お前のこと、猫ちゃんて呼んだろか!!

ぽんぽこ狸

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ロイネの気持ち その1

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 ルカの部屋から戻ると、私はお義父さまに呼び出された。
 タイミングを見計らったような呼び出しに、何となく納得して、適当に服を着替え、お義父さまの部屋へと足を運ぶ。
 部屋には、お義父さまとお義母さまそれからクルスがいた。
 
「ロイネ、急な呼び出しをしてすまないな。さぁこちらへおいで、少し話をしよう」
「こんばんはロイネ、待っていましたよ」
 
 お義父さまとお義母さまはやさしく笑って私に声をかけ、クルスは少しだけ、不機嫌そうに、視線を逸らす。
 
「……」
 
 みんなどうやら何があったか検討がついているらしい。
 
 部屋に入るため、一歩、踏み出そうとして、それから数歩下がる。
 すると、アンジュがちょうど隣に来たので、その腕に顔を埋める。
 
「!…………、ロイネ姫様?」
 
 私を振り払うような事はせずに、アンジュは、私に優しい声をかけた。
 
 ……。
 
 えっと……まだ、というかまったく、気持ちの整理が出来ていない。
 先程起こった事に理解が出来ていなくて、でも、その、やさしく私を見るみんなの視線に、放棄していたしていた思考が戻ってくる。
 
 私、情けない。
 
 喧嘩っていうか、振られたっていうか、軽蔑されていたっていうか。
 
 なんか、なん、か。
 
「ふ、うっ、」
 
 人と、衝突したのなど初めてで、故意に人を叩いたのも初めてで、混乱する頭の中で、感情が、爆発するように溢れ出た。その感情はそのまま、涙になって、アンジュの裾を濡らす。
 
 なんか、怖かったし、嫌だったし、混乱したし、恥ずかしくて、それで……悲しかった。
 
「っ、う、ひっ」
「あ、ああ、ロイネ姫様、姫様、泣かないで」
 
 アンジュが困ってしまっている。すぐに、涙を止めよう唇を噛んで、堪えるのに、止まって欲しいと願えば願うほど、次から次に涙が溢れ出て、止めどなく流れていく。
 
 あぁ、もう。もう!
 
 自分を制御出来ない苛立ちに、また、腹が立って、自分の腕を握りしめる。
 
「ロイネ」
 
 お義母さまの声がして、顔をあげると、少し、離れた所で、私に向けて、両手を広げた。
 
「おいで、泣いていいのですよ」
 
 ズッと鼻をすすって、ゆっくりとお義母さまの元に向かうと、引き寄せられ、ぎゅうと抱きしめられる。
 
「っ、う、ううっ!ひっく、お、お義母、さまっ」
「えぇ、大丈夫、わたくしがついていますから」
「、はい、……っ、うぅ」
 
 子供のように泣きじゃくる私に、お義母さまはやさしく背中をさすって、それから、私を抱き上げて、皆がいるソファへと運ぶ。降ろされて座った後も、私は、お義母さまに抱きついて、感情に任せて泣き続けた。
 
 
 


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