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第二十章 帝国の覇権の行方。
幕間107話 その時のライガ③。
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ライガが相手の左肩に傷を負わせて、勝負において有利に立つのだった。
傷を負ってライガを睨み付ける。
「こんな筈は無い。こんな筈では・・・。」
痛みに耐えながら、右手で左肩を押さえながら呟いた。
「残念だったな。強さに奢って訓練を怠ったな。もしも俺よりも強かったのなら、俺ではなく閣下が相手になってくれたかも知れないな。その時は本当の意味での強さを思い知れただろう。まあ、今回は俺が相手で申し訳無いが我慢して死んでくれ。」
「何をこの位の傷など。貴様の剣など大した物ではないわ!」
強がりなのか、ライガの言葉に対して強がったのか言い募った。
「戦士が剣を交えて戦うのに、言葉はいらない。唯そこに有るのは、強弱の差だけだ。今更オレを残念がらせるなよ。」
そう言って、再び剣を構え直した。慌ててギラールも剣を構えるが、その構えには今までの気迫は感じられなかった。やはり左肩を庇っている為か。
「さて大将軍よ、閣下を待たせているのでな、そろそろ決着を付けようではないか?」
そう言うと、構えた剣を引き付け何かを言おうとしたギラールに向けて飛び込み、その大剣を振り下ろした。
「なっ」
驚いたギラールは、慌てて構えた剣を振り上げてライガの剣を受け止めようとしたが、思いの外に剣のスピードが速くて間に合わなかったのか、ライガの振り下ろした大剣は、ギラールの左肩から心臓へと切り裂いた。
驚いた顔をしたままその場に倒れた大将軍は、何かを言いかけたが声には成らず、最後の足掻きをしたあと息絶えたのだ。
「閣下!」
「大将軍!」
配下から、倒れた大将軍に驚きと体を気遣う声をかける者がいた。
「だから言っただろう。弱い奴には従わないとな。お前たちにも改めて言うぞ。大将軍は死んだ。剣を捨てて、登降しろ。歯向かえば、容赦なく切り捨てるぞ。」
大将軍を倒した剣先を向けながら兵士たちに投降を奨めた。
始めは、大将軍が倒された事で騒いでいた衛兵達も、剣先を向けられて恫喝される事で、我に返った。辺りを見ながら身の振り方を決めかねていた。
「おい、どうする。大将軍が殺られちまったぜ。この人数でこいつらを相手にするのかよ。」
「そうは言ってもなあ。大将軍が倒される程の奴相手に、アイツ等の方が人数は多いよな。どうする?」
互いに顔を見ながら、どうするか決めかねていた
「おいおい。ここまで来て、何を相談している。もうじき、反乱軍本隊の増援が来るぞ。そうなればお前達は圧倒的に小数になるぞ。今やっても俺たちが勝つがな。投降するなら早くしろ。五つ数える間にどうするか返事しろ。ひとつ・ふたつ・みっつ。」
「待て、する。投降する。」
中の一人が慌てて剣を捨てて、投降する事を宣言した。途端に他の者も慌てて投降するといいだした。持っていた剣を、皆んなその場に捨てて両手を上げて
投稿する意志を示したのだ。
「良し。お前等の投降を認める。武装解除して縛り上げて、見張りに一斑だけ残して本隊がきたら理由を話して見張りを交代して貰え。それから我々の後を追ってくるようにな。承知か。」追って
『了解しました!』
「では、十班は見張りに付け。他の者は、このまま閣下達の後を追いかける。行くぞ!」
『おう!』
こうして、難敵の大将軍ギラールを倒して閣下たちの後をやっと追うことが出来たライガ達であった。
階段を駆け上がって行くと、廊下の奥から武器を抜きながら、ライガたちの姿をしっかりと見定めながら、駆け寄っで来るのが見えた。相手の人数は十人程で、皆慌てた顔付きをして此方へやってくる。
「貴様等は先に階段を上って行った者達の仲間か?」
近寄ってきた部隊の小隊長なのか、剣を抜きながら誰何してきた。
「残念だが、敵襲さ。」
「何?全員構えろ!」
「大将軍は倒してきた。抵抗する気が無いなら、武装解除して登降しろ。」
「・!。負けただと大将軍が?」
「そうだ。どうする?」
オレの言葉に、一瞬唖然として言葉が無かったが、言葉を聞いてからは互いに顔を寄せ合い、どう対処するか決めかねているようだった。
そうしていると、公爵の騎士団員が武器を掲げながら、階段下から上がってきた。
「ほら、味方の本隊がやって来たぞ。そのままなら戦うしかないが、どうする?」
その言葉を聞いて、一斉に武器を降ろし廊下に捨てて投降した。
丁度その時、公爵の騎士団員が大勢廊下に上がってきた。
投降した親衛隊の兵を見て、敵かと身構えた騎士団は、ライガから事情を聞いて、代わって拘束してもらい、その場を後にして先に進んだ。
階段を上がると、廊下の突き当りの扉の前に、見慣れた男が立っていた。
「閣下!レナード団長!」
レナードの回りは、既に息の絶えている死体が十人程転がっていた。
「閣下、団長。ご無事でしたか?他の者は?」
「いや、私は今、丁度宰相を倒してきた所だ。下の様子はどうだ?」
「はっ、大将軍はご命令通り、始末しておきました。他の者は武装解除して拘束して、公爵の手の者に、わたしておきましたよ。」
「よし。これから謁見の間へ向かう。そこに皇帝が居れば良し、居なければ、捜索することになる。早速向かうぞ。」
『はっ!』
結果、謁見の間に皇帝はいた。
そして、だいぶ経ってから公爵が来ると、先程まで以上に喚き立てた。
それを聞いていた公爵が、二・三言葉を交わすと急に項垂れて静かになった。
何を言ったか知らないが、言われても当たり前な事だろうと、見当は付いたがな。
傷を負ってライガを睨み付ける。
「こんな筈は無い。こんな筈では・・・。」
痛みに耐えながら、右手で左肩を押さえながら呟いた。
「残念だったな。強さに奢って訓練を怠ったな。もしも俺よりも強かったのなら、俺ではなく閣下が相手になってくれたかも知れないな。その時は本当の意味での強さを思い知れただろう。まあ、今回は俺が相手で申し訳無いが我慢して死んでくれ。」
「何をこの位の傷など。貴様の剣など大した物ではないわ!」
強がりなのか、ライガの言葉に対して強がったのか言い募った。
「戦士が剣を交えて戦うのに、言葉はいらない。唯そこに有るのは、強弱の差だけだ。今更オレを残念がらせるなよ。」
そう言って、再び剣を構え直した。慌ててギラールも剣を構えるが、その構えには今までの気迫は感じられなかった。やはり左肩を庇っている為か。
「さて大将軍よ、閣下を待たせているのでな、そろそろ決着を付けようではないか?」
そう言うと、構えた剣を引き付け何かを言おうとしたギラールに向けて飛び込み、その大剣を振り下ろした。
「なっ」
驚いたギラールは、慌てて構えた剣を振り上げてライガの剣を受け止めようとしたが、思いの外に剣のスピードが速くて間に合わなかったのか、ライガの振り下ろした大剣は、ギラールの左肩から心臓へと切り裂いた。
驚いた顔をしたままその場に倒れた大将軍は、何かを言いかけたが声には成らず、最後の足掻きをしたあと息絶えたのだ。
「閣下!」
「大将軍!」
配下から、倒れた大将軍に驚きと体を気遣う声をかける者がいた。
「だから言っただろう。弱い奴には従わないとな。お前たちにも改めて言うぞ。大将軍は死んだ。剣を捨てて、登降しろ。歯向かえば、容赦なく切り捨てるぞ。」
大将軍を倒した剣先を向けながら兵士たちに投降を奨めた。
始めは、大将軍が倒された事で騒いでいた衛兵達も、剣先を向けられて恫喝される事で、我に返った。辺りを見ながら身の振り方を決めかねていた。
「おい、どうする。大将軍が殺られちまったぜ。この人数でこいつらを相手にするのかよ。」
「そうは言ってもなあ。大将軍が倒される程の奴相手に、アイツ等の方が人数は多いよな。どうする?」
互いに顔を見ながら、どうするか決めかねていた
「おいおい。ここまで来て、何を相談している。もうじき、反乱軍本隊の増援が来るぞ。そうなればお前達は圧倒的に小数になるぞ。今やっても俺たちが勝つがな。投降するなら早くしろ。五つ数える間にどうするか返事しろ。ひとつ・ふたつ・みっつ。」
「待て、する。投降する。」
中の一人が慌てて剣を捨てて、投降する事を宣言した。途端に他の者も慌てて投降するといいだした。持っていた剣を、皆んなその場に捨てて両手を上げて
投稿する意志を示したのだ。
「良し。お前等の投降を認める。武装解除して縛り上げて、見張りに一斑だけ残して本隊がきたら理由を話して見張りを交代して貰え。それから我々の後を追ってくるようにな。承知か。」追って
『了解しました!』
「では、十班は見張りに付け。他の者は、このまま閣下達の後を追いかける。行くぞ!」
『おう!』
こうして、難敵の大将軍ギラールを倒して閣下たちの後をやっと追うことが出来たライガ達であった。
階段を駆け上がって行くと、廊下の奥から武器を抜きながら、ライガたちの姿をしっかりと見定めながら、駆け寄っで来るのが見えた。相手の人数は十人程で、皆慌てた顔付きをして此方へやってくる。
「貴様等は先に階段を上って行った者達の仲間か?」
近寄ってきた部隊の小隊長なのか、剣を抜きながら誰何してきた。
「残念だが、敵襲さ。」
「何?全員構えろ!」
「大将軍は倒してきた。抵抗する気が無いなら、武装解除して登降しろ。」
「・!。負けただと大将軍が?」
「そうだ。どうする?」
オレの言葉に、一瞬唖然として言葉が無かったが、言葉を聞いてからは互いに顔を寄せ合い、どう対処するか決めかねているようだった。
そうしていると、公爵の騎士団員が武器を掲げながら、階段下から上がってきた。
「ほら、味方の本隊がやって来たぞ。そのままなら戦うしかないが、どうする?」
その言葉を聞いて、一斉に武器を降ろし廊下に捨てて投降した。
丁度その時、公爵の騎士団員が大勢廊下に上がってきた。
投降した親衛隊の兵を見て、敵かと身構えた騎士団は、ライガから事情を聞いて、代わって拘束してもらい、その場を後にして先に進んだ。
階段を上がると、廊下の突き当りの扉の前に、見慣れた男が立っていた。
「閣下!レナード団長!」
レナードの回りは、既に息の絶えている死体が十人程転がっていた。
「閣下、団長。ご無事でしたか?他の者は?」
「いや、私は今、丁度宰相を倒してきた所だ。下の様子はどうだ?」
「はっ、大将軍はご命令通り、始末しておきました。他の者は武装解除して拘束して、公爵の手の者に、わたしておきましたよ。」
「よし。これから謁見の間へ向かう。そこに皇帝が居れば良し、居なければ、捜索することになる。早速向かうぞ。」
『はっ!』
結果、謁見の間に皇帝はいた。
そして、だいぶ経ってから公爵が来ると、先程まで以上に喚き立てた。
それを聞いていた公爵が、二・三言葉を交わすと急に項垂れて静かになった。
何を言ったか知らないが、言われても当たり前な事だろうと、見当は付いたがな。
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