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第4章
第71話 突進力に定評のある(噛ませ)
しおりを挟む「えー、それではやっていきたいと思います!」
ということで翌日の日曜日、早速配信にやってきました!
「『今日はランクB、牛人種のダンジョンですわペン! みなさまご存知、政府管轄ダンジョンですわねペン!』」
以前俺が夜中に侵入したことのあるミノタウロスダンジョン。
今回は理事長――咲夜さんの協力もあり、ここにリベンジに来たという訳だ!
というのも、星奈さんにお見舞いの品は何がいいか聞いたところ、『肉』とのことだったので。
入院中は食べられないだろうから、目の前で俺達が食べるだけだけども。
「今日からは『アヘピス』のメンバーとして、ダンジョン攻略をしていきたいと思います!」
「イエ~イ☆ ピスピース☆」
「いえーい、ピスピス」
改めて、既存メンバーのミコさんと雪さんがカメラに向かって挨拶。
【でた、『アヘ顔!』 (10000円)】
【凜きゅんはそのポーズしないの? (10000円)】
【あれ、1人いなくない? (10000円)】
【この前ミイラみたいになってるの見たよ (10000円)】
「えーと、星奈さんは諸事情でお休み中でして……その代わりと言ってはなんですが、別の新メンバーも同時加入です!」
「は~い、こんにちは~! 凜音お兄ちゃんの妹の凜花でぇ~す!」
【あら~♪ とってもかわいい子ね~♪ (10000円)】
【妹!? 私も妹になりたい! (10000円)】
【はぁ~私も凜きゅんみたいなお兄ちゃんが欲しい人生だった…… (10000円)】
「いちお~仮の加入ですけどぉ、頑張るので応援してくださぁ~い! 応援してくれたらぁ、お兄ちゃんの秘密を1動画につき1つ教えちゃいまぁ~す!」
「こ、こらやめないか凜花……ははは……」
打ち合わせと違うことを言うんじゃない!
【正式加入待ったなし (10000円)】
【仲良さそうでいいね (10000円)】
「と、とりあえず行きましょう!」
ということでダンジョンの入口へと向かう。
以前来たときもそうだったが、門の両脇には武装した職員さんが2人で立っていた。
「失礼します」
「お気をつけて」
事前に話は通っているので、簡単な挨拶だけして通り過ぎる。向こうもわかっているようで、必要最低限の言葉だけ返してくれた。
「――本物――かわいい――」
「やばっ――舐め回し――」
そんな声がうっすら聞こえたが……気のせいだろう。
「殺す?♡」
「殺さないよ……」
マイクに拾われないような小声で……何言ってんだ。
色んな意味でビクビクしながらも、洞窟のようなダンジョンを進んでいく。
ここは完全に洞窟の形式らしく、そんな狭い中で突進力のあるミノタウロスが出てくるのは割と厄介だ。
「およそ10メートル先、ミノタウロスを発見。数、1」
「おぉ……!」
【初代さんの索敵能力ね。こういう時は本当に便利そう (10000円)】
【索敵なんてまどろっこしいことしてんじゃねーぞ! (10000円)】
なんとなくコメント者の顔が浮かぶね。
「よし、それじゃあ打ち合わせ通りいこう」
「うん!」
打ち合わせ……それは、ミノタウロスの突進を凜花のスキルで止めるということ。
突進力に定評のあるミノタウロスさんの攻撃を防げれば戦力として期待できるだろう、という目論見だ。
「……ブモッ!? ブモモモモォォッ!!」
「『来ますわペン! ランクBのハイミノタウロスですわペン!』」
見覚えのある、筋骨隆々の人型の体に牛の頭の化け物。それが猛烈な勢いで迫ってきていた。
「お兄ちゃんの敵、お兄ちゃんの敵……シンジャエ……“闇を愛せよ”『拘束する鎖』!」
「グモォッ!? モォォッ!?」
凜花から伸びた鎖がハイミノタウロスに縛り付く。
突進の勢いすら感じさせず、その場で微動だにできなくなったようだ。
「すんごっ☆ あの突進を止めちゃうなんてっ!」
「やりおる」
「あはっ☆ お兄ちゃんのおかげだよぉ~!」
【へぇ…… (10000円)】
【さすが凜きゅん! (10000円)】
「やるじゃないか、凜花! さてそれじゃあ――」
「ここは任せて。“不遇にして不朽”『トム・ザ・キャット』」
雪さんの言葉と同時に、小型飛行機が出現。身動きの取れないハイミノタウロスの頭に照準を合わせて――。
「ファイヤ」
「――ブゴッ!? モモモモモッ!?」
無慈悲な銃弾の雨がハイミノタウロスの頭を撃ちまくる。威力は大きくないが、同じ場所を何百発も打たれたらたまったもんじゃないだろう。
「ブモォ……」
「ふっ」
無表情でドヤ顔する雪さんはかわいいが、やってることはなかなかえげつない。
「やったね~、雪ちゃんっ!」
「え? あ、う、うん……」
凜花の勢いにたじろぐ雪さん。がんばえー!
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