86 / 169
5章 ドラマ撮影開始まで
ポカリ⚪︎エットのCM 1
しおりを挟む
桃ちゃんとの写真集が発売された数日後。
以前、俺と美奈が撮影したCMが放送される日となる。
「いよいよ放送されるんだね!お兄ちゃんと美奈ちゃんがイチャイチャしてるCMが!」
「違うわ。ポカリ⚪︎エットのCMだ」
変なことを言っている寧々にすぐさま訂正を入れる。
今回、俺と美奈が撮影したCMがポカリ⚪︎エットの製造•販売会社である大⚪︎製薬のSNSで先行配信されることとなっており、12時からの先行配信を見るため、俺は寧々と時間を潰していた。
しばらく寧々と他愛のない話をしていると時計の針が12時を示し、大⚪︎製薬のSNSに1つの動画が投稿された。
「きたっ!」
寧々が無駄のない動きで投稿された動画をタップし、俺たちはポカリ⚪︎エットのCMを視聴する。
『~~~🎶』
すると可愛いらしい音楽と共に、体育館でバスケのシュート練習を行う俺が画面に現れる。
「あ、のぞみ坂47の新曲だ!」
今回起用されたCMソングは美奈が所属しているアイドルグループ『のぞみ坂47』の新曲で、一所懸命スポーツに取り組む人たちに向けた応援ソングとなっている。
『はぁ…はぁ…あと1本』
無数のバスケットボールが転がっている中、額に滲む汗を拭いつつ、俺がフリースローを打つために構える。
『はっ!』
という掛け声と共にシュートを放つと、ボールが綺麗な放物線を描いてゴールに吸い込まれる。
その様子を確認した俺が『ふぅ』と一息つきながら額の汗を拭う。
『よしっ、少し休憩するか』
そして休憩のためその場に腰掛けると、ブレザー姿の美奈が駆け寄ってきた。
『凛先輩っ!お疲れ様です!』
そう言って美奈が満面の笑みで俺にタオルとポカリ⚪︎エットを手渡す。
美奈のブレザー姿はとても似合っており、可愛らしい笑顔と相まって画面越しにも関わらず見惚れてしまう。
『ありがとう。美奈』
俺は美奈からタオルとポカリ⚪︎エットを受け取り、汗を拭って一口飲む。
その瞬間、美奈の顔が緩み、嬉しそうな顔を浮かべた。
「おぉー!美奈ちゃんのブレザー姿、めっちゃ似合ってるね!しかもお兄ちゃんのことを先輩って呼んでるよ!先輩後輩って設定なの?」
「あぁ。俺の後輩でバスケ部のマネージャー役だ。実際、年齢も1歳違いだからな」
「確かにっ!」
そんな会話をしていると、画面内の美奈が俺に話しかけていた。
『凛先輩はまだ帰らないのですか?』
『あぁ。もう少し練習しようと思う』
そう言って俺はタオルとポカリ⚪︎エットを近くに置いてあるバックの上に置く。
『タオルは明日、洗濯して返すよ。だから美奈は先に帰っていいぞ』
『いえ、私も先輩の自主練に付き合います!だって私はバスケをする先輩を見るのが好きですから!』
そう言って美奈が眩しい笑顔を見せる。
「美奈ちゃん可愛いっ!何あの笑顔!」
「そうだな。あの笑顔は反則級の可愛さだと思う。おかげで次のセリフが一瞬、飛んでしまったからな」
美奈の眩しい笑顔を間近で見た俺は見惚れてしまい、セリフが一瞬飛んでしまった。
それくらい魅力的な笑顔が画面に映っており、寧々が騒がしくなる気持ちも分かる。
『そ、そこまで言われたら断ることはできないな』
美奈の笑顔を間近で見た俺が、頬を少し染めながら立ち上がり、ボールを持つ。
『なら今日は一緒に帰るぞ。可愛い美奈を暗い夜道の中、帰らせるわけにはいかないからな』
『~~っ!はいっ!』
俺の言葉に美奈が頬を染めながら笑顔で頷く。
「きゃぁっ!そのセリフはイケメンだよ!美奈ちゃんを堕としにきてるよ!」
「い、言っとくけど俺は準備されたセリフを言っただけだからな!」
隣で騒がしい寧々に、俺がセリフを考えたと思われないよう釘を刺す。
そのタイミングで…
――今年の夏はポ⚪︎リを飲んで恋しよ?
