17 / 84
第2章
第17話 3人(もしくはそれ以上)プレイ
しおりを挟む
「ぬわっ!?」
「『凜音様ぁぁ!』」
大気を震わせるような爆風と衝撃を伴いながら倒れるゴーレム。
ランチョンを抱えながらそれに耐え、しばらく経ってから目を開ける。
<おめでとうございます。ダンジョン最終試練、ミスリルゴーレム・コアの討伐が完了しました。報酬としてダンジョンに蓄えられていた物が全て開放されます!>
「お?」
「『え?』」
謎の声の後、ゴーレムと俺との間に大量の――それこそ山のような様々な鉱石、それに剣、杖といった魔道具らしきものがいくつかと骨がたくさん。
……骨?
「『んへぇ~~~……キュゥ~……』」
「これは……一体何だ……?」
奇声を上げているランチョンを無視し、骨を調べてみる。
骨には衣服やカバンなどが身につけられており、まるで今まで探索していたかのようないでたちだ。
「『……凜音様、彼女らのカバンの中身をお見せくださいませ――ペン』」
「ん……これは……」
中からは目を背けたくなるような状態の食料品や……探索者の証であるカード、それと折りたたみ式の携帯電話などが入っていた。
「『食料品の製造年月日や持ち物から推測するに、彼女は30年程前の探索者と思われます。恐らくこのダンジョン探索中に死亡したのでしょう――ペン』」
「……なるほど。そうなると、魔具のような物は彼女らの所持品だったかもしれないな。かなり状態が悪い」
状態がいいのはインゴット状に加工されている鉱石だけ。ダンジョン報酬には魔具は含まれていなかったようだ。
ここがゴーレムダンジョンだからだろうか。
「『誠に勝手ながら、こちらで回収班を手配してもよろしいでしょうか? さすがにこれほどの量……それに、ミスリルゴーレムの残骸を持ち運べるほど、指輪の収納量は大きくありません――ペン』」
「お任せします。あ、でもミスリルゴーレムは特に丁重にお願いね! フランのために命がけで獲ったんだから!」
宝石じゃないけど……この量のミスリルであれば彼女も喜んでくれるに違いない!
「『……』」
「……ランチョン? もしもし?」
「『……』」
「おーい! ……壊れちゃった……?」
反応しなくなったランチョン。頭のプロペラは回っているので故障しているわけではないと思うが……。
「仕方がない、ランチョンだけ収納して持って帰るか……」
こうして、フランへの贈り物探しとダンジョン破壊の両方を達成することができた俺は帰路に就いたのだった。
◆◇◆◇◆◇
「ただいま~!」
「凜音様! ご無事で何よりですわぁ~~~!」
「凛ちゃん! もぉ~、すっごく心配したんだからぁ~!」
最寄りの安全区で待機してくれていた真世さんに送られ、家に着いたのは夜。
涙目になったフランと真里愛にそれぞれ抱きつかれ、労われる。
「お疲れ様でございました。お風呂にしますか? それともお食事になさいますか?」
「お風呂――何、その紙……?」
迎えてくれたフランお付のメイドさんの2人目、まひるさん。年齢はフランと同じくらいか。その彼女の顔には、『バカは私です』と書かれた紙が貼ってある。
「お気になさらないでください。ちょっとした罰ですので」
「はぁ……しかしそれじゃあ前も見えないんじゃ……」
「宝条家に使えるメイドたるもの、前が見えない程度では何の問題もございませんよ」
その宝条家のメイドさんが顔にバカと書かれた紙を貼っていることは問題じゃないのだろうか……。
あと、微妙に俺のいる方向とはズレて話をしているのだが。
「本当にお気になさらないでください。それと、申し訳ございませんでした」
「? 何を謝られているかわからんけど……」
「……これでも気付かないなんて、本当にバ――痛いっ!?」
ボソボソと小さな声で何かを言っていたまひるさんを、真世さんが無言で叩く。何が何だかわからない。
「こほん。本来であれば、わたくしもお風呂にご一緒してたっぷりご奉仕させて頂きたいところなのですが、あいにくこの後やらなければいけないことが多く……わたくしたちは1度実家に戻らせて頂きますわ!」
「そうなの? もう夜だけど……」
「はい!」
やけに嬉しそうな顔のフラン。
「例のダンジョン報酬の回収のためにいろいろしなきゃいけないんだって~! フランちゃんにありがとうって言うんだよ~♪」
「あぁ……ありがとうね、フラン。それに真世さんもまひるさんも……お手数おかけします」
「いえ、これも妻の役目ですわ! それに、凜音様が命がけで手に入れてくれた物ですから!」
「喜んで貰えたようで何よりだよ! これで少しはお返しできたかな?」
そう言ったところ、フランの顔が曇ってしまった。変なことを言ったつもりはないんだけど……。
「……画面を通して見ただけですので正確なことは言えませんが……あの巨大なミスリルだけでも莫大な富となりますわぁ~……それに比べたらわたくしの差し上げた指輪なんて石ころみたいなものですの……」
「そ、そんな事言わないで……俺にとってはかけがえのない物なんだから。すごく役立ってるし」
「……いえ、所詮あれは家に伝わっていた物でわたくしがしたことと言えば……お母様に無理を言って頂戴したくらいですので……命がけで手に入れてくださった物などとは比べ物に……」
いかん、さらに落ち込んでる!
