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第 二章 冒険者ギルドとやっぱりのお約束

第 24話 魔法の力と気の力②

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    目的地に向け、早歩きしたら目的地に早目に着いた。(当たり前かW)
疲れとか全く感じない体ってどんだけ凄いのやら。

    四日前にココに転生したんだなと、しみじみ辺りを見回した。見た所オークの姿はみえないな。
では、探し物にはこれだね。

「〈マップ表示・オン〉、〈サーチ・オーク〉」

(お、二百メートル程森に入った所にまず三匹、そこから更に三百メートル離れてもう三匹いるな。後は森の大分奥にかなりの数のオークがいるけど、この数って普通なのかな?)

    相手に気付かれ無い様に忍び足で気配を消して近づく。

    (ピロ~ン♪『武技の極み』により、〈忍び足〉が上がりました。スキル〈気配消しLv1〉を覚えました。)

    目標のオークに向かう間に〈忍び足〉〈気配消し〉は、二つのレベルアップをした。

    五十メートル程先に歩いて移動しているオーク三匹の集団を木のかげから覗き見て確認した。オークは二匹が槍を一匹が剣を装備している。
    
(あー、こういう時敵を眠らせるか、麻痺させる魔法あれば楽だろうな。初級中級の魔法書になければ、作ってしまう方が楽かも。今日明日中にやろう。)

    自分に〈シールド〉と〈クイック〉〈身体強化〉
を掛けてその場に立ち上がった。ラッキーなことに、相手はまだ気づいていないようだ。

    「〈ファイヤーアロー〉」

    槍を持った 一匹に火の矢が三本飛んで行った。運良くクリティカルしたみたいだな。魔法だけで一匹を倒したよ。
    (ピロ~ン♪『魔導の極み』により、〈火属性魔法〉のレベルが上がりました。新しい魔法を覚えました。)

    さすがに、攻撃された事に気がついたオークが武器を振りかざしてこちらへと走ってくる。
剣を抜き木を後ろにして、構えて待つ。

    先に攻撃してきたのは、槍を持つオークであった。キィキィかん高い声を上げて槍で突いて来た。そこで、もう一匹の剣持ちオークを盾にする様にサイドステップしよけて、そこから逆に一気に懐に入るなり槍持ちオークの首を突いて倒した。
    そのまま後ろに一度引き、剣持ちオークと間合いをとった。
仲間を殺されて怒ったのか、剣を振り上げ真っ直ぐ突っ込んでくるオーク。
バスタードソードで右側に受け流すと、がら空きの相手の右脇を両手持ちした剣で横凪ぎに切り裂いた。ガー!と一声叫んで事切れた。

    (ピロ~ン♪身体レベルが上がりました。『武技の極み』により、〈剣術〉〈見切り〉が上がりました。)

    倒したオーク三匹はインベントリィにしまう。先程の最後の悲鳴が聞こえたのか、二百メートル程離れていたオークの集団が慌ててこちらに向かっているのが、〈気配察知〉でも感じる。数は三匹、自分の気配を消して木の陰に隠れて待つ。一分もしない内に、集団の姿を確認した。この集団は全て槍を装備していた。
    自分に掛けた魔法はまだ掛かったままなのでこのままいくことにする。今度は風属性魔法を唱える。

「〈エアーシックル〉!」

オークの一匹に真空の刃が三つ飛んでいった。
    丁度こちらに向かって来る先頭のオークの喉に当たる。首から血を吹き出して倒れた。

    (ピロ~ン♪『魔導の極み』により、『職業・魔法使い』が上がりました。〈風属性魔法〉のレベルが上がりました。新しい魔法を覚えました。)

    仲間が倒れても気にせず、残り二匹は突っ込んでくる。まだ距離があるので、もう一度魔法だ。

「〈ウォーターニードル〉!」

    今度は水の矢というか、投げ槍の短いモノが形状の物が三本飛んで行った。こちらに突っ込んで来るため、避けられず三本共にまともに胸に食らう。

「キヒィー」

    一声叫び走る惰性のまま倒れる。

(ピロ~ン♪『魔導の極み』により、〈水属性魔法〉が上がりました。新しい魔法を覚えました。)

    最後の一匹は逃げるかなと思ったのだが、構わず槍を振りかざしてこちらに走ってくる。

    魔法は距離的に無理と判断して、剣を構える。
この時、神刀流を試してみたくて一番基本的な技を試す。
    己の中にある『気』を操り持っている剣に纏わせ、鋭い刀をイメージしながら、オークの攻撃に合わせて切り下ろす。何の感触を感じないまま、オークを槍ごと縦一文字にした。(三匹目も倒れる。)

    「神刀流・硬気斬。」

(『武技の極み』により、〈操気術〉のレベルが上がりました。)

    暫く練習して無かったが、体が覚えていたみたいだな。成功して良かったよ。日本に居た時は、剣術なんて教えられてもどうよと思っていたが、何処で何が役立つか、解らないモノだなぁと改めて思った。血を吐く思いで修練して良かったよ。

    三匹もインベントリィにしまい、これで一応依頼は完了したので、街に帰ることにした。血糊を払い〈クリーン〉をかけて剣を納めて走り出した。

    割りと浅い森の位置にオークが六匹も居たことは、一応ギルドに報告しておこう。最近、街の近くで魔物の姿を良く見かけるらしいと噂にもなっているからね。 

    道なりに西へ向かうと、マップに前方に襲われている人達が表示された。
敵は、ざっと数えると十五はいる。襲われているのは三人のようだ。急いで向かう。走りなが自分に〈シールド〉〈クイック〉〈身体強化〉をかけた。

    (ピロ~ン♪『魔導の極み』により、〈魔力操作〉が上がりました。)

    暫く走ると、オークが冒険者三人を取り囲んでいた。
    さすがに、三対十五では人数差でかなり分が悪い様子だ。取り敢えず数を減らそうと、魔法を唱える。

    「〈ストーンパレット〉」

三個の弾丸のような銃弾が目標のオークに当たる。頭を貫通されてオークが倒れた。

「味方するぞ。」

一声掛けて、さらにオークの気を引き付ける為に、

「今から眩しいのいくぞ!注意しろ。〈フラッシュ〉!」

冒険者の背後で光る様にした。一瞬激しい光が瞬くと、光に目をやられたオーク達は怒りと共にこちらに向かって走ってくる。ざっと十匹が目標を俺に変えて向かって来た。続いて魔法を使う。

「〈ダークネス〉〈ウィークネス〉」

    剣を抜き、走りながら体内の『気』を操る。剣に纏わせ、すれ違い様に胴を切り裂く。そのまま止まらずに走り抜けつつ、すれ違い様に首を切り裂いた。四匹を一気に切り捨てて、敵に向かい直す。
    残り六匹とまだまだ敵のほうが多いので、再び一気に走り寄り相手の首や胴を切り裂いていく。
三匹が首や胴を切られて倒れる。
    あと三匹だが、さすがにこちらが強いと判って慎重になっていた。待っていても仕方ないので、こちらから攻撃を仕掛けた。
    『気』を纏わせた剣は相手の武器ごと首を飛ばした。
これで、こっちに向かって来た十匹は倒したが、元々の襲われていた冒険者三人の所にいる四匹は今最後の一匹が倒れて、オークは全滅した。

    (ピロ~ン♪『魔導の極み』により、〈土属性魔法〉〈光属性魔法〉〈闇属性魔法〉が上がりました。新しい魔法を覚えました。
『武技の極み』により、『職業・剣士』のレベルが上がりました。〈神刀流〉の技〈硬気斬〉を覚えました。)

    とりあえず、倒した十一匹を収納する。襲われていた冒険者達は剣来た。

    三人はかなり高価な素材で作られている装備をしていて、どこかの金持ちか貴族の関係者が冒険者をしているのかと感じた。ただ、後ろの二人はフードで顔を隠しているので、あまりお近づきにはならないでおこう。

    「やあ、助勢助かったよ。」

    先頭を歩く、長身の二十台後半のイケメン男性が気さくに声を掛けてきた。

「いえ、間に合ってよかったです。余計なお世話だったかもしれませんが。怪我は無いですか?」
「ああ、大丈夫だ。怪我人はいないよ。囲まれてすぐだったからね。私達は冒険者パーティー〈白鷲の爪〉だ。君若いのにかなり腕が立つようだね。良ければ名前を教えてくれるかな?」

    うーん、面倒に巻き込まれるのは、嫌だな。ここは、#惚__と_#けておこうか。

「気にしないで下さい。たまたま通り掛かった低ランク冒険者ですから。私も先を急ぎますので。それで私が倒したオークは貰っていきますが、構いませんよね。」
「ああ、もちろんだよ。持って行ってくれ。恩人の名前も知らないのは残念だが、再会の時には是非教えてくれるかな?」
「そうですね。会うことがあれば。では失礼します。後ろの女性の方々無事で何よりでした。では、先に失礼します。」

    挨拶を済ますと、その場を足早に立ち去る。
面倒はごめんだ。



    


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