マイフェアレディ〜♪拗らせ公爵と精霊王に溺愛されてます。

文字の大きさ
6 / 32

6

しおりを挟む
シャルが出てくるので サンドラは
慌てて反対側の角に隠れた

パタン

扉が閉まり シャルの足音が遠ざかっていく 手には包みを持っているようだ

「なんであいつが 捨て子じゃないの?
あたしより……いいえ 私は誰か貴族の娘なのよ こんなにキレイなんですもの!誰か絶対迎えに来るわよ!」
サンドラは確かに 一見は見栄えの良い感じのする女の子だった
赤い髪は人目をひくし 高い鼻 少し細目だが切れ長の綺麗な目 シャルに比べて
身長も高く 出るところは出ている
男の人には受けるであろう または
それを武器に世間を渡っていけるであろう
体つきをしていた

「私は負けないわ」
サンドラがそう呟く

サンドラがシャルにこうも敵対心を燃やすのか シャルは孤児院や教会の者たちの
評判がすこぶる良いのだ 仕事は丁寧だし
小さい子供達を怒ることもしないで
優しく接する 文句を言ったこともない
外見よりも 中身がちゃんとしていると
大人達は判断していた 子供達はシャルが優しいとみんなが知っていた
それに比べてサンドラは
まず子供達に余り好かれていなかった
まず 気に食わなかったら 怒鳴る 馬鹿にする 手を出す 食事をコッソリ取り上げる とにかく自分中心で世の中回っている性格なので 特に小さい子どもには
嫌われている程だった
10歳を超えるくらいになると
サンドラの怖さにへつらうという
処世術を自然に身につける子供もいた
それが取り巻き達 その子達も小さい子供達を一緒にいじめるので 嫌われていた

自分より受けのよいシャルを サンドラが
嫌うのは根が深く 院長先生も手に負えないところになっている

そしてサンドラがシャルの後をつけているのを 部屋から出てきた院長が見ていた

「サンドラは 話を聞いていたのかも
嫉妬でシャルに何かしなければ良いのだけども」
ふと シャルの了承の返事を早くお伝えして 予定よりも早く迎えに来てもらった方が良いかもしれないと思ったのだ
それならと 足早に教会へと歩いていった


部屋に戻ったシャルは
ベッドの上に 先程院長先生から返してもらった包を置いて開いた

「これに私が…ちっちゃいわ ふふ」
『シャル 大きくなったよ』
『いい子に育ったしね 綺麗な魔力だよ』 
「大事にしとかないと」
そういってただ置いとくだけでは危ないかもと置き場を選んでいたら 
「そうだ!」
床の板が外れやすいところがあって
2枚外してそこに入れた
この部屋に入ってくる人は誰もいない
しかも こんな床板が外れることも 外して取っていくなんて誰も出来ないだろうと
考えたのだ そこで見ている人がいるなんて思いもせず

「あんなところに隠すなんて ふふ」

音をたてずに 遠ざかるサンドラ



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。

婚約者に値踏みされ続けた文官、堪忍袋の緒が切れたのでお別れしました。私は、私を尊重してくれる人を大切にします!

ささい
恋愛
王城で文官として働くリディア・フィアモントは、冷たい婚約者に評価されず疲弊していた。三度目の「婚約解消してもいい」の言葉に、ついに決断する。自由を得た彼女は、日々の書類仕事に誇りを取り戻し、誰かに頼られることの喜びを実感する。王城の仕事を支えつつ、自分らしい生活と自立を歩み始める物語。 ざまあは後悔する系( ^^) _旦~~ 小説家になろうにも投稿しております。

あっ、追放されちゃった…。

satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。 母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。 ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。 そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。 精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。

公爵子息の母親になりました(仮)

綾崎オトイ
恋愛
幼い頃に両親を亡くした伯爵令嬢のエルシーは、伯爵位と領地を国に返して修道院に行こうと思っていた しかしそのタイミングで子持ちの公爵ディアンから、結婚の話を持ちかけられる 一人息子アスルの母親になってくれる女性を探していて、公爵夫人としての振る舞いは必要ない、自分への接触も必要最低限でいい そんなディアンの言葉通りに結婚を受けいれたエルシーは自分の役割を果たし息子のアスルに全力の愛を注いでいく 「私の可愛い子。たった一人の私の家族、大好きよ」 「エルシー! 僕も大好きだよ!」 「彼女、私を避けすぎじゃないか?」 「公爵様が言ったことを忠実に守っているだけじゃないですか」

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない

陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」 デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。 そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。 いつの間にかパトロンが大量発生していた。 ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

処理中です...