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どうしようと思うものの、まずはこの現状を理解する必要がある。
確実に言えるのは、この体で先程ジュリアンというイケメンと結婚した。ではなぜ、ブラッドリーとルイスともジュリアンの前で堂々とチュウをしたのか。
夏菜子は今度こそ説明をしっかり聞こうと王女である権限を振りかざすことにした。
「ローザリア王女殿下、いかがしましたか?」
「大切なことなのでもう一度説明してちょうだい」
王女の口調はこんな感じでいいのだろうかと思いながら、夏菜子は再説明を求めたのだった。
説明はなかなか衝撃的な内容を含んでいた。身なりの良い男性である侍従長のクリスは、真面目な顔をしてスラスラととんでもない説明をしたのだ。
なんと、夏菜子はローザリアという名のスクデリーク王国の王女になっていた。更に、本日公爵家次男のジュリアンと結婚。それだけじゃない。宰相の次男であるブラッドリーとも、騎士団を束ねる団長の三男であるルイスとも結婚した。いきなりの重婚だ。前世なら捕まるが、現世では現王のたった一人の王女として随分前から決められていた重要なことだった。
しかも、今夜は三人と初夜を迎える。
もっと色々な男と経験してみたかったとは思ったが、これから一月、必ず三人といたさなくてはならないとは…
そして思う。この体は大丈夫なのかと。
なにせこのローザリアという体、目の前の立派な体躯を持つ三人とセックス三昧などしたら一週間で壊れるのではないかと思える程華奢に感じられるのだ。見える限り、手首がとても細い。
しかし、そこは王女の初夜。ちゃんと対策は取ってある。クリスの説明にはそれもちゃんと含まれていた。
なんと特別な薬が用意されているのだ。使えばたちまちローザリアの入り口は潤い、男達の侵入を容易くしてくれるという。
けれど説得力がないと思うのは、男性のクリスが説明するからだろうか。実際に使ったことがないくせに。
ちなみに三人といたすのは一月のみ。厳密に言うと次の生理が来るまでだ。それ以降は順番にジュリアン、ブラッドリー、ルイスと生理が来る毎に変わって行く。誰の種が芽吹いたのか確実に掴む為だ。ローザリアの妊娠はそこまで管理されるということ。王女という立場なのだから仕方ないかもしれないが、全て筒抜けとなるのは元々王女ではない夏菜子には恥ずかしすぎる。
それに妊娠を王女の仕事と割り切れない夏菜子にはもう一つ何とも言い難いことがあった。三人の夫には子を儲けることへの褒賞があるのだ。二人子供をなせば、種馬を辞められるという特別賞。一人の場合は交渉次第だそうだが。
どうして種馬でなくなることが特別賞なのか。それは種馬を無事にご卒業した後、王配達は夜のお世話係を持つことが出来るからだ。お世話係には誰を任命しても良いという。身分も何も気にせず、務めを果たした種馬は夜な夜な好きな人とイチャイチャ出来るなんて…
妻であるローザリアの立場は、と質問したい。
あまりしっかり聞いていなかった結婚式でのジュリアンの誓いはなんだったのだろう。種馬の誓い?とでも言えばいいのか。
クリスの説明に不備はなかった。理由も意味も理解は出来た。しかし納得出来るかと言えば、答えは否だ。王女ではなく夏菜子として叫べるならば、『何その制度、そんなの廃止すべき!』と怒鳴っていただろう。
種馬達は本当に好きな人というニンジンを目の前にぶら下げられてこれから走り出す。違う、腰を振らされる。かすっかすの出涸らし種馬になるまで。
既に三人にニンジンがいるのか、将又しっかり走らせる為にこれから何本も見せるのか。三人にはゴールに向かって出走することに疑問はないのだろうか。
確実に言えるのは、この体で先程ジュリアンというイケメンと結婚した。ではなぜ、ブラッドリーとルイスともジュリアンの前で堂々とチュウをしたのか。
夏菜子は今度こそ説明をしっかり聞こうと王女である権限を振りかざすことにした。
「ローザリア王女殿下、いかがしましたか?」
「大切なことなのでもう一度説明してちょうだい」
王女の口調はこんな感じでいいのだろうかと思いながら、夏菜子は再説明を求めたのだった。
説明はなかなか衝撃的な内容を含んでいた。身なりの良い男性である侍従長のクリスは、真面目な顔をしてスラスラととんでもない説明をしたのだ。
なんと、夏菜子はローザリアという名のスクデリーク王国の王女になっていた。更に、本日公爵家次男のジュリアンと結婚。それだけじゃない。宰相の次男であるブラッドリーとも、騎士団を束ねる団長の三男であるルイスとも結婚した。いきなりの重婚だ。前世なら捕まるが、現世では現王のたった一人の王女として随分前から決められていた重要なことだった。
しかも、今夜は三人と初夜を迎える。
もっと色々な男と経験してみたかったとは思ったが、これから一月、必ず三人といたさなくてはならないとは…
そして思う。この体は大丈夫なのかと。
なにせこのローザリアという体、目の前の立派な体躯を持つ三人とセックス三昧などしたら一週間で壊れるのではないかと思える程華奢に感じられるのだ。見える限り、手首がとても細い。
しかし、そこは王女の初夜。ちゃんと対策は取ってある。クリスの説明にはそれもちゃんと含まれていた。
なんと特別な薬が用意されているのだ。使えばたちまちローザリアの入り口は潤い、男達の侵入を容易くしてくれるという。
けれど説得力がないと思うのは、男性のクリスが説明するからだろうか。実際に使ったことがないくせに。
ちなみに三人といたすのは一月のみ。厳密に言うと次の生理が来るまでだ。それ以降は順番にジュリアン、ブラッドリー、ルイスと生理が来る毎に変わって行く。誰の種が芽吹いたのか確実に掴む為だ。ローザリアの妊娠はそこまで管理されるということ。王女という立場なのだから仕方ないかもしれないが、全て筒抜けとなるのは元々王女ではない夏菜子には恥ずかしすぎる。
それに妊娠を王女の仕事と割り切れない夏菜子にはもう一つ何とも言い難いことがあった。三人の夫には子を儲けることへの褒賞があるのだ。二人子供をなせば、種馬を辞められるという特別賞。一人の場合は交渉次第だそうだが。
どうして種馬でなくなることが特別賞なのか。それは種馬を無事にご卒業した後、王配達は夜のお世話係を持つことが出来るからだ。お世話係には誰を任命しても良いという。身分も何も気にせず、務めを果たした種馬は夜な夜な好きな人とイチャイチャ出来るなんて…
妻であるローザリアの立場は、と質問したい。
あまりしっかり聞いていなかった結婚式でのジュリアンの誓いはなんだったのだろう。種馬の誓い?とでも言えばいいのか。
クリスの説明に不備はなかった。理由も意味も理解は出来た。しかし納得出来るかと言えば、答えは否だ。王女ではなく夏菜子として叫べるならば、『何その制度、そんなの廃止すべき!』と怒鳴っていただろう。
種馬達は本当に好きな人というニンジンを目の前にぶら下げられてこれから走り出す。違う、腰を振らされる。かすっかすの出涸らし種馬になるまで。
既に三人にニンジンがいるのか、将又しっかり走らせる為にこれから何本も見せるのか。三人にはゴールに向かって出走することに疑問はないのだろうか。
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