という美奈の声が聞こえ、CMが終了した。
「おぉー!とても良いCMだったよ!」
手を叩きながら視聴したCMを絶賛する寧々。
「そうだな。ストーリーは簡潔にまとめられ、編集も素晴らしい。それに俺や美奈の演技に違和感はなかった。それどころか美奈の演技は女優として活躍している人並みの演技力だぞ」
「だね!美奈ちゃんの演技はすごく良かったよ!もちろん、お兄ちゃんもね!」
「いやいや、俺の演技よりも美奈の方がすごいぞ。監督の要望で俺のことが好きな後輩マネージャーを演じてるんだが、本当に俺のことが好きなんじゃないかと勘違いしてしまうくらい完璧に恋する後輩を演じてたからな」
俺は寧々に向けて、美奈の演技をべた褒めする。
「あの笑顔や仕草は一朝一夕で身につかないはずだ。きっと俺に恋をする後輩マネージャーを家で何度も練習したんだろう。俺も美奈を見習わないとな」
実際、美奈の笑顔や仕草に何度もドキドキした。
演技だと知らなければ「俺に気があるのでは?」と勘違いしてしまうほどだ。
それくらい、美奈は完璧に恋する女の子を演じていた。
そのため俺は寧々に向けて美奈の演技を絶賛するが、何故か寧々の目がどんどんジト目になっていく。
「ど、どうした?」
「はぁ……お兄ちゃんはいつになったら彼女さんができるんだろうか……」
「え、何でそんな話になってんの?今は美奈の演技力について話してるんだよな?」
そう問いかけるが、ジト目で俺のことを見続ける寧々を見て、俺は問いかけるのを諦めた。
以前、俺と美奈が撮影したCMが放送される日となる。
「いよいよ放送されるんだね!お兄ちゃんと美奈ちゃんがイチャイチャしてるCMが!」
「違うわ。ポカリ⚪︎エットのCMだ」
変なことを言っている寧々にすぐさま訂正を入れる。
今回、俺と美奈が撮影したCMがポカリ⚪︎エットの製造•販売会社である大⚪︎製薬のSNSで先行配信されることとなっており、12時からの先行配信を見るため、俺は寧々と時間を潰していた。
しばらく寧々と他愛のない話をしていると時計の針が12時を示し、大⚪︎製薬のSNSに1つの動画が投稿された。
「きたっ!」
寧々が無駄のない動きで投稿された動画をタップし、俺たちはポカリ⚪︎エットのCMを視聴する。
『~~~🎶』
すると可愛いらしい音楽と共に、体育館でバスケのシュート練習を行う俺が画面に現れる。
「あ、のぞみ坂47の新曲だ!」
今回起用されたCMソングは美奈が所属しているアイドルグループ『のぞみ坂47』の新曲で、一所懸命スポーツに取り組む人たちに向けた応援ソングとなっている。
『はぁ…はぁ…あと1本』
無数のバスケットボールが転がっている中、額に滲む汗を拭いつつ、俺がフリースローを打つために構える。
『はっ!』
という掛け声と共にシュートを放つと、ボールが綺麗な放物線を描いてゴールに吸い込まれる。
その様子を確認した俺が『ふぅ』と一息つきながら額の汗を拭う。
『よしっ、少し休憩するか』
そして休憩のためその場に腰掛けると、ブレザー姿の美奈が駆け寄ってきた。
『凛先輩っ!お疲れ様です!』
そう言って美奈が満面の笑みで俺にタオルとポカリ⚪︎エットを手渡す。
美奈のブレザー姿はとても似合っており、可愛らしい笑顔と相まって画面越しにも関わらず見惚れてしまう。
『ありがとう。美奈』
俺は美奈からタオルとポカリ⚪︎エットを受け取り、汗を拭って一口飲む。
その瞬間、美奈の顔が緩み、嬉しそうな顔を浮かべた。
