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14 いじわる、しないで ★
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◆いじわる、しないで
口の中で舌が結ばれてしまいそうなほど、激しく絡められる濃厚なくちづけを受け。
足が震えて、立っているのがやっとです。
再びスーツのボタンが外され、王の手が上着とシャツの間に入り、肩を撫でながら、はだけさせる。
袖が腕を通り抜け、上着がすとんと床に落ちる。
その艶事を思わせる手つき、感触が、もう、肌があわ立つほど感じてしまった。
しかし、上着を脱がせたその手が、背中から腰へと降りていき。お尻の割れ目に、グッと彼の指先が入り込むと。玩具が圧迫されて、声が漏れた。
「…あ」
彼の指がグニグニと強く動くと、体の中にある玩具の形がわかるくらいに、鮮烈な感覚に襲われた。
「ラダウィ様、も、外してください」
「ダメだ」
王はリモコンを目の前にかざして、私に見せつけると。振動の強度を上げた。
「ん…あ、あぁ」
少し慣れたと思った玩具の振動が、大きく震え。
その衝撃が強烈すぎて。体がびくびくっと跳ねた。
濃密な悦楽が下腹に渦巻いて、その感覚に囚われて。
唇がはしたなくゆるんでしまう。
その唇のあわいに、ラダウィはくちづけた。
私の舌先を甘くかじって。王の手は容赦なく、ズボン越しに私の臀部を揉んだ。
「も、駄目…玩具を止めて、ください…」
足に力が入らなくなった私は、床にぺったりと座り込んだ。
その体勢も、より振動を伝え。
お尻の中をずんずん突き上げられているような感覚を、私は息をのんで、ただ耐えた。
「あ、ぁ…助けて、陛下」
許しを乞うと。身悶える私を、ラダウィは見下ろす。
「私に逆らわないと、誓え」
「誓います。だから、ん」
せり上がる射精感をおさえるため、膝頭をすり合わせる。
情欲に濡れているであろう卑猥な瞳で見上げる私を。ラダウィは満足そうに見やり。ベッドのふちに腰かけた。
「いいだろう。ズボンだけを脱いで、こちらに来い」
ラダウィが、少し玩具の動きをおさえてくれたので。
私はそろりと立ち上がる。
震える手でベルトとボタンを外し、彼の視線を意識しながらズボンを脱ぎ落した。
「私はおまえの椅子だ。ここに腰かけろ」
腿の上をポンポンと、ラダウィは叩くけれど。
王様に、そんなことをしてもいいのですか?
もし、そんなところを王の側近にみつかったら。八つ裂きにされますよっ。
だけど、王の命令は絶対です。
脳内で激しく葛藤し、大いに戸惑うけれど。
とにかく玩具をどうにかして欲しいし。王には逆らえないわけなので。
その言葉に従い、私は彼の膝の上に浅く腰かけた。
するとラダウィは。私の膝裏に手を入れて、足を大きく広げて深く腰掛けさせた。
私の足は、股を開いて座る王の膝の向こうへ。さらに背を、ラダウィの胸に預けるような。
まるで私こそが玉座に座るような、そんな体勢に整えさせられてしまった。
このような、はしたなくも、尊大で、恐れ多いことをさせられて。
私は、恥ずかしいやら、おこがましいやらで、目が回り。うぅと人知れず呻いてしまった。
「ふふ、恥ずかしがるおまえは、まさに絶品だな? さぁ、まずは後ろだけで達してもらうぞ? それが出来なかったら。一生、この玩具をはめたままにしてやる」
耳元で囁く声は、この上もなく楽しそうに聞こえるが。
言っていることは空恐ろしくて。私は首をすくめる。
でも、陰茎はすでに固く張り詰めていて。目の前に吐精の瞬間が迫っているのは明らかです。
ラダウィは、私の下着の前の部分を少しだけめくりあげ。私の突端だけを外気にさらした。
一番情けない格好のように感じ。
羞恥に、下唇を噛む。
「幼い色をしているな?」
ククッと喉を鳴らして笑いながら、王が屹立の先端をゆるりと撫でた。
それだけの感触で、爪先がヒクンと跳ねるほどに反応してしまう。
自分で触れたとき、こんなに激しい官能を受けたことはない。
ラダウィが触れている、そのことこそが、私の体を熱くたぎらせるのだ。
下着の中で、屹立は固くそそり立ち。あらわになっている突端は、先走りに濡れている。
そして後ろは、玩具の振動で痺れて。
もう、ほんの少しの刺激があったら。達してしまいそう…。
我慢しきれず。己のモノに手を伸ばした。
「自慰は、許しておらぬ」
しかし、すぐさま言葉で阻まれ。私は手の動きを止めた。
そうだ。自慰をしたら、契約はなし。でしたね。
だが、その代わりなのか。王が中指の背で、屹立の根元から先端までをゆっくりなぞってくれた。
「ん、あ…ぁ」
その感触は、甘美で。腰が蕩けそうなほどの愉悦をもたらした。
「どうだ? イけそうか?」
耳に、王が低音の艶っぽい声を吹き込み。耳たぶを噛んだ。
背後にいるラダウィの顔は見えないが。声の様子は、存分に楽しんでいるように感じた。
おずおずと、私がうなずくと。
うなじの、突き出た首の骨に、王がかじりつく。
噛んだり舐めたり吸ったり、首筋やうなじを執拗に愛撫され。
急所である部分を無防備にさらすことに、恐れを。
そこを明け渡す忠誠に、甘美を。
彼に食われ味わわれる感触に、恍惚を。
ぞくぞくと感じ入って、身を震わせた。
「こちらを向いて、私から目をそらすな」
彼を振り返ると、間近に私の顔を覗き込むラダウィの顔があった。
快楽にだらしなくゆるむ、私の口元を、王が柔らかくついばむ。
チュッと音をさせて唇が離れていくと、ご褒美のように、指が屹立をなぞった。
キスして、離れて、指の愛撫されて。私が身を震わせると、またキスする。
その繰り返しに。
私はただただ、熾火のようにじくじくと体をあぶられ、快感にうっとりして。
本能のままに声を漏らしてしまう。
「は、んっ、ぅ、ぁあ、は、んぅ…む」
切れ上がる双眸に、囚われる。
感じている顔を、つぶさに、ラダウィに見られている。
「あ、んぁ、み、見ないで…も、あぁ」
「なぜ? その顔を、私はずっと見たかったのだ」
敏感な蜜口を、わざと、じっくり、王の親指が丸く撫でて。
先走りがトプッとこぼれるほどの悦楽に、鳴いた。
「ぁ、はぁん…や、あぁ、は、恥ずかしいっ、見ないで、くだ、さい…ラダウィ様」
「その恥ずかしがる顔が、極上なのではないか? ここには、私しかいない。おまえの恥ずかしがる可愛い顔も、無防備に感じる姿も、私だけが、見る権利があるのだ」
ラダウィに見られるのが、一番恥ずかしいことなのに。
でも。彼だけだという言葉は。私を大胆な気分にさせる。
こんなことをするのは、きっと、後にも先にもない。
ならば、奔放に、ラダウィを求める、醜い己を見せてもいい。
彼だけになら。
「も、んっ…達します」
息が荒くなり。体の奥からなにかがせり上がってくる。その悦楽に陶酔し始めた、そのとき。
玩具の振動が、止まった。
彼の指も、屹立から離れてしまう。
あと少しで達せられるのに。体は達することを猛烈に求めているのに。
それを止められて、戸惑い。打ち震えた。
「ん、や、だ…ぁ」
快感が体の中で、行き場を失うように荒れ狂って。
私は王の膝の上で体をくねらせて、身悶えた。
一筋も乱れていない王の衣服を手でつかみ、懇願する。
「も、お、許しを」
「こういうときは、こう言うのだ」
耳元で囁かれる卑猥な言葉に。息をのむ。恥ずかしいけれど、ためらう余裕はなかった。
「ラダウィ様、い…イかせて、ください…」
するとラダウィは目の前でニヤリと笑い。玩具の振動の強度を上げた。
体の中で丸いものがうねり狂い、その強烈な刺激に、屹立がビンと跳ねた。
「あ、ああああぁぁぁっ…」
ギュンと高まった、体に渦巻いていた快感が、屹立の先から一気に放出したような勢いで。
私は白濁を飛ばした。
溜まりに溜まったものが、解き放たれた瞬間の、強い満足感に浸る。
ラダウィの足の上に乗せられた己の足が、ぴくぴくと痙攣するのを、止められなかった。
「後ろで、上手にイけたな? ここはもう、充分に熟れているだろう。私を受け入れられるな?」
私の頬を手で撫でて、幼子に言い聞かせるような優しい声で、うながす。
もう、どんな些細な接触でも。彼の手が触れるところは、肌がざわめいた。
「…は、い」
「いい子だ。では、下着を脱いで。ベッドの上で四つん這いになれ」
甘い、ついばむキスで、褒めてくれるのに。
恥ずかしい要求も追加される。
飴と鞭に翻弄されて。私はかぁっと頬も身も火照らせた。
先ほどは愉悦に溺れて、王の前で達する恥ずかしさも考えていられなかったけれど。
一度絶頂を超えたら、元々ある強い羞恥心がよみがえってきた。
でも、後戻りはできないのだ。まだ、王を受け入れていない。
膝から降りて。彼の目の前で濡れた下着をおろす。
究極に恥ずかしいです。
羞恥ゆえに、動きがのろくなって。さらに恥ずかしさを誘う。
寝台の上にあがり、手と膝をついて四つん這いになる。その様子を、ラダウィは楽しげな目で眺めていた。
「頭を低くして、尻を高く上げろ」
物凄い格好の指示に、羞恥がピークに達して。頭が弾けそうになります。
でも、ギュッと目をつぶって、それに従った。
臀部を上げると、玩具の動きが、より鮮烈に感じる。
陰茎根元の裏側で上下に動いている、みたい。
達したばかりだというのに、その位置を刺激されると、さらなる快感が生まれ出でるかのようで。
また。あさましくも、穂先がもたげ上がってくる。
「上手に私の意に従えて、おまえは偉いな? さぁ、これを抜いてやろうな」
下着を脱いだことで、そこに挟んでいた玩具の本体部分は、後孔からコードが伸びて、その先についているような状態で。ラダウィはそれを手に取り、ゆっくり引っ張った。
「ん、まだ、動いて…」
ずっと同じ場所で動いていたモノが、私の中でうごめきながら移動する。
玩具はまだ振動していて、隘路を刺激しながら抜けていくので。その感覚はやはり、ジクジクと下腹を疼かせる。
すぼまりのほど近くまで抜けたけれど。
その浅い場所は、今までよりも鋭敏に私を痺れさせた。
「あ、あ…止めて、ラダウィさ、ま、まだ、動いて、います」
「止め方を忘れた」
無情な王の言葉に、私は顔を青くする。
振動をそのままに、つぼみを中から割り開いて、玩具が出そうになっている。
その感覚をリアルに感じ取った。
以前、ラダウィの指で執拗にこねくられ、すぼまりをほぐされたときのような。
淫靡に中をかき乱す微動が良くて。
屹立の先端から、いやらしい蜜がとろりとこぼれて、敷布を濡らした。
「ん、あ、早く、抜いてください」
玩具は、すぼまりをわずかに開いたところで止まり、それ以上抜け出ていかない。
「なんだか引っかかって、抜けないなぁ。もう少し、我慢だ」
ラダウィがコードを、玩具が抜けない力加減でピンピンと引っ張る。
それ、は。わざと、焦らしていますよねぇ?
「いじわる、しないで…ラダウィ様ぁ」
「もう一度、奥に入れたら。出やすくなるのではないか?」
「あっ、は、ん…ぅ」
ラダウィが玩具を中指で奥に押し込め。隘路が再びこじ開けられる。
私のソコは、快楽に熟れて。
さらなる刺激を求めて、もどかしさに腰を揺らしてしまう。
「ふふ、物欲しそうにお尻を揺らして。おまえはやはり、エッチな子だな? 抜けと言っても、本当は、コレが欲しいのだろう?」
再びコードを引っ張って、振動が移動する。
またすぼまりが割り開かれ、肌が総毛立つほどの愉悦に襲われる。
「あ、は…ラダウィ様、玩具は、嫌です。も、ください。ラダウィ様を…」
顔を後ろに向け、懇願するように言うと。
その途端、おもちゃが勢いよく引き抜かれた。
そして代わりに、玩具の刺激を未練がましく引き留めるかのように、ヒクヒクとうごめくすぼまりに、熱く猛った、ラダウィの突端が押し当てられる。
「あ、あぁぁっ」
ググゥと後孔を押し広げながら、剛直が挿入された。
玩具なんかとは比べ物にならない質量の、熱く、固く、太いモノが、つぼみを割り開き、中の粘膜をこそげながら押し入ってくる。
すぼまりは充分にほぐされ。中の快楽の芽も充分に刺激されていたから。
王を柔らかく受け入れることができて、痛みはなかった。
けれど、その圧迫感は凄まじく。
突然のことに、なにが起こったのか、瞬間わからなくて。
その衝撃が信じられない、という気分だった。
自分から彼をねだるようなことを言ったから、驚くのは違うのですが。
あぁ、子供の触りっこではない、本物の大人のセックスを、とうとう彼としてしまったんだなって。
剛直の熱さを体の内側に感じ。ようやく実感した。
「くっ、きついな。力を緩めろ」
「…はい」
返事はするものの。はじめての経験なので。どこの力を緩めればいいのかわからなくて。
とにかく、息を詰めないで呼吸するよう努める。
「ここで、のみ込んで。私を中で味わうのだ。このおもちゃで楽しんだように、な?」
ここ、と言って。王は私の尻を丸く撫で。
そして、まだ動いたままになっている玩具を、見せつけるようにして私の目の前にぶら下げた。
ソレで乱れた自分に恥じ入り、頬がカッと熱くなる。
「あまり、いじめないでください」
「仕方がないだろう、おまえがいちいち可愛く反応するのだから」
ラダウィは私のシャツをめくりあげ、背中に手を這わせていく。
お尻を優しく撫でて、脇腹をくすぐって、私の官能を呼び起こしながら。ゆるりと腰をうごめかせる。
「ん、ん…あ、ラダウィ様、あ、あ、あ」
名を呼ぶと、ズンズンズンと突き上げられた。
ラダウィの脈動を、熱さを、体の内側に感じる。
根元まで、ずっぷりと王のすべてがおさめられた。
「おまえは、私だけのカナリアだ。美しい声で、存分に鳴け」
緩慢な動きで、ラダウィは腰を前後し、剛直を抜き差しした。
私の中の粘膜をねっとりとこすり上げ。玩具以上の愉悦をもたらす。
「ん、ん…ぁあ、は」
疼いて、熟れ切った体は、ラダウィを欲しがり。剛直に甘ったるくまといつく。
はしたなく、官能に溺れ。なやましく、気持ち良さに酔いしれる。
はじめての情交でありながら。
はじめて濃厚な官能を知ったのに。
はじめての接合に、身も世もなく乱れ狂ってしまう。
「やっ、あ、いい…どうし、よう…いいっ」
「ただ、味わえばいい」
後ろから小刻みに揺さぶられ。体の内側をまんべんなく愛撫されているような官能とは別の刺激を与えられた。
彼の突端の張り出した部分が、前立腺を直接引っ掻くような、鮮烈な快感だ。
目の前に火花が散るような。火傷しそうな痺れが襲う。
「っあ、んっ、や、あ、あ、ぅあ、んぁあ」
ぐちゅぐちゅと激しく粘膜をかき乱す、荒っぽい動きに。こらえきれずに漏れてしまう淫猥な声を、おさえられない。
手で敷布を握り込んで、後ろから迫りくる甘美な責め苦を、背筋をそらして受け止めた。
「ふふ、相変わらず感度がいいな? 私の手で、淫らに鳴くおまえは、誰よりも愛らしい」
「ら、ラダウィさ、ま…あ、あぁぁっ」
奥まで強く突き入れられて、私は再び、高みへと駆け上った。
絶頂に、びくびくと痙攣する中で、王のモノがドクリとうごめいて。熱い血潮が腹の奥を焼くのを体感する。
注ぎ込まれる熱のすべてが、私に愉悦をもたらし。
その甘酸っぱいもどかしさに。
人知れず笑みを浮かべた。
口の中で舌が結ばれてしまいそうなほど、激しく絡められる濃厚なくちづけを受け。
足が震えて、立っているのがやっとです。
再びスーツのボタンが外され、王の手が上着とシャツの間に入り、肩を撫でながら、はだけさせる。
袖が腕を通り抜け、上着がすとんと床に落ちる。
その艶事を思わせる手つき、感触が、もう、肌があわ立つほど感じてしまった。
しかし、上着を脱がせたその手が、背中から腰へと降りていき。お尻の割れ目に、グッと彼の指先が入り込むと。玩具が圧迫されて、声が漏れた。
「…あ」
彼の指がグニグニと強く動くと、体の中にある玩具の形がわかるくらいに、鮮烈な感覚に襲われた。
「ラダウィ様、も、外してください」
「ダメだ」
王はリモコンを目の前にかざして、私に見せつけると。振動の強度を上げた。
「ん…あ、あぁ」
少し慣れたと思った玩具の振動が、大きく震え。
その衝撃が強烈すぎて。体がびくびくっと跳ねた。
濃密な悦楽が下腹に渦巻いて、その感覚に囚われて。
唇がはしたなくゆるんでしまう。
その唇のあわいに、ラダウィはくちづけた。
私の舌先を甘くかじって。王の手は容赦なく、ズボン越しに私の臀部を揉んだ。
「も、駄目…玩具を止めて、ください…」
足に力が入らなくなった私は、床にぺったりと座り込んだ。
その体勢も、より振動を伝え。
お尻の中をずんずん突き上げられているような感覚を、私は息をのんで、ただ耐えた。
「あ、ぁ…助けて、陛下」
許しを乞うと。身悶える私を、ラダウィは見下ろす。
「私に逆らわないと、誓え」
「誓います。だから、ん」
せり上がる射精感をおさえるため、膝頭をすり合わせる。
情欲に濡れているであろう卑猥な瞳で見上げる私を。ラダウィは満足そうに見やり。ベッドのふちに腰かけた。
「いいだろう。ズボンだけを脱いで、こちらに来い」
ラダウィが、少し玩具の動きをおさえてくれたので。
私はそろりと立ち上がる。
震える手でベルトとボタンを外し、彼の視線を意識しながらズボンを脱ぎ落した。
「私はおまえの椅子だ。ここに腰かけろ」
腿の上をポンポンと、ラダウィは叩くけれど。
王様に、そんなことをしてもいいのですか?
もし、そんなところを王の側近にみつかったら。八つ裂きにされますよっ。
だけど、王の命令は絶対です。
脳内で激しく葛藤し、大いに戸惑うけれど。
とにかく玩具をどうにかして欲しいし。王には逆らえないわけなので。
その言葉に従い、私は彼の膝の上に浅く腰かけた。
するとラダウィは。私の膝裏に手を入れて、足を大きく広げて深く腰掛けさせた。
私の足は、股を開いて座る王の膝の向こうへ。さらに背を、ラダウィの胸に預けるような。
まるで私こそが玉座に座るような、そんな体勢に整えさせられてしまった。
このような、はしたなくも、尊大で、恐れ多いことをさせられて。
私は、恥ずかしいやら、おこがましいやらで、目が回り。うぅと人知れず呻いてしまった。
「ふふ、恥ずかしがるおまえは、まさに絶品だな? さぁ、まずは後ろだけで達してもらうぞ? それが出来なかったら。一生、この玩具をはめたままにしてやる」
耳元で囁く声は、この上もなく楽しそうに聞こえるが。
言っていることは空恐ろしくて。私は首をすくめる。
でも、陰茎はすでに固く張り詰めていて。目の前に吐精の瞬間が迫っているのは明らかです。
ラダウィは、私の下着の前の部分を少しだけめくりあげ。私の突端だけを外気にさらした。
一番情けない格好のように感じ。
羞恥に、下唇を噛む。
「幼い色をしているな?」
ククッと喉を鳴らして笑いながら、王が屹立の先端をゆるりと撫でた。
それだけの感触で、爪先がヒクンと跳ねるほどに反応してしまう。
自分で触れたとき、こんなに激しい官能を受けたことはない。
ラダウィが触れている、そのことこそが、私の体を熱くたぎらせるのだ。
下着の中で、屹立は固くそそり立ち。あらわになっている突端は、先走りに濡れている。
そして後ろは、玩具の振動で痺れて。
もう、ほんの少しの刺激があったら。達してしまいそう…。
我慢しきれず。己のモノに手を伸ばした。
「自慰は、許しておらぬ」
しかし、すぐさま言葉で阻まれ。私は手の動きを止めた。
そうだ。自慰をしたら、契約はなし。でしたね。
だが、その代わりなのか。王が中指の背で、屹立の根元から先端までをゆっくりなぞってくれた。
「ん、あ…ぁ」
その感触は、甘美で。腰が蕩けそうなほどの愉悦をもたらした。
「どうだ? イけそうか?」
耳に、王が低音の艶っぽい声を吹き込み。耳たぶを噛んだ。
背後にいるラダウィの顔は見えないが。声の様子は、存分に楽しんでいるように感じた。
おずおずと、私がうなずくと。
うなじの、突き出た首の骨に、王がかじりつく。
噛んだり舐めたり吸ったり、首筋やうなじを執拗に愛撫され。
急所である部分を無防備にさらすことに、恐れを。
そこを明け渡す忠誠に、甘美を。
彼に食われ味わわれる感触に、恍惚を。
ぞくぞくと感じ入って、身を震わせた。
「こちらを向いて、私から目をそらすな」
彼を振り返ると、間近に私の顔を覗き込むラダウィの顔があった。
快楽にだらしなくゆるむ、私の口元を、王が柔らかくついばむ。
チュッと音をさせて唇が離れていくと、ご褒美のように、指が屹立をなぞった。
キスして、離れて、指の愛撫されて。私が身を震わせると、またキスする。
その繰り返しに。
私はただただ、熾火のようにじくじくと体をあぶられ、快感にうっとりして。
本能のままに声を漏らしてしまう。
「は、んっ、ぅ、ぁあ、は、んぅ…む」
切れ上がる双眸に、囚われる。
感じている顔を、つぶさに、ラダウィに見られている。
「あ、んぁ、み、見ないで…も、あぁ」
「なぜ? その顔を、私はずっと見たかったのだ」
敏感な蜜口を、わざと、じっくり、王の親指が丸く撫でて。
先走りがトプッとこぼれるほどの悦楽に、鳴いた。
「ぁ、はぁん…や、あぁ、は、恥ずかしいっ、見ないで、くだ、さい…ラダウィ様」
「その恥ずかしがる顔が、極上なのではないか? ここには、私しかいない。おまえの恥ずかしがる可愛い顔も、無防備に感じる姿も、私だけが、見る権利があるのだ」
ラダウィに見られるのが、一番恥ずかしいことなのに。
でも。彼だけだという言葉は。私を大胆な気分にさせる。
こんなことをするのは、きっと、後にも先にもない。
ならば、奔放に、ラダウィを求める、醜い己を見せてもいい。
彼だけになら。
「も、んっ…達します」
息が荒くなり。体の奥からなにかがせり上がってくる。その悦楽に陶酔し始めた、そのとき。
玩具の振動が、止まった。
彼の指も、屹立から離れてしまう。
あと少しで達せられるのに。体は達することを猛烈に求めているのに。
それを止められて、戸惑い。打ち震えた。
「ん、や、だ…ぁ」
快感が体の中で、行き場を失うように荒れ狂って。
私は王の膝の上で体をくねらせて、身悶えた。
一筋も乱れていない王の衣服を手でつかみ、懇願する。
「も、お、許しを」
「こういうときは、こう言うのだ」
耳元で囁かれる卑猥な言葉に。息をのむ。恥ずかしいけれど、ためらう余裕はなかった。
「ラダウィ様、い…イかせて、ください…」
するとラダウィは目の前でニヤリと笑い。玩具の振動の強度を上げた。
体の中で丸いものがうねり狂い、その強烈な刺激に、屹立がビンと跳ねた。
「あ、ああああぁぁぁっ…」
ギュンと高まった、体に渦巻いていた快感が、屹立の先から一気に放出したような勢いで。
私は白濁を飛ばした。
溜まりに溜まったものが、解き放たれた瞬間の、強い満足感に浸る。
ラダウィの足の上に乗せられた己の足が、ぴくぴくと痙攣するのを、止められなかった。
「後ろで、上手にイけたな? ここはもう、充分に熟れているだろう。私を受け入れられるな?」
私の頬を手で撫でて、幼子に言い聞かせるような優しい声で、うながす。
もう、どんな些細な接触でも。彼の手が触れるところは、肌がざわめいた。
「…は、い」
「いい子だ。では、下着を脱いで。ベッドの上で四つん這いになれ」
甘い、ついばむキスで、褒めてくれるのに。
恥ずかしい要求も追加される。
飴と鞭に翻弄されて。私はかぁっと頬も身も火照らせた。
先ほどは愉悦に溺れて、王の前で達する恥ずかしさも考えていられなかったけれど。
一度絶頂を超えたら、元々ある強い羞恥心がよみがえってきた。
でも、後戻りはできないのだ。まだ、王を受け入れていない。
膝から降りて。彼の目の前で濡れた下着をおろす。
究極に恥ずかしいです。
羞恥ゆえに、動きがのろくなって。さらに恥ずかしさを誘う。
寝台の上にあがり、手と膝をついて四つん這いになる。その様子を、ラダウィは楽しげな目で眺めていた。
「頭を低くして、尻を高く上げろ」
物凄い格好の指示に、羞恥がピークに達して。頭が弾けそうになります。
でも、ギュッと目をつぶって、それに従った。
臀部を上げると、玩具の動きが、より鮮烈に感じる。
陰茎根元の裏側で上下に動いている、みたい。
達したばかりだというのに、その位置を刺激されると、さらなる快感が生まれ出でるかのようで。
また。あさましくも、穂先がもたげ上がってくる。
「上手に私の意に従えて、おまえは偉いな? さぁ、これを抜いてやろうな」
下着を脱いだことで、そこに挟んでいた玩具の本体部分は、後孔からコードが伸びて、その先についているような状態で。ラダウィはそれを手に取り、ゆっくり引っ張った。
「ん、まだ、動いて…」
ずっと同じ場所で動いていたモノが、私の中でうごめきながら移動する。
玩具はまだ振動していて、隘路を刺激しながら抜けていくので。その感覚はやはり、ジクジクと下腹を疼かせる。
すぼまりのほど近くまで抜けたけれど。
その浅い場所は、今までよりも鋭敏に私を痺れさせた。
「あ、あ…止めて、ラダウィさ、ま、まだ、動いて、います」
「止め方を忘れた」
無情な王の言葉に、私は顔を青くする。
振動をそのままに、つぼみを中から割り開いて、玩具が出そうになっている。
その感覚をリアルに感じ取った。
以前、ラダウィの指で執拗にこねくられ、すぼまりをほぐされたときのような。
淫靡に中をかき乱す微動が良くて。
屹立の先端から、いやらしい蜜がとろりとこぼれて、敷布を濡らした。
「ん、あ、早く、抜いてください」
玩具は、すぼまりをわずかに開いたところで止まり、それ以上抜け出ていかない。
「なんだか引っかかって、抜けないなぁ。もう少し、我慢だ」
ラダウィがコードを、玩具が抜けない力加減でピンピンと引っ張る。
それ、は。わざと、焦らしていますよねぇ?
「いじわる、しないで…ラダウィ様ぁ」
「もう一度、奥に入れたら。出やすくなるのではないか?」
「あっ、は、ん…ぅ」
ラダウィが玩具を中指で奥に押し込め。隘路が再びこじ開けられる。
私のソコは、快楽に熟れて。
さらなる刺激を求めて、もどかしさに腰を揺らしてしまう。
「ふふ、物欲しそうにお尻を揺らして。おまえはやはり、エッチな子だな? 抜けと言っても、本当は、コレが欲しいのだろう?」
再びコードを引っ張って、振動が移動する。
またすぼまりが割り開かれ、肌が総毛立つほどの愉悦に襲われる。
「あ、は…ラダウィ様、玩具は、嫌です。も、ください。ラダウィ様を…」
顔を後ろに向け、懇願するように言うと。
その途端、おもちゃが勢いよく引き抜かれた。
そして代わりに、玩具の刺激を未練がましく引き留めるかのように、ヒクヒクとうごめくすぼまりに、熱く猛った、ラダウィの突端が押し当てられる。
「あ、あぁぁっ」
ググゥと後孔を押し広げながら、剛直が挿入された。
玩具なんかとは比べ物にならない質量の、熱く、固く、太いモノが、つぼみを割り開き、中の粘膜をこそげながら押し入ってくる。
すぼまりは充分にほぐされ。中の快楽の芽も充分に刺激されていたから。
王を柔らかく受け入れることができて、痛みはなかった。
けれど、その圧迫感は凄まじく。
突然のことに、なにが起こったのか、瞬間わからなくて。
その衝撃が信じられない、という気分だった。
自分から彼をねだるようなことを言ったから、驚くのは違うのですが。
あぁ、子供の触りっこではない、本物の大人のセックスを、とうとう彼としてしまったんだなって。
剛直の熱さを体の内側に感じ。ようやく実感した。
「くっ、きついな。力を緩めろ」
「…はい」
返事はするものの。はじめての経験なので。どこの力を緩めればいいのかわからなくて。
とにかく、息を詰めないで呼吸するよう努める。
「ここで、のみ込んで。私を中で味わうのだ。このおもちゃで楽しんだように、な?」
ここ、と言って。王は私の尻を丸く撫で。
そして、まだ動いたままになっている玩具を、見せつけるようにして私の目の前にぶら下げた。
ソレで乱れた自分に恥じ入り、頬がカッと熱くなる。
「あまり、いじめないでください」
「仕方がないだろう、おまえがいちいち可愛く反応するのだから」
ラダウィは私のシャツをめくりあげ、背中に手を這わせていく。
お尻を優しく撫でて、脇腹をくすぐって、私の官能を呼び起こしながら。ゆるりと腰をうごめかせる。
「ん、ん…あ、ラダウィ様、あ、あ、あ」
名を呼ぶと、ズンズンズンと突き上げられた。
ラダウィの脈動を、熱さを、体の内側に感じる。
根元まで、ずっぷりと王のすべてがおさめられた。
「おまえは、私だけのカナリアだ。美しい声で、存分に鳴け」
緩慢な動きで、ラダウィは腰を前後し、剛直を抜き差しした。
私の中の粘膜をねっとりとこすり上げ。玩具以上の愉悦をもたらす。
「ん、ん…ぁあ、は」
疼いて、熟れ切った体は、ラダウィを欲しがり。剛直に甘ったるくまといつく。
はしたなく、官能に溺れ。なやましく、気持ち良さに酔いしれる。
はじめての情交でありながら。
はじめて濃厚な官能を知ったのに。
はじめての接合に、身も世もなく乱れ狂ってしまう。
「やっ、あ、いい…どうし、よう…いいっ」
「ただ、味わえばいい」
後ろから小刻みに揺さぶられ。体の内側をまんべんなく愛撫されているような官能とは別の刺激を与えられた。
彼の突端の張り出した部分が、前立腺を直接引っ掻くような、鮮烈な快感だ。
目の前に火花が散るような。火傷しそうな痺れが襲う。
「っあ、んっ、や、あ、あ、ぅあ、んぁあ」
ぐちゅぐちゅと激しく粘膜をかき乱す、荒っぽい動きに。こらえきれずに漏れてしまう淫猥な声を、おさえられない。
手で敷布を握り込んで、後ろから迫りくる甘美な責め苦を、背筋をそらして受け止めた。
「ふふ、相変わらず感度がいいな? 私の手で、淫らに鳴くおまえは、誰よりも愛らしい」
「ら、ラダウィさ、ま…あ、あぁぁっ」
奥まで強く突き入れられて、私は再び、高みへと駆け上った。
絶頂に、びくびくと痙攣する中で、王のモノがドクリとうごめいて。熱い血潮が腹の奥を焼くのを体感する。
注ぎ込まれる熱のすべてが、私に愉悦をもたらし。
その甘酸っぱいもどかしさに。
人知れず笑みを浮かべた。
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