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ブルトカール編
43、マジックトリュフ
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「マジックトリュフだと!?」
「ええ、そうなの。マルチトリュフによく似た見た目だから、紛れ込んでしまったようなの」
「なるほどな……倒れた者は誤って摂取してしまい、魔力がうまく巡っていないのだな」
「そうね、中毒症状が出ているのも、魔力量の多い子達ばかりだわ。魔力が暴走する前に、成分の中和をしないと……」
「うむ、ヘタをすれば、城ごと吹き飛ぶな」
マジックトリュフは悪魔族にとって毒にも近いものだった。誤って口にすれば、体内で魔力をうまく操作できなくなり、中毒症状がでてくる。このまま放置していると、魔力が暴走して周囲に危険がおよぶのだ。
そんな危険なマジックトリュフだが、他の種族では影響がないせいか、基本的に認知度が低い。ほとんどの悪魔族はそんな悪影響があるなど知らなかった。
毒の研究をしてきたアスモデウスと、膨大な書物の知識があるベルゼブブだから、すんなり理解できていた。
「まずは、マジックトリュフに関する文献を調べましょう。治療法を調べないと」
「それなら、我が文献を集めるから、お主はそれを調べるのだ」
「ありがとう、ベルゼブブ」
アスモデウスは、時折り倒れた者の様子をうかがいに戻りながら、ベルゼブブの集めてくれた文献を調べていた。
山積みになった本にもたれかかり、深いため息をつく。
(ダメだわ……こんなに調べたのに、治療法までは載っていない。どうしたら、あれを治せるの?)
最後の一冊も調べ終わり、途方に暮れていた。マジックトリュフの説明と、中毒症状までは載っているのに、治療法の記載がないのだ。
悪魔族にしか中毒症状が出ないことと、悪魔族が治療という分野に興味がないため、情報がないのかもしれない。
困りはてたアスモデウスは、食堂にいるベルゼブブの元へ歩き始めた。
食堂では、仕分けされたマジックトリュフが集められていた。もちろん、畑の分もチェック済みだ。そして恐ろしいことに、全体の三割がマジックトリュフだった。
大人の背丈の半分ほどのカゴが六個あり、すべて山盛りになっている。
「結構な量になるわねぇ……」
「おぉ、アスモデウスか、ちょうどよいところに来たな。このマジックトリュフはどうするのだ?」
「そうねぇ……あとで必要になるかもしれないから、私の部屋に運んでほしいわ。それで、私の部屋は立ち入り禁止にしてもらえる?」
「うむ、承知した。手配しよう。それで、治療法は見つかったか?」
「それを相談しに来たのよ」
アスモデウスは食堂の椅子に座り、頬杖をついた。結局、治療法は見つけられなかった。もし聞くにしても、治療法を一緒に考えてくれるものなどいるのだろうか?
医療の知識があって、なおかつ回復魔術などが使える者でないと、治療法の確立は難しいだろう。そして、そんな人物が悪魔族に協力してくれるのだろうか?
これにはベルゼブブも「かなり難しいな……」と黙り込んでしまった。レオンには奴隷の件に集中して欲しくて、できれば相談したくない。
ふたりの間に重い空気が流れるだけで、解決の目処が立たないでいた。
***
「ガオオォォォッ!!」
ホワイトタイガーの重低音の咆哮が、草原に響いた。闘志をまとわせて、ひとりの女性にむきあっている。
「まだまだ甘い! 白い虎柄の猫ちゃんにしか見えないよ!!」
その咆哮を受けても、ビクリともしないのはアリシアだった。ライルとアシェルの実力チェックから、毎日ルージュ・デザライトに来て、戦闘訓練が行われている。
「ガウッ!?」
(猫!?)
「ガルルルル……ガオオッ!!」
(クソッ……今度はオレが行く!!)
アリシアの周りに七つの魔術陣が浮かんでいる。どこから疾風の斬撃が、飛んでくるかわからない。
ただただ感覚を研ぎ澄まし、気配を感じとる。ライルは目を閉じて、聴力に意識を集中した。
(っ! 聞こえた!)
