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冒険者
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次の日は草原で薬草を採集する事にした。
昨日とは逆に南の方へと進んで薬草を集めていく。
早速品質の良いヒールグラスを大量に集める事が出来た。
指輪の中に入れたものは劣化が遅れる様になっているらしく、旅立ちの時に入れておいてくれた食料はまだ新鮮そのもので、昼休憩の時に美味しくいただいた。
芽依も元気を取り戻して、昼からの薬草採集の続きも張り切ってやっていた。
『ハル様』
薬草を探して歩いていると、空からオオトリが降りてきた。
「昨日はありがとう。お陰で助かったわ」
「ありがとうオオトリ!」
『お役に立てて光栄です。昨日の夜のうちに泉に帰ってソータ様にご報告をして参りました』
オオトリは私達が眠っている間も働いていてくれたのね。
「ご苦労様。颯太は何か言っていた?」
『はい。あまり無理をしない様にして欲しいと。それから、ハル様の裁量で《突然変異》を数回使ってみてはどうかとも仰っていました』
《突然変異》。
最近はずっと使っていなかったが、私の能力を拡張する為の能力だ。
今でも戦闘面で充分足りている気がするが、芽依の為に使える技能が増えると助かる。
ポイントにも余裕があるし試しに三回ほど使用してみようか。
「ありがとう。試してみるわ」
休憩ついでに試してみる事にした。
一回目に出たのは【神聖魔法】。
神聖魔法というのは魔族の学校でも聞いた事がない。名前から察するに神様絡みの魔法なのかも知れない。
人間で知っている者がいるだろうか?
二回目に出たのは【硬化】。
任意のものを一時的に硬化させる事が出来る様だ。物体にも生物にも可能らしい。
三回目に出たのは【眷属召喚】。
眷属化した者を自分の所に呼び出す事が出来る。任意で送還もできる様だ。
これはかなり使える。いざという時に颯太やカクカミ達を呼び出す事が出来る。
本当に危険な時に使わせてもらおう。
「ありがとう。オオトリが颯太のアドバイスを伝えてくれたお陰で便利な能力が増えたわ。また泉に行く事があったら増えた能力の事と私が礼を言っていた事を伝えてもらえるかしら」
『承知しました』
オオトリは飛び立っていく。
「お母さん便利な能力が増えて良かったね」
「ええ。これで更に安全に冒険者をやらそうよ」
芽依と話しながら薬草採集の続きをする。
ヒールグラス以外にはキュアベリーという実とヘルバサナーレという薬草も見つける事が出来た。
かなりの量を収穫出来て、芽依も大満足だ。二人で意気揚々と街に帰る。
ギルドに納品に行く途中、一昨日助けた三人に出会う。私達を見つけて駆け寄ってきた。
「良かった!ようやく会えた」
そう言いながら笑顔を向けてくる少年。確か名前はセロだったか。
「一昨日は名前も名乗らずにごめん。俺はセロ」
「私はリンでこっちはミラ」
リンと名乗った子が杖を持った子で、栗色の長い髪を後ろで束ねていた。
ミラという子は弓使いでダークブラウンのショートヘアの子だ。
「危ない所を助けてもらってありがとうございました。あなた達が来てくれなかったら私達はここにはいません」
ミラは丁寧に感謝を伝えてきた。
「実は前日に私達もギルドで声を掛けられたの。その時は怪しかったから断ったのだけど、同じ様に声を掛けられたのかと思って偶然見かけたあなた達の後をつけていたの」
「そうだったのか……本当に助かった。ありがとう」
事情を説明したら驚きながらもセロは感謝を伝えてきた。
「何かお礼をしたいと思うのだけどいいものを思いつかなくて……バルドルさんに聞いたら君達はこの街に来たばかりだと言うし、何か困っている事は無いかと思って聞きに来たんだ」
特に困っている事はないが……そうだ。
「街の事ではないけど、あなた達の誰かで神聖魔法について知っている人はいる?」
「私、神聖魔法使いだよ」
やはり人間は神聖魔法を使う事が出来る様だ。
昨日とは逆に南の方へと進んで薬草を集めていく。
早速品質の良いヒールグラスを大量に集める事が出来た。
指輪の中に入れたものは劣化が遅れる様になっているらしく、旅立ちの時に入れておいてくれた食料はまだ新鮮そのもので、昼休憩の時に美味しくいただいた。
芽依も元気を取り戻して、昼からの薬草採集の続きも張り切ってやっていた。
『ハル様』
薬草を探して歩いていると、空からオオトリが降りてきた。
「昨日はありがとう。お陰で助かったわ」
「ありがとうオオトリ!」
『お役に立てて光栄です。昨日の夜のうちに泉に帰ってソータ様にご報告をして参りました』
オオトリは私達が眠っている間も働いていてくれたのね。
「ご苦労様。颯太は何か言っていた?」
『はい。あまり無理をしない様にして欲しいと。それから、ハル様の裁量で《突然変異》を数回使ってみてはどうかとも仰っていました』
《突然変異》。
最近はずっと使っていなかったが、私の能力を拡張する為の能力だ。
今でも戦闘面で充分足りている気がするが、芽依の為に使える技能が増えると助かる。
ポイントにも余裕があるし試しに三回ほど使用してみようか。
「ありがとう。試してみるわ」
休憩ついでに試してみる事にした。
一回目に出たのは【神聖魔法】。
神聖魔法というのは魔族の学校でも聞いた事がない。名前から察するに神様絡みの魔法なのかも知れない。
人間で知っている者がいるだろうか?
二回目に出たのは【硬化】。
任意のものを一時的に硬化させる事が出来る様だ。物体にも生物にも可能らしい。
三回目に出たのは【眷属召喚】。
眷属化した者を自分の所に呼び出す事が出来る。任意で送還もできる様だ。
これはかなり使える。いざという時に颯太やカクカミ達を呼び出す事が出来る。
本当に危険な時に使わせてもらおう。
「ありがとう。オオトリが颯太のアドバイスを伝えてくれたお陰で便利な能力が増えたわ。また泉に行く事があったら増えた能力の事と私が礼を言っていた事を伝えてもらえるかしら」
『承知しました』
オオトリは飛び立っていく。
「お母さん便利な能力が増えて良かったね」
「ええ。これで更に安全に冒険者をやらそうよ」
芽依と話しながら薬草採集の続きをする。
ヒールグラス以外にはキュアベリーという実とヘルバサナーレという薬草も見つける事が出来た。
かなりの量を収穫出来て、芽依も大満足だ。二人で意気揚々と街に帰る。
ギルドに納品に行く途中、一昨日助けた三人に出会う。私達を見つけて駆け寄ってきた。
「良かった!ようやく会えた」
そう言いながら笑顔を向けてくる少年。確か名前はセロだったか。
「一昨日は名前も名乗らずにごめん。俺はセロ」
「私はリンでこっちはミラ」
リンと名乗った子が杖を持った子で、栗色の長い髪を後ろで束ねていた。
ミラという子は弓使いでダークブラウンのショートヘアの子だ。
「危ない所を助けてもらってありがとうございました。あなた達が来てくれなかったら私達はここにはいません」
ミラは丁寧に感謝を伝えてきた。
「実は前日に私達もギルドで声を掛けられたの。その時は怪しかったから断ったのだけど、同じ様に声を掛けられたのかと思って偶然見かけたあなた達の後をつけていたの」
「そうだったのか……本当に助かった。ありがとう」
事情を説明したら驚きながらもセロは感謝を伝えてきた。
「何かお礼をしたいと思うのだけどいいものを思いつかなくて……バルドルさんに聞いたら君達はこの街に来たばかりだと言うし、何か困っている事は無いかと思って聞きに来たんだ」
特に困っている事はないが……そうだ。
「街の事ではないけど、あなた達の誰かで神聖魔法について知っている人はいる?」
「私、神聖魔法使いだよ」
やはり人間は神聖魔法を使う事が出来る様だ。
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