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初夏編:初夏のポントワーブ
【327話】痕
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「カトリナ待たせちゃってごめんね!聖魔法かけるね!」
リアーナがカミーユに聖魔法をかけている中、モニカはカトリナに駆け寄り杖を取り出した。カトリナはニコっと笑って見せたが、明らかに弱っている。手を握ると彼女の手はとても冷たかった。呪いのせいか高熱になったり低温になったりと体温の温度差が激しい。それが余計カトリナの体力を奪っているのだろう。
モニカが聖魔法をかけ始めると、カトリナは顔を歪めて歯を食いしばった。呪いを浄化するには激痛を伴うようだ。アーサーはカトリナの手を握り何度も名前を呼びかけている。
「カトリナ!つらいだろうけどこらえてね…!モニカが治してくれるからね!」
「うぅっ…あぁぁ…っ…」
「カトリナ。ごめんね。痛い思いさせちゃって…っ。私が治すからね…!絶対治すからね!」
「はぁっ…くっ…んんっ…!」
痛みに耐えるためか、カトリナはアーサーの手を強く握った。声を殺すためにあまりに唇を強く噛んでいるせいで口元から血が流れている。アーサーは慌ててカトリナの口に自分の腕を押し付けた。
「むぐっ」
「カトリナだめだよ唇なんて噛んじゃ!!血が出てるよ!」
「そうよカトリナ!声をおさえる必要なんてないわ!」
「んんっ」
「噛むなら僕の腕を噛んで!僕なら大丈夫だから!」
「ふー…っ、ふー…っ、…んんんっ…!!」
「い"っ?!」
再び耐えられないほどの激痛に襲われたのか、カトリナが押さえつけられている腕にガリガリと歯を立てた。モニカに噛まれたときの比ではない痛みにアーサーの体がのけぞり硬直した。兄のめったに見ない反応にモニカは驚き、おそるおそる腕に目をやった。今にも食いちぎられるのではと思うくらい、アーサーの細腕にカトリナの歯が食い込んでいた。
「ひぐぐぐ…」
「ア、アーサー…大丈夫…?」
「だ、だいじょ、ぶ…」
「…お肉ちぎれちゃったら、あとで回復魔法かけてあげるね」
「ありが、と…」
それからも、モニカはカトリナに回復魔法をかけ、アーサーはカトリナとモニカを励まし続けた。ジルよりかは重い呪いではなかったため、痣は徐々にだが順調に薄れていった。カトリナが何度か吐血や嘔吐をしたが、ベニートたちが手際よく片付けてくれた。
聖魔法をかけはじめて4時間が経ったころ、カトリナは意識を失った。
「あっカトリナ…」
「寝かせておいてあげましょうアーサー。意識がないほうがきっと楽だから」
「そうだね…」
「…痣がさっぱり消えてくれたらいいけど…。カトリナの綺麗な顔や体に呪いの痕なんて残したくないよ」
「…リアーナは例外だからおいといて、ジルは…ちょっと痣が残っちゃったもんね。でもちょっとだけだよ、顔の痣は消えたよ」
「でも、首とか胸に残っちゃった…。一番呪いが強かったとこ…」
「カトリナはどこが一番呪いが強いの?」
「胸のあたりはすごく弱いわ。たぶん加護のおかげね。でも…首と肩が特に強い。あと耳元とほっぺた…」
「……」
「どうしようアーサー…。カトリナの顔に痣が残っちゃったら…」
モニカは不安げに震えた。アーサーはそんな妹の頭を優しく撫で、そっと肩を抱いた。
「モニカ。もし痕が残っちゃっても、だあれもモニカを責めないよ。カトリナのきれいな顔にこんな痕つけたくない気持ちは分かるけど、まずはカトリナの命を助けることだけを考えよう。ね?」
「…うん」
「そうだぞーモニカ」
眠っているカミーユに聖魔法をかけていたリアーナが小声でモニカに声をかけた。モニカがハッと顔を上げると、双子に背を向けたままリアーナが親指を立てて見せた。
「カトリナは痕なんて気にしねえ。きっと顔に痕が残ったってアクセサリーだと思って楽しむさ。そいつはそういうやつだよ」
「リアーナ…」
「モニカ、お前はもっと自信持っていいし、なんならもっと恩着せがましくしていいんだぞ?あたしはこれが終わったらカミーユにビール奢らせまくるつもりだ!イシシ!」
リアーナは楽し気に笑い、振り返ってニカっと笑った。
「こいつら全員元気になったら、さっさとポントワーブ戻っていーっぱい奢らせような!!」
リアーナがカミーユに聖魔法をかけている中、モニカはカトリナに駆け寄り杖を取り出した。カトリナはニコっと笑って見せたが、明らかに弱っている。手を握ると彼女の手はとても冷たかった。呪いのせいか高熱になったり低温になったりと体温の温度差が激しい。それが余計カトリナの体力を奪っているのだろう。
モニカが聖魔法をかけ始めると、カトリナは顔を歪めて歯を食いしばった。呪いを浄化するには激痛を伴うようだ。アーサーはカトリナの手を握り何度も名前を呼びかけている。
「カトリナ!つらいだろうけどこらえてね…!モニカが治してくれるからね!」
「うぅっ…あぁぁ…っ…」
「カトリナ。ごめんね。痛い思いさせちゃって…っ。私が治すからね…!絶対治すからね!」
「はぁっ…くっ…んんっ…!」
痛みに耐えるためか、カトリナはアーサーの手を強く握った。声を殺すためにあまりに唇を強く噛んでいるせいで口元から血が流れている。アーサーは慌ててカトリナの口に自分の腕を押し付けた。
「むぐっ」
「カトリナだめだよ唇なんて噛んじゃ!!血が出てるよ!」
「そうよカトリナ!声をおさえる必要なんてないわ!」
「んんっ」
「噛むなら僕の腕を噛んで!僕なら大丈夫だから!」
「ふー…っ、ふー…っ、…んんんっ…!!」
「い"っ?!」
再び耐えられないほどの激痛に襲われたのか、カトリナが押さえつけられている腕にガリガリと歯を立てた。モニカに噛まれたときの比ではない痛みにアーサーの体がのけぞり硬直した。兄のめったに見ない反応にモニカは驚き、おそるおそる腕に目をやった。今にも食いちぎられるのではと思うくらい、アーサーの細腕にカトリナの歯が食い込んでいた。
「ひぐぐぐ…」
「ア、アーサー…大丈夫…?」
「だ、だいじょ、ぶ…」
「…お肉ちぎれちゃったら、あとで回復魔法かけてあげるね」
「ありが、と…」
それからも、モニカはカトリナに回復魔法をかけ、アーサーはカトリナとモニカを励まし続けた。ジルよりかは重い呪いではなかったため、痣は徐々にだが順調に薄れていった。カトリナが何度か吐血や嘔吐をしたが、ベニートたちが手際よく片付けてくれた。
聖魔法をかけはじめて4時間が経ったころ、カトリナは意識を失った。
「あっカトリナ…」
「寝かせておいてあげましょうアーサー。意識がないほうがきっと楽だから」
「そうだね…」
「…痣がさっぱり消えてくれたらいいけど…。カトリナの綺麗な顔や体に呪いの痕なんて残したくないよ」
「…リアーナは例外だからおいといて、ジルは…ちょっと痣が残っちゃったもんね。でもちょっとだけだよ、顔の痣は消えたよ」
「でも、首とか胸に残っちゃった…。一番呪いが強かったとこ…」
「カトリナはどこが一番呪いが強いの?」
「胸のあたりはすごく弱いわ。たぶん加護のおかげね。でも…首と肩が特に強い。あと耳元とほっぺた…」
「……」
「どうしようアーサー…。カトリナの顔に痣が残っちゃったら…」
モニカは不安げに震えた。アーサーはそんな妹の頭を優しく撫で、そっと肩を抱いた。
「モニカ。もし痕が残っちゃっても、だあれもモニカを責めないよ。カトリナのきれいな顔にこんな痕つけたくない気持ちは分かるけど、まずはカトリナの命を助けることだけを考えよう。ね?」
「…うん」
「そうだぞーモニカ」
眠っているカミーユに聖魔法をかけていたリアーナが小声でモニカに声をかけた。モニカがハッと顔を上げると、双子に背を向けたままリアーナが親指を立てて見せた。
「カトリナは痕なんて気にしねえ。きっと顔に痕が残ったってアクセサリーだと思って楽しむさ。そいつはそういうやつだよ」
「リアーナ…」
「モニカ、お前はもっと自信持っていいし、なんならもっと恩着せがましくしていいんだぞ?あたしはこれが終わったらカミーユにビール奢らせまくるつもりだ!イシシ!」
リアーナは楽し気に笑い、振り返ってニカっと笑った。
「こいつら全員元気になったら、さっさとポントワーブ戻っていーっぱい奢らせような!!」
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