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お正月
三日(ⅴ)
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何で、と問われて、納得してもらえるだろうと思える説明は出来なかった。
でも取り消す気はなく、納得してもらう代わり冷淡と思われる態度を取り続けた。気づいたら董也は隣から居なくなっていた。
たくさん泣いたのは内緒だ。自分から失恋したんだから、相手をたくさん傷つけて。私の傷なんてどうでもいい。それでも後悔したりとか、やり直したいとかは思わなかった。
正しかったかは今でもわからない。でも。
正しくなくても必要だと確信していた。
その前日に董也の出ているお芝居を見に行った。
初めてのまともな役ってことで、楽しみだったし心配でもあった。それまでもいくつか観てはいたが、そもそも裏方で出演していないことがほとんどだったし、出ていてもセリフもない端役ばかりだった。そんなんでも観に行っていたのは、チケットを捌くためにお願いされて買ったから、と言う理由で、董也も来て欲しいとは言ったことは無かったし、そのお芝居でも特に言ってなかったと思う。
それでも「今回は結構セリフもあるよ」とポロっと言っていたし、と、バイトのない日に行ったのだ。
そしたら、想像してたよりずっと重要な役でびっくりした。登場時間としては全体の半分くらいで、最後も悲劇的な役だったんだけど、主役に影響を与える重要なポジションだった。脚本自体は詰めの甘さを感じたのだけれど、だから余計に董也が話すたびに「ひゃー」とか心の中で思いながら、ドキドキして観ていたよね。……最初は。
そのうち、そんな事忘れていた。舞台の上の世界に引き込まれて、董也を別の人物としてみていた。
彼の姿をした別人がいた。その人物が話し、笑い、泣き、夢を語り、死んでいく。死と引き換えに彼は夢を主人公に置いていくのだ。脚本としてはあまり好きでは無かったが、彼の言葉は胸を打った。涙が溢れた。暗闇の中、周りでも泣いている声がした。彼の伸ばした指の先に未来が描かれた。そして、そこにいる人たちも皆、未来を見たのだと思った。
カーテンコールで満場の拍手を受ける彼を見た時、すすり泣く観客を明るくなった中で見た時、私の心は決まっていたと思う。その時は言葉にできていなかったけど、一言で言えば、私のそばにいる人じゃない、いちゃだめだ、って思った。
彼の笑顔は人を笑顔にできる、彼の体は形を作る、彼の指は見えない光を差し示せる。
彼の言葉は、彼は、届く。そう思った。
それでも迷っていたんだよ。だって、一緒にいたくなくなったわけじゃないから。でも、次の待ち合わせの時にニコニコ笑顔で走ってくる董也を見た時に決心した。手が届かない所へ行っちゃえって。
今の董也を見てると、あれでよかった、と思う。あのままだときっと、私の側にいて、地元の企業かなんかに入って……私達は楽しく暮らしてた気がする。でも、後悔はないんだよ、ごめんね。
それがどうして今みたいな関係性になったのかは何だかよくわからない。何年かして再会した後、気づいたらなっていたって感じ。
でも今の状態は嫌いじゃない。お互い一人っ子だけど、どこか姉弟みたいで居心地がいい。
董也の幸せを祈っているよ、ずっと。そして同じくらい、君にしかできないことをして欲しいと思っている、って言ったら、今以上に膨れっ面になりそうだけど。仕事が楽しそうなのは本当に良かった、嬉しい。
……イヤ、もう、我ながら、姉。……同じ歳だけど、私が姉だからね?
そう、前を歩いている広い背中に心の中で言ってみる。
それにしても、こんなに広かったっけ? 高校生の頃は背ばかり高くてひょろっとしてたのに。でもね、昔から守ろうとしてくれるところはあった。渡邊董也は笑顔がいいとファンの間では言われてるらしいけど、本当にかっこいいのはね、怒っている時だと思うんだよね。なんて、以上、本人にも言わない私の秘密。
「まあ、ね、早く大河にでも出て大物俳優になって」
私は董也の背中を後ろから手のひらで叩いた。
「え、なになに。いきなり?」
董也が振り返って驚いた顔をする。私は笑った。
「なんなの、今回そんなんばっかりだな。だいたい、咲歩ちゃん大河なんて見ないじゃん。大河じゃなくても見てくれないけど」
「なんかね、出世して欲しいのよ」
「この仕事で出世って言われてもさあ」
「もっと有名になって欲しいわけ」
「それはまあ、頑張るけど……。でもなんで? 芸能人なんて興味ないでしょ? 本当のところ」
董也がしかめっ面をする。元々、憧れて入った世界ではないせいか、彼はあんまりこういう欲がないな、と思う。
「そうなんだけどさ、あれよあれ」
「どれ」
「ほら、有名になると出てくるあの人よ」
「だからどれ」
「あいつを育てたのは俺だ!俺のおかげだ!って言う人。あれ、言ってみたい」
私は笑いながら言った。嘘だけど、それはそれで楽しそうだ。董也はそれこそ芝居かかったイヤそうな顔をする。
「うっわ、それか。きっつ。まあいいけどね、咲歩ちゃんなら。あながち間違いでもないし……」
そう言って董也は言葉を切ると、私を見下ろした。目が笑ってない。
「え?なに?」
冗談だって通じてない?