「おぉー!美奈ちゃんのブレザー姿、めっちゃ似合ってるね!しかもお兄ちゃんのことを先輩って呼んでるよ!先輩後輩って設定なの?」
「あぁ。俺の後輩でバスケ部のマネージャー役だ。実際、年齢も1歳違いだからな」
「確かにっ!」
そんな会話をしていると、画面内の美奈が俺に話しかけていた。
『凛先輩はまだ帰らないのですか?』
『あぁ。もう少し練習しようと思う』
そう言って俺はタオルとポカリ⚪︎エットを近くに置いてあるバックの上に置く。
『タオルは明日、洗濯して返すよ。だから美奈は先に帰っていいぞ』
『いえ、私も先輩の自主練に付き合います!だって私はバスケをする先輩を見るのが好きですから!』
そう言って美奈が眩しい笑顔を見せる。
「美奈ちゃん可愛いっ!何あの笑顔!」
「そうだな。あの笑顔は反則級の可愛さだと思う。おかげで次のセリフが一瞬、飛んでしまったからな」
美奈の眩しい笑顔を間近で見た俺は見惚れてしまい、セリフが一瞬飛んでしまった。
それくらい魅力的な笑顔が画面に映っており、寧々が騒がしくなる気持ちも分かる。
『そ、そこまで言われたら断ることはできないな』
美奈の笑顔を間近で見た俺が、頬を少し染めながら立ち上がり、ボールを持つ。
『なら今日は一緒に帰るぞ。可愛い美奈を暗い夜道の中、帰らせるわけにはいかないからな』
『~~っ!はいっ!』
俺の言葉に美奈が頬を染めながら笑顔で頷く。
「きゃぁっ!そのセリフはイケメンだよ!美奈ちゃんを堕としにきてるよ!」
「い、言っとくけど俺は準備されたセリフを言っただけだからな!」
隣で騒がしい寧々に、俺がセリフを考えたと思われないよう釘を刺す。
そのタイミングで…
――今年の夏はポ⚪︎リを飲んで恋しよ?
という美奈の声が聞こえ、CMが終了した。
「おぉー!とても良いCMだったよ!」
手を叩きながら視聴したCMを絶賛する寧々。
「そうだな。ストーリーは簡潔にまとめられ、編集も素晴らしい。それに俺や美奈の演技に違和感はなかった。それどころか美奈の演技は女優として活躍している人並みの演技力だぞ」
「だね!美奈ちゃんの演技はすごく良かったよ!もちろん、お兄ちゃんもね!」
「いやいや、俺の演技よりも美奈の方がすごいぞ。監督の要望で俺のことが好きな後輩マネージャーを演じてるんだが、本当に俺のことが好きなんじゃないかと勘違いしてしまうくらい完璧に恋する後輩を演じてたからな」
俺は寧々に向けて、美奈の演技をべた褒めする。
「あの笑顔や仕草は一朝一夕で身につかないはずだ。きっと俺に恋をする後輩マネージャーを家で何度も練習したんだろう。俺も美奈を見習わないとな」
実際、美奈の笑顔や仕草に何度もドキドキした。
演技だと知らなければ「俺に気があるのでは?」と勘違いしてしまうほどだ。
それくらい、美奈は完璧に恋する女の子を演じていた。
そのため俺は寧々に向けて美奈の演技を絶賛するが、何故か寧々の目がどんどんジト目になっていく。
「ど、どうした?」
「はぁ……お兄ちゃんはいつになったら彼女さんができるんだろうか……」
「え、何でそんな話になってんの?今は美奈の演技力について話してるんだよな?」
そう問いかけるが、ジト目で俺のことを見続ける寧々を見て、俺は問いかけるのを諦めた。
23
あなたにおすすめの小説
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる