけを先行させた。
それはつまり、「覚悟がある」という意思表示でもある。
顔出しはしない。
ボイスチェンジャー越しでも構わない。
姫宮みこととして、姫宮みことのまま、歌う。
前例がないわけじゃない。
だが、成功例は少ない。
それでも――番組は、新しい“物語”を欲している。
視聴率のためだけじゃない。
歌番組が、ただの消費物にならないために。
(難しい起用ほど、やりがいがある)
私はそういう現場で、ずっと生きてきた。
姫宮みこと。
声だけの存在。
まだ何者でもなく、だからこそ、何者にもなり得る人間。
「妻形さーん。打ち合わせお願いしまーす」
「はーい、今行きます」
一ヶ月後。
スタジオのライトの下で、その声が鳴ったとき――。
世間が何を感じるのか。
期待と不安を天秤にかけながら、私は静かに、その瞬間を待っている。
雪乃は、ほとんど間髪入れずにそう言った。
俺が話し終える前から、結論は決まっていたみたいに。
「え、ちょっと待って。まだ全部言ってないんだけど」
「だってさ、有名歌番組でしょ? しかも桐立健太郎でしょ? やらない理由なくない?」
ダイニングの椅子に腰かけた雪乃は、テーブルに両肘をつき、目を輝かせている。
その様子を見ていると、こっちが慎重になっているのが、なんだか悪いことのように思えてくる。
「顔出しはしなくていいって話だし、声だけなんでしょ? だったら“姫宮みこと”として出るだけじゃん」
「……そうなんだけどさ」
言葉を濁す俺を、雪乃はじっと見つめた。
「パパ、また“失敗したらどうしよう”って考えてるでしょ」
図星だった。
何かがうまく行き始めると、その先にある“崩れる可能性”ばかりが目につく。
失う痛みを知っているからこそ、手を伸ばすのが怖くなる。
「怖いならさ、一緒に考えればいいじゃん」
雪乃は、そう言って少しだけ声のトーンを落とした。
「パパが頑張ってるの、ちゃんと見てるよ。配信も、ボイトレも、筋トレも。毎日さ」
胸の奥が、じんわりと熱くなる。
「それに……」
雪乃は、照れたように視線を逸らした。
「正直、ちょっと誇らしいし」
その一言で、腹の底に溜まっていた迷いが、少しだけ溶けた気がした。
「……前向きに検討する、って返事はした」
「じゃあ、それでいいじゃん!」
即断即決。
中学生らしい単純さが、今はやけに頼もしい。
「配信では、まだ言えないけどな」
「そりゃそうでしょ。匂わせとか炎上するし」
妙にリアルな指摘に苦笑する。
「だから、しばらくは“ボイトレ頑張ってます”くらいにしておく」
「いいと思う」
雪乃はうなずきながら言った。
〈今でも上手いけどな〉
〈配信者としては十分過ぎる歌唱レベル〉
――リスナーの声が、脳裏をよぎる。
だが、それに甘えた瞬間、止まってしまう気がしていた。
「今の生活、壊したくないんだ」
ぽつりと漏れた本音に、雪乃は小さく笑った。
「壊れないよ。パパ、ちゃんと積み上げてるもん」
その言葉に背中を押されるように、俺はボイストレーニングへの向き合い方を一段階引き上げた。
腹式呼吸。響きの位置。母音の処理。
レッスンが終わったあとも、録音しては聴き返し、細部を削っていく。
筋トレも欠かさなかった。
朝の自重トレーニング、夜の軽いウェイト。
身体を動かしている間だけは、余計な不安が頭から消える。
深夜。
いつも通りの雑談配信。
「こんばんは、姫宮みことです」
画面の向こうから、変わらないコメントが流れる。
〈今日も落ち着く〉
〈この時間助かる〉
何も特別なことは言わない。
歌も、朗読も、いつも通り。
ただ、“続ける”ことだけを大事にして、配信を終えた。
ベッドに横になり、天井を見上げる。
眠気がゆっくりと降りてきて、意識が沈んでいく。
――そのときだった。
スマホの通知音。
「……ん?」
まだ夢の中に片足を突っ込んだまま、端末に手を伸ばそうとした瞬間――
「パパ!!」
勢いよくドアが開き、寝起きの雪乃が飛び込んできた。
「ちょ、どうした……?」
「やばい! 見て!」
差し出されたスマホの画面には、桐立健太郎の公式SNS。
短い文章と、意味深な一文。
―――「声に、恋をした夜がある。」
添えられたハッシュタグが、静かに燃え始めていた。
俺は、息を呑んだ。
物語は、もうこちらの都合なんて待ってくれない。
◇◆
桐立健太郎が、楽曲提供をすることを“匂わせ”ではなく、ほとんど明言に近い形で口にしたのは、その翌日の昼だった。
ワイドショー。音楽ニュース。SNS。
どこを見ても、同じ話題が渦を巻いている。
「桐立健太郎、新人女性ボーカルに楽曲提供か?」
「顔出しなし? 謎の“声の主”に注目集まる」
――俺は、脂汗をかいていた。
自分の名前が出ているわけじゃない。
姫宮みことだとバレているわけでもない。
それなのに、胸の奥が落ち着かない。
(やめてくれ……そんなに煽らないでくれ……)
話題が大きくなるほど、隠れていたものが照らされていく気がする。
光は、必ず影を生む。
午後。
ボイストレーニングのスタジオで、いつものように発声練習を終えたあと、トレーナーがふとカルテを見ながら言った。
「この半年ほどで、かなり上達しましたね」
「……ありがとうございます」
腹に落とした息。
声の芯。
高音の抜け。
以前は意識しないとできなかったことが、今は無意識でできている。
「それでも通われているということは……プロを目指しているからですか?」
柔らかな問いかけだった。
試すようでも、詮索でもない。
俺は一瞬だけ言葉に詰まり、曖昧に笑った。
「……まぁ」
それ以上は、何も言わなかった。
言えなかった、という方が正しい。
夜。
深夜の雑談配信。
「こんばんは、姫宮みことです」
いつもと同じ声。
いつもと同じ挨拶。
だが、コメント欄の空気は、少しだけ違っていた。
〈今日も落ち着く〉
〈姫宮の声ほんと沁みる〉
そして――。
〈桐立、誰に曲書くんだろ〉
〈声に恋をした夜、ってやつ?〉
〈ウチの姫宮にも歌つくってくれないかなぁ〉
心臓が、ひくりと跳ねる。
「えー……最近、音楽界隈が賑やかだね」
できるだけ、軽く。
いつも通りを装う。
〈オレらは姫宮に惚れた夜がある〉
〈それな〉
〈声だけで好きにさせる女〉
コメントが、冗談めいた熱を帯びて流れていく。
バレてはいない。
誰も、確証を持っていない。
それでも――。
(近い。近すぎる)
配信者として、声で生きている以上、避けられない道なのかもしれない。
だが、今はまだ、その境界線の手前にいたい。
「……歌はね、もう少し上手くなってから」
ぽつりと落とした言葉に、コメントが返る。
〈今でも十分だよ〉
〈焦らなくていい〉
その優しさが、胸に沁みる。
同時に、怖くもなる。
配信を終え、マイクをオフにした部屋は静かだった。
冷えた空気の中で、俺は一人、息を整える。
(逃げてるわけじゃない)
ただ、準備をしているだけだ。
そう言い聞かせながら。
◇◆◇◆
姫宮みこと――その名前を、私は最初「よくある配信者のハンドルネーム」程度にしか認識していなかった。
だが、桐立健太郎が口を滑らせた――いや、意図的に“匂わせた”瞬間から、状況は一変した。
たった一文。
たった一枚の、スタジオ写真と短いコメント。
それだけで、世間は一気に色めき立った。
桐立健太郎は、言わずと知れた国民的シンガーソングライターだ。
彼が「今、とても面白い声の持ち主と仕事をしている」と言えば、それはもう、答え合わせのようなものだった。
SNSは期待で溢れた。
正体探しが始まり、候補者の名前が次々と挙げられ、憶測が憶測を呼ぶ。
その中で、異様なほど名前が浮上してきた存在。
顔出しをせず、声だけで支持を集める配信者――姫宮みこと。
(……なるほど)
私は、ディレクターから渡された資料をめくりながら、静かに息を吐いた。
確かに、数字はある。
登録者数。
同時接続。
アーカイブの再生回数。
だが、それ以上に引っかかったのは、音声データだった。
初めて聴いたとき、思わず再生を止めた。
そして、もう一度、最初から聴き直した。
技巧ではない。
完成度でもない。
――「感情の置き場」を知っている声。
桐立が目を留めた理由も、理解できた。
だが、理解できることと、番組に起用できるかどうかは、まったく別の話だ。
一ヶ月後に控えた歌番組は、ゴールデンタイム。
スポンサーも、編成も、すでに動いている。
ここに、事務所未所属の人間を放り込む――それが、どれほど神経を使う判断か。
契約。
権利。
リスク管理。
なにか一つでも躓けば、番組全体に傷がつく。
(……それでも)
私は、資料を閉じた。
桐立健太郎は、無責任な人間ではない。
むしろ、慎重すぎるほどだ。
その彼が、名前を出さずに“期待”だけを先行させた。
それはつまり、「覚悟がある」という意思表示でもある。
顔出しはしない。
ボイスチェンジャー越しでも構わない。
姫宮みこととして、姫宮みことのまま、歌う。
前例がないわけじゃない。
だが、成功例は少ない。
それでも――番組は、新しい“物語”を欲している。
視聴率のためだけじゃない。
歌番組が、ただの消費物にならないために。
(難しい起用ほど、やりがいがある)
私はそういう現場で、ずっと生きてきた。
姫宮みこと。
声だけの存在。
まだ何者でもなく、だからこそ、何者にもなり得る人間。
「妻形さーん。打ち合わせお願いしまーす」
「はーい、今行きます」
一ヶ月後。
スタジオのライトの下で、その声が鳴ったとき――。
世間が何を感じるのか。
期待と不安を天秤にかけながら、私は静かに、その瞬間を待っている。
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