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第4章
第67話 ルールは守るためにある
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その時、地面を揺らしながら何者か――否、たくさんの人がこちらに移動してくるのが見えた。
「どいて! 凜きゅんと私の聖戦の邪魔しないで!」
「お前こそどけよ! 低ランクのくせに!」
「勝ったらセッ○スのご褒美付きよ!? 何が何でも勝つわ!」
そんなご褒美用意しておりませんが!?
【くぅぅ! 私もその場にいたかった! (10000円)】
【乱パ!? 今から間に合う!? (10000円)】
【私もイク! 待ってて! (10000円)】
「せせせ星奈さん!? どーすんのこれぇっ!?」
「うっ古傷が……すまない、少し席を外す……」
場をかき乱すだけかき乱して! 何で来たのあんた!!! しかもその傷まだ新しいでしょ!
「雑魚は引っ込んでなっ!!!」
その時、混乱を極めた場と俺を鎮めたのは、まるで雷が轟いたような大声だった。
「どうしても凜音とやりたいってんならよぉ~、『紅蓮の戦処女』リーダーのオレが相手になってやんよっ!」
いかつい声と態度を示すように、真っ赤なハイレグを着た女性が俺の前に立ち、女性の波を静止する。
大きく開いた背中からは真っ白な素肌が覗き、金色の長髪が映える。銀色に輝く金属のニーハイブーツを履き、首周りはモッフモッフのファーを着てるので暑いのか寒いのかよくわからない格好だ。あと化粧が濃い。
「たかがSランクの分際で何様?」
「大丈夫、みんなで囲めば殺れる!」
「ちょ……嘘だろ?」
あまりにもひどい発言に、『紅蓮の』人もドン引きである。
「わぁ、Sランクの方なんですね! 良ければお手合わせ願えませんか? こんな機会めったにないですし!」
「お、おぉ! そうだな! ほれお前ら、聞いたな! 引っ込んでろ!」
「ちぇー!」
「やっぱSランクかぁ~……」
助けてくれた人に助け舟を出し、どうにか場も落ち着いてくれたようだ。
そのまま観戦するかのように囲まれたけど。
「それでは! 今話題の超絶甘カワ美少年、凜きゅん対Sランク探索者『紅蓮の戦処女』リーダー赤火さんの試合を始めまぁ~す! 賭けに参加したい方はあちらの職員まで!」
ギルド職員の仕事が早すぎる!
「私は凜きゅんに全財産と友達の魂を賭ける!」
「さすがに赤火さんかな~」
【えー、普通に楽しそう (10000円)】
【いいなー (10000円)】
【凜きゅん頑張って! (10000円)】
まぁ、よくわからんけどこの場の人たちも視聴者さんたちも楽しんでくれてるみたいだし!
胸を借りるつもりで全力でやろうじゃないか!
「一応試験ということなので、武器はギルドで貸し出す木刀、凜きゅんのかわいいお顔に傷はつけないこと、第1聖句までの使用のみというルールでよろしいですか?」
「いえ、俺も探索者です! 怪我を恐れてちゃ大成できません!」
「はっはー! いい覚悟だ! なぁに、顔に怪我させちまったらオレが面倒見てやんよ! 一生なぁっ!」
きれいな顔を歪ませて、獰猛な獣のような顔で不敵に笑いながら木刀を構える赤火さん! 感じるプレッシャーは魔人にも劣らない!
「……傷つけたらまじで許さないからね! それでは……始めっ!」
「――ハァッ!」
「――おっ!」
開始の合図と同時に赤火さんに肉薄する!
とりあえずの作戦、先手必勝だ!
「甘いっ! 不意打ちなど日常茶飯事だ!」
「ちっ!」
赤火さんは既に横に木刀を構えて受けの体勢。それでもせっかくなので思いっきり木刀を振り下ろす。
「とりゃあああ!」
「――んなあぁぁ!?」
赤火さんの木刀が真っ二つに折れた。さすがに本人は素早くかわすが。
しかし今がチャンス!
「ちっ! 『赤き翼』!」
「――あっつーっ!?」
赤火さんの背中から炎の翼が出現! 追撃のために接近した俺を容赦なく熱する!
「ひゃっはー! 燃えろ燃えろぉっ!」
「クソッタレめ……」
さすがに灰になる訳にはいかないので距離を取る。
「問題ない! 近づけない敵への対処法は心得ている!」
「何を――つぅっ!?」
伝家の宝刀、『その辺の小石』! 機動力を削ぐために狙いは足だ!
「ほう! なかなか戦い慣れている! それでこそ我が伴侶にふさわしい!」
その伴侶、焼き殺そうとしてませんでした? 伴侶じゃないけど。
「ならば見せてやろう! “赤き翼”“天高く舞え”『紅蓮灼火』!」
「無駄無駄無駄無駄!」
こちとら小石投げには自信が――しかし赤火さんに届く前に小石が消えた!?
「こっちのセリフだ! そんな小石程度溶かしてやるわ!」
「はぁっ!?」
デタラメだ……! よく見たら地面にドロっとした液体が落ちてる!
【小石の融点は……小石の融点って何?】
【おいバカやめろ! 凜きゅんを殺す気か!】
「かくなる上は……!」
「ほう! まだ諦めていないか! それでこそ――」
「ハイストップー! 2人ともそこまで! これはあくまで試験ですよ!」
奥義『ゴーレムの残骸投げ』を披露しようとした所、見届人であるギルド職員さんが制止の声を上げる。
「何を言っている! 勝負はここからだぞ!」
「いえ、あなたの負けです」
「はぁ!?」
「ルールは第1聖句まで、としていましたからね。ルール違反により反則負けです」
……確かに!
【やはり脳筋だったか】
【凜きゅんの勝ち! (10000円)】
「……ちっ。わかったよ、オレの負けだ!」
案外聞き分けはいいようで、背中の炎の翼を解除する赤火さん。
「それでは、本題の実技試験は問題ないということでよろしいですか?」
「ああ、問題ないだろ」
「よかった~!」
【よかったね! (10000円)】
【おめでとう! (10000円)】
純粋に祝福してくれるのはやはり嬉しい。
まだ全ての試験に合格したわけではないが、たくさんの祝福コメントが流れている。ちょうどいいので配信の締めの挨拶をしよう。
「それでは今日の配信はここまでにします! 残りは筆記試験ですし結果は次回の配信をお待ちください!」
「どいて! 凜きゅんと私の聖戦の邪魔しないで!」
「お前こそどけよ! 低ランクのくせに!」
「勝ったらセッ○スのご褒美付きよ!? 何が何でも勝つわ!」
そんなご褒美用意しておりませんが!?
【くぅぅ! 私もその場にいたかった! (10000円)】
【乱パ!? 今から間に合う!? (10000円)】
【私もイク! 待ってて! (10000円)】
「せせせ星奈さん!? どーすんのこれぇっ!?」
「うっ古傷が……すまない、少し席を外す……」
場をかき乱すだけかき乱して! 何で来たのあんた!!! しかもその傷まだ新しいでしょ!
「雑魚は引っ込んでなっ!!!」
その時、混乱を極めた場と俺を鎮めたのは、まるで雷が轟いたような大声だった。
「どうしても凜音とやりたいってんならよぉ~、『紅蓮の戦処女』リーダーのオレが相手になってやんよっ!」
いかつい声と態度を示すように、真っ赤なハイレグを着た女性が俺の前に立ち、女性の波を静止する。
大きく開いた背中からは真っ白な素肌が覗き、金色の長髪が映える。銀色に輝く金属のニーハイブーツを履き、首周りはモッフモッフのファーを着てるので暑いのか寒いのかよくわからない格好だ。あと化粧が濃い。
「たかがSランクの分際で何様?」
「大丈夫、みんなで囲めば殺れる!」
「ちょ……嘘だろ?」
あまりにもひどい発言に、『紅蓮の』人もドン引きである。
「わぁ、Sランクの方なんですね! 良ければお手合わせ願えませんか? こんな機会めったにないですし!」
「お、おぉ! そうだな! ほれお前ら、聞いたな! 引っ込んでろ!」
「ちぇー!」
「やっぱSランクかぁ~……」
助けてくれた人に助け舟を出し、どうにか場も落ち着いてくれたようだ。
そのまま観戦するかのように囲まれたけど。
「それでは! 今話題の超絶甘カワ美少年、凜きゅん対Sランク探索者『紅蓮の戦処女』リーダー赤火さんの試合を始めまぁ~す! 賭けに参加したい方はあちらの職員まで!」
ギルド職員の仕事が早すぎる!
「私は凜きゅんに全財産と友達の魂を賭ける!」
「さすがに赤火さんかな~」
【えー、普通に楽しそう (10000円)】
【いいなー (10000円)】
【凜きゅん頑張って! (10000円)】
まぁ、よくわからんけどこの場の人たちも視聴者さんたちも楽しんでくれてるみたいだし!
胸を借りるつもりで全力でやろうじゃないか!
「一応試験ということなので、武器はギルドで貸し出す木刀、凜きゅんのかわいいお顔に傷はつけないこと、第1聖句までの使用のみというルールでよろしいですか?」
「いえ、俺も探索者です! 怪我を恐れてちゃ大成できません!」
「はっはー! いい覚悟だ! なぁに、顔に怪我させちまったらオレが面倒見てやんよ! 一生なぁっ!」
きれいな顔を歪ませて、獰猛な獣のような顔で不敵に笑いながら木刀を構える赤火さん! 感じるプレッシャーは魔人にも劣らない!
「……傷つけたらまじで許さないからね! それでは……始めっ!」
「――ハァッ!」
「――おっ!」
開始の合図と同時に赤火さんに肉薄する!
とりあえずの作戦、先手必勝だ!
「甘いっ! 不意打ちなど日常茶飯事だ!」
「ちっ!」
赤火さんは既に横に木刀を構えて受けの体勢。それでもせっかくなので思いっきり木刀を振り下ろす。
「とりゃあああ!」
「――んなあぁぁ!?」
赤火さんの木刀が真っ二つに折れた。さすがに本人は素早くかわすが。
しかし今がチャンス!
「ちっ! 『赤き翼』!」
「――あっつーっ!?」
赤火さんの背中から炎の翼が出現! 追撃のために接近した俺を容赦なく熱する!
「ひゃっはー! 燃えろ燃えろぉっ!」
「クソッタレめ……」
さすがに灰になる訳にはいかないので距離を取る。
「問題ない! 近づけない敵への対処法は心得ている!」
「何を――つぅっ!?」
伝家の宝刀、『その辺の小石』! 機動力を削ぐために狙いは足だ!
「ほう! なかなか戦い慣れている! それでこそ我が伴侶にふさわしい!」
その伴侶、焼き殺そうとしてませんでした? 伴侶じゃないけど。
「ならば見せてやろう! “赤き翼”“天高く舞え”『紅蓮灼火』!」
「無駄無駄無駄無駄!」
こちとら小石投げには自信が――しかし赤火さんに届く前に小石が消えた!?
「こっちのセリフだ! そんな小石程度溶かしてやるわ!」
「はぁっ!?」
デタラメだ……! よく見たら地面にドロっとした液体が落ちてる!
【小石の融点は……小石の融点って何?】
【おいバカやめろ! 凜きゅんを殺す気か!】
「かくなる上は……!」
「ほう! まだ諦めていないか! それでこそ――」
「ハイストップー! 2人ともそこまで! これはあくまで試験ですよ!」
奥義『ゴーレムの残骸投げ』を披露しようとした所、見届人であるギルド職員さんが制止の声を上げる。
「何を言っている! 勝負はここからだぞ!」
「いえ、あなたの負けです」
「はぁ!?」
「ルールは第1聖句まで、としていましたからね。ルール違反により反則負けです」
……確かに!
【やはり脳筋だったか】
【凜きゅんの勝ち! (10000円)】
「……ちっ。わかったよ、オレの負けだ!」
案外聞き分けはいいようで、背中の炎の翼を解除する赤火さん。
「それでは、本題の実技試験は問題ないということでよろしいですか?」
「ああ、問題ないだろ」
「よかった~!」
【よかったね! (10000円)】
【おめでとう! (10000円)】
純粋に祝福してくれるのはやはり嬉しい。
まだ全ての試験に合格したわけではないが、たくさんの祝福コメントが流れている。ちょうどいいので配信の締めの挨拶をしよう。
「それでは今日の配信はここまでにします! 残りは筆記試験ですし結果は次回の配信をお待ちください!」
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