118 / 169
6章 ドラマ撮影編
喫茶店へ 2
しおりを挟む
~愛甲真奈美視点~
凛くんがお手洗いに行ってる間、私は浜崎さんに話しかける。
「ちょっと涼菜ちゃん!凛くんとくっ付きすぎだよ!」
「そうね。羨ましい……とは全く思わないけど、撮影現場でイチャイチャするのは辞めた方がいいわよ」
機会さえあれば凛くんとイチャイチャしている私たちを全力で棚に上げて、涼菜ちゃんに注意する。
「うぅ……すみません。憧れだった夏目さんと出会えたのでつい積極的になってしまいました」
自分の行為が撮影現場に相応しくないことは理解していたようで素直に認める。
(良心が痛むよぉ!)
涼菜ちゃんに言った言葉は自分たちにも言えることなので心が痛い。
「あ、いや……ほどほどにした方がいいよって注意しただけだから……」
「え、えぇ。全くしたらダメというわけではないわ」
そのため、先ほどの発言を一瞬で撤回する私たち。
「やっぱり涼菜ちゃんも凛くんのことが好きなんだよね?」
「そうですね。今日初めてお会いしましたが、想像以上にカッコよかったです。それに共演中はウチの演技力が足りずに何度も撮り直しましたが、全く嫌な顔せず付き合ってくれました」
自分の演技で撮り直しが発生した場合、共演者の方には申し訳ない気持ちを抱いてしまう。
だが凛くんは一切態度に出さず、優しく声をかけてサポートしてくれた。
それだけで涼菜ちゃんの心は救われたのだろう。
(しかも涼菜ちゃんは今日が女優として初めての撮影だからね。そんなことをされたら凛くんに惚れちゃうのも仕方ないよ)
初めての撮影ということで緊張していた涼菜ちゃんは凛くんに色々とサポートしてもらった。
その行動全てが涼菜ちゃんの好感度アップに繋がったらしい。
「今日の演技は森野監督から褒められたんです。夏目さんが共演者でなければ絶対、褒められることなんてありませんでした。それくらい夏目さんはウチのことを助けてくれました」
つまり要約すると、凛くんに優しくされて恋に堕ちちゃったらしい。
(凛くんの天然女たらし!どれだけライバルを増やせば気が済むの!?)
そう思ってるのは私だけではないようで、隣に座っている香帆ちゃんからは謎の圧が発せられていた。
「夏目さんはカッコいいのでライバルが多いことは理解しています。なので何度も夏目さんと交流し、積極的にアプローチしなければいけませんが、今のところウチが夏目さんと共演する予定はありません」
「だから少しでも涼菜ちゃんのことを覚えてもらうよう、積極的にアプローチしてたんだね」
私の言葉に涼菜ちゃんが頷く。
(ホント、凛くんは女の子を堕とす天才だよ。だってこれで私を含め5人目だよ?さすがに多すぎ……いや、凛くんのルックスとスペックで5人しかいないのは少ない方じゃないかな?)
むしろ今まで恋に堕とした人が5人しかいないことが救いなのかもしれない。
(……いや、それは軽率な考えだね。だってこれからもっと増えるもん。私を含め雨宮さんや小鳥遊さん、それに香帆ちゃんと、共演した人全員をメロメロにしてるからね)
共演した女の子を100%の確率でメロメロにしているという事実に頭を抱えたくなる。
しかも5人目というのは私が把握している人数だ。
絶対、私の知らない内に惚れさせてる人がいる。
「というわけで今日のウチは夏目さんにウチのことを覚えてもらうことが目標です!こればかりは大先輩であるお2人にも譲れません!可能であれば今すぐ帰っていただきたいくらいです!」
その言葉に「「ピクっ!」」と反応する。
「へぇ、涼菜ちゃんは私たちに向けて帰ってほしいとか言えるんだ」
「ちょっと凛と仲良くなったくらいで調子に乗ってるんじゃない?」
“ゴゴゴーーッ!”という効果音が付きそうなほど、私たちはバチバチに睨み合う。
その後、凛くんが戻ってくるまで喫茶店であることを忘れるくらい私たちは盛り上がった。
凛くんがお手洗いに行ってる間、私は浜崎さんに話しかける。
「ちょっと涼菜ちゃん!凛くんとくっ付きすぎだよ!」
「そうね。羨ましい……とは全く思わないけど、撮影現場でイチャイチャするのは辞めた方がいいわよ」
機会さえあれば凛くんとイチャイチャしている私たちを全力で棚に上げて、涼菜ちゃんに注意する。
「うぅ……すみません。憧れだった夏目さんと出会えたのでつい積極的になってしまいました」
自分の行為が撮影現場に相応しくないことは理解していたようで素直に認める。
(良心が痛むよぉ!)
涼菜ちゃんに言った言葉は自分たちにも言えることなので心が痛い。
「あ、いや……ほどほどにした方がいいよって注意しただけだから……」
「え、えぇ。全くしたらダメというわけではないわ」
そのため、先ほどの発言を一瞬で撤回する私たち。
「やっぱり涼菜ちゃんも凛くんのことが好きなんだよね?」
「そうですね。今日初めてお会いしましたが、想像以上にカッコよかったです。それに共演中はウチの演技力が足りずに何度も撮り直しましたが、全く嫌な顔せず付き合ってくれました」
自分の演技で撮り直しが発生した場合、共演者の方には申し訳ない気持ちを抱いてしまう。
だが凛くんは一切態度に出さず、優しく声をかけてサポートしてくれた。
それだけで涼菜ちゃんの心は救われたのだろう。
(しかも涼菜ちゃんは今日が女優として初めての撮影だからね。そんなことをされたら凛くんに惚れちゃうのも仕方ないよ)
初めての撮影ということで緊張していた涼菜ちゃんは凛くんに色々とサポートしてもらった。
その行動全てが涼菜ちゃんの好感度アップに繋がったらしい。
「今日の演技は森野監督から褒められたんです。夏目さんが共演者でなければ絶対、褒められることなんてありませんでした。それくらい夏目さんはウチのことを助けてくれました」
つまり要約すると、凛くんに優しくされて恋に堕ちちゃったらしい。
(凛くんの天然女たらし!どれだけライバルを増やせば気が済むの!?)
そう思ってるのは私だけではないようで、隣に座っている香帆ちゃんからは謎の圧が発せられていた。
「夏目さんはカッコいいのでライバルが多いことは理解しています。なので何度も夏目さんと交流し、積極的にアプローチしなければいけませんが、今のところウチが夏目さんと共演する予定はありません」
「だから少しでも涼菜ちゃんのことを覚えてもらうよう、積極的にアプローチしてたんだね」
私の言葉に涼菜ちゃんが頷く。
(ホント、凛くんは女の子を堕とす天才だよ。だってこれで私を含め5人目だよ?さすがに多すぎ……いや、凛くんのルックスとスペックで5人しかいないのは少ない方じゃないかな?)
むしろ今まで恋に堕とした人が5人しかいないことが救いなのかもしれない。
(……いや、それは軽率な考えだね。だってこれからもっと増えるもん。私を含め雨宮さんや小鳥遊さん、それに香帆ちゃんと、共演した人全員をメロメロにしてるからね)
共演した女の子を100%の確率でメロメロにしているという事実に頭を抱えたくなる。
しかも5人目というのは私が把握している人数だ。
絶対、私の知らない内に惚れさせてる人がいる。
「というわけで今日のウチは夏目さんにウチのことを覚えてもらうことが目標です!こればかりは大先輩であるお2人にも譲れません!可能であれば今すぐ帰っていただきたいくらいです!」
その言葉に「「ピクっ!」」と反応する。
「へぇ、涼菜ちゃんは私たちに向けて帰ってほしいとか言えるんだ」
「ちょっと凛と仲良くなったくらいで調子に乗ってるんじゃない?」
“ゴゴゴーーッ!”という効果音が付きそうなほど、私たちはバチバチに睨み合う。
その後、凛くんが戻ってくるまで喫茶店であることを忘れるくらい私たちは盛り上がった。
66
あなたにおすすめの小説
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる