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第3章
第22話 視界が反転しても通常運転を心がけよう
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――1か月後。
今日からいよいよ生配信をしながらの探索だ。表の方、『アヘ顔ダブルピース』のみなさんと一緒の方だけど。
ちなみにだが、これまでの様子を編集していくつか投稿しているらしい。その辺は雪さん頼りなのでわからないが……。
なぜか雪さんやフランたちにまでその動画を見ることを禁止されている。
まぁ、低評価とかついてたら嫌だしいいんだけどね……。
「こんにちは! いつも見てくださりありがと――」
【始まった!!! (10000円)】
【動いてるぅ! 本当に凜音きゅんが動いてるぅぅぅ!!! (10000円)】
【CGじゃなかったんだ! 神様ありがとう! (10000円)】
【ダンジョン攻略生配信ってマジ? そんなことできるの?】
「あ、あはは……開始早々のスパチャありがとね! 今日はこれから――」
【かわいい! かわいいが過ぎるぅ! (10000円)】
【『かわいい男の子が頑張って立派な探索者を目指します!』の子だよね? 実在したんだ……】
【ちょっと! それ禁句!】
……ん?
「それ、多分僕じゃないですよ? 駆け出し冒険者向けの解説動画しか上げていないはずですから!」
もしかしたら俺以外の男性探索者がいるのか? ならば1度会ってみたいものだが……。
【そうそう! 私も参考にしてるよ! (10000円)】
【私も!(10000円)】
【私も!(10000円)】
【私も!(10000円)】
同じようなコメントがしばらく流れる。みんな息ぴったりだね。
「ありがとう! でもみなさんあまりスパチャしすぎないでね! お金は大切に!」
爽やかな笑顔で言うのがコツだ!
【いやん♡ 優しいのね♡ (10000円)】
【大丈夫! お姉さんこの日のためにいっぱい貯金してたから! (10000円)】
【私のお金が凜音きゅんの血肉になると思っただけで孕めるわ (10000円)】
【ほんとはあめちゃんあげたいの! (10000円)】
既に大量のスパチャとともにコメントが――右耳に装着したイヤホンから絶えることなく1万円を告げる機械音声が流れてくる。がっぽりですな!
内心ほくそ笑んでいるところに、星奈さんから話を進めろというジェスチャーが。
「『凜音様、そろそろ行きますわよペン!』」
「ランチョン、ごめんね~! ではでは……今日はランクDのダンジョン攻略に行ってみたいと思います! 初めての挑戦なので……緊張しますね」
【いいなぁ、凜音きゅんの初めて貰えて (10000円)】
【私の初めても貰ってほしいなぁ~ (10000円)】
【ダンジョン生配信って本当にできるの? ダンジョンに入ったら電波が通じなくなるよね?】
「その通り! そこで活躍してくれるのがこのランチョンなのです! 宝条グループの研究者さんたちが長年の研究の結果、ダンジョンの境界を越えて通信できる技術を確立したのだとか!」
「『そうなのですわペン! さらに! 可愛らしいだけでなく様々な情報の提供も可能な優れ物なのですわペン!』」
【ランチョンの発売まだですか? (10000円)】
【マジ? サラッと技術革命起こってない?】
【そんなことよりおそろいのぬいぐるみが欲しいわ (10000円)】
「『今はまだ試作段階で凜音様の配信活動をお手伝いしつつ実戦テスト中ですので、みなさまはもう少しお待ち下さいペン』」
「ということで! 宝条財閥さんからのサポートを受け、今日はゴブリンダンジョンです! 単体では弱いのですが、群れになると非常に危険です!」
【ダメ! 逃げて! (10000円)】
【私のかわいい凜音きゅんが汚されちゃう! (10000円)】
【……むしろ興奮する……かも (10000円)】
【今度の薄い本の題材にします! (10000円)】
闇が深すぎる。もうさっさと行ってしまおう。ついでにコメントの音量も下げよう。
「それでは……行きます!」
「『油断せずに行きましょうペン!』」
洞窟の入口を通り抜けると、そこは森が広がっていた。
「森林エリアのようですね! 薬草などの素材も見えますが、今日はまっすぐボス部屋を目指したいと思います」
【本当に気をつけてね (10000円)】
【木の影とかに隠れてるかもしれないよ! (10000円)】
【うぅ……こわいの…… (10000円)】
「『データによると、このダンジョンは2層だけですが、エリア自体が広く奇襲を受けやすいのが難点ですわペン!』」
「なるほど……気をつけないとだね」
さもなければ本当に薄い本のような展開に――。
「ギギーッ!」
「へっ――しまった!?」
「『凜音様っ!?』」
なんて思いながら進んでいたところ、汚い金切り声が聞こえると同時に視界が反転した!
