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休日

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女の子同士が雪が降る中で水着のみで雪合戦を行っていた。

「わーい、やったぁ!」
「きゃっ!冷た~い」
「えへへ♪えいっ!!」

キャッキャと楽しそうにはしゃぐ彼女達を見て、僕は微笑ましく思う。

「……はあ……可愛いなぁ……」

雪玉が巨乳の胸に当たり、その反動で揺れる光景を見て思わず呟く。
「あの巨乳になりたい」妄想が漏れる。
隣にいる男の子が僕を見つめながら聞いてくる。
「まあね。男なら誰でも一度は夢見るんじゃないかな?女の子同士とはいえ、ああいう事してみたいって思うよ」「……ふぅん……」
「君もやってみたい?」
「……別に……」
「そっか。じゃあさ、今度女の子を誘って二人でやろうか?」
「うん」
僕達は約束をした。
数日後。

「よし、準備完了っと。さて、行こうかな」
僕は服を脱ぎ捨て、全裸になる。
そしてベッドの上に置いてあった女性用の服を着る。
鏡の前に立ち、自分の姿を映す。そこには、綺麗なお姉さんがいた。
「おお……これは凄いな……。本当に女になった気分だ」
感動した。
これが僕の本当の姿なんだと思うと、嬉しく思えた。
今日は、女の子同士で雪遊びをする日である。
待ち合わせの場所に行くと、既に二人の女性が待っていた。
「ごめんなさい、遅くなってしまって」
僕は二人に声をかける。すると、二人は振り向いた。
「いえ、大丈夫ですよ。私達が早く来すぎただけですから」
一人目は黒髪ロングヘアーの女性だった。
「それなら良かったです。でも、何でそんな格好をしてるんですか?」もう一人の女性は何故かメイド服を着ていた。
「これですか?実は、この前あなたと一緒に雪合戦する約束をしていたじゃないですか」
「はい」
「それでですね、どうせならあなたに喜んでもらおうと思って色々考えたんですよ」
「その結果がこれですか?」
「はい。似合ってますかね?」
彼女はスカートの端を持ち上げて可愛らしくポーズを取る。
「とてもよく似合っていますよ」
正直かなり可愛いと思った。
「ありがとうございます。ところで、あなたの方はどうして男の人の恰好をしているんですか?」
「それは、こういう時のために練習していたんです」
「そうなんですか。では、早速行きましょうか」
「はい!」
僕達は、仲良く三人で手を繋ぎながら歩き出した。
目的地に向かう途中、僕は彼女に質問した。
「ちなみに、どこへ行く予定なんですか?」
「そうですね……。まずは定番の雪だるま作りをしませんか?」
「いいですね。賛成です!」
僕は元気よく答えた。
「決まりましたね。では、雪だるまを作りに行きましょうか」
「はい!」
僕達は目的に向かって歩いて行った。
しばらく歩くと、目的の場所が見えてきた。
そこは、一面真っ白な世界だった。
空からは大粒の白い結晶が落ちてくる。
地面に触れると、すぐに溶けてしまう程脆くなっていた。
周りを見ると、僕達以外に誰もいなかった。
「わあ……!ここ、すごく景色が良いですね!」
「えぇ。ここは穴場スポットなんですよ」
「そうなんですか」
「はい。それに、ここには私達しか居ないみたいですし……」
「確かにそうですね」

「なので、ここでゆっくり過ごしませんか?」
「良い考えですね。じゃあ、始めましょうか」
「はい!」
僕達は雪だるまを作ることにした。
「よし、出来た」
僕は満足げに完成した雪だるまを見る。
「私も出来ましたよ」
彼女も完成した雪だるまを見せる。
「おぉ……凄いですね……」
「ふふっ。あなたも上手ですよ」
「ありがとうございます」
僕達はお互いの作品を見て褒め合った。
「では、次は何をしますか?」
彼女が聞いてきた。
「うーん……あっ、そうだ。雪合戦とかどうでしょうか?」
「良いですね。やりましょう!」
「はいっ!」
僕達は雪玉を作っていく。ある程度集まったら投げる準備をする。
「じゃあ、いきますよ?」
「いつでもOKですよ」
僕は彼女の顔目掛けて投げた。しかし、彼女はそれをあっさり避けた。
「甘いですね。私だってやられっぱなしではありませんよ」
今度は彼女から投げられた。僕も負けじとそれを避ける。
それからしばらくの間、僕達は雪合戦を続けた。
「はぁ……はぁ……なかなかやるね……」
「ふぅ……そちらこそ……」
僕達は肩で息をしながら睨み合う。
「そろそろ決着をつけようか……」
「望むところだよ……」
「行くぞっ!!」
僕は全力投球をした。彼女はそれを避けようとしたが間に合わず、当たってしまった。
「やった!!当たったよ!!」
「ぐぬぬ……。やってくれましたね……」
「これで同点だな。さて、どうする?」
「こうなったら最後の手段を使うしかないようだな……」
「へぇ~。どんな手なの?」
「ふふふ……。これを見よ!」
彼女はポケットの中から何かを取り出して見せた。
それは、女の子用の下着だった。
「……それがどうかしたの?」


「分からないのか?これは、お前が穿いていたパンツだ」


「……はい?どういうこと?」

「つまり、お前は今ノーパン?さて、この状態でお前が全力で投げた雪玉が命中したらどうなると思う?」
「……まさか!?」
「その通りだ。私の勝ちだ!」
彼女は僕の顔面にめがけて思いっきり雪玉を投げつけてきた。
「うわあああああ!!!」
僕は必死に避ける。しかし、逃げきれずに被弾してしまった。
「よし、勝ったぞ!」
彼女はガッツポーズをして喜ぶ。
「くそぉ……負けたぁ……」
僕はその場に倒れ込んだ。
「ふふん♪まだまだ修行が必要だな」
彼女は得意げな表情を浮かべる。
「はい…….」
僕は悔しかった。もっと強くなってリベンジしようと誓った。
「では、約束通りに罰ゲームを受けて貰おうか」

彼女はニヤリと笑う。
「うっ……。分かったよ……」

僕は渋々了承した。
「では、目を瞑れ」
「はい」
僕は言われたとおりに目を閉じる。すると、頬っぺたを指でつつかれた。
「えっ?」
僕は驚いて目を開ける。そこには、彼女がいた。
「隙あり!ほら、捕まえた」
彼女は僕を抱き締めてきた。
「ちょっと……///」
僕は恥ずかしくて離れようとする。しかし、彼女は離してくれない。
「嫌なら抵抗すればいいじゃないか」
「うぅ……ずるいよぉ……」

「ふふっ。可愛いなぁ」
彼女は頭を撫でてくる。
(なんか子供扱いされてる気がする……)
僕は複雑な気持ちになった。
「ねぇ、もう離れてもいい?」
「まだダメ」
「えぇ……」
「もう少しこのままでいさせて……」
「仕方ないなぁ……」
僕達はそのまま抱き合い続けた。
しばらくして、ようやく解放してくれた。
「満足しました?」
「うん」
「そうですか。良かったです」
「じゃあ、そろそろ帰ろうか」
「はい。あっ、待ってください」
彼女は自分の上着を脱いで僕に掛けてくれた。
「これを着ててください」
「ありがとう」
「いえ、どう致しまして」
「じゃあ、行こうか」
「はい」

僕達は手を繋いで歩き出した。
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