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真琴から壮大な目標を聞かされ、優弥は驚きを隠せなかった。
「世界ですか… 」
「おう!どうせ目指すなら一番上に行かなきゃつまらねぇだろ? 」
「確かに…全国制覇じゃまだ上がありますもんね」
「別にその目標だってつまらないなんてこたねぇけどな。あくまで俺の目標ってだけだかんよ、今は全国制覇が目標だって立派だと思うぜ? 」
話してみると案外普通なんだと優弥は思っていた。
しかし、試合中のプレイスタイルを思い返し、普通ではないことを思い出す。
「真琴先輩、なんであんなに攻守入り乱れた打ち方してるんですか?先輩の実力なら攻撃の戦型極めてもかなりのものなんじゃないかと」
「あー、そんな攻撃だけ極めても楽しくなくね?俺自身が嫌だわ」
「そんな…攻撃型に集中して練習したらもっと強力な武器になるじゃないですか」
「俺は卓球が好きでな、全部やりてえんだ。前陣速攻もドライブも裏面打法もカットも粒高も全部な。
卓球の技術全部を極めて、誰にも負けねぇようになりてぇんだ」
「欲張りですね」
「悪いか?でも、そのくらい出来ねぇと中国にゃ敵わねぇよ。先ばっか見過ぎてんのはわかってっけどな、そのくらいの気持ちじゃねぇと無理だと思うんだわ」
「欲張りな上に無鉄砲なんですね」
「ユウめっさ口悪くね?さすがの俺も傷付くぜ」
「真琴先輩にはこのくらいがいいんだと思ったまでです」
「まーいーけどよ」
攻守共に極めたいという真琴の思い自体はいいことなのだろうと、優弥は納得した。
実際、世界戦を見ると攻めだけが上手い選手も、守りだけを極めたような選手もいない。配分の差はあれど、どちらもそれなりに上手い選手がトップレベルにはひしめいている。
そこに割って入ろうと画策しているというのだから、真琴の卓球に対する思いは相当なものである。
「真琴先輩は家族ぐるみで卓球を? 」
「おう、家族というか親父だな。今でも熱血指導に衰えがなくてたまったもんじゃねぇよ」
「卓球好きでも、辟易としてしまうほどなんですか」
「一度うちに練習来るか?ユウなら親父もおもしれぇっつって練習付き合ってくれっかもしんねぇ」
「一度くらいはご教授賜りたいものですね」
「おう、じゃあそれとなく話しとくわ」
「先輩の世界ランク一位って夢は父親からの洗脳みたいなとこあるんですよね? 」
「洗脳ってまた怖えこと言うな。まぁでも、最初はそうだったかもなぁ…まだ右も左もわかんねぇ頃から言われてたからな。
それでもな、今ははっきりと自分自身の目標として世界ランク一位を掲げてんだわ」
はっきりと力強く、そう宣言した真琴に迷いは見えなかった。本心からそうなろうとしているのが伝わってきた。
「世界ですか… 」
「おう!どうせ目指すなら一番上に行かなきゃつまらねぇだろ? 」
「確かに…全国制覇じゃまだ上がありますもんね」
「別にその目標だってつまらないなんてこたねぇけどな。あくまで俺の目標ってだけだかんよ、今は全国制覇が目標だって立派だと思うぜ? 」
話してみると案外普通なんだと優弥は思っていた。
しかし、試合中のプレイスタイルを思い返し、普通ではないことを思い出す。
「真琴先輩、なんであんなに攻守入り乱れた打ち方してるんですか?先輩の実力なら攻撃の戦型極めてもかなりのものなんじゃないかと」
「あー、そんな攻撃だけ極めても楽しくなくね?俺自身が嫌だわ」
「そんな…攻撃型に集中して練習したらもっと強力な武器になるじゃないですか」
「俺は卓球が好きでな、全部やりてえんだ。前陣速攻もドライブも裏面打法もカットも粒高も全部な。
卓球の技術全部を極めて、誰にも負けねぇようになりてぇんだ」
「欲張りですね」
「悪いか?でも、そのくらい出来ねぇと中国にゃ敵わねぇよ。先ばっか見過ぎてんのはわかってっけどな、そのくらいの気持ちじゃねぇと無理だと思うんだわ」
「欲張りな上に無鉄砲なんですね」
「ユウめっさ口悪くね?さすがの俺も傷付くぜ」
「真琴先輩にはこのくらいがいいんだと思ったまでです」
「まーいーけどよ」
攻守共に極めたいという真琴の思い自体はいいことなのだろうと、優弥は納得した。
実際、世界戦を見ると攻めだけが上手い選手も、守りだけを極めたような選手もいない。配分の差はあれど、どちらもそれなりに上手い選手がトップレベルにはひしめいている。
そこに割って入ろうと画策しているというのだから、真琴の卓球に対する思いは相当なものである。
「真琴先輩は家族ぐるみで卓球を? 」
「おう、家族というか親父だな。今でも熱血指導に衰えがなくてたまったもんじゃねぇよ」
「卓球好きでも、辟易としてしまうほどなんですか」
「一度うちに練習来るか?ユウなら親父もおもしれぇっつって練習付き合ってくれっかもしんねぇ」
「一度くらいはご教授賜りたいものですね」
「おう、じゃあそれとなく話しとくわ」
「先輩の世界ランク一位って夢は父親からの洗脳みたいなとこあるんですよね? 」
「洗脳ってまた怖えこと言うな。まぁでも、最初はそうだったかもなぁ…まだ右も左もわかんねぇ頃から言われてたからな。
それでもな、今ははっきりと自分自身の目標として世界ランク一位を掲げてんだわ」
はっきりと力強く、そう宣言した真琴に迷いは見えなかった。本心からそうなろうとしているのが伝わってきた。
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