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地底湖
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「ええっ? 魚の肉って魚人が落とすのっ?」
「いやいや、魚人が、じゃなくて、魚人も、だよ?」
「はははっ、別に魚人の肉ってわけやないから安心して買うたらええよ」
スルフが普段通りのスルフに戻ってくれて一安心しつつ、しかし、魚人が魚肉をドロップした現実にはショックを受けていた。
まあ、まだ会ったことはないけど豚鬼も豚肉をドロップするらしいから、そういう物だと理解するしかないんだよね。
魔物と魔物がドロップする物は別物として割り切って考えないと。
という事で、この魚肉は僕が買わせてもらう事になった。一つで十人前以上取れそうなサイズで、ギルドでの買取価格は五千円程度だそうだ。そこからレストランに回るまでに値段が高騰していくようだ。
流通マジック恐るべし、だよね。
その後、十分もしないで地底湖に着くことができた。何本もの釣り竿が立っていて、遠くでは魔物と戦っているパーティーの姿も見える。
「普通に魚とかが釣れる事はないんやけどねぇ」
「なんか文句でもあんのか?」
スルフのぼやきに対して、後ろから声が掛かる。
「やっぱりツェルンドはんか」
「おう。久しぶりだな。新人ぽいの二人も入れて二階層に来るなんてどうしたんだ?」
「久しぶり」
「おひさ~」
ラングルとニーシムも会話に加わり、フォレストはペコリと顎だけ下げて挨拶をしていた。
「ツェルンドはんは俺らのパーティーにいたことがあるんや」
スルフが簡単に紹介してくれた。僕とミントも簡単に自己紹介をする。すると豪快に背中を叩かれて「まあ頑張れよ」と言われた。
それから暫くの間、ラングル達は地底湖の情報を聞くと共に、お互いの近況について話していた。
どうやら、ツェルンドさんは一人で釣りをしているらしい。釣れるのは魚人や迷宮角付きトドなどで、釣り針に掛かれば戦闘開始になるんだそうだ。
地底湖も普段より魔物が少なくて、暇な毎日を過ごしているらしい。
水を持ってたら分けて欲しいと言われ、ミントが対応していた。ここでの相場は一リットル七千円だそうで、元パーティーとは言え、そこはきっちりと払ってくれた。
ツェルンドさんと別れたあと、地底湖を回り込むように歩き続け、途中、湖から這い上がってきた魚人と迷宮角付きトドと戦うことができた。
「ヌルッとしててやりにくいわ」
と、またもやスルフの機嫌が悪くなっていた。今回はラングルとスルフの二人が結構なダメージを受けた為、フォレストが《応急処置》をして、それからニーシムが《回復》を使った。
《応急処置》や《回復》持ちがいると、高級ポーションを使わなくて済むから出費を抑えることができていい。
「このパーティーは色々なスキルが集まってて理想的ですね」
ミントがそう言いたくなるのも少し分かる気がした。タンク役がいないから、こうやって前衛が怪我をすることもあるけど、それをカバーできるだけの後衛もいるわけだ。
「おっ、ミントはんは分かっとるね」
スルフがミントに親指を立てて見せる。
「治してもらってて自慢しないの~」
「いたたたたー!」
ニーシムがパシンと患部を叩くと、スルフが大袈裟に痛がってみんなを笑わせた。
僕はあんまりうまく笑えなかったけど。
その後、数回の戦闘を経て、僕らは大きな空洞に辿り着いた。
空洞にの真ん中には光の玉が浮いていて、その真下には十人程の人がいるようだ。
「あれがレイドモンスターを出さない為の魔道具の光だそうだ」とラングルが教えてくれた。
光のおかげで空洞内は明るく、ここで百人近くの探索者が休憩している事が分かった。
これだけ探索者がいるのに、レイドモンスターを出さないようにしている理由が良く分からない。
「数よりも質ってことらしのよね~」
「四〇レベル以上やないと一撃死もあるんやって」
僕の素朴な疑問にはニーシムとスルフが答えてくれた。
とりあえず、ここで少し休んでいく事にして、これからの行動について話し合う事になった。
ここは魔物が全く出ない場所ということなので、僕はぐっすりと休ませてもらった。もちろん、《再生機》でここに来るまでの間にあった戦闘を反芻する。
魚人、迷宮角付きトドの他にも、迷宮大鹿、迷宮牙猪、中鬼、迷宮大水蛇などとも戦ってるので、魔物の色々な動きを確認しつつ、経験値を獲得していった。
