【完結】死ぬとレアアイテムを落とす『ドロップ奴隷』としてパーティーに帯同させられ都合よく何度も殺された俺は、『無痛スキル』を獲得し、覚醒する

Saida

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待ち人

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目の前に広がったのは、思いもよらない光景だった。

「ここは……?」

「少なくとも、ダンジョンの中には見えないね」

後ろからジルさんが言う。

どんな危険な場所に出るかと身構えたのに、拍子抜けする。

草原には、柔らかな陽射しが降り注いでいた。

風が穏やかに草を揺らし、黄色いちょうちょうがふらふらと飛んでいる。

状況が状況でなければ、ピクニックでもしたくなるような場所だった。

しかしドースさんを取り戻さなければ、どれだけ気持ちの良い場所でもくつろぐことなどできるはずがない。

「多分、誰かがいるとしたらあそこだね。行こうか」

一軒の、何の変哲もない小屋。

鏡の主が向かわせようと仕向けたのは、おそらくその小屋なのだろう。

「はい」

スキルを持った人間をおびき寄せる罠なのかもしれない。

それでも行くしかなかった。


慎重に、小屋へと近づく。

ジルさんは嗅覚に意識を集中させているが、首を振った。

「だめだ、何も反応しない。

誰もいないのか、あるいは……」

ジルさんの嗅覚スキルが反応しないのは、スキルに対してだけだ。

誰かがいるとすれば、敵であれば味方であれ、魔力の強い人物ではなく、スキルを持った人物の可能性が高かった。

近づくごとに、心臓の音が激しくなっていくのが分かる。

震えの抑えられない手で、小屋の扉をあけた。

「よく来ましたね。ジル、カウガ」

名前を呼ばれた。

小屋の中央に椅子があった。そこに、何者かが腰かけていた。

言葉を失った。

「驚かせてすみませんね。

しかしあなたがたは、私のような姿の者を見たことがあるでしょう」

「えっと……」

何と言えばいいのか、分からなかった。

「正直に教えてください、カウガ。
あなたの知っている中で、私は何に似ていますか?」

まるで人と魔物の体の部位を、ばらばらに切り離し、無作為に組み合わせたような異形の体。

思い当たる存在は一つしかなかった。

「スキル神、ですか……?」

夢とも現ともつかぬ白い空間で、ぼんやりと眺めるだけだった存在。

今、その姿によく似たものが、目の前の椅子に座り、こちらに話しかけてきている。

「そうです。ありがとう、正直に答えてくれて。

初めまして、カウガ、ジル。

私はルード。『スキルリンカー』というスキルを持つ者で、あなた方のような同志がここへ来るのを、長い間、待っていました。

スキルとは何か、スキル神とはどういう存在か。

私が知っていることを順を追ってお伝えしたいところではありますが、あなた方にはその時間がない。そうですね?」

「どうしてそれを……」

ジルさんが呟く。

それにそもそも、僕たちの名前まで。

「私の持つ『スキルリンカー』というスキルは、スキルを持つ同志たちの声を拾うことができるというもの。
全ての者たちの声を聞くことができるわけではありませんが、少なくともあなたたちの声は、私の耳に届きましたよ。
ドースという男を助けるために、私はあなた方に力を貸せると思います」

「!!」

「その代わり、私の方でもあなた方に協力してもらいたいことがあるのです。
なるべく手短に話します。聞いていただけますか?」

ジルさんを見る。彼女は僕の方を見て、こくりと頷いた。

「分かりました。よろしくお願いします」

ルードと名乗ったその人は、話を始めた。
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