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学園編

130 それは、こっちの台詞

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「では皆にサラがどれだけ悪質なことをしてきたか、教えてやろう。貴様、メロディに対していじめをしていただろう?私は全て知っているぞ、メロディが泣きながら教えてくれたからな」
「あら、見に覚えがありませんわね……。例えばどのような?」

「ふん、惚けても無駄だぞ。上の階から水や物を落としたり、封筒に刃物を仕込んだりしていただろう?」

自信満々に言う彼に物凄く言いたい。
ーーーそれ、私がされたことだわ……。

この時点で、影から報告がいっているであろう、お兄様とお父様からものすごい反感を買ってしまったわけだ。
本気で人を殺す目をしているお父様をエナードが「まあまあ」と落ち着かせているのがちらりと視界の端に映った。

「……証拠はありますの?」
「ある。話を聞いてからはしばらくメロディの護衛をしていた。俺自らだ。」

王子が男爵令嬢を護衛するといなんとも馬鹿馬鹿しい話だが、確かに彼はここにねんほど彼女護衛という名目で行動を共にしている。
まあ、婚約者はいないし、それに関しては問題あるまい。

「あら、そうですのね。しかし、不思議ですね。私は入学当初から授業が終わり次第、女子寮に変帰るか、お兄様の研究所でお手伝いをさせてみらったりしていたのに、どこにそのような暇があったにでしょうか?」

分身とかやろうと思えばいくらでも出来るけれど、黙っておく。

「ふん、それこそどこに証拠があるんだ?」
「お兄様とか、研究所の職員。後、私の行動範囲といえば、図書館とかでしょうかね?休日は毎日公爵家に兄と帰っていますし、あなたの言うことが大半おかしなことばかりですけれど。そもそも私、たかだか男爵令嬢をいじめるために、そこまでの時間を費やす暇がないんですが……」

「なっ、俺の言うことが信じられないというのか!」
「はい、まあ、そうですわね」

素直にこくりと頷いた。

「あなたがその、メロディさん?から話を聞いたと言いましたが、そもそもなぜ彼女が正しいと思ったんですの?壮大な被害妄想かもしれないでしょう?」

私の言葉に、周囲がざわめく。
やはり、そうなのか。

「いや、理由ならある。それは、メロディが光の妖精に愛される、妖精の愛し子だからだ」

そして、サウラスの言葉に更に周囲がざわめいた。
「まさか……」「本当なのか?」と周囲がまじまじとメロディを見る。

「ーーー初耳ですわ。妖精の愛し子ってそんなに凄いものですの?」
「はっ、馬鹿なのか貴様。妖精の愛し子は国が保護する対象となり得るほど、貴重な存在だぞ。ましてや、メロディは光妖精の愛し子だからな。もはや崇高対象にもなり得る」

妖精の愛し子……、ジークがぼそりと呟いたことがあったが、まさかそんなにすごいものとは……。
確かに、魔法のレベルも妖精の力を借りれば飛躍するだろうし。
もしかしたら、代々王家が妖精眼を持っているというのはそういったことも関係しているのかもしれない。

「そうなんですの。それで、他には?」
「はっ?」
「だから、他にはなにか無いんですの?」
私はにこりと広角を上げた。
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