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画廊編:半年後
いってきます
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夜、家に帰ったアーサーとモニカは高級泡風呂液を入れて贅沢なバスタイムを過ごした。ユリの香りがする泡で遊び、互いの頭や体を洗い合う。寒い日の長風呂は最高で、双子の体はポカポカに温まった。
「うーん…」
「どうしたの、モニカ?」
お風呂から出たモニカが不服そうな声を漏らしながらバスタオルとにらめっこをしていた。アーサーが声をかけると、そのバスタオルを兄に触らせた。
「このバスタオル、たぶんおうち建ててすぐに買ったものだよね?」
「あー、そうかも。ケバケバだし、色もくすんできてるね」
「…捨てていいですか?」
「えーーー?!だめだめだめ!!!」
「どうしてよぉ!ほら、穴も開いちゃってるし、体を拭いたらちょっと痛いの!」
「だめー!!この子とは長い付き合いじゃないか!!どうしてそんなこと言うのぉ?!」
「長い付き合いだから言ってるの!!もう5年?くらい使ってるもん!買い替えの時期…」
「買い替え?!この子の代わりはどこにもいないよ?!」
アーサーはモニカからバスタオルをひったくり、守るように抱きしめた。それどころかバスタオル(モニカの水分をしっかり吸い込んでビシャビシャに濡れている)を優しく撫でながら首を振っている。
「この使い込んで毛羽立った触り心地がいいんじゃないかあ!どうしてそんなこと言うのぉ?!捨てるなんてそんなぁっ!!」
「あー…パンツと一緒なのね。古いほど愛着が湧いちゃうのね。布系のことになるとどうしてそうなっちゃうのアーサー…」
「これは僕が使うからぁっ!お願い!捨てないで!」
「分かったわ!じゃあ古いタオルはアーサー専用ね」
「えっほんと?!捨てないでくれるの?!」
「うん。アーサーがそんなこと言うから、バスタオルが濡れた子犬に見えてきたわ。ひどいこと言ってごめんね(?)」
「わーありがとうモニカー!よかったね、バスタオル!」
「わたしたちが大人になった頃が心配だわ…。古いタオルまみれになってそう…」
モニカははぁ、とため息をつきながら下着と寝衣を身に付けた。古いものを捨てずに大切に使う兄のことをかわいいとは思っていたが、それに対する異常な愛着は少し考えものだとぼんやり考える。
(この前アーサーのアイテムボックスの中のぞいたら、穴のあいたパンツこっそり置いてあったし…。なにがアーサーをそこまでさせてしまうのかしら…)
その日モニカはアーサーのことを考えてしまってなかなか寝付けなかった。一見普通に見えるわたしのお兄ちゃんは、毒がだいすきで穴のあいたパンツを後生大事に持っている男の子…。うすうす気づいてはいたけれど、わたしのお兄ちゃんはとてつもなく変な人なのかもしれない…。…でもかわいいからいっか。それってつまり、わたしがおばあちゃんになってもかわいがってくれるってことだもんね。むしろおばあちゃんになったほうがかわいがってくれるのかも?あーんだったらはやくおばあちゃんになりたい~。
《…どっちもどっちじゃねえか》
《言うなアサギリ。モニカにとっては、それが"普通"なのだ》
◇◇◇
「よーーし!!しゅっぱーつ!!」
「あ!今から行くってカユボティにインコ飛ばさなきゃ!」
「え?!まだ飛ばしてなかったの?!」
「忘れちゃってたー」
「あははー!じゃあ仕方ないね!」
翌日の早朝、早起きをした(モニカは寝不足気味だった)アーサーとモニカは木箱を積んだ馬車に乗り込んだ。シャナとユーリが心配そうな表情で見送りをしてくれる。
「気を付けてね。アーサー、モニカ」
「いい?何かあったらすぐに私を呼んでちょうだいね。今回はダンジョン依頼は受けるの?」
