髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。

昼寝部

文字の大きさ
48 / 169
3章 大学入学編

小鳥遊美奈とのCM撮影 3

しおりを挟む
「お待たせしました!」

 ブレザーに着替えた小鳥遊さんが戻ってくる。

「よし、早速撮影に移るぞ」

 その声を聞いて、森野監督がスタッフたちに指示を出す。
 俺は監督から指示が出るまでその場で待機していると、小鳥遊さんが近づいてくる。

「私、ブレザーを着るのは初めてなんです。似合ってますか?」

 そして少し不安そうな声で聞いてくる。

「あぁ。とても似合ってるよ」

 大人気アイドルである小鳥遊さんのブレザー姿は文句なしで似合っており、並の高校生じゃ太刀打ちできないくらいの可愛さを持っていた。

「ほんとですか!?良かったぁ!」

 俺の言葉に安堵したのか、小鳥遊さんの顔がパーっと笑顔になる。

(こんな笑顔を見せられたら絶対ファンになるわ。可愛すぎだろ)

 その笑顔を間近で見た俺は、小鳥遊さんの笑顔に見惚れてしまう。

「……?リン様?どうしましたか?」
「っ!な、なんでもない」

 突然固まった俺を不思議に思った小鳥遊さんが上目遣いで聞いてきたため、そっぽを向きながら誤魔化す。
 すると、そのタイミングで監督から声がかかる。

「夏目くん、小鳥遊さん。撮影を始めるぞー」
「「はいっ!」」

 そう応えた俺たちは急いで監督のもとへ向かい、指示をもらう。

「今回、シュート練習を終えた夏目くんに小鳥遊さんがタオルとポカリ⚪︎エットを渡すシーンを撮影する」

 そう言って監督が俺にバスケットボールを、小鳥遊さんにタオルとポカリ⚪︎エットを手渡す。

「あと小鳥遊さんは夏目くんのことを凛先輩と呼び、夏目くんは小鳥遊さんのことを美奈と呼ぶように」
「「分かりました!」」

 その後も細かい説明をもらい、俺たちは指示通りに動き出した。



「よーい……アクションっ!」

 監督の声でCM撮影が始まる。


~以下、CM撮影~

「はぁ…はぁ…あと1本」

 俺はバスケットボールを両手で持ち、フリースローを打つために構える。
 ゴール下には無数のバスケットボールが転がっており、額からは汗が流れている。

「ふぅ……」

 俺は一度大きく息を吐いて集中する。

 そして…

「はっ!」

 という掛け声と共にシュートを放つと、ボールが綺麗な放物線を描いてゴールに吸い込まれる。

「よしっ、少し休憩するか」

 そう呟いた俺はその場に腰掛けると、1人の女の子が駆け寄ってくる。

「凛先輩っ!お疲れ様です!」

 そう言ってバスケ部のマネージャーである美奈が、俺にタオルとポカリ⚪︎エットを手渡す。

「ありがとう。美奈」
「……えへへ、美奈って呼んでくれました……」

 すると嬉しそうな顔で何かを呟く。
 聞き取ることはできなかったが、この場面で美奈にセリフはなかったため、気にすることなくタオルで汗を拭い、ポカリ⚪︎エットを口にする。

「凛先輩はまだ帰らないのですか?」
「あぁ。もう少し練習しようと思う」

 そう言ってタオルとポカリ⚪︎エットを近くに置いてあるバックの上に置く。

「タオルは明日、洗濯して返すよ。だから美奈は先に帰っていいぞ」
「いえ、私も先輩の自主練に付き合います!だって私はバスケをする先輩を見るのが好きですから!」

 そう言って美奈が眩しい笑顔を見せる。

「っ!」

 その眩しい笑顔に心臓が跳ね、セリフを忘れかける。

「そ、そこまで言われたら断ることはできないな」

 俺は見惚れたことを誤魔化すように立ち上がり、ボールを持つ。

「なら今日は一緒に帰るぞ。可愛い美奈を暗い夜道の中、帰らせるわけにはいかないからな」
「~~っ!はいっ!」

 俺の言葉に、美奈が頬を染めながら笑顔で頷いた。

~完~


「カットぉーっ!」

 監督の声が体育館中に響き渡る。

「うん、とても良かったぞ。文句なしだ」
「「ありがとうございます!」」

 監督からの褒め言葉に俺たちは笑顔を見せる。

「あとは撮った動画にナレーションを付けるだけだ」

 今撮った動画だけではポカリ⚪︎エットのCMにならないため、ナレーションを付けてポカリ⚪︎エットのCMにするらしい。

「今から撮った動画のチェックに入るから、2人は休憩しててくれ。この動画が問題なければ撮影は終了だ」

 とのことで、俺たちは休憩となる。

「リン様っ!少し、外を散歩しませんか?」

 すると小鳥遊さんから散歩の提案をされる。

「そうだな、やることもないから散歩してみるか」
「はいっ!」

 俺は嬉しそうに並んで歩く小鳥遊さんを横目に見つつ、外の散歩へと向かった。
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

髪を切った俺が芸能界デビューした結果がコチラです。

昼寝部
キャラ文芸
 妹の策略で『読者モデル』の表紙を飾った主人公が、昔諦めた夢を叶えるため、髪を切って芸能界で頑張るお話。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...