「でもどうせなら、あれだな」
「どれ?」
今度は私が聞く。
「どうせなら、あいつを男にしたのは私よ!って言えばいいんじゃない?」
へ?
……。
……。
……!!
「し、正月の真っ昼間から下ネタぶっ込んでくるんじゃないわよ!」
董也が我慢できないとでもいう感じに笑い出した。
「だって本当じゃん」
そう言ってますます笑う。
「あー、もう!いつの間にか性格悪くなってるんですけど」
顔、めっちゃくちゃ熱いんですけど!……頼むから、忘れてよ、もう。いろいろと。
「別に変わってないさ。ね、冗談はともかく早く戻ろう、お腹すいた。お汁粉まだあるかな」
董也は私の手を握ると引っ張るようにして歩き出した。冷えた手に彼の暖かさが伝わってきて心地よかった。
その日は午後も予想してないバダバダさだった。
育子さんは私たちから話を聞くと、不審者が出たと言う事で警察に連絡した。私たちの事は話さなかったが、考えてみれば子ども達を預かっているのだから当たり前だ。一方で、その辺りがよくわかってない独身男女二人は顔を見合わせた。
育子さんと同時に自宅に帰ってきた子どもから話を聞いた親御さんも通報したらしく、すぐに男は見つけられ厳重注意されたらしい。
そして午後遅く自宅にいた私に電話がきて、再びお隣に行ってみると、ミノルの母親が来ていた。育子さんと二人、今回の件も含めて、いつも息子がお世話になってます的なお話を伺う。初めは「嫌、そんな、私こそ」的に聞いてたけど、そのうちに、元気がありあまる息子や学校や家庭や地域の愚痴に広がっていき、独身で子どもも結婚の予定もない私にどうしろと、という流れの中、なんとか話の合間に抜け出し、「疲れたー」と、とりあえず自宅玄関で第一声を上げた。
それから買い出ししたりしたら、もう夜、という具合。
ちなみに、董也はミノルのお母さんが来た時には既に外出済みで、彼女は少なからずガッカリしていて、ちょっと可笑しかった。
同窓会って言ってたし、夜も遅そうだ。明日帰ると言っていたから、もう今回の帰省で顔を合わせる機会もないだろう。やれやれ。
なんだかバタバタしたお正月になっちゃったけど、明日は一人、最後の休日をダラダラ過ごすぞー!
でも取り消す気はなく、納得してもらう代わり冷淡と思われる態度を取り続けた。気づいたら董也は隣から居なくなっていた。
たくさん泣いたのは内緒だ。自分から失恋したんだから、相手をたくさん傷つけて。私の傷なんてどうでもいい。それでも後悔したりとか、やり直したいとかは思わなかった。
正しかったかは今でもわからない。でも。
正しくなくても必要だと確信していた。
その前日に董也の出ているお芝居を見に行った。
初めてのまともな役ってことで、楽しみだったし心配でもあった。それまでもいくつか観てはいたが、そもそも裏方で出演していないことがほとんどだったし、出ていてもセリフもない端役ばかりだった。そんなんでも観に行っていたのは、チケットを捌くためにお願いされて買ったから、と言う理由で、董也も来て欲しいとは言ったことは無かったし、そのお芝居でも特に言ってなかったと思う。
それでも「今回は結構セリフもあるよ」とポロっと言っていたし、と、バイトのない日に行ったのだ。
そしたら、想像してたよりずっと重要な役でびっくりした。登場時間としては全体の半分くらいで、最後も悲劇的な役だったんだけど、主役に影響を与える重要なポジションだった。脚本自体は詰めの甘さを感じたのだけれど、だから余計に董也が話すたびに「ひゃー」とか心の中で思いながら、ドキドキして観ていたよね。……最初は。
そのうち、そんな事忘れていた。舞台の上の世界に引き込まれて、董也を別の人物としてみていた。
彼の姿をした別人がいた。その人物が話し、笑い、泣き、夢を語り、死んでいく。死と引き換えに彼は夢を主人公に置いていくのだ。脚本としてはあまり好きでは無かったが、彼の言葉は胸を打った。涙が溢れた。暗闇の中、周りでも泣いている声がした。彼の伸ばした指の先に未来が描かれた。そして、そこにいる人たちも皆、未来を見たのだと思った。
カーテンコールで満場の拍手を受ける彼を見た時、すすり泣く観客を明るくなった中で見た時、私の心は決まっていたと思う。その時は言葉にできていなかったけど、一言で言えば、私のそばにいる人じゃない、いちゃだめだ、って思った。
彼の笑顔は人を笑顔にできる、彼の体は形を作る、彼の指は見えない光を差し示せる。
彼の言葉は、彼は、届く。そう思った。
それでも迷っていたんだよ。だって、一緒にいたくなくなったわけじゃないから。でも、次の待ち合わせの時にニコニコ笑顔で走ってくる董也を見た時に決心した。手が届かない所へ行っちゃえって。
今の董也を見てると、あれでよかった、と思う。あのままだときっと、私の側にいて、地元の企業かなんかに入って……私達は楽しく暮らしてた気がする。でも、後悔はないんだよ、ごめんね。
それがどうして今みたいな関係性になったのかは何だかよくわからない。何年かして再会した後、気づいたらなっていたって感じ。
でも今の状態は嫌いじゃない。お互い一人っ子だけど、どこか姉弟みたいで居心地がいい。
董也の幸せを祈っているよ、ずっと。そして同じくらい、君にしかできないことをして欲しいと思っている、って言ったら、今以上に膨れっ面になりそうだけど。仕事が楽しそうなのは本当に良かった、嬉しい。
……イヤ、もう、我ながら、姉。……同じ歳だけど、私が姉だからね?
そう、前を歩いている広い背中に心の中で言ってみる。
それにしても、こんなに広かったっけ? 高校生の頃は背ばかり高くてひょろっとしてたのに。でもね、昔から守ろうとしてくれるところはあった。渡邊董也は笑顔がいいとファンの間では言われてるらしいけど、本当にかっこいいのはね、怒っている時だと思うんだよね。なんて、以上、本人にも言わない私の秘密。
「まあ、ね、早く大河にでも出て大物俳優になって」
私は董也の背中を後ろから手のひらで叩いた。
「え、なになに。いきなり?」
董也が振り返って驚いた顔をする。私は笑った。
「なんなの、今回そんなんばっかりだな。だいたい、咲歩ちゃん大河なんて見ないじゃん。大河じゃなくても見てくれないけど」
「なんかね、出世して欲しいのよ」
「この仕事で出世って言われてもさあ」
「もっと有名になって欲しいわけ」
「それはまあ、頑張るけど……。でもなんで? 芸能人なんて興味ないでしょ? 本当のところ」
董也がしかめっ面をする。元々、憧れて入った世界ではないせいか、彼はあんまりこういう欲がないな、と思う。
「そうなんだけどさ、あれよあれ」
「どれ」
「ほら、有名になると出てくるあの人よ」
「だからどれ」
「あいつを育てたのは俺だ!俺のおかげだ!って言う人。あれ、言ってみたい」
私は笑いながら言った。嘘だけど、それはそれで楽しそうだ。董也はそれこそ芝居かかったイヤそうな顔をする。
「うっわ、それか。きっつ。まあいいけどね、咲歩ちゃんなら。あながち間違いでもないし……」
そう言って董也は言葉を切ると、私を見下ろした。目が笑ってない。
「え?なに?」
冗談だって通じてない?
「でもどうせなら、あれだな」
「どれ?」
今度は私が聞く。
「どうせなら、あいつを男にしたのは私よ!って言えばいいんじゃない?」
へ?
……。
……。
……!!
「し、正月の真っ昼間から下ネタぶっ込んでくるんじゃないわよ!」
董也が我慢できないとでもいう感じに笑い出した。
「だって本当じゃん」
そう言ってますます笑う。
「あー、もう!いつの間にか性格悪くなってるんですけど」
顔、めっちゃくちゃ熱いんですけど!……頼むから、忘れてよ、もう。いろいろと。
「別に変わってないさ。ね、冗談はともかく早く戻ろう、お腹すいた。お汁粉まだあるかな」
董也は私の手を握ると引っ張るようにして歩き出した。冷えた手に彼の暖かさが伝わってきて心地よかった。
その日は午後も予想してないバダバダさだった。
育子さんは私たちから話を聞くと、不審者が出たと言う事で警察に連絡した。私たちの事は話さなかったが、考えてみれば子ども達を預かっているのだから当たり前だ。一方で、その辺りがよくわかってない独身男女二人は顔を見合わせた。
育子さんと同時に自宅に帰ってきた子どもから話を聞いた親御さんも通報したらしく、すぐに男は見つけられ厳重注意されたらしい。
そして午後遅く自宅にいた私に電話がきて、再びお隣に行ってみると、ミノルの母親が来ていた。育子さんと二人、今回の件も含めて、いつも息子がお世話になってます的なお話を伺う。初めは「嫌、そんな、私こそ」的に聞いてたけど、そのうちに、元気がありあまる息子や学校や家庭や地域の愚痴に広がっていき、独身で子どもも結婚の予定もない私にどうしろと、という流れの中、なんとか話の合間に抜け出し、「疲れたー」と、とりあえず自宅玄関で第一声を上げた。
それから買い出ししたりしたら、もう夜、という具合。
ちなみに、董也はミノルのお母さんが来た時には既に外出済みで、彼女は少なからずガッカリしていて、ちょっと可笑しかった。
同窓会って言ってたし、夜も遅そうだ。明日帰ると言っていたから、もう今回の帰省で顔を合わせる機会もないだろう。やれやれ。
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