人生は小説よりも奇なるか

古明地 蓮

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輝く黒色

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それからというもの、少年の地位はだんだんと上がって行った。
これだけの悪行を行ったのに、と思う人もいるだろう。
しかし、この街は力が全てだ。
少年自身も、それなりには強かったが、最強とは到底呼べなかった。
棒1本あれば最強だが、持ち物なしなら所詮ただの餓鬼程度であった。
しかし、こいつの中には、まだまだ数多の才能が眠っていた。

まずは、持ち前の交渉力で、ヤクザの下っ端から武器を買い上げた。
上手く交渉をすることで、ヤクザの上には伝わらないようにしていた。
だからか、特にヤクザの上から目をつけられることもなかった。
1つには、こいつの親戚が大物だったこともあるだろうが。

次に、独自の通信方法まで作った。
そこら辺に落ちてたごみをかき集め、使われていない周波数を使って通話を可能にした。
これは、少年自身が自作したものだった。
また、相手の電波を妨害する機械も作り、技術的にも強くなっていった。
これにより、もしもの備えが拡充してきたのだ。

しかし、学校には、一切裏の顔を持ち込まなかった。
真面目で健全な好少年
クラスからも人気が強い
しかも、授業態度もいいから、先生からの評判もいい
その、顔の使いこなし方のうまさから、八方美人のようになっていた。

この頃は、この学校の歴史上最悪の時代だった。
なんて言ったって、6年生が完璧に学級崩壊していたのだ。
授業中に喋るくらいならまだ良かった。
クラス内だけでなく、校舎内を歩き回る
水を勝手に飲みに行く
箒でチャンバラを始める
これでもかなり酷いのだがもっと最悪な事態になる。

とうとう先生がほとんど授業放棄を始めたのだ。
授業中は、ずっと机の前に座ってただ見ているだけの先生
こうなったら何が起きると思う?

机の投げ合いが始まった
机や椅子を互いに投げ合い、ガラスを叩き割る。
掃除用のロッカーを倒して、扉を外す。
そんな状態になってしまったのだ。

しかも、影響がクラス内では収まらなかった。
授業中の他クラスに侵入して、窓ガラスを叩きわり始める
他学年同士での殴り合いも横行し始めた。

こんな荒れ果てた状態を、絶好のチャンスにした人がいた。

この少年である。

幸いにも、この少年のクラスは担任が厳つい男の先生だったため、喧嘩は起きなかった。
これが少年にとって、最良の状態だったのだ。

6年生対他の学年の喧嘩に、小規模グループで仲裁に入ったのだ。
仲裁といえば聞こえがいいが、とにかく両軍を叩いて、戦えないようにした。
しかも、先生たちが来る頃には、殴るのはやめにして、収まってる雰囲気を醸し出させた。

このことがきっかけで、校内での評価がものすごく上がっていった。
校内の評判も良くなってきた頃、裏の世界でも上手い具合に歯車が噛み合っていた。
闇の警察としての評判が広まり、助けを乞う者まで現れ始めたのだ。
着実に勢力を伸ばしつつも、他の組との関係を持たないでいた。

そして、この地位を活かして様々な事をやり始めた。
ヤクザの下っ端が通うような賭場を荒らしていった。
ちっちゃいマージャン施設などを崩壊させ、資金繰りを良くしていった。
名目上は、人助けだから誰からも文句は言われないが。

因みに、この少年が作ったグループのルールがある。
1 薬に手を出してはいけない
2 人を殺したり、人の体で弄んではいけない
3 酒、タバコは程々にすること
これは、自分たちのグループが崩壊しないための規則だった。

こうして、どんどん地位を上げて言った少年
2年もの間こんなことを続けていた。
挙句の果てには、6年生の頃は児童会長をも担うほどだった。
まあ、選挙で少年以外に入れようとする輩はいなかった。
なんせ、低学年から見たらただのいい先輩ぶっていたわけだ。

とうとうこんな少年が牛耳るような学校が出来上がってしまった。
まあ、この少年は、学校を良くしようとものすごく働いた。
表向きにはだが、学校の喧嘩を仲裁したり、掃除をしたり、校内放送を担ったりした。

6年生という立場に慣れてきた頃
小学校最大と言ってもいい事件が起きた。

後の世代に大きい恐怖の種を植え付けた事件
それは

ヤクザが、小学校に乗り込んできたのだ。

なぜこんなことが起きたのか
それは、この事件の数日前のことだ

少年たちが、いつものように「人助け」をしていると、とある情報が入った。
過去に救った奴らが、また組に関与しているらしいとの事だった。
しかも、全員同じ組に連れていかれたらしい。
これを聞いた少年は、過去最大の計画をねり、組をひとつ潰しに行った。

まずは、自分たちが助けた輩のいる場所を荒らす。
今回は賭場だった。
次に、そこを持っている組の事務所に殴り込みに行く。
こんな輩を集めているような組ということは、そんなには強くないだろうと思っていた。
少年は、この作戦を計画から実行まで2日で行った。

少数精鋭が売りの少年達は、一気に賭場を荒らして、必要な人を救い出した。
そして、後片付けもせずに、組の事務所に向かった。
予想通り、そんなにでかい組でもなく、護衛も少なかった。
先に、ガラス玉で、相手に牽制をし、事務所に流れ込んだ。
そのままの勢いで、組の幹部を全員倒してしまった。

本当は戦闘風景も描写したいが、あまりに酷い惨状だったので割愛させてもらう。
これが、ヤクザが小学校に乗り込んできた原因だ。
この騒動の落とし前として、上層の組が乗り込んできてしまった。

ここからは、ヤクザとの喧嘩の話となるが、これまた大変だった。
乗り込んできたヤクザは、この界隈でもかなりの手練で、弱小集団では勝てるはずもない戦況だった。
しかし…
おっと、ここからはまだ話すべきではないか。
多分直接的な人生の危機としては最大の先頭の一部始終を見ていこうか
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