わずかにヒュッと、風が通る音が聞こえた。三番目の魔術陣からだ。あとは軌道をよんで避ければいい。何なくジャンプして回避する。
「うん、ライルいいね! そうやって自分の全てを使って、感じ取るんだよ」
アルブスの二番隊隊長の実力は、その辺の近衛騎士など百人がかりでも敵わないくらいには強いのだ。
ライルとアシェルは獣人族なので基礎能力は高いが、子供なので実戦経験がない。せめて身を守れるくらいはと、攻撃を受けないための訓練をしていた。
その後も三時間ほど続けて、ようやく訓練が終わる。
「はいっ! じゃぁ、今日はここまで!」
「「ありがとうございました……」」
アリシアはグッタリしたふたりを連れて、城の食堂に向かった。レオンから、訓練後の食事を用意してもらっているのだ。
ここでお腹いっぱい食べてから、メイリルの宿屋に戻るのが日課になりつつある。
「ほら、いっぱい食べなよ! 育ち盛りなんだからね!」
「「はいっ!!」」
そう言って、山盛りのフライドチキンと、サラダやスープをテーブルにドンっと置いた。
前はよくこうやって、後輩の面倒を見ていたなとアリシアは思い出す。
三人で食事をとっていると、アスモデウスがやってきて、深刻な雰囲気でベルゼブブと会話していた。様子が気になったので、聖神力で聴力を強化する。
すると、アスモデウスの声が耳に届いた。
『回復薬の開発となると、医療の知識と回復魔術も使えないと無理でしょうねぇ……』
『そうだな……悪魔族では、回復魔術が使える者がおらぬしな。探すとしても、かなり難しいな……』
(医療の知識と回復魔術……?)
アリシアはふたりに食事を続けるように言って、アスモデウスに声をかけた。心当たりがあったからだ。
「あの……勝手に話を聞いて申し訳ないけど、回復魔術が使える人を探してますか?」
「え、えぇ、それと医療の知識も必要なの。しかも私たちに協力してくれる人なんていなくて、困っていたのよ」
「誰か心当たりはないかのぅ?」
「いますよ、適任者が」
「「えっ!?」」
あまりの驚きに見事にハモった。このふたりは仲良いんだろうなと、アリシアは勝手にホクホクしてしまう。
「ライルとアシェルを宿屋に送り届けたら、適任者を連れて戻ってくるので、もう少しだけ待ってもらえますか?」
「本当に……?」
「待つのは構わんが……大丈夫なのか?」
「大丈夫です! ノエル様に頼みますから!」
そう、ひとりだけ好きなことして楽しんでる、適任者がいるのだ。しかも、そいつの動かし方は心得ている。
(うふふ、待ってなさいよ。フィルレス)
そしてアリシアはその一時間後、キッチリと適任者を連れてきたのだった。
「ええ、そうなの。マルチトリュフによく似た見た目だから、紛れ込んでしまったようなの」
「なるほどな……倒れた者は誤って摂取してしまい、魔力がうまく巡っていないのだな」
「そうね、中毒症状が出ているのも、魔力量の多い子達ばかりだわ。魔力が暴走する前に、成分の中和をしないと……」
「うむ、ヘタをすれば、城ごと吹き飛ぶな」
マジックトリュフは悪魔族にとって毒にも近いものだった。誤って口にすれば、体内で魔力をうまく操作できなくなり、中毒症状がでてくる。このまま放置していると、魔力が暴走して周囲に危険がおよぶのだ。
そんな危険なマジックトリュフだが、他の種族では影響がないせいか、基本的に認知度が低い。ほとんどの悪魔族はそんな悪影響があるなど知らなかった。
毒の研究をしてきたアスモデウスと、膨大な書物の知識があるベルゼブブだから、すんなり理解できていた。
「まずは、マジックトリュフに関する文献を調べましょう。治療法を調べないと」
「それなら、我が文献を集めるから、お主はそれを調べるのだ」
「ありがとう、ベルゼブブ」
アスモデウスは、時折り倒れた者の様子をうかがいに戻りながら、ベルゼブブの集めてくれた文献を調べていた。
山積みになった本にもたれかかり、深いため息をつく。
(ダメだわ……こんなに調べたのに、治療法までは載っていない。どうしたら、あれを治せるの?)
最後の一冊も調べ終わり、途方に暮れていた。マジックトリュフの説明と、中毒症状までは載っているのに、治療法の記載がないのだ。
悪魔族にしか中毒症状が出ないことと、悪魔族が治療という分野に興味がないため、情報がないのかもしれない。
困りはてたアスモデウスは、食堂にいるベルゼブブの元へ歩き始めた。
食堂では、仕分けされたマジックトリュフが集められていた。もちろん、畑の分もチェック済みだ。そして恐ろしいことに、全体の三割がマジックトリュフだった。
大人の背丈の半分ほどのカゴが六個あり、すべて山盛りになっている。
「結構な量になるわねぇ……」
「おぉ、アスモデウスか、ちょうどよいところに来たな。このマジックトリュフはどうするのだ?」
「そうねぇ……あとで必要になるかもしれないから、私の部屋に運んでほしいわ。それで、私の部屋は立ち入り禁止にしてもらえる?」
「うむ、承知した。手配しよう。それで、治療法は見つかったか?」
「それを相談しに来たのよ」
アスモデウスは食堂の椅子に座り、頬杖をついた。結局、治療法は見つけられなかった。もし聞くにしても、治療法を一緒に考えてくれるものなどいるのだろうか?
医療の知識があって、なおかつ回復魔術などが使える者でないと、治療法の確立は難しいだろう。そして、そんな人物が悪魔族に協力してくれるのだろうか?
これにはベルゼブブも「かなり難しいな……」と黙り込んでしまった。レオンには奴隷の件に集中して欲しくて、できれば相談したくない。
ふたりの間に重い空気が流れるだけで、解決の目処が立たないでいた。
***
「ガオオォォォッ!!」
ホワイトタイガーの重低音の咆哮が、草原に響いた。闘志をまとわせて、ひとりの女性にむきあっている。
「まだまだ甘い! 白い虎柄の猫ちゃんにしか見えないよ!!」
その咆哮を受けても、ビクリともしないのはアリシアだった。ライルとアシェルの実力チェックから、毎日ルージュ・デザライトに来て、戦闘訓練が行われている。
「ガウッ!?」
(猫!?)
「ガルルルル……ガオオッ!!」
(クソッ……今度はオレが行く!!)
アリシアの周りに七つの魔術陣が浮かんでいる。どこから疾風の斬撃が、飛んでくるかわからない。
ただただ感覚を研ぎ澄まし、気配を感じとる。ライルは目を閉じて、聴力に意識を集中した。
(っ! 聞こえた!)
わずかにヒュッと、風が通る音が聞こえた。三番目の魔術陣からだ。あとは軌道をよんで避ければいい。何なくジャンプして回避する。
「うん、ライルいいね! そうやって自分の全てを使って、感じ取るんだよ」
アルブスの二番隊隊長の実力は、その辺の近衛騎士など百人がかりでも敵わないくらいには強いのだ。
ライルとアシェルは獣人族なので基礎能力は高いが、子供なので実戦経験がない。せめて身を守れるくらいはと、攻撃を受けないための訓練をしていた。
その後も三時間ほど続けて、ようやく訓練が終わる。
「はいっ! じゃぁ、今日はここまで!」
「「ありがとうございました……」」
アリシアはグッタリしたふたりを連れて、城の食堂に向かった。レオンから、訓練後の食事を用意してもらっているのだ。
ここでお腹いっぱい食べてから、メイリルの宿屋に戻るのが日課になりつつある。
「ほら、いっぱい食べなよ! 育ち盛りなんだからね!」
「「はいっ!!」」
そう言って、山盛りのフライドチキンと、サラダやスープをテーブルにドンっと置いた。
前はよくこうやって、後輩の面倒を見ていたなとアリシアは思い出す。
三人で食事をとっていると、アスモデウスがやってきて、深刻な雰囲気でベルゼブブと会話していた。様子が気になったので、聖神力で聴力を強化する。
すると、アスモデウスの声が耳に届いた。
『回復薬の開発となると、医療の知識と回復魔術も使えないと無理でしょうねぇ……』
『そうだな……悪魔族では、回復魔術が使える者がおらぬしな。探すとしても、かなり難しいな……』
(医療の知識と回復魔術……?)
アリシアはふたりに食事を続けるように言って、アスモデウスに声をかけた。心当たりがあったからだ。
「あの……勝手に話を聞いて申し訳ないけど、回復魔術が使える人を探してますか?」
「え、えぇ、それと医療の知識も必要なの。しかも私たちに協力してくれる人なんていなくて、困っていたのよ」
「誰か心当たりはないかのぅ?」
「いますよ、適任者が」
「「えっ!?」」
あまりの驚きに見事にハモった。このふたりは仲良いんだろうなと、アリシアは勝手にホクホクしてしまう。
「ライルとアシェルを宿屋に送り届けたら、適任者を連れて戻ってくるので、もう少しだけ待ってもらえますか?」
「本当に……?」
「待つのは構わんが……大丈夫なのか?」
「大丈夫です! ノエル様に頼みますから!」
そう、ひとりだけ好きなことして楽しんでる、適任者がいるのだ。しかも、そいつの動かし方は心得ている。
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