そして僕は三四レベルになった。
「いやいや、魚人が、じゃなくて、魚人も、だよ?」
「はははっ、別に魚人の肉ってわけやないから安心して買うたらええよ」
スルフが普段通りのスルフに戻ってくれて一安心しつつ、しかし、魚人が魚肉をドロップした現実にはショックを受けていた。
まあ、まだ会ったことはないけど豚鬼も豚肉をドロップするらしいから、そういう物だと理解するしかないんだよね。
魔物と魔物がドロップする物は別物として割り切って考えないと。
という事で、この魚肉は僕が買わせてもらう事になった。一つで十人前以上取れそうなサイズで、ギルドでの買取価格は五千円程度だそうだ。そこからレストランに回るまでに値段が高騰していくようだ。
流通マジック恐るべし、だよね。
その後、十分もしないで地底湖に着くことができた。何本もの釣り竿が立っていて、遠くでは魔物と戦っているパーティーの姿も見える。
「普通に魚とかが釣れる事はないんやけどねぇ」
「なんか文句でもあんのか?」
スルフのぼやきに対して、後ろから声が掛かる。
「やっぱりツェルンドはんか」
「おう。久しぶりだな。新人ぽいの二人も入れて二階層に来るなんてどうしたんだ?」
「久しぶり」
「おひさ~」
ラングルとニーシムも会話に加わり、フォレストはペコリと顎だけ下げて挨拶をしていた。
「ツェルンドはんは俺らのパーティーにいたことがあるんや」
スルフが簡単に紹介してくれた。僕とミントも簡単に自己紹介をする。すると豪快に背中を叩かれて「まあ頑張れよ」と言われた。
それから暫くの間、ラングル達は地底湖の情報を聞くと共に、お互いの近況について話していた。
どうやら、ツェルンドさんは一人で釣りをしているらしい。釣れるのは魚人や迷宮角付きトドなどで、釣り針に掛かれば戦闘開始になるんだそうだ。
地底湖も普段より魔物が少なくて、暇な毎日を過ごしているらしい。
水を持ってたら分けて欲しいと言われ、ミントが対応していた。ここでの相場は一リットル七千円だそうで、元パーティーとは言え、そこはきっちりと払ってくれた。
ツェルンドさんと別れたあと、地底湖を回り込むように歩き続け、途中、湖から這い上がってきた魚人と迷宮角付きトドと戦うことができた。
「ヌルッとしててやりにくいわ」
と、またもやスルフの機嫌が悪くなっていた。今回はラングルとスルフの二人が結構なダメージを受けた為、フォレストが《応急処置》をして、それからニーシムが《回復》を使った。
《応急処置》や《回復》持ちがいると、高級ポーションを使わなくて済むから出費を抑えることができていい。
「このパーティーは色々なスキルが集まってて理想的ですね」
ミントがそう言いたくなるのも少し分かる気がした。タンク役がいないから、こうやって前衛が怪我をすることもあるけど、それをカバーできるだけの後衛もいるわけだ。
「おっ、ミントはんは分かっとるね」
スルフがミントに親指を立てて見せる。
「治してもらってて自慢しないの~」
「いたたたたー!」
ニーシムがパシンと患部を叩くと、スルフが大袈裟に痛がってみんなを笑わせた。
僕はあんまりうまく笑えなかったけど。
その後、数回の戦闘を経て、僕らは大きな空洞に辿り着いた。
空洞にの真ん中には光の玉が浮いていて、その真下には十人程の人がいるようだ。
「あれがレイドモンスターを出さない為の魔道具の光だそうだ」とラングルが教えてくれた。
光のおかげで空洞内は明るく、ここで百人近くの探索者が休憩している事が分かった。
これだけ探索者がいるのに、レイドモンスターを出さないようにしている理由が良く分からない。
「数よりも質ってことらしのよね~」
「四〇レベル以上やないと一撃死もあるんやって」
僕の素朴な疑問にはニーシムとスルフが答えてくれた。
とりあえず、ここで少し休んでいく事にして、これからの行動について話し合う事になった。
ここは魔物が全く出ない場所ということなので、僕はぐっすりと休ませてもらった。もちろん、《再生機》でここに来るまでの間にあった戦闘を反芻する。
魚人、迷宮角付きトドの他にも、迷宮大鹿、迷宮牙猪、中鬼、迷宮大水蛇などとも戦ってるので、魔物の色々な動きを確認しつつ、経験値を獲得していった。
そして僕は三四レベルになった。
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