足にロープのようなものが絡まり、木にぶら下げられている!
「ギッ!」
「ギギギィ!」
しかも何体ものゴブリンが現れ、弓をこちらに向けている!
【いやぁぁぁ!】
【凜音きゅん!?】
【嘘でしょ!?】
みんな焦ってスパチャを忘れている。
「“頭を垂れよ”『身体強化』そして『ウインド!』」
「ギーッ!」
「「「ギギィッ!」」」
最初の1匹が叫んだと同時に、弓が一斉に放たれる。
それを風の魔法で狙いを逸らし、当たりそうなものは剣で叩き落とす。
「――よしっ! たぁっ!」
矢を防ぎきり、足に絡まったロープを切る。そしてリーダーのようなゴブリンに向かってそのまま一閃!
【わぁ! (10000円)】
【いける! (10000円)】
【濡れた (10000円)】
【配信前にオムツ履いとけとあれほど (10000円)】
「このように――敵の罠にかかっても――冷静になることが――大切、です!」
喋りながら敵に斬りかかり……リーダーを失った後のゴブリンはろくな抵抗もできず、数秒後には物言わぬ屍となった。
「『……心臓が止まるかと思ったペン』」
「あはは、ランチョンに心臓ないでしょ!」
また『バカぁーーー』って言われるかと思ったけど、今回は大丈夫みたいだ。
【さすがに真似できそうにないわ (10000円)】
今日からいよいよ生配信をしながらの探索だ。表の方、『アヘ顔ダブルピース』のみなさんと一緒の方だけど。
ちなみにだが、これまでの様子を編集していくつか投稿しているらしい。その辺は雪さん頼りなのでわからないが……。
なぜか雪さんやフランたちにまでその動画を見ることを禁止されている。
まぁ、低評価とかついてたら嫌だしいいんだけどね……。
「こんにちは! いつも見てくださりありがと――」
【始まった!!! (10000円)】
【動いてるぅ! 本当に凜音きゅんが動いてるぅぅぅ!!! (10000円)】
【CGじゃなかったんだ! 神様ありがとう! (10000円)】
【ダンジョン攻略生配信ってマジ? そんなことできるの?】
「あ、あはは……開始早々のスパチャありがとね! 今日はこれから――」
【かわいい! かわいいが過ぎるぅ! (10000円)】
【『かわいい男の子が頑張って立派な探索者を目指します!』の子だよね? 実在したんだ……】
【ちょっと! それ禁句!】
……ん?
「それ、多分僕じゃないですよ? 駆け出し冒険者向けの解説動画しか上げていないはずですから!」
もしかしたら俺以外の男性探索者がいるのか? ならば1度会ってみたいものだが……。
【そうそう! 私も参考にしてるよ! (10000円)】
【私も!(10000円)】
【私も!(10000円)】
【私も!(10000円)】
同じようなコメントがしばらく流れる。みんな息ぴったりだね。
「ありがとう! でもみなさんあまりスパチャしすぎないでね! お金は大切に!」
爽やかな笑顔で言うのがコツだ!
【いやん♡ 優しいのね♡ (10000円)】
【大丈夫! お姉さんこの日のためにいっぱい貯金してたから! (10000円)】
【私のお金が凜音きゅんの血肉になると思っただけで孕めるわ (10000円)】
【ほんとはあめちゃんあげたいの! (10000円)】
既に大量のスパチャとともにコメントが――右耳に装着したイヤホンから絶えることなく1万円を告げる機械音声が流れてくる。がっぽりですな!
