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第2話
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聖山にある仙宮。聖女の居室にて。普段と変わらない夜明けの薄明の中、聖女エリカは目を覚ました。白布のかかった天蓋つきの寝台から身体を起こす。手で眼前の布を払おうと手を伸ばせば、手が空を切る。
何か、違和感がある。伸ばした右手を見た。ほっそりと長い彼女の指……ではない。小さな紅葉のような手だった。彼女がそうしようとすれば、指先が閉じ、開く。
急速に嫌な予感が胸の中で膨らんだ。慌てて、寝台から抜け出そうとしたのだが、自分自身の衣服を自分で踏みつけ、寝台から派手に転がり落ちた。
ずきずきと痛む頭を押さえながら、おそるおそる姿見をのぞきこむ。
優雅な装飾が施された金縁の姿見は、変わり果てた聖女をありのまま映し出す。――肩からずり落ちそうな衣服を着て、茫然とした表情で映り込む幼いころの己の姿を。
ぺたぺたと自分の頬に触れ、鏡に映る動きと頬の感触に呆然とした。
いかに強大な法力を誇る彼女でも、幼子の姿に逆行する日が来るとは予想すらしていなかった。
白磁の肌はそのままに、肌に差した血色はまるで薔薇のようで愛らしく、唇はみずみずしいさくらんぼの色で。芸術品のごとき完璧な肢体は五、六歳程度まで縮み。精巧な人形のように整った顔の造作も、未成熟ゆえの愛らしさが前面に出てしまい、要は元の面影が残った別人のような変貌である。
――どうしてこんなことに。昔の私だからかわいい幼女になっているけれど。こんな子が近くにいたら、頭をよしよしと撫でて、お菓子をあげて可愛がりたくなるわね。
聖女は己の可愛さに自覚的だった。
ひとしきり「かわいい幼女のポーズ」を色々やってみた後、昨夜のことを思い出そうと首を捻る。
昨夜は年に一度の大祭で、夜遅くまで宴が行われていた。宴そのものは早々に引き上げたが、自室の窓辺で独り酒を楽しんでいた。お気に入りの林檎酒をがばがば飲んで、瓶を空にし、夜風に当たって涼んでいた。そこから先がわからない。
空になった瓶が相当数、部屋に散乱しているかと周囲を見渡すと、自室はきれいなものだった。だれかが片付けてくれたのかもしれない。
――飲みすぎて、記憶が吹っ飛んだ?
幼女エリカは短くなった腕を組み、もう一度鏡の中の自分を見つめた。あどけない幼女がまじまじとこちらを見つめ返してくる。
――この姿を他の人に見られるのはまずいでしょうね。大騒動になってしまうし、色々と面倒になりそう。
お付きの侍女は泣き虫だから、エリカが事情を説明しても泣き止まないだろうし、神官長は持病の胃痛を悪化させてしまうだろうし、表に出ることもできないだろう。
書記官のイーサンはどうだろう。「何をやっているのですか、ふざけているのですか」と静かに怒り出すかもしれない。
もちろんふざけて幼女になったわけではないが、実際のところ、地上で聖女より法力を持つ者はおらず、聖女に干渉できる者もない。で、あれば、これは自分自身で引き起こしたと思うのが自然だ。イーサンに責められると何となく居心地が悪くなるような気がして、エリカはイーサンにだけは見られないようにしようと心に決めた。
すぐにずれ落ちそうになる衣服を何度か直すうち、ふと思いついて、右の袖を大きくまくる。
――《冥界王の傷》は残っているのね。
《冥界王の傷》と呼ぶのは、肘から二の腕あたりまで広がった傷跡のことだ。溶岩をかき混ぜてそのまま冷やしたような赤黒い傷跡は、彼女が何度生まれ変わろうとも体の同じ部位に現われてきた。今の幼い身体では、痛々しさが増している。
はるか昔、冥界王が聖女を襲った際についた傷だ。その当時は天地の区別も曖昧で、冥界王は頻繁に地上を攻めてきた。冥界王は文字通り冥界の王。聖女と比肩する強さがあり、その冥界王がつけた傷は、身体ばかりでなく聖女の魂に癒えない傷を残した。腕の傷跡はそのなごりである。聖女が百年に一度の「生まれ変わり」を強いられるようになったのは、それからだ。
今となっては聖女が聖女である証ともなっている「それ」を確認し、聖女は元のように袖口を下ろした。
――寝て起きたら元の姿に戻っていたりしないかしら。
鏡の幼女が小首を傾げる。かわいい。
大きなお目目はくりくりだし、これで目を潤ませでもしたら、大人たちはどんなわがままでも聞いてくれそう。
ふむ、と聖女は顎に手を当て考える。そして、衝撃的なことに気付いてしまった。
普段であれば、みなが式典や絵姿で聖女の顔を知っているため、自由には振る舞えない。幼女の姿になった今こそ、気ままに外に出られる滅多にない機会ではないか。
――この機会を生かさない手はありませんね。
ふっふっふ、と自分の思いつきにやける。
そこへ自室の扉をノックする者がいた。状況が状況なので、びくりとエリカは肩を震わせた。侍女がもう起こしに来たのか、と思っていたが。
『猊下。失礼いたします。急ぎで確認していただきたい書類を持って参りました』
金模様が施された木製の扉から男の声が響く。よりにもよって書記官イーサンが来てしまった。緊急で書類の確認をしたいようだが、エリカの身体も緊急事態だ。さすがに出ていくわけにはいかない。エリカは声を張り上げた。
「イーサン。ごめんなさい。悪いけれど、後にしてくれない? 立て込んでいるの」
『……急ぎなのです』
「神官長に代決してもらって。今は本当に無理だから」
『申し訳ありません』
ガチャリ。なぜか扉が開く音がした。入ってよいと言っていないのに。
身を隠そうと慌てて、バルコニーへ続くガラス張りの扉へにじり寄る。その間にも広い部屋を横切るように奥の寝台へ向かう足音が規則正しく聞こえてくる。
「猊下、どちらにいらっしゃるのですか」
しつこさのあまり、さすがに声を上げた。
「イーサン。今は会いたくないの。帰ってちょうだい」
「……なぜです?」
エリカの声を頼りに近寄ってくるイーサンの声が一段低くなる。
彼女はふっと微笑む。ほとんどやけくそだった。
「ないしょ!」
バルコニーへ続くガラス戸を大きく開け放ち、早く早くと駆け出した。背後からイーサンの気配が迫ってくる。この姿が見られる前にと、幼子は法力でふわりと浮いて、たやすくバルコニーの手すりを飛び越えた。手すりの向こうは、空《くう》。ひたすら落ちるのみ。
「今日は聖女をお休みしますから。イーサン、後は任せましたよ!」
これから胃が痛くなるであろう書記官に一声かけておく。彼は空のバルコニーを見て、茫然とするはずだろうが、これも仕方ないと諦めてほしい。
仙宮の立地は険しい山にある。エリカの自室は仙宮の奥、断崖絶壁の上だ。
よって、エリカは気が遠くなるほど深い崖の下へ落ちていく。
上を見上げれば、バルコニーの手すりから身を乗り出しているイーサンがいた。その姿もゴマ粒のようにあっという間に小さくなる。とびきり視力がいい彼女にはイーサンが見えているが、イーサン側からはエリカの姿が縮んだなどとはわからなかっただろう。
きっと、仙宮に住まう者みんなを困らせている。冷静じゃない、賢い選択ではなかっただろう。しかし、おのずと微笑みが零れてしまうのだ。
――ああ、どうしましょう。勝手に外に出るのは悪いことなのに。悪いことがこんなに気持ちいいなんて。
聖山にある仙宮。聖女の居室にて。普段と変わらない夜明けの薄明の中、聖女エリカは目を覚ました。白布のかかった天蓋つきの寝台から身体を起こす。手で眼前の布を払おうと手を伸ばせば、手が空を切る。
何か、違和感がある。伸ばした右手を見た。ほっそりと長い彼女の指……ではない。小さな紅葉のような手だった。彼女がそうしようとすれば、指先が閉じ、開く。
急速に嫌な予感が胸の中で膨らんだ。慌てて、寝台から抜け出そうとしたのだが、自分自身の衣服を自分で踏みつけ、寝台から派手に転がり落ちた。
ずきずきと痛む頭を押さえながら、おそるおそる姿見をのぞきこむ。
優雅な装飾が施された金縁の姿見は、変わり果てた聖女をありのまま映し出す。――肩からずり落ちそうな衣服を着て、茫然とした表情で映り込む幼いころの己の姿を。
ぺたぺたと自分の頬に触れ、鏡に映る動きと頬の感触に呆然とした。
いかに強大な法力を誇る彼女でも、幼子の姿に逆行する日が来るとは予想すらしていなかった。
白磁の肌はそのままに、肌に差した血色はまるで薔薇のようで愛らしく、唇はみずみずしいさくらんぼの色で。芸術品のごとき完璧な肢体は五、六歳程度まで縮み。精巧な人形のように整った顔の造作も、未成熟ゆえの愛らしさが前面に出てしまい、要は元の面影が残った別人のような変貌である。
――どうしてこんなことに。昔の私だからかわいい幼女になっているけれど。こんな子が近くにいたら、頭をよしよしと撫でて、お菓子をあげて可愛がりたくなるわね。
聖女は己の可愛さに自覚的だった。
ひとしきり「かわいい幼女のポーズ」を色々やってみた後、昨夜のことを思い出そうと首を捻る。
昨夜は年に一度の大祭で、夜遅くまで宴が行われていた。宴そのものは早々に引き上げたが、自室の窓辺で独り酒を楽しんでいた。お気に入りの林檎酒をがばがば飲んで、瓶を空にし、夜風に当たって涼んでいた。そこから先がわからない。
空になった瓶が相当数、部屋に散乱しているかと周囲を見渡すと、自室はきれいなものだった。だれかが片付けてくれたのかもしれない。
――飲みすぎて、記憶が吹っ飛んだ?
幼女エリカは短くなった腕を組み、もう一度鏡の中の自分を見つめた。あどけない幼女がまじまじとこちらを見つめ返してくる。
――この姿を他の人に見られるのはまずいでしょうね。大騒動になってしまうし、色々と面倒になりそう。
お付きの侍女は泣き虫だから、エリカが事情を説明しても泣き止まないだろうし、神官長は持病の胃痛を悪化させてしまうだろうし、表に出ることもできないだろう。
書記官のイーサンはどうだろう。「何をやっているのですか、ふざけているのですか」と静かに怒り出すかもしれない。
もちろんふざけて幼女になったわけではないが、実際のところ、地上で聖女より法力を持つ者はおらず、聖女に干渉できる者もない。で、あれば、これは自分自身で引き起こしたと思うのが自然だ。イーサンに責められると何となく居心地が悪くなるような気がして、エリカはイーサンにだけは見られないようにしようと心に決めた。
すぐにずれ落ちそうになる衣服を何度か直すうち、ふと思いついて、右の袖を大きくまくる。
――《冥界王の傷》は残っているのね。
《冥界王の傷》と呼ぶのは、肘から二の腕あたりまで広がった傷跡のことだ。溶岩をかき混ぜてそのまま冷やしたような赤黒い傷跡は、彼女が何度生まれ変わろうとも体の同じ部位に現われてきた。今の幼い身体では、痛々しさが増している。
はるか昔、冥界王が聖女を襲った際についた傷だ。その当時は天地の区別も曖昧で、冥界王は頻繁に地上を攻めてきた。冥界王は文字通り冥界の王。聖女と比肩する強さがあり、その冥界王がつけた傷は、身体ばかりでなく聖女の魂に癒えない傷を残した。腕の傷跡はそのなごりである。聖女が百年に一度の「生まれ変わり」を強いられるようになったのは、それからだ。
今となっては聖女が聖女である証ともなっている「それ」を確認し、聖女は元のように袖口を下ろした。
――寝て起きたら元の姿に戻っていたりしないかしら。
鏡の幼女が小首を傾げる。かわいい。
大きなお目目はくりくりだし、これで目を潤ませでもしたら、大人たちはどんなわがままでも聞いてくれそう。
ふむ、と聖女は顎に手を当て考える。そして、衝撃的なことに気付いてしまった。
普段であれば、みなが式典や絵姿で聖女の顔を知っているため、自由には振る舞えない。幼女の姿になった今こそ、気ままに外に出られる滅多にない機会ではないか。
――この機会を生かさない手はありませんね。
ふっふっふ、と自分の思いつきにやける。
そこへ自室の扉をノックする者がいた。状況が状況なので、びくりとエリカは肩を震わせた。侍女がもう起こしに来たのか、と思っていたが。
『猊下。失礼いたします。急ぎで確認していただきたい書類を持って参りました』
金模様が施された木製の扉から男の声が響く。よりにもよって書記官イーサンが来てしまった。緊急で書類の確認をしたいようだが、エリカの身体も緊急事態だ。さすがに出ていくわけにはいかない。エリカは声を張り上げた。
「イーサン。ごめんなさい。悪いけれど、後にしてくれない? 立て込んでいるの」
『……急ぎなのです』
「神官長に代決してもらって。今は本当に無理だから」
『申し訳ありません』
ガチャリ。なぜか扉が開く音がした。入ってよいと言っていないのに。
身を隠そうと慌てて、バルコニーへ続くガラス張りの扉へにじり寄る。その間にも広い部屋を横切るように奥の寝台へ向かう足音が規則正しく聞こえてくる。
「猊下、どちらにいらっしゃるのですか」
しつこさのあまり、さすがに声を上げた。
「イーサン。今は会いたくないの。帰ってちょうだい」
「……なぜです?」
エリカの声を頼りに近寄ってくるイーサンの声が一段低くなる。
彼女はふっと微笑む。ほとんどやけくそだった。
「ないしょ!」
バルコニーへ続くガラス戸を大きく開け放ち、早く早くと駆け出した。背後からイーサンの気配が迫ってくる。この姿が見られる前にと、幼子は法力でふわりと浮いて、たやすくバルコニーの手すりを飛び越えた。手すりの向こうは、空《くう》。ひたすら落ちるのみ。
「今日は聖女をお休みしますから。イーサン、後は任せましたよ!」
これから胃が痛くなるであろう書記官に一声かけておく。彼は空のバルコニーを見て、茫然とするはずだろうが、これも仕方ないと諦めてほしい。
仙宮の立地は険しい山にある。エリカの自室は仙宮の奥、断崖絶壁の上だ。
よって、エリカは気が遠くなるほど深い崖の下へ落ちていく。
上を見上げれば、バルコニーの手すりから身を乗り出しているイーサンがいた。その姿もゴマ粒のようにあっという間に小さくなる。とびきり視力がいい彼女にはイーサンが見えているが、イーサン側からはエリカの姿が縮んだなどとはわからなかっただろう。
きっと、仙宮に住まう者みんなを困らせている。冷静じゃない、賢い選択ではなかっただろう。しかし、おのずと微笑みが零れてしまうのだ。
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