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しおりを挟む……やり口がぼったくり店のそれっぽい気がするが、これが本物のぼったくり店なら、無一文だという時点で、黒服のごつい連中にぼこぼこに痛い目に遭わされるだろう。そう考えたら、この出来のよさそうな男に抱かれるぐらいで事が済むなら、良心的な気さえしてくる。
しらふの時だったら、また違った答えになっていたはずで、ボクはすぐさまセージを殴りつけてこんな場所をおさらばしていたはずだ。それが一番、自分にとって利がある。
……そーだ、それに。ペットだ何だという人間が、まともなセックスをするはずない、黒服にボコされる方がまだましな痛い目に遭わされる可能性だって……。
「ユキ……ね、大丈夫、絶対に優しくするから」
まるで思考を読んだような一言に、つい、本当に?と問うような視線を送ってしまう。そうすると、彼はボクの頬を包み込むようにして、ささえて、心底優しく唇を重ねてくる。
「んっ……、まって、なあ、っつ。まだボク、い、いいって、言ってない」
「シェリー酒」
「……?」
「もう一本開けようか、酔ってた方が理性を飛ばしやすいし、痛みも感じづらいから、ね?」
……ね、って言われても知らねえよ。
頭の中で突っ込みを入れている間にも、セージは、ボクにギュッとハグをして、機嫌よく立ち上がり去っていく。しばらくすれば、彼は戻ってきて、その手には、酒のボトル以外も何か持っている気がしたが、薄暗い中では、はっきりと認識することができない。
ボクはソファーから起き上がって、ぼんやりセージを見上げていると、彼は、ショットグラスにお酒を注ぎ、それから、ボクの口につけてまた、飲ませる。
「、っ、ン……、なあ、セージ、割と限界、近くて、けっこう、酔ってる」
「……知ってる。今君、真っ赤だもん」
そうだろうなと思ってはいたが、実際に指摘されると、さすがに恥ずかしい。
「……。」
「可愛いよ、リンゴみたいで」
言いながら、セージはシャツを脱いで、想像よりずっと引き締まった体に息をのむ。もしかすると、しらふの時でも、簡単には逃げ出せなかったかもしれない。
そして今も。
何をされたとしても主導権は、セージが持っているのだ。彼がやさしくしてあげようかなという気分じゃなくなって、乱暴にされれば、きっとなすすべがなくなってしまう。
セージは、ボクに手を伸ばす、酔っていて熱い頬に手の甲で触れて、その熱を確かめる。
至極、嬉しそうに頬をさすって、それから、項、首筋、鎖骨、と男性らしく骨ばった大きな手が、移動していく。少し、強く体を押されて、抵抗せずに、仰向けになる。ひじ掛けを枕代わりにして、ソファーの座面に背中を預けると、セージはボクを覆い隠すように被さって、キスをする。
それから、慣れた手つきで、パジャマのボタンを外していく。前開きのものだったので、完全に服を脱がされるようなことにならなくてよかったと思う反面、この服は、セージのものでありダボダボしていて、ボクの体が彼より貧相なことを証明しているようで、どうせ薄暗いのだ、全部脱いでしまえばいいとも思う。
「っ!、うっ。……」
「はは、可愛い反応だ」
……舐めっ、妙なカンジ……変だ、やっぱ、やめたいかも。
いつの間にか、服は完全にはだけて、服の大切な機能を果たさなくなっていた。そして、露出した肌をセージは、ゆっくり摩りながら、ボクの胸を熱い舌で練るように舐める。
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