「ううん!今回は受けないよ!」
「だから心配しないでユーリ、シャナ!」
「本当に?本当に受けないのね?」
「絶対に受けないよ!」
淫魔の一件があってから、双子が依頼を受けたときはシャナにすべて報告するように言われていた。シャナは双子が受けた依頼すべてに目を通し、特殊な魔物がいないかを確認した。アーサーとモニカも用心深くはなっていたが、シャナが確認してくれていたおかげで今まで無事に依頼を完了できていたと言っても過言ではない。
「あなたたち、もうE級なんだからね。F級よりもずっと依頼が難しくなってるの。気を付けるのよ」
「だから受けないってば~!」
「あはは!!シャナ、私たちのおかあさんみたい!!」
モニカがそう言って笑うと、シャナは「あら?」と首を傾げた。
「おかあさんでしょ?私はあなたたちのこと、自分の子どもだと思ってるんだけど」
「シャ…」
「シャナァァ!!!」
「僕もきみたちのこと、本当の兄弟だと思ってるよ(僕がおにいさん)」
「ユーリィィィ!!」
「僕もきみのこと本当の弟だと思ってるよ!!!」
「わたしもぉぉぉ!!」
「(あれ?)」
シャナとユーリの言葉にアーサーとモニカはぶわっと目を潤ませて二人に抱きついた。
「だから私たちのためにも無傷で帰ってきてちょうだいね。毎日伝書インコを飛ばして。分かったかしら?」
「分かったぁぁぁ!!!」
「シャナだいすきぃぃ…!!」
「ユーリだいすきーーー…!!」
「ふふ、私もあなたたちのこと大好きよ」
「僕もだいすき」
二人に見送られながら、アーサーとモニカが乗った馬車はポントワーブの門をあとにした。ルアンへ向かっている途中にカユボティからの伝書インコを受け取った。
《チョ、キュウスギナイカ ワ、ワカッタ イソイデジュンビスル ユックリキテクレ》
「あはは!カユボティ焦ってる!」
「絵を描いてたのかなー?」
「お酒飲んでたのかも!」
「行ってみたら分かるわ!久しぶりに画家のみんなに会えるのたのしみー!!」
「うーん…」
「どうしたの、モニカ?」
お風呂から出たモニカが不服そうな声を漏らしながらバスタオルとにらめっこをしていた。アーサーが声をかけると、そのバスタオルを兄に触らせた。
「このバスタオル、たぶんおうち建ててすぐに買ったものだよね?」
「あー、そうかも。ケバケバだし、色もくすんできてるね」
「…捨てていいですか?」
「えーーー?!だめだめだめ!!!」
「どうしてよぉ!ほら、穴も開いちゃってるし、体を拭いたらちょっと痛いの!」
「だめー!!この子とは長い付き合いじゃないか!!どうしてそんなこと言うのぉ?!」
「長い付き合いだから言ってるの!!もう5年?くらい使ってるもん!買い替えの時期…」
「買い替え?!この子の代わりはどこにもいないよ?!」
アーサーはモニカからバスタオルをひったくり、守るように抱きしめた。それどころかバスタオル(モニカの水分をしっかり吸い込んでビシャビシャに濡れている)を優しく撫でながら首を振っている。
「この使い込んで毛羽立った触り心地がいいんじゃないかあ!どうしてそんなこと言うのぉ?!捨てるなんてそんなぁっ!!」
「あー…パンツと一緒なのね。古いほど愛着が湧いちゃうのね。布系のことになるとどうしてそうなっちゃうのアーサー…」
「これは僕が使うからぁっ!お願い!捨てないで!」
「分かったわ!じゃあ古いタオルはアーサー専用ね」
「えっほんと?!捨てないでくれるの?!」
「うん。アーサーがそんなこと言うから、バスタオルが濡れた子犬に見えてきたわ。ひどいこと言ってごめんね(?)」
「わーありがとうモニカー!よかったね、バスタオル!」
「わたしたちが大人になった頃が心配だわ…。古いタオルまみれになってそう…」
