俺の彼女はいつも隣に

作このえ りのん:校正ヴァルキュリア

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言い訳

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「おかーーーーーさーーーーーん!!  」

一人の少年が母親の元へかけていく。泣き付きに来たようだが、果たしてその内容とは……

「姉ちゃんと拓斗兄ちゃんがぷろれすごっこ混ぜてくれないよーーー!  」

何とも少年が使う言葉にしては、とても似つかわしくない意味を含んだ『ぷろれすごっこ』であった。

「もーやだ!  かず走らないで」

それを耳にする母親はどうするのか。

「ねえねえ。おかーさん、姉ちゃんと拓斗兄ちゃんがぷろれすごっこしてたんだけど、混ぜてーって言っても混ぜてくれなかったのー」

少年が頬をぷくーっと膨らませながら言い放たれたこのセリフ。そこで母親は……

「プロレスごっこ?  それはどんな事してたの?  」
 (あの子達がプロレスごっこですって?  本当にそういう意味なの?  )

「んとねー、拓斗兄ちゃんが姉ちゃんをギュッてしてベッドにドーンてして、その後拓斗兄ちゃんお馬さんで姉ちゃんの上に乗ってた」

ギュッてしてドーンしてお馬さん!?  

母親、驚き過ぎて語彙力が家出してしまう。
そんな事も気にせず、母親の目がキラリと光る。

「ゆっくりしてられないわ!!  今日はパーっとするわよ!!  」

「?  」

少年、母親に置いてきぼりにされる。


────


二人は無言で服を整える。

那由は椅子に座り、机で頭を抱える。
拓斗は那由のベッドに座り、同じく頭を抱える。

そんな中、二人の心の声が一致する。

(やばい。どうしよう。なんて言い訳しよう……。それにしても……)

「もう少しだったのにいいいいいい」

「危なかった。あのままヤる所までヤってしまう所だった……。って、何がもう少しだ!?  あそこまでしなくてもよかったろ!?  」

「なによ。別にいいじゃない。拓ちゃんも良さそうだったじゃない」

「うぐ……」
(そこを突かれると何も言い返せないじゃないか……)

(んふふ……今回もダメだったけど、拓ちゃんの反応を見るとまるっきりダメってことはなさそうね)
「まぁ、それにしてもなんて言い訳しようか……」

その言葉でまた静寂が訪れる。


10分後……

(二人)(また話しかけずらくなってきた)

『…………………………』


40分後……

(二人)(もういっそこのまま今日が終わらないかな……)
 
『…………………………』

早く話さないかと二人はチラ見合戦をしていた。が、上手く交互に見ていたせいでお互い気付いていない。
そんな一見静かなようで何となく忙しいこの空気を割いたのは、お決まりの第3者登場。

ガチャッ

「姉ちゃん、拓斗兄ちゃんご飯だよ!  ……そんなに驚いてどしたの?  」

「そ、そんな事ないよ???  ねえ?  」

「あ、あぁ!  驚いてないぞぉ?  」
(俺に助け求めるなよ!?  )

「そなの?  じゃ早く来てねー!  僕先行くねー!  」


『……………………』


「ねえ拓ちゃん、言い訳……思いついた?  」

「…全然……」

「と、とりあえず、冷めちゃうし行こうか。」

「あぁ」

二人は頭の中、真っ白のまま食卓へ赴くのだった。


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