内心ほくそ笑んでいるところに、星奈さんから話を進めろというジェスチャーが。
「『凜音様、そろそろ行きますわよペン!』」
「ランチョン、ごめんね~! ではでは……今日はランクDのダンジョン攻略に行ってみたいと思います! 初めての挑戦なので……緊張しますね」
【いいなぁ、凜音きゅんの初めて貰えて (10000円)】
【私の初めても貰ってほしいなぁ~ (10000円)】
【ダンジョン生配信って本当にできるの? ダンジョンに入ったら電波が通じなくなるよね?】
「その通り! そこで活躍してくれるのがこのランチョンなのです! 宝条グループの研究者さんたちが長年の研究の結果、ダンジョンの境界を越えて通信できる技術を確立したのだとか!」
「『そうなのですわペン! さらに! 可愛らしいだけでなく様々な情報の提供も可能な優れ物なのですわペン!』」
【ランチョンの発売まだですか? (10000円)】
【マジ? サラッと技術革命起こってない?】
【そんなことよりおそろいのぬいぐるみが欲しいわ (10000円)】
「『今はまだ試作段階で凜音様の配信活動をお手伝いしつつ実戦テスト中ですので、みなさまはもう少しお待ち下さいペン』」
「ということで! 宝条財閥さんからのサポートを受け、今日はゴブリンダンジョンです! 単体では弱いのですが、群れになると非常に危険です!」
【ダメ! 逃げて! (10000円)】
【私のかわいい凜音きゅんが汚されちゃう! (10000円)】
【……むしろ興奮する……かも (10000円)】
【今度の薄い本の題材にします! (10000円)】
闇が深すぎる。もうさっさと行ってしまおう。ついでにコメントの音量も下げよう。
「それでは……行きます!」
「『油断せずに行きましょうペン!』」
洞窟の入口を通り抜けると、そこは森が広がっていた。
「森林エリアのようですね! 薬草などの素材も見えますが、今日はまっすぐボス部屋を目指したいと思います」
【本当に気をつけてね (10000円)】
【木の影とかに隠れてるかもしれないよ! (10000円)】
【うぅ……こわいの…… (10000円)】
「『データによると、このダンジョンは2層だけですが、エリア自体が広く奇襲を受けやすいのが難点ですわペン!』」
「なるほど……気をつけないとだね」
さもなければ本当に薄い本のような展開に――。
「ギギーッ!」
「へっ――しまった!?」
「『凜音様っ!?』」
なんて思いながら進んでいたところ、汚い金切り声が聞こえると同時に視界が反転した!
足にロープのようなものが絡まり、木にぶら下げられている!
「ギッ!」
「ギギギィ!」
しかも何体ものゴブリンが現れ、弓をこちらに向けている!
【いやぁぁぁ!】
【凜音きゅん!?】
【嘘でしょ!?】
みんな焦ってスパチャを忘れている。
「“頭を垂れよ”『身体強化』そして『ウインド!』」
「ギーッ!」
「「「ギギィッ!」」」
最初の1匹が叫んだと同時に、弓が一斉に放たれる。
それを風の魔法で狙いを逸らし、当たりそうなものは剣で叩き落とす。
「――よしっ! たぁっ!」
矢を防ぎきり、足に絡まったロープを切る。そしてリーダーのようなゴブリンに向かってそのまま一閃!
【わぁ! (10000円)】
【いける! (10000円)】
【濡れた (10000円)】
【配信前にオムツ履いとけとあれほど (10000円)】
「このように――敵の罠にかかっても――冷静になることが――大切、です!」
喋りながら敵に斬りかかり……リーダーを失った後のゴブリンはろくな抵抗もできず、数秒後には物言わぬ屍となった。
「『……心臓が止まるかと思ったペン』」
「あはは、ランチョンに心臓ないでしょ!」
また『バカぁーーー』って言われるかと思ったけど、今回は大丈夫みたいだ。
【さすがに真似できそうにないわ (10000円)】
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