かくなる上は……!
「じゃあさ! あのミスリルでフランや真里愛用の指輪を作ってよ!」
「……えぇ、わかりましたわ」
「俺が頑張って採ってきた物をフランが指輪にしてくれる……これってまさに……」
「――はっ!? 紛れもない共同作業! 愛の結晶! こんなの……こんなの完全におセッ◯スですわぁ~~~! こうしてはいられません! 早く回収しなければ!」
既に何度もおセッ◯スしてるけどね。さらに言えば加工してくれる職人さんとの3Pでもある。
「いってきますわぁ~~~!」
「いってらっしゃい」
意気揚々と家を出ていくフランたちを満たされた気持ちで見送り、残された俺達は……。
「それじゃあ~、今日はママとばぶばぶ共同作業ちまちょうねぇ~♪」
「マ、ママ……? ばぶばぶ……?」
「凛ちゃんはお風呂に1人で入れまちぇんもんねぇ~♪ ママがごしごしちてあげまちゅからねぇ~♡」
「マ――真里愛!? それ以上は――!?」
いけない! そこから先は闇だッ!
「ばぶばぶ♡ よちよち♡ じょうずにぴゅっぴゅ、できまちゅかぁ~♡」
「『凜音様ぁぁ!』」
大気を震わせるような爆風と衝撃を伴いながら倒れるゴーレム。
ランチョンを抱えながらそれに耐え、しばらく経ってから目を開ける。
<おめでとうございます。ダンジョン最終試練、ミスリルゴーレム・コアの討伐が完了しました。報酬としてダンジョンに蓄えられていた物が全て開放されます!>
「お?」
「『え?』」
謎の声の後、ゴーレムと俺との間に大量の――それこそ山のような様々な鉱石、それに剣、杖といった魔道具らしきものがいくつかと骨がたくさん。
……骨?
「『んへぇ~~~……キュゥ~……』」
「これは……一体何だ……?」
奇声を上げているランチョンを無視し、骨を調べてみる。
骨には衣服やカバンなどが身につけられており、まるで今まで探索していたかのようないでたちだ。
「『……凜音様、彼女らのカバンの中身をお見せくださいませ――ペン』」
「ん……これは……」
中からは目を背けたくなるような状態の食料品や……探索者の証であるカード、それと折りたたみ式の携帯電話などが入っていた。
「『食料品の製造年月日や持ち物から推測するに、彼女は30年程前の探索者と思われます。恐らくこのダンジョン探索中に死亡したのでしょう――ペン』」
「……なるほど。そうなると、魔具のような物は彼女らの所持品だったかもしれないな。かなり状態が悪い」
状態がいいのはインゴット状に加工されている鉱石だけ。ダンジョン報酬には魔具は含まれていなかったようだ。
ここがゴーレムダンジョンだからだろうか。
「『誠に勝手ながら、こちらで回収班を手配してもよろしいでしょうか? さすがにこれほどの量……それに、ミスリルゴーレムの残骸を持ち運べるほど、指輪の収納量は大きくありません――ペン』」
「お任せします。あ、でもミスリルゴーレムは特に丁重にお願いね! フランのために命がけで獲ったんだから!」
宝石じゃないけど……この量のミスリルであれば彼女も喜んでくれるに違いない!
