異世界召喚に巻き込まれました。〜俺はこの異世界で自由に生きていく〜

詩嶋星那

文字の大きさ
2 / 11

第2話 巻き込まれてしまったようだ

しおりを挟む

 まず初めに言っておくことがある。魔法陣によって異世界召喚されたのは、俺を含めた五人である。
 残りの四人は魔法陣が出て来た際に教室に残っていた、充剣みつるぎと他三人の女子である。
 他クラスのため名前は知らない。



 「改めて、私の名前はコルビィン・サズ・アールフォドであり、この王国の王である。今勇者様方がいるここは、アールフォド王国の王城である。そしてここはグラスフィードという世界だ」

 この中で一番偉いだろうと思える男の人、コルビィン・サズ・アールフォドはそう言った。
 んー、王様って言えば良いのだろうか?
 俺は呑気のんきにそんな事を考えていた。

 「ちょっと、待てよ!」

 すると、充剣の声が今いるこの部屋で響いた。
 充剣イケメンだから大声出せないと思ってたけど、意外と出すんだな。
 俺は充剣が大声を出すところを初めて見たためそう思ってしまう。
 実際のところ、なにに対して待ってほしいんだろ。

 「どうしましたかな、勇者様」

 王様はそう口にした。
 充剣の大声に対して王様の声には、なんだが威圧感が感じるような気がする。

 「あ、いや。その、ここは地球じゃないんだよな?」
 「そうです。先ほども申しました通り、ここは地球という場所ではなくそちらの言葉を使うと『異世界』という場所になります」

 謎の威圧感を出している王様に対して充剣はそう言った。が、少し弱っている。
 イケメンでもやはり、何かを感じているようだ。
 そこで、王様の横に立っていた一人の男が何かに気が付いたのか、王様に近づいて耳元で何かを呟いた。
 その瞬間、王様は俺たちを何度か見てくる。

 「むっ!? これは得をしたのかも知れんな。では、勇者様方にはまず、この世界の現状からお伝えしようと思う」

 王様はそう言って、再び口を開いた。

 「今この世界では、人間族と魔人族で戦争をしています。戦争をしている理由は、魔人族側からの宣戦布告です。戦争が始まった初めの方は我々人間族の優勢だったのだが、時間が経つにつれ魔人族が優勢になり人間族は劣勢になってしまった。このままでは人間族はいずれ魔人族にやられ、死ぬまで奴隷扱いをさせられてしまう。だから、あなた方勇者様方をここに召喚したのだ」

 王様はペラペラとこの世界で起きている(人間族と魔人族の問題)事を話してくれた。

 それと、王様の話を俺なりに言ってみるとこうだ。
 お前らは人間族の王である、おれ俺のいう事を聞き、魔人族と戦えばいい。その後のことは、自由にさせてやる。まあ、活躍次第だがな。ゲハハハハハッッ!!!
 んー、ラノベ的にはこんな感じなのだが、俺なりになのでこんな感じな解釈になる。

 だが、もしかすると‥‥‥今話した内容以外に隠していることがあるのかもしれない。他にも魔人族との戦争が終わったら捨てられるまたは、欲しいモノをいくらでもやるからと言ってきて死ぬまで雑巾のように使われる。
 まあ、この発想は、ラノベの読みすぎって感じだからこんな考え方を持ってしまう。
 あ、それと、この世界に魔王がいるのなら、倒してくれとか言ってくるだろう。
 俺は呑気にそんな事を考えながら王様の話を聞いていく。
 と、そこで、充剣の近くにいた一人のギャルっぽい女子が声を上げた。

 「というか、元の世界に帰れないの~?」

 おい、さすがに敬語使わないん?
 同じ人間として、ギャルだとしても常識はさすがにあるだろうと思っていた俺の気持ちは破られ、そんな声を心の中でそう呟いた。

 「勇者様、さすがにそれは無礼かと思われます」

 王様の横にい立っていた一人の男がそう言った。
 パッとみた感じ、太っている。たぶん、栄養を取りすぎているんだろう。
 そう男に言われ、さっき口を開き敬語なしで話した女子が口を開こうとして、

 「よいのだ、コーバート。こちらにおられるのは、異世界の勇者様方だ。初めの方はこう言った感じがいいだろう」

 王様がそう言った。
 なんて優しいんだろう。

 「わかりました。コルビィン様がそう言うのなら仕方ありませんな」

 コーバートと呼ばれた男はそう言って後ろに下がる。
 女子の方を見てみると、あんまりビビってはいないようだった。

 「それで、元の世界に帰れるかと言う話なのだが、今の段階ではハッキリとは分かっておらん。今分かることは、その情報を魔王が持っていると言うことだけだ」

 俺の予想通りだった。魔王という存在はしっかりとこの異世界に存在をいる。が、今のところは、倒せとは言ってこないようだ。

 「は? って、帰れないってどういうことだよ!」
 「勝手に召喚しといて帰れないの!?」
 「待ってよ。家族が待ってるんだよ!」
 「家に帰りたいよぉ~......」

 帰れないとい事を知った充剣達はそう言ってギャーギャー喚き出した。
 なんてこった。というか、この姿を学校のみんなにも見てもらいたい。
 何故俺がこのような事を思ったのかというと、今の充剣の姿を学校では絶対に見れないからだ。だから、充剣に憧れを抱いている人や好きな人には見てもらいたい。
 何せ充剣は、学校ではアイドル的存在なのだから?

 かくいう俺も冷静さを保っているように見えるのだが、少しは焦っている。だか、昔からの癖というかなんというか、先生に怒られても怯まず、ヤバイ犬に出会って吠えられても怯まない。そんな感じで人生を過ごしてきているので、冷静を保つことはできている。

 「勇者様方のお気持ちは分かりますが、召喚した以上分かってもらいたい。それに、魔人族との戦争で勝利を収めることが出来たら、褒美を沢山やろう」

 王様はギャーギャー喚く充剣達にそう言った。
 すると......ギャーギャーするのが収まり、何やら四人で話し合い始めた。すっごい小声で。

 「迅翔はやと、褒美ってことは沢山の宝石とかもらえるんじゃない? 元の世界に帰ったら高く売れるやつとか」
 「いいえ、この世界で四人で幸せに暮らした方がいいと思う。あっちにいっても四人結婚出来るわけじゃないしなんならこっちで幸せになろ」
 「みんなの言う通りかもしれないですね。どうします、迅翔君」
 「そうだな。三人の言う通りだよな。そうするか!」

 話し合いが終わったのか、

 「王様、話は分かりました。俺達に任せてください」

 充剣はそう口にした。
 え?俺は話し合わなくていいの? まあ、モブだし無視するよね。
 俺はそう思った。
 そこで、

 「それでは、コルビィン様。これから私から話をさせてもらいます」
 「うむ。私は仕事が余っているので後は頼むぞ」

 王様でもコーバートでもない現地人異世界人の人が口を開きそう言った。
 王様はそう言うと、俺達に背を向けて部屋から出て行く。

 「では、次は私からお話しさせていただきますね。私の名前はメーバ、この城で魔法研究を主にやっています」

 メーバと名乗った女性はそう言って、俺達の方にやってくる。
 近くで見ることにより、メーバの外見がよく分かる。年は分からないが、20歳はたちくらいだと思う。それに着ている服はほとんど白色で、着るというより羽織るタイプのようだ。

 「それでは、早速なんですが、勇者様方のステータスを見せてもらいたいと思います。では、そちらの方来てください」
 「分かりました」

 メーバがそう言うのと同時にどこから現れたのかわからない女性二人が、水晶のような玉を持ってきた。
 指名をされた充剣は、メーバのもとへ歩いて行く。

 「まずは、勇者様の名前を教えてください」
 「俺の名前は、充剣迅翔です」

 名前を聞かれた充剣。とりあえず、礼儀っぽい喋り方でそう言った。

 「ではミツルギ様は、この水晶に手を触れてください」

 メーバがそう言うと、充剣は水晶に右手を触れた。
 すると......水晶の上から透明な板が現れたのだ。


 名前 :充剣迅翔
 種族 :人間(異世界人)
 レベル:1
 ギフト:聖剣使い(聖剣を扱える)
 スキル:剣術Lv1・身体強化Lv1・解析・言語習得
 魔法 :火魔法Lv1・光魔法Lv1
 称号 :異世界人・勇者


 その透明な板をよく見てみると、そのような事が書いてあった。
 そこで俺は納得した。今透明な板に書いてあるものが、ステータスというものだということを。

 「な、なんですか!? Lv1でこのようなステータスになるのですか!?」

 それを見たメーバは、驚くような声を出してそう口にする。
 その結果を見ていたコーバートや周りにいる人達が驚きの声を上げている。

 「ミツルギ様、あなた様はこの国の宝と言っても過言ではないステータスを持っています」

 メーバはそう言うと、ギフトやスキルや称号について話し始めた。

 ‥‥‥長い。

 すごく長い。説明だけのはずなのにめっちゃくちゃペラペラ話すんだが。
 というわけなので、メーバが話した事を簡単にまとめる。
 『ギフト』とは、異世界召喚された時に神から授けられる異世界人限定の特典。
 『スキル』とは、この世界では全ての人々が持っているもの。
 『称号』とは、その者自体を表すもの。
 『魔法』とは、自身の持つ魔力で発動させるもの。
 これら四つがまとめた結果である。ちなまにメーバの話は、これの二倍はあった。

 それから充剣に付いていた女子三人のステータスも調べていった。
 そしてこれから俺のステータスを調べる。

 「では、キリサメ様。この水晶に手を触れてください」
 「はい」

 メーバにそう言われ、俺は返事をして水晶に右手を触れる。
 瞬間、パァッと一瞬光りーー。


 名前 :霧雨灯流
 種族 :人間(異世界人)
 レベル:1
 ギフト:
 スキル:鑑定・解析・言語習得
 魔法 :
 称号 :異世界人


 俺のステータスが出てきた。だか‥‥‥ギフトに何も書いてなく、スキルは全くなく、称号には勇者が書いてなく、魔法すら覚えていなかった。

 それを見たメーバが声を上げる。

 「どういうことですか!? ギフトもスキルも称号も魔法が全く書かれてない。これは‥‥‥村人並。いえ、村人以下のステータスではないですか!」

 そして吠えるかのようにしてそう言った。

 「ちょっと待ってください! まさか‥‥‥異世界召喚に巻き込まれたんですか!!??」

 メーバの口からはまさかの言葉が解き放たれた。
 俺って巻き込まれたの??
 理解不能な展開に俺の脳みそは全く話についていくことができなかったのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった

仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

RPGのストーリー開始前に殺されるモブに転生した俺、死亡フラグを回避してラスボス助けたら女主人公が現れてなぜか修羅場になった。

白波 鷹(しらなみ たか)【白波文庫】
ファンタジー
――死亡フラグのあるモブに転生した。なぜか男主人公の姿で。 王国に孤児院の子供達を殺された少女ミュライトがラスボスのRPG『プリテスタファンタジー』。 物語後半でミュライトと主人公は互いに孤児院出身であることが分かり、彼女を倒した主人公がその死を悲しむ絶望的なエンディングからいわゆる「鬱ゲー」と呼ばれているゲームでもある。 そして、そんなゲームの物語開始前にミュライトと同じ孤児院に住んでいた子供に転生したが…その見た目はなぜか男主人公シュウだった。 原作との違いに疑問を抱くものの、このままストーリー通りに進めば、ミュライトと主人公が戦って悲惨なエンディングを迎えてしまう。 彼女が闇落ちしてラスボスになるのを防ぐため、彼女が姉のように慕っていたエリシルの命を救ったり、王国の陰謀から孤児達を守ろうと鍛えていると、やがて男主人公を選んだ場合は登場しないはずの女主人公マフィが現れる。 マフィとミュライトが仲良くなれば戦わずに済む、そう考えて二人と交流していくが― 「―あれ? 君たち、なんか原作と違くない?」 なぜか鉢合わせた二人は彼を取り合って修羅場に。 こうして、モブキャラであるはずのシュウは主人公やラスボス達、果ては原作死亡キャラも助けながらまだ見ぬハッピーエンドを目指していく。 ※他小説投稿サイトにも投稿中

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

転生特典〈無限スキルポイント〉で無制限にスキルを取得して異世界無双!?

スピカ・メロディアス
ファンタジー
目が覚めたら展開にいた主人公・凸守優斗。 女神様に死後の案内をしてもらえるということで思春期男子高生夢のチートを貰って異世界転生!と思ったものの強すぎるチートはもらえない!? ならば程々のチートをうまく使って夢にまで見た異世界ライフを楽しもうではないか! これは、只人の少年が繰り広げる異世界物語である。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

処理中です...