3 / 7
第3話
しおりを挟む
聖女は着ている衣を媒介に、法力で風を操った。落下するだけだった聖女の身体が、明らかに飛行する体勢に変わり、燕のように低く滑空した。
こうしていくつかの近隣の山を通り過ぎ、聖女はとある町の外れに着地した。「とある町」とは、聖女自身も適当に目のついたところに下りたため、町の名がわからなかったためである。人気のない草原で、美幼女エリカは大きく伸びをした。
「よし、行ってみましょう!」
気を取り直して、町を散策することにした。
エリカが降り立ったのは街道沿いで栄えている宿場町のようだ。目抜き通りでは朝市が行われている。突き当りに町の中心たる神殿が構えていた。念のため、神官たちのいる神殿に近づかないようにしつつ、朝市の色んな屋台をのぞいていく。粗末な木製の屋台に並ぶ商品は、雑貨や日用品も多いが、圧倒的に食べ物が目立つ。あちらこちらから美味しそうな匂いが漂ってくるし、建物の壁によりかかりながら朝食を頬張る人の姿があちらこちらで見受けられた。
聖女であるエリカはさして食物を口にする必要はないが、食事をする行為は好んでいた。ゆっくり時間をかけて、ひとくちずつ口の中に含み、舌で味わうと、味覚だけが思考のすべてを占めて、他のことを何も考えられなくなるからだ。普段から口さびしくなれば、いつも飴玉を舐めるし、甘いお酒も好んでちびちびと飲んでいる。
――朝市なんて随分久しぶり。この活気はいいわね。
守護している聖女冥利に尽きるというものだ。どれだけ聖女が地上のために働こうとも、細かな理不尽や暴力や嫉妬は消えてなくならないが、人々が明るい顔で動いているのを見ると安心できた。
市場の匂いに釣られ、あちらこちらとひらひらした蝶のように人の波を漂う。お金を持っていないのが心底残念だった。
――だれか親切な人が御馳走してくれたらいいのに。
そんな虫のよい話があるわけもなく。仕方ないのでしばらくぷらぷら歩いていると、
「おや、お嬢ちゃん。どうしたの。ご両親は? 迷子かい?」
屋台の店番をしていた恰幅の良いおばさまが声をかけてきた。急に話しかけられたので驚いてしまい、一瞬、言葉に詰まってしまう。
「あ、あのう……」
「やっぱり、そうかい! みんな、この子迷子みたいだよ!」
おばさまが声を張り上げたのをきっかけに、人だかりができた。
「お、迷子なのかい。嬢ちゃん、お名前はわかる?」
「衛兵に声をかけてみるか。もしかしたらこの子の親が探し回っているかもしれねえよ」
「この辺じゃ見ないようなかわいらしい子だ。ちゃんとしてやらないと人さらいにやられちまうかもしれねえ」
明らかに周囲から抜き出た容姿のエリカは悪目立ちをしていたようだ。
悪人であれば法力で振り切って逃げればいいだけなのだが、親切心で声をかけてくれる一般人には無茶なこともできない。
「ん。……だいじょうぶ! おとうさまがむかえにきてくれるのよ!」
考えた挙句、エリカは適当な嘘をつくことにした。
「どこにむかえに来るって言ったんだい?」
しかし、おばさまを初めとした良き大人たちには心配そうな顔をされてしまう。なるほど、幼女の姿は不便だ。子どもだから信用されにくい。
「えーと、えーと、ね」
困り果てていたところに。
人混みから、ぬっと、陽の光を遮らんばかりの大きな人影が出て来た。
「何をやっている。探していたんだぞ。――エリカ」
エリカの名を呼ぶ者がいた。この場で聖女の名を知る者はいないはず。それも、普段と姿とまるで違うのに。どうして。
心臓がどくんどくんと鼓動を打つ。
視線をゆっくりと上げた。相手の顔がわかるや、思わず感嘆の息を漏らしてしまう。
あまりにも浮世離れした美丈夫だったからだ。
まず目に入るのは銀色の髪。背中から腰へと流れ、光に透けてきらきら光る。目の色は黒曜石のような深い黒。眉も目元もすっきりとして余分な雑味は一切見受けられず、衣服に包まれていてもその四肢は均整が取れていて、力強さがあった。まるで彫刻家が生涯をかけて追い求めた理想の美男がそのまま人間になったかのよう。
――だが、エリカにはその男に見覚えがなかった。
そこらを歩いている町の住民ではないだろう。人間であれば、よほど地位の高い神官か、あるいは。
絶世の美男だが近寄りがたいのは、肌や目に生気が感じられないからだろう。何かがおかしいのだけれども、エリカには人間にしか見えなかった。
「なんだ、不思議そうな顔をして。おとうさまの顔を見忘れたか?」
男は目配せをしてくる。ここは合わせろ、と言いたげだ。
エリカははっとなり、とっさに抱き着いた。
「おーそいーっ! おとうさまっ、エリカはまっていたのよ!」
幼女姿のエリカにも気付く不審者ではあるが、正体は後で確かめればよいと考えた。朝市に集まった善良な人々から逃れる方が先決だし、善良な人々から怪しい人物を引きはがすためでもある。
小さな身体で男へ突進すれば、男は予想していなかったのか、びくっと固まる。
「おとうさま?」
エリカはどさくさにまぎれて男の呼吸を確かめた。胸が上下し、喉仏が動く。彼は普通の人間のようだった。血の気のなかった耳や首筋もうっすら桃色に色づき始めている。
男は石像のようになっていたが、ぎこちなくエリカの頭を撫でた。
「さ、いこ、おとうさま!」
エリカは声を張り上げ、男の袖口を掴む。
「エリカにたくさん美味しいものをかってくれるってやくそくしたよねっ!」
そのまま彼を引っ張り、ぐいぐいと人込みの外へ押し出したのだった。
「うわあ、なるほど。あの娘に、あの父ありというわけか。美形親子だ。寿命が延びる心地がしたぜ……」
「どこの子だろうねえ。高貴な方のお忍びかしら」
町の人たちの興奮した声が背後から聞こえてきた。ひとまず場は収まったようだ。
「それで、あなたはだれですか?」
人込みから離れて、人気の少ない路地に入ると、エリカは隣を歩く男に尋ねた。彼は先ほどから黙りこくりつつも、何度か横のエリカを気にしている素振りを見せていた。
「私を知っているのですか? ごめんなさい、私は忘れっぽいところがありますから、人のことも思い出せないことがあるのです。どこかで会いましたか?」
幼い容姿のエリカがわかるぐらいだ。よほどエリカと会ったことがあると思っていたのだが。
「言いたくない」
男は視線を逸らして答えそのものを拒絶した。エリカは男の視線の先に回り込んだ。
「わかりました。では名前を教えてもらえませんか? そうしたら思い出せるかもしれません」
「……ハンス?」
「なぜ疑問形なんです? 『ハンス』ではないということですか」
彼は否定も肯定もしない。適当な偽名なのだろう。そこまでして名前を告げたくないようだ。『ハンス』という名も、大陸中でありふれた名前である。男の子の名付けランキングを行えば、不動の一位だ。
男の美貌も素晴らしいものだが、着ている服も顔と身体に負けないぐらい上等なものである。男が身に付けた翡翠の耳環もよく見れば、精緻な植物模様が施された見事な品である。
彼にはもっとふさわしい名があるに違いないのだ。
――まあ、いいか。
エリカはそこで思考を放棄した。あの場に男が現われたことは彼女に都合がよかったのだから。助かりました、と一言礼を述べて歩き出す。
「どこへ行く」
「え? もう少し町を見ようと思って」
彼はエリカを見下ろした。正確には、法力で微妙に地面から浮かしているが、ほとんど身体の寸法とあっておらずぶかぶかとなった寝間着を。
町の人から声をかけられたのも、彼女の容姿ばかりでなく恰好も問題だったのだろうが、これは仕方がない。
――イーサンがあんなに早く部屋に来なければ、もう少しやりようがあったと思う。
余った裾をびりびりに破っておくとか。今からでも破っておこうかしら、と布に手をかけようとしたところ、男は「俺も行く」と言い出した。
「服を、買う」
「えぇ?」
「動きにくいだろう」
エリカはここで男と別れるつもり満々だったのだが、そう言われて思い直した。また町の人に心配されて大騒ぎになるのも困るし、男の正体も気になる。たとえ何があろうとも、聖女であるエリカであれば対処できるだろう。
「ならば連れて行ってくださる?」
エリカは男へ向かって右手を出した。その際にぶかぶかの袖がめくれ、《冥界王の傷跡》があらわとなった。
「あ、ごめんなさい。汚いものを見せてしまいました」
「……汚くなんかない」
さっと袖を直したのにも関わらず、男が傷跡のある辺りをじっと見つめていることに気付く。見つめているばかりでなかった、男ははらはらと音もなく落涙しているのである。美丈夫が恥も外聞もなく泣いている……。まるで絵画のような一場面であるが、さすがに戸惑った。彼は醜い傷など見たこともないぐらいの純粋培養で育ったお坊ちゃんだったのだろうか。
「古着屋に行く」
男はぽつんと呟いて歩いていくのでエリカもついていく。
「おとうさま~! まって~! エリカを置いていかないで~!」
周囲の目を欺くための小芝居も忘れなかった。
こうしていくつかの近隣の山を通り過ぎ、聖女はとある町の外れに着地した。「とある町」とは、聖女自身も適当に目のついたところに下りたため、町の名がわからなかったためである。人気のない草原で、美幼女エリカは大きく伸びをした。
「よし、行ってみましょう!」
気を取り直して、町を散策することにした。
エリカが降り立ったのは街道沿いで栄えている宿場町のようだ。目抜き通りでは朝市が行われている。突き当りに町の中心たる神殿が構えていた。念のため、神官たちのいる神殿に近づかないようにしつつ、朝市の色んな屋台をのぞいていく。粗末な木製の屋台に並ぶ商品は、雑貨や日用品も多いが、圧倒的に食べ物が目立つ。あちらこちらから美味しそうな匂いが漂ってくるし、建物の壁によりかかりながら朝食を頬張る人の姿があちらこちらで見受けられた。
聖女であるエリカはさして食物を口にする必要はないが、食事をする行為は好んでいた。ゆっくり時間をかけて、ひとくちずつ口の中に含み、舌で味わうと、味覚だけが思考のすべてを占めて、他のことを何も考えられなくなるからだ。普段から口さびしくなれば、いつも飴玉を舐めるし、甘いお酒も好んでちびちびと飲んでいる。
――朝市なんて随分久しぶり。この活気はいいわね。
守護している聖女冥利に尽きるというものだ。どれだけ聖女が地上のために働こうとも、細かな理不尽や暴力や嫉妬は消えてなくならないが、人々が明るい顔で動いているのを見ると安心できた。
市場の匂いに釣られ、あちらこちらとひらひらした蝶のように人の波を漂う。お金を持っていないのが心底残念だった。
――だれか親切な人が御馳走してくれたらいいのに。
そんな虫のよい話があるわけもなく。仕方ないのでしばらくぷらぷら歩いていると、
「おや、お嬢ちゃん。どうしたの。ご両親は? 迷子かい?」
屋台の店番をしていた恰幅の良いおばさまが声をかけてきた。急に話しかけられたので驚いてしまい、一瞬、言葉に詰まってしまう。
「あ、あのう……」
「やっぱり、そうかい! みんな、この子迷子みたいだよ!」
おばさまが声を張り上げたのをきっかけに、人だかりができた。
「お、迷子なのかい。嬢ちゃん、お名前はわかる?」
「衛兵に声をかけてみるか。もしかしたらこの子の親が探し回っているかもしれねえよ」
「この辺じゃ見ないようなかわいらしい子だ。ちゃんとしてやらないと人さらいにやられちまうかもしれねえ」
明らかに周囲から抜き出た容姿のエリカは悪目立ちをしていたようだ。
悪人であれば法力で振り切って逃げればいいだけなのだが、親切心で声をかけてくれる一般人には無茶なこともできない。
「ん。……だいじょうぶ! おとうさまがむかえにきてくれるのよ!」
考えた挙句、エリカは適当な嘘をつくことにした。
「どこにむかえに来るって言ったんだい?」
しかし、おばさまを初めとした良き大人たちには心配そうな顔をされてしまう。なるほど、幼女の姿は不便だ。子どもだから信用されにくい。
「えーと、えーと、ね」
困り果てていたところに。
人混みから、ぬっと、陽の光を遮らんばかりの大きな人影が出て来た。
「何をやっている。探していたんだぞ。――エリカ」
エリカの名を呼ぶ者がいた。この場で聖女の名を知る者はいないはず。それも、普段と姿とまるで違うのに。どうして。
心臓がどくんどくんと鼓動を打つ。
視線をゆっくりと上げた。相手の顔がわかるや、思わず感嘆の息を漏らしてしまう。
あまりにも浮世離れした美丈夫だったからだ。
まず目に入るのは銀色の髪。背中から腰へと流れ、光に透けてきらきら光る。目の色は黒曜石のような深い黒。眉も目元もすっきりとして余分な雑味は一切見受けられず、衣服に包まれていてもその四肢は均整が取れていて、力強さがあった。まるで彫刻家が生涯をかけて追い求めた理想の美男がそのまま人間になったかのよう。
――だが、エリカにはその男に見覚えがなかった。
そこらを歩いている町の住民ではないだろう。人間であれば、よほど地位の高い神官か、あるいは。
絶世の美男だが近寄りがたいのは、肌や目に生気が感じられないからだろう。何かがおかしいのだけれども、エリカには人間にしか見えなかった。
「なんだ、不思議そうな顔をして。おとうさまの顔を見忘れたか?」
男は目配せをしてくる。ここは合わせろ、と言いたげだ。
エリカははっとなり、とっさに抱き着いた。
「おーそいーっ! おとうさまっ、エリカはまっていたのよ!」
幼女姿のエリカにも気付く不審者ではあるが、正体は後で確かめればよいと考えた。朝市に集まった善良な人々から逃れる方が先決だし、善良な人々から怪しい人物を引きはがすためでもある。
小さな身体で男へ突進すれば、男は予想していなかったのか、びくっと固まる。
「おとうさま?」
エリカはどさくさにまぎれて男の呼吸を確かめた。胸が上下し、喉仏が動く。彼は普通の人間のようだった。血の気のなかった耳や首筋もうっすら桃色に色づき始めている。
男は石像のようになっていたが、ぎこちなくエリカの頭を撫でた。
「さ、いこ、おとうさま!」
エリカは声を張り上げ、男の袖口を掴む。
「エリカにたくさん美味しいものをかってくれるってやくそくしたよねっ!」
そのまま彼を引っ張り、ぐいぐいと人込みの外へ押し出したのだった。
「うわあ、なるほど。あの娘に、あの父ありというわけか。美形親子だ。寿命が延びる心地がしたぜ……」
「どこの子だろうねえ。高貴な方のお忍びかしら」
町の人たちの興奮した声が背後から聞こえてきた。ひとまず場は収まったようだ。
「それで、あなたはだれですか?」
人込みから離れて、人気の少ない路地に入ると、エリカは隣を歩く男に尋ねた。彼は先ほどから黙りこくりつつも、何度か横のエリカを気にしている素振りを見せていた。
「私を知っているのですか? ごめんなさい、私は忘れっぽいところがありますから、人のことも思い出せないことがあるのです。どこかで会いましたか?」
幼い容姿のエリカがわかるぐらいだ。よほどエリカと会ったことがあると思っていたのだが。
「言いたくない」
男は視線を逸らして答えそのものを拒絶した。エリカは男の視線の先に回り込んだ。
「わかりました。では名前を教えてもらえませんか? そうしたら思い出せるかもしれません」
「……ハンス?」
「なぜ疑問形なんです? 『ハンス』ではないということですか」
彼は否定も肯定もしない。適当な偽名なのだろう。そこまでして名前を告げたくないようだ。『ハンス』という名も、大陸中でありふれた名前である。男の子の名付けランキングを行えば、不動の一位だ。
男の美貌も素晴らしいものだが、着ている服も顔と身体に負けないぐらい上等なものである。男が身に付けた翡翠の耳環もよく見れば、精緻な植物模様が施された見事な品である。
彼にはもっとふさわしい名があるに違いないのだ。
――まあ、いいか。
エリカはそこで思考を放棄した。あの場に男が現われたことは彼女に都合がよかったのだから。助かりました、と一言礼を述べて歩き出す。
「どこへ行く」
「え? もう少し町を見ようと思って」
彼はエリカを見下ろした。正確には、法力で微妙に地面から浮かしているが、ほとんど身体の寸法とあっておらずぶかぶかとなった寝間着を。
町の人から声をかけられたのも、彼女の容姿ばかりでなく恰好も問題だったのだろうが、これは仕方がない。
――イーサンがあんなに早く部屋に来なければ、もう少しやりようがあったと思う。
余った裾をびりびりに破っておくとか。今からでも破っておこうかしら、と布に手をかけようとしたところ、男は「俺も行く」と言い出した。
「服を、買う」
「えぇ?」
「動きにくいだろう」
エリカはここで男と別れるつもり満々だったのだが、そう言われて思い直した。また町の人に心配されて大騒ぎになるのも困るし、男の正体も気になる。たとえ何があろうとも、聖女であるエリカであれば対処できるだろう。
「ならば連れて行ってくださる?」
エリカは男へ向かって右手を出した。その際にぶかぶかの袖がめくれ、《冥界王の傷跡》があらわとなった。
「あ、ごめんなさい。汚いものを見せてしまいました」
「……汚くなんかない」
さっと袖を直したのにも関わらず、男が傷跡のある辺りをじっと見つめていることに気付く。見つめているばかりでなかった、男ははらはらと音もなく落涙しているのである。美丈夫が恥も外聞もなく泣いている……。まるで絵画のような一場面であるが、さすがに戸惑った。彼は醜い傷など見たこともないぐらいの純粋培養で育ったお坊ちゃんだったのだろうか。
「古着屋に行く」
男はぽつんと呟いて歩いていくのでエリカもついていく。
「おとうさま~! まって~! エリカを置いていかないで~!」
周囲の目を欺くための小芝居も忘れなかった。
3
あなたにおすすめの小説
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
冷酷侯爵と政略結婚したら、実家がざまぁされました
鍛高譚
恋愛
「この結婚は、家のため。ただの政略結婚よ」
そう言い聞かせ、愛のない結婚を受け入れた公爵令嬢リゼット。
しかし、挙式後すぐに父が「婚約破棄しろ」と命じてきた!?
だが、夫であるアレクシス・フォン・シュヴァルツ侯爵は冷たく言い放つ。
「彼女を渡すつもりはない」
冷酷無慈悲と噂される侯爵が、なぜかリゼットを溺愛し始める!?
毎日甘やかされ、守られ、気づけば逃げ場なし!
さらに、父の不正が明るみに出て、公爵家は失墜――
リゼットを道具として利用しようとした者たちに、ざまぁの鉄槌が下される!
政略結婚から始まる、甘々溺愛ラブストーリー!
「愛なんてないはずなのに……どうしてこんなに大切にされるの?」
王家の血を引いていないと判明した私は、何故か変わらず愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女であるスレリアは、自身が王家の血筋ではないことを知った。
それによって彼女は、家族との関係が終わると思っていた。父や母、兄弟の面々に事実をどう受け止められるのか、彼女は不安だったのだ。
しかしそれは、杞憂に終わった。
スレリアの家族は、彼女を家族として愛しており、排斥するつもりなどはなかったのだ。
ただその愛し方は、それぞれであった。
今まで通りの距離を保つ者、溺愛してくる者、さらには求婚してくる者、そんな家族の様々な対応に、スレリアは少々困惑するのだった。
婚約破棄して泥を投げつけた元婚約者が「無能」と笑う中、光り輝く幼なじみの王子に掠め取られました。
ムラサメ
恋愛
「お前のような無能、我が家には不要だ。今すぐ消えろ!」
婚約者・エドワードのために身を粉にして尽くしてきたフィオナは、卒業パーティーの夜、雨の中に放り出される。
泥にまみれ、絶望に沈む彼女の前に現れたのは、かつての幼なじみであり、今や国中から愛される「黄金の王子」シリルだった。
「やっと見つけた。……ねえ、フィオナ。あんなゴミに君を傷つけさせるなんて、僕の落ち度だね」
汚れを厭わずフィオナを抱き上げたシリルは、彼女を自分の屋敷へと連れ帰る。
「自分には価値がない」と思い込むフィオナを、シリルは異常なまでの執着と甘い言葉で、とろけるように溺愛し始めて――。
一方で、フィオナを捨てたエドワードは気づいていなかった。
自分の手柄だと思っていた仕事も、領地の繁栄も、すべてはフィオナの才能によるものだったということに。
ボロボロになっていく元婚約者。美しく着飾られ、シリルの腕の中で幸せに微笑むフィオナ。
「僕の星を捨てた報い、たっぷりと受けてもらうよ?」
圧倒的な光を放つ幼なじみによる、最高に華やかな逆転劇がいま始まる!
団長様、再婚しましょう!~お転婆聖女の無茶苦茶な求婚~
甘寧
恋愛
主人公であるシャルルは、聖女らしからぬ言動を取っては側仕えを困らせていた。
そんなシャルルも、年頃の女性らしく好意を寄せる男性がいる。それが、冷酷無情で他人を寄せ付けない威圧感のある騎士団長のレオナード。
「大人の余裕が素敵」
彼にそんな事を言うのはシャルルだけ。
実は、そんな彼にはリオネルと言う一人息子がいる。だが、彼に妻がいた事を知る者も子供がいたと知る者もいなかった。そんな出生不明のリオネルだが、レオナードの事を父と尊敬し、彼に近付く令嬢は片っ端から潰していくほどのファザコンに育っていた。
ある日、街で攫われそうになったリオネルをシャルルが助けると、リオネルのシャルルを見る目が変わっていき、レオナードとの距離も縮まり始めた。
そんな折、リオネルの母だと言う者が現れ、波乱の予感が……
魔力ゼロと捨てられた私を、王子がなぜか離してくれません ――無自覚聖女の王宮生活――
ムラサメ
恋愛
伯爵家で使用人同然に扱われてきた少女、エリナ。
魔力も才能もないとされ、義妹アリシアの影で静かに生きていた。
ある日、王国第一王子カイルの視察で運命が動き出す。
誰も気づかなかった“違和感”に、彼だけが目を留めて――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる