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第31話
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「カンフォーレ村、実は一回来てみたかったんだよねー」
ヨルムに毒が回らないようゆっくりと歩きながら、リーナは上機嫌にそう言った。
その言葉に、ヨルムとマリーは首を傾げる。
「そうなの?あんなに疲れたって駄々こねてたのに」
「それとこれとは別!疲れたものは疲れた!」
「ですが確かに、村に行くのは嫌がりませんでしたね。行きたくないって転がり回りそうなものですのに」
「さすがに言いすぎじゃない!?」
リーナはそういうが、ヨルムとマリーは地面に転げ回るリーナを容易に想像できた。
リーナは頬を膨らませてむくれるが、すぐに切り替えて話し始めた。
「カンフォーレ村は、魔法界に革命を起こした天才研究者、カトリーヌ様の出身地で、余生を過ごされた土地でもあるんだよ」
「カトリーヌ様って、治癒魔法の開発者の?」
マリーの質問に、リーナは得意げにうなずく。
「カトリーヌ様は治癒魔法だけじゃなくて、魔力探知とか、繰り返し使える魔法石の開発とか、とにかくたくさんの開発をしたんだ。1年で魔法の歴史を100年分進めたとまで言われてるんだよ!」
カトリーヌのことを語るリーナは実に楽しそうで、どれほどカトリーヌを尊敬しているのかが窺えた。
しかしマリーは、少し暗い顔をして目を伏せた。
「ですがカトリーヌ様は、魔法研究所を追放されてしまったのですよね」
マリーの言葉に、リーナは笑顔を消し、眉間にしわを寄せた。
「そう。研究所の規定に違反したとかでね。でもそれが本当かはかなり疑わしいんだ。カトリーヌ様を恨んだやつが、濡れ衣を着せて追い出したって話もある」
「うわー、ありそー」
ヨルムの相槌にリーナがうなずく。
「いつの時代にも、できる人を貶めようとするやつはいるものだよ。本当に」
リーナは吐き捨てるようにそう言った。そこには、天才魔導士と呼ばれるリーナの経験も詰まっているのだろう。
そんな話をしているうちに、薬師がいるという家の前に辿り着いた。
いきなりヨルムが顔を出すと驚かせてしまうかもしれないと、まずはマリーが入って様子を見ることにした。
「ごめんくださーい」
マリーが扉を開けると、扉につけられた木の枝がカラカラと音をたてた。強い薬草のにおいが鼻を刺す。
「はーい」と女性の声が聞こえた。ぱたぱたと足音が聞こえ、奥の部屋から眼鏡を掛けた若い女性が姿を現した。
「どうしました?」
女性は一つに束ねた三つ編みを揺らし、微笑みながら気の強そうな瞳をマリーに向けた。
「えっと、仲間が毒を受けたみたいでして……それで、その仲間が……」
「人間じゃないんですけど、診てもらえますかぁ?」
そう言って、ヨルムが扉から顔を出した。
マリーは驚いてヨルムを二度見した。ヨルムの奥で、リーナも慌てている。
「ちょっと、様子見るって話はなんだったの!?」
「結局姿を見せることにはなるんだからさ、めんどくさいなーって」
リーナはヨルムの背中をぽかぽかと叩いた。マリーはどうしたらいいかわからず右往左往している。
しかし、女性は全く気にしていないようで、大した反応を示さなかった。
「もちろんですよ。どうぞおかけください」
女性のあまりに普通な対応に、マリーたちは驚いた。ヨルムは促されるままに、薬の受け渡し台に向かって備えられた椅子に腰かけた。
女性はヨルムの腕を見て、奥の部屋から湯を持ってきた。
「あ、お湯平気ですか?」
「大丈夫ですぅ」
こわごわと様子を見るマリーたちを余所に、ヨルムは気の抜けた返事をする。
女性はヨルムの腕を湯に浸し、刺された箇所を軽く揉んだ。
「……何も聞かないんですね」
ヨルムがそうつぶやくと、女性は当たり前のように「はい」と返した。
「種族によって対処法が違うということは、あまりないようなので」
女性の答えに、マリーとリーナは目をぱちくりさせた。ヨルムも驚いたようにきょとんとしている。
「……リアム以外にもいるんだね、そういう人」
ヨルムのつぶやきに、リーナがうなずく。マリーは安心したように微笑んだ。
しばらくリーナとマリーは椅子に座り、ただ解毒の様子を傍観していたが、次第にリーナがなにやらそわそわし始めた。
「どうしたの?尿意?」
ヨルムがそう聞くと、リーナは「ちがーう!!」と大きな声を上げた。
女性が目をぱちくりさせているのを見て、リーナは大人しく座り直し、咳払いを一つした。
「えっと……。お姉さんは、カトリーヌ様という方をご存じですか?この村で生まれて、お若いころは王都の魔法研究所にいらっしゃって、それからこちらの村に戻って余生を過ごされたはずなのですが……」
リーナは頬を赤らめて、もじもじとそう尋ねた。普段との様子の違いにヨルムが鼻で笑うと、リーナは椅子に座ったままヨルムを足蹴にした。
女性は驚いたように目を開いてリーナを見た。
「……おそらく、そのカトリーヌは祖母だと思います」
「ええ!?」
リーナが驚きの声を上げて身を乗り出した。
「カトリーヌ様のお孫さん!?本当に!?じゃあここがカトリーヌ様の生家ってことですか!?」
女性が呆気にとられながらうなずくと、リーナは年相応の少女のように目を輝かせた。
「ここでカトリーヌ様が……。すごい……」
リーナはうっとりとして部屋を見渡す。そして再び身を乗り出し、女性に詰め寄った。
「あの、カトリーヌ様はここでも魔法の研究をされたんですか!?」
「えっと……」
女性は困ったように指で頬を掻いた。
「魔法の研究はしていませんでした。いつも薬の研究をしていて……。魔法研究所にいたこと自体、私は知りませんでした」
女性の答えに、リーナの勢いが萎む。リーナは少し落ち込んだように下を向いた。
「そう、ですよね……」
「え、わかってて聞いたの?」
ヨルムの突っ込みに、リーナは再びヨルムを足蹴にした。
「そうだとは思ったけど……。カトリーヌ様なら規定に反して魔法の研究を続けてもおかしくないなって思ったの!」
「規定に反して……とは?」
女性が不思議そうに首を傾げる。その様子に、リーナはカトリーヌが本当に孫の前で魔法の研究をしていないのだと実感した。
「カトリーヌ様は魔法研究所を追放されたんです。魔法研究所の規定では、「追放された者は、二度と魔法の研究をしてはならない」とあります。でもカトリーヌ様はいつも規定すれすれのことをしていたと伝わっているので、もしかしたら追放後も魔法の研究を続けていたのでは、と思ったんです……」
「なるほど……」
女性は納得したようにうなずいた。
「でもっ!」と、リーナは再び身を乗り出した。
「薬の研究をされていたんですよね!カトリーヌ様は変わり者で有名だったそうですが、いつも他人のためになる研究をしていたそうです。魔法を禁じられて薬の研究をするなんて、やっぱりカトリーヌ様は人のためを思える、素晴らしい人だったんだと思います!」
女性はリーナの勢いに圧倒されていたが、リーナが話し終えると、嬉しそうに微笑んだ。
「そうですね……。そう言ってもらえると、祖母も喜ぶと思います。困っている人がいれば、自分の身を犠牲にしてでも救う。祖母はそういう人でしたから」
そう言った女性の笑顔に、リーナは勝手にカトリーヌの面影を重ねた。種族の違いを超えて治療をする女性の姿は、リーナの想像するカトリーヌそのものだった。
この人に会えただけで、この村に来た甲斐があった。そう思い、リーナは満足げに目を細めた。
そんな話をしているうちに解毒が終わり、ヨルムは患部に薬を塗られ、包帯を巻かれた。
「明日になっても腫れが引かなければ、薬を塗って包帯を変えてください」
そう言って、女性はヨルムに塗り薬を手渡した。ヨルムは「どうも」とにこやかに薬を受け取る。
「じゃ、リアムたちと合流しよっか!」
リーナがそう言って、椅子から降りて伸びをした。マリーも椅子から降りてスカートを整える。
「え、リーナ気づいてないの?」
ヨルムは椅子から降りることなくそう言った。リーナはなんのことかと首を傾げた。
直後、微かに感じた魔力に、リーナの背筋が凍りついた。
リーナは杖を構えようとしたが、狭い家の中では杖が壁に当たってしまう。ヨルムはゆっくりと立ち上がり、奥の部屋に目を向けた。
「そこにいるんでしょ?魔王様」
マリーもようやく事態に気付き、首から下げた十字架を握る。
家の奥から、コツコツと足音が聞こえる。徐々に大きくなっていくその音に、リーナの杖を握る手がじんわりと汗ばんでいく。
奥の部屋から、端正な顔立ちの男性が姿を現す。服装や髪型、そして角のない頭から、一瞬人違いかと思った。
しかし男性の金色の瞳と目が合ったとき、リーナは一瞬にして体温を奪われるような錯覚を覚えた。
鋭い視線と威圧感が、重りのように強くのしかかる。そのときようやく、リーナは男性の魔力の波長を拾うことができた。
それは紛れもなく、魔王と同じ魔力だった。
ヨルムに毒が回らないようゆっくりと歩きながら、リーナは上機嫌にそう言った。
その言葉に、ヨルムとマリーは首を傾げる。
「そうなの?あんなに疲れたって駄々こねてたのに」
「それとこれとは別!疲れたものは疲れた!」
「ですが確かに、村に行くのは嫌がりませんでしたね。行きたくないって転がり回りそうなものですのに」
「さすがに言いすぎじゃない!?」
リーナはそういうが、ヨルムとマリーは地面に転げ回るリーナを容易に想像できた。
リーナは頬を膨らませてむくれるが、すぐに切り替えて話し始めた。
「カンフォーレ村は、魔法界に革命を起こした天才研究者、カトリーヌ様の出身地で、余生を過ごされた土地でもあるんだよ」
「カトリーヌ様って、治癒魔法の開発者の?」
マリーの質問に、リーナは得意げにうなずく。
「カトリーヌ様は治癒魔法だけじゃなくて、魔力探知とか、繰り返し使える魔法石の開発とか、とにかくたくさんの開発をしたんだ。1年で魔法の歴史を100年分進めたとまで言われてるんだよ!」
カトリーヌのことを語るリーナは実に楽しそうで、どれほどカトリーヌを尊敬しているのかが窺えた。
しかしマリーは、少し暗い顔をして目を伏せた。
「ですがカトリーヌ様は、魔法研究所を追放されてしまったのですよね」
マリーの言葉に、リーナは笑顔を消し、眉間にしわを寄せた。
「そう。研究所の規定に違反したとかでね。でもそれが本当かはかなり疑わしいんだ。カトリーヌ様を恨んだやつが、濡れ衣を着せて追い出したって話もある」
「うわー、ありそー」
ヨルムの相槌にリーナがうなずく。
「いつの時代にも、できる人を貶めようとするやつはいるものだよ。本当に」
リーナは吐き捨てるようにそう言った。そこには、天才魔導士と呼ばれるリーナの経験も詰まっているのだろう。
そんな話をしているうちに、薬師がいるという家の前に辿り着いた。
いきなりヨルムが顔を出すと驚かせてしまうかもしれないと、まずはマリーが入って様子を見ることにした。
「ごめんくださーい」
マリーが扉を開けると、扉につけられた木の枝がカラカラと音をたてた。強い薬草のにおいが鼻を刺す。
「はーい」と女性の声が聞こえた。ぱたぱたと足音が聞こえ、奥の部屋から眼鏡を掛けた若い女性が姿を現した。
「どうしました?」
女性は一つに束ねた三つ編みを揺らし、微笑みながら気の強そうな瞳をマリーに向けた。
「えっと、仲間が毒を受けたみたいでして……それで、その仲間が……」
「人間じゃないんですけど、診てもらえますかぁ?」
そう言って、ヨルムが扉から顔を出した。
マリーは驚いてヨルムを二度見した。ヨルムの奥で、リーナも慌てている。
「ちょっと、様子見るって話はなんだったの!?」
「結局姿を見せることにはなるんだからさ、めんどくさいなーって」
リーナはヨルムの背中をぽかぽかと叩いた。マリーはどうしたらいいかわからず右往左往している。
しかし、女性は全く気にしていないようで、大した反応を示さなかった。
「もちろんですよ。どうぞおかけください」
女性のあまりに普通な対応に、マリーたちは驚いた。ヨルムは促されるままに、薬の受け渡し台に向かって備えられた椅子に腰かけた。
女性はヨルムの腕を見て、奥の部屋から湯を持ってきた。
「あ、お湯平気ですか?」
「大丈夫ですぅ」
こわごわと様子を見るマリーたちを余所に、ヨルムは気の抜けた返事をする。
女性はヨルムの腕を湯に浸し、刺された箇所を軽く揉んだ。
「……何も聞かないんですね」
ヨルムがそうつぶやくと、女性は当たり前のように「はい」と返した。
「種族によって対処法が違うということは、あまりないようなので」
女性の答えに、マリーとリーナは目をぱちくりさせた。ヨルムも驚いたようにきょとんとしている。
「……リアム以外にもいるんだね、そういう人」
ヨルムのつぶやきに、リーナがうなずく。マリーは安心したように微笑んだ。
しばらくリーナとマリーは椅子に座り、ただ解毒の様子を傍観していたが、次第にリーナがなにやらそわそわし始めた。
「どうしたの?尿意?」
ヨルムがそう聞くと、リーナは「ちがーう!!」と大きな声を上げた。
女性が目をぱちくりさせているのを見て、リーナは大人しく座り直し、咳払いを一つした。
「えっと……。お姉さんは、カトリーヌ様という方をご存じですか?この村で生まれて、お若いころは王都の魔法研究所にいらっしゃって、それからこちらの村に戻って余生を過ごされたはずなのですが……」
リーナは頬を赤らめて、もじもじとそう尋ねた。普段との様子の違いにヨルムが鼻で笑うと、リーナは椅子に座ったままヨルムを足蹴にした。
女性は驚いたように目を開いてリーナを見た。
「……おそらく、そのカトリーヌは祖母だと思います」
「ええ!?」
リーナが驚きの声を上げて身を乗り出した。
「カトリーヌ様のお孫さん!?本当に!?じゃあここがカトリーヌ様の生家ってことですか!?」
女性が呆気にとられながらうなずくと、リーナは年相応の少女のように目を輝かせた。
「ここでカトリーヌ様が……。すごい……」
リーナはうっとりとして部屋を見渡す。そして再び身を乗り出し、女性に詰め寄った。
「あの、カトリーヌ様はここでも魔法の研究をされたんですか!?」
「えっと……」
女性は困ったように指で頬を掻いた。
「魔法の研究はしていませんでした。いつも薬の研究をしていて……。魔法研究所にいたこと自体、私は知りませんでした」
女性の答えに、リーナの勢いが萎む。リーナは少し落ち込んだように下を向いた。
「そう、ですよね……」
「え、わかってて聞いたの?」
ヨルムの突っ込みに、リーナは再びヨルムを足蹴にした。
「そうだとは思ったけど……。カトリーヌ様なら規定に反して魔法の研究を続けてもおかしくないなって思ったの!」
「規定に反して……とは?」
女性が不思議そうに首を傾げる。その様子に、リーナはカトリーヌが本当に孫の前で魔法の研究をしていないのだと実感した。
「カトリーヌ様は魔法研究所を追放されたんです。魔法研究所の規定では、「追放された者は、二度と魔法の研究をしてはならない」とあります。でもカトリーヌ様はいつも規定すれすれのことをしていたと伝わっているので、もしかしたら追放後も魔法の研究を続けていたのでは、と思ったんです……」
「なるほど……」
女性は納得したようにうなずいた。
「でもっ!」と、リーナは再び身を乗り出した。
「薬の研究をされていたんですよね!カトリーヌ様は変わり者で有名だったそうですが、いつも他人のためになる研究をしていたそうです。魔法を禁じられて薬の研究をするなんて、やっぱりカトリーヌ様は人のためを思える、素晴らしい人だったんだと思います!」
女性はリーナの勢いに圧倒されていたが、リーナが話し終えると、嬉しそうに微笑んだ。
「そうですね……。そう言ってもらえると、祖母も喜ぶと思います。困っている人がいれば、自分の身を犠牲にしてでも救う。祖母はそういう人でしたから」
そう言った女性の笑顔に、リーナは勝手にカトリーヌの面影を重ねた。種族の違いを超えて治療をする女性の姿は、リーナの想像するカトリーヌそのものだった。
この人に会えただけで、この村に来た甲斐があった。そう思い、リーナは満足げに目を細めた。
そんな話をしているうちに解毒が終わり、ヨルムは患部に薬を塗られ、包帯を巻かれた。
「明日になっても腫れが引かなければ、薬を塗って包帯を変えてください」
そう言って、女性はヨルムに塗り薬を手渡した。ヨルムは「どうも」とにこやかに薬を受け取る。
「じゃ、リアムたちと合流しよっか!」
リーナがそう言って、椅子から降りて伸びをした。マリーも椅子から降りてスカートを整える。
「え、リーナ気づいてないの?」
ヨルムは椅子から降りることなくそう言った。リーナはなんのことかと首を傾げた。
直後、微かに感じた魔力に、リーナの背筋が凍りついた。
リーナは杖を構えようとしたが、狭い家の中では杖が壁に当たってしまう。ヨルムはゆっくりと立ち上がり、奥の部屋に目を向けた。
「そこにいるんでしょ?魔王様」
マリーもようやく事態に気付き、首から下げた十字架を握る。
家の奥から、コツコツと足音が聞こえる。徐々に大きくなっていくその音に、リーナの杖を握る手がじんわりと汗ばんでいく。
奥の部屋から、端正な顔立ちの男性が姿を現す。服装や髪型、そして角のない頭から、一瞬人違いかと思った。
しかし男性の金色の瞳と目が合ったとき、リーナは一瞬にして体温を奪われるような錯覚を覚えた。
鋭い視線と威圧感が、重りのように強くのしかかる。そのときようやく、リーナは男性の魔力の波長を拾うことができた。
それは紛れもなく、魔王と同じ魔力だった。
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