モニカははぁ、とため息をつきながら下着と寝衣を身に付けた。古いものを捨てずに大切に使う兄のことをかわいいとは思っていたが、それに対する異常な愛着は少し考えものだとぼんやり考える。
(この前アーサーのアイテムボックスの中のぞいたら、穴のあいたパンツこっそり置いてあったし…。なにがアーサーをそこまでさせてしまうのかしら…)
その日モニカはアーサーのことを考えてしまってなかなか寝付けなかった。一見普通に見えるわたしのお兄ちゃんは、毒がだいすきで穴のあいたパンツを後生大事に持っている男の子…。うすうす気づいてはいたけれど、わたしのお兄ちゃんはとてつもなく変な人なのかもしれない…。…でもかわいいからいっか。それってつまり、わたしがおばあちゃんになってもかわいがってくれるってことだもんね。むしろおばあちゃんになったほうがかわいがってくれるのかも?あーんだったらはやくおばあちゃんになりたい~。
《…どっちもどっちじゃねえか》
《言うなアサギリ。モニカにとっては、それが"普通"なのだ》
◇◇◇
「よーーし!!しゅっぱーつ!!」
「あ!今から行くってカユボティにインコ飛ばさなきゃ!」
「え?!まだ飛ばしてなかったの?!」
「忘れちゃってたー」
「あははー!じゃあ仕方ないね!」
翌日の早朝、早起きをした(モニカは寝不足気味だった)アーサーとモニカは木箱を積んだ馬車に乗り込んだ。シャナとユーリが心配そうな表情で見送りをしてくれる。
「気を付けてね。アーサー、モニカ」
「いい?何かあったらすぐに私を呼んでちょうだいね。今回はダンジョン依頼は受けるの?」
「ううん!今回は受けないよ!」
「だから心配しないでユーリ、シャナ!」
「本当に?本当に受けないのね?」
「絶対に受けないよ!」
淫魔の一件があってから、双子が依頼を受けたときはシャナにすべて報告するように言われていた。シャナは双子が受けた依頼すべてに目を通し、特殊な魔物がいないかを確認した。アーサーとモニカも用心深くはなっていたが、シャナが確認してくれていたおかげで今まで無事に依頼を完了できていたと言っても過言ではない。
「あなたたち、もうE級なんだからね。F級よりもずっと依頼が難しくなってるの。気を付けるのよ」
「だから受けないってば~!」
「あはは!!シャナ、私たちのおかあさんみたい!!」
モニカがそう言って笑うと、シャナは「あら?」と首を傾げた。
「おかあさんでしょ?私はあなたたちのこと、自分の子どもだと思ってるんだけど」
「シャ…」
「シャナァァ!!!」
「僕もきみたちのこと、本当の兄弟だと思ってるよ(僕がおにいさん)」
「ユーリィィィ!!」
「僕もきみのこと本当の弟だと思ってるよ!!!」
「わたしもぉぉぉ!!」
「(あれ?)」
シャナとユーリの言葉にアーサーとモニカはぶわっと目を潤ませて二人に抱きついた。
「だから私たちのためにも無傷で帰ってきてちょうだいね。毎日伝書インコを飛ばして。分かったかしら?」
「分かったぁぁぁ!!!」
「シャナだいすきぃぃ…!!」
「ユーリだいすきーーー…!!」
「ふふ、私もあなたたちのこと大好きよ」
「僕もだいすき」
二人に見送られながら、アーサーとモニカが乗った馬車はポントワーブの門をあとにした。ルアンへ向かっている途中にカユボティからの伝書インコを受け取った。
《チョ、キュウスギナイカ ワ、ワカッタ イソイデジュンビスル ユックリキテクレ》
「あはは!カユボティ焦ってる!」
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「お酒飲んでたのかも!」
「行ってみたら分かるわ!久しぶりに画家のみんなに会えるのたのしみー!!」
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