「『……』」
「……ランチョン? もしもし?」
「『……』」
「おーい! ……壊れちゃった……?」
反応しなくなったランチョン。頭のプロペラは回っているので故障しているわけではないと思うが……。
「仕方がない、ランチョンだけ収納して持って帰るか……」
こうして、フランへの贈り物探しとダンジョン破壊の両方を達成することができた俺は帰路に就いたのだった。
◆◇◆◇◆◇
「ただいま~!」
「凜音様! ご無事で何よりですわぁ~~~!」
「凛ちゃん! もぉ~、すっごく心配したんだからぁ~!」
最寄りの安全区で待機してくれていた真世さんに送られ、家に着いたのは夜。
涙目になったフランと真里愛にそれぞれ抱きつかれ、労われる。
「お疲れ様でございました。お風呂にしますか? それともお食事になさいますか?」
「お風呂――何、その紙……?」
迎えてくれたフランお付のメイドさんの2人目、まひるさん。年齢はフランと同じくらいか。その彼女の顔には、『バカは私です』と書かれた紙が貼ってある。
「お気になさらないでください。ちょっとした罰ですので」
「はぁ……しかしそれじゃあ前も見えないんじゃ……」
「宝条家に使えるメイドたるもの、前が見えない程度では何の問題もございませんよ」
その宝条家のメイドさんが顔にバカと書かれた紙を貼っていることは問題じゃないのだろうか……。
あと、微妙に俺のいる方向とはズレて話をしているのだが。
「本当にお気になさらないでください。それと、申し訳ございませんでした」
「? 何を謝られているかわからんけど……」
「……これでも気付かないなんて、本当にバ――痛いっ!?」
ボソボソと小さな声で何かを言っていたまひるさんを、真世さんが無言で叩く。何が何だかわからない。
「こほん。本来であれば、わたくしもお風呂にご一緒してたっぷりご奉仕させて頂きたいところなのですが、あいにくこの後やらなければいけないことが多く……わたくしたちは1度実家に戻らせて頂きますわ!」
「そうなの? もう夜だけど……」
「はい!」
やけに嬉しそうな顔のフラン。
「例のダンジョン報酬の回収のためにいろいろしなきゃいけないんだって~! フランちゃんにありがとうって言うんだよ~♪」
「あぁ……ありがとうね、フラン。それに真世さんもまひるさんも……お手数おかけします」
「いえ、これも妻の役目ですわ! それに、凜音様が命がけで手に入れてくれた物ですから!」
「喜んで貰えたようで何よりだよ! これで少しはお返しできたかな?」
そう言ったところ、フランの顔が曇ってしまった。変なことを言ったつもりはないんだけど……。
「……画面を通して見ただけですので正確なことは言えませんが……あの巨大なミスリルだけでも莫大な富となりますわぁ~……それに比べたらわたくしの差し上げた指輪なんて石ころみたいなものですの……」
「そ、そんな事言わないで……俺にとってはかけがえのない物なんだから。すごく役立ってるし」
「……いえ、所詮あれは家に伝わっていた物でわたくしがしたことと言えば……お母様に無理を言って頂戴したくらいですので……命がけで手に入れてくださった物などとは比べ物に……」
いかん、さらに落ち込んでる!
かくなる上は……!
「じゃあさ! あのミスリルでフランや真里愛用の指輪を作ってよ!」
「……えぇ、わかりましたわ」
「俺が頑張って採ってきた物をフランが指輪にしてくれる……これってまさに……」
「――はっ!? 紛れもない共同作業! 愛の結晶! こんなの……こんなの完全におセッ◯スですわぁ~~~! こうしてはいられません! 早く回収しなければ!」
既に何度もおセッ◯スしてるけどね。さらに言えば加工してくれる職人さんとの3Pでもある。
「いってきますわぁ~~~!」
「いってらっしゃい」
意気揚々と家を出ていくフランたちを満たされた気持ちで見送り、残された俺達は……。
「それじゃあ~、今日はママとばぶばぶ共同作業ちまちょうねぇ~♪」
「マ、ママ……? ばぶばぶ……?」
「凛ちゃんはお風呂に1人で入れまちぇんもんねぇ~♪ ママがごしごしちてあげまちゅからねぇ~♡」
「マ――真里愛!? それ以上は――!?」
いけない! そこから先は闇だッ!
「ばぶばぶ♡ よちよち♡ じょうずにぴゅっぴゅ、できまちゅかぁ~♡」
12
あなたにおすすめの小説
現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜
涼月 風
ファンタジー
御門賢一郎は過去にトラウマを抱える高校一年生。
ゴールデンウィークにソロキャンプに行き、そこで綺麗な石を拾った。
しかし、その直後雷に打たれて意識を失う。
奇跡的に助かった彼は以前の彼とは違っていた。
そんな彼が成長する為に異世界に行ったり又、現代で錬金術をしながら生活する物語。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜
昼寝部
ファンタジー
2XXX年、X月。
俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。
そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。
その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。
俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。
これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
異世界帰りのハーレム王
ぬんまる兄貴
ファンタジー
俺、飯田雷丸。どこにでもいる普通の高校生……だったはずが、気づいたら異世界に召喚されて魔王を倒してた。すごいだろ?いや、自分でもびっくりしてる。異世界で魔王討伐なんて人生のピークじゃねぇか?でも、そのピークのまま現実世界に帰ってきたわけだ。
で、戻ってきたら、日常生活が平和に戻ると思うだろ?甘かったねぇ。何か知らんけど、妖怪とか悪魔とか幽霊とか、そんなのが普通に見えるようになっちまったんだよ!なんだこれ、チート能力の延長線上か?それとも人生ハードモードのお知らせか?
異世界で魔王を倒した俺が、今度は地球で恋と戦いとボールを転がす!最高にアツいハーレムバトル、開幕!
異世界帰りのハーレム王
朝7:00/夜21:00に各サイトで毎日更新中!
男が少ない世界に転生して
美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです!
旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします!
交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。
転生?したら男女逆転世界
美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。
※カクヨム様にも掲載しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる