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【18、厳罰】
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『悪いことをすると、必ず罰を受けるし
嘘ついても、神様はちゃんと見てるのよ』
子供の頃、お母さんの化粧品をイタズラして、それを隠して私に、お母さんが言った言葉がこれだった。
きっと、そう…
私は、悪いことをした…
その罰を受けてる…
ずっと私に見向きもしなかった信ちゃんは、何故か、この夜、2年半ぶりに私を求めてきた。
プロポーズも拒否することができず、セックスも拒否できない。
私は臆病過ぎて、そんな選択肢しか取れなかった。
痛い…っ
早く終わって…っ
そう思って耐えた数分間。
信ちゃんは、自分だけ満足して、ころっと寝てしまった。
昨夜、樹くんが私につけた唇の跡を、信ちゃんは見つけることができなかった。
ほっとしてる自分がいて、そんな自分にほんとに嫌になる。
私は、深夜にシャワーを浴びながら、泣いた。
昨夜も今朝も、樹くんに熱っぽく抱かれた私が、自分勝手にことを済ませる信ちゃんに感じることなんて、できるはずもなかった。
ほんとは、触らないで!と思った。
あんなに彼に愛された、私に触らないで…
でも、拒否なんてできなかった。
私と信ちゃんが過ごしてきた10年は、決して軽い時間ではなかったし、セックスがすべてじゃないのもわかってる。
でも…
触らないで…
頭からシャワーを浴びながら、私は自己嫌悪に泣くしかなかった。
プロポーズされた私には、断る勇気もない…
だとしたら、もう…
もう…
樹くんと別れるしかない…
だけどそれが、心が裂けるほど苦しい…
この場に及んで…
私、なんて嫌な女なんだろう…
バスルームから出て、涙と水滴でびしょ濡れになった顔をバスタオルで拭くと、私は、洗面台に置いたままになっている、スマホを手に取った。
樹くん、あれからミキちゃんと、どうしたんだろう…?
変なざわめきが、私の心に沸き起こる。
あの二人、仲良さそうだった。
前から、二人は仲良かったけど…
LINEしようかな…
でも…
なんて入れよう…?
心が黒くもやもやする。
あの二人…
まさか、今頃…
そう考えると、キリキリと胸が痛んだ。
嫉妬心に、私の心は狂いそうになってる。
私だって、さっき、信ちゃんに抱かれたのに、嫉妬するなんて…
でも、彼の指が私の以外の女の子の体を触り、舌先で肌を辿っているかもしれないと思うと、別な意味で体が燃えるように熱くなる。
私にするように、あんな風に熱っぽく、若い女の子を抱いてるの?
そんなことしないで…っ
お願い…っ
心が苦しい…
「樹くん…会いたいよ…」
だけど、その言葉は彼に伝えられない。
いたたまれなくなった私は、気持ちを誤魔化すように、『次の休みはいつ?』とLINEを打つ。
だけど、その夜は、いくら待ってもLINEに既読はつかなかった…
嘘ついても、神様はちゃんと見てるのよ』
子供の頃、お母さんの化粧品をイタズラして、それを隠して私に、お母さんが言った言葉がこれだった。
きっと、そう…
私は、悪いことをした…
その罰を受けてる…
ずっと私に見向きもしなかった信ちゃんは、何故か、この夜、2年半ぶりに私を求めてきた。
プロポーズも拒否することができず、セックスも拒否できない。
私は臆病過ぎて、そんな選択肢しか取れなかった。
痛い…っ
早く終わって…っ
そう思って耐えた数分間。
信ちゃんは、自分だけ満足して、ころっと寝てしまった。
昨夜、樹くんが私につけた唇の跡を、信ちゃんは見つけることができなかった。
ほっとしてる自分がいて、そんな自分にほんとに嫌になる。
私は、深夜にシャワーを浴びながら、泣いた。
昨夜も今朝も、樹くんに熱っぽく抱かれた私が、自分勝手にことを済ませる信ちゃんに感じることなんて、できるはずもなかった。
ほんとは、触らないで!と思った。
あんなに彼に愛された、私に触らないで…
でも、拒否なんてできなかった。
私と信ちゃんが過ごしてきた10年は、決して軽い時間ではなかったし、セックスがすべてじゃないのもわかってる。
でも…
触らないで…
頭からシャワーを浴びながら、私は自己嫌悪に泣くしかなかった。
プロポーズされた私には、断る勇気もない…
だとしたら、もう…
もう…
樹くんと別れるしかない…
だけどそれが、心が裂けるほど苦しい…
この場に及んで…
私、なんて嫌な女なんだろう…
バスルームから出て、涙と水滴でびしょ濡れになった顔をバスタオルで拭くと、私は、洗面台に置いたままになっている、スマホを手に取った。
樹くん、あれからミキちゃんと、どうしたんだろう…?
変なざわめきが、私の心に沸き起こる。
あの二人、仲良さそうだった。
前から、二人は仲良かったけど…
LINEしようかな…
でも…
なんて入れよう…?
心が黒くもやもやする。
あの二人…
まさか、今頃…
そう考えると、キリキリと胸が痛んだ。
嫉妬心に、私の心は狂いそうになってる。
私だって、さっき、信ちゃんに抱かれたのに、嫉妬するなんて…
でも、彼の指が私の以外の女の子の体を触り、舌先で肌を辿っているかもしれないと思うと、別な意味で体が燃えるように熱くなる。
私にするように、あんな風に熱っぽく、若い女の子を抱いてるの?
そんなことしないで…っ
お願い…っ
心が苦しい…
「樹くん…会いたいよ…」
だけど、その言葉は彼に伝えられない。
いたたまれなくなった私は、気持ちを誤魔化すように、『次の休みはいつ?』とLINEを打つ。
だけど、その夜は、いくら待ってもLINEに既読はつかなかった…
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