家族で異世界冒険譚(ターン)!第2部 ~永井家異世界東奔西走~ 改定版

武者小路参丸

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第12話 サンシロー潜入──神官地区の闇と最初の咆哮

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場所は変わって。


「ちっ! ここもだめか!」


獣人保護区内。水の豊富なこの国では、この区域でも噴水や井戸がいくつもある。

そのうちのひとつを覗き込んでいた獣人の少年が、舌打ちとともに身を引いた。


「・・・何をなさっておいでかな?」


背後から声をかけてきたのは、保護区の長・ヘンリー。


「・・・いやさ、こう、どっかに、向こうにつながる通路みたいになる場所ないかと思ってね」


少年は振り返ると、さらりと答える。


「子供たちの事、本当に感謝しております。水神様。」


「その水神様っていうの、やめてくんない? なんか、こちょばゆくてさぁ」


ヘンリーの言葉に、思わずむずがゆそうに肩をすくめる少年。


「まず、水や氷の魔法が使えるからって、偉くもなんともないぜ? この国、いや他の国だって魔術師なんか、はいて捨てるほど・・・って大げさか? まあ、それなりにいるじゃん?

それに、俺には名前ってもんがあるの! 言わなかったっけ? サ・ン・シ・ロ・ー! サンシローだから!」

ヘンリーが何かを言いかけたそのタイミングで、勢いよく名乗る少年。


永井家に欠けていた、最後のピース。


三男、サンシロー。


「絶対、神官地区のヤツら・・・ってか、国の上の方のヤツらが絡んでる話だよ!

獣人だけなら単なる奴隷狩りの線もあるけど、人の子もだぜ?

 昨夜のラティファの件。黒尽くめのヤツら、魔道具使って魔法の壁を通り抜けようとしやがった!

 そこらのチンピラレベルの話じゃないよ!」

憤(いきどお)る様に話すサンシロー。


「その、サンシロー様は、どうして見返りもないのに、そんな・・・。」

ヘンリーがサンシローの行動に疑問を投げ掛ける。

「おかしいかい?」


サンシローは、ふっと笑って空を見上げた。

「病気やら、避けられない事で死ぬのはしょうがないよ。でもさ、普通に暮らしてて、親子の絆を壊すような連中・・・許せなくてさ!

いきなりさらわれて親と引き離されて、どれだけ不安で、どれだけ怖いか・・・。」


少年の強い想いに言葉が詰まるヘンリーを見て、サンシローは笑みを浮かべて続ける。


「それにさ、いきなり迷い込んできた俺にみんな優しかったじゃん? 恩返し、したいじゃん?」


照れ隠しのように頭を掻く。


「・・・そうでしたか。ですが、サンシロー様は、これまでどうやって向こうまで?」


「ほら、あそこの噴水の下んとこ入ってさ、水を流す通路が、ちょうど向こうとつながってたんだ。でも、昨日の件であの偉そうな聖騎士様達が警戒してて、今じゃ動きにくくてさ。だから、他の場所探してるってわけ!」


「それでしたら・・・こちらへ。」

ヘンリーがスタスタと先を歩く。

たどり着いたのは、崩れかけた木造のあばら家だった。

(ギイッ。)

軋むドアをヘンリーが開けると、中には古びた井戸がある。


「ヘンリーさん、これは?」


「昔使われていたものです。新たに噴水を造った際、水路を曲げてしまって、ここは枯井戸に。今では誰も見向きもしません」


「ってことは・・・。」


「はい。おそらく、繋がっています。」


「よし! これで動ける! 助かったよ!」


ヘンリーの手を思わず握りしめるサンシロー。


「・・・怖くないのですか?」


静かに尋ねるヘンリー。


「そりゃ、ちっとは不安だよ。でもさ、泣いてる子供たちがいるって考えたら、我慢できないよ!

俺も、早く家族に会いたいから、」


「ご家族・・・ですか?」


「うん。俺の中での、世界で一番最高で、最強な家族にね!」


そう言って、サンシローは軽く手を振る。


「じゃ、そういうことで!」


「えっ?サンシロー様?」


言うが早いか、サンシローは朽ちたレンガをひょいと飛び越え、枯れ井戸の中へと姿を消した。


ヘンリーの呼びかけは、静寂に吸い込まれていった。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


場所は戻って、食堂の永井家一行。


(美味かったけど・・・結局、何食わされたのか、さっぱりわからん!)


腹をさすりながら、頭をひねるミサオ。


「で、結局そっちの成果は、どうだったんですか?」


冷静に尋ねるムサシ。


「成果って言っても・・・ねぇ?あっ、天井の絵!何か、すごかったわよ!首痛くなる位見ちゃったわ!」

天然モードのクミコ。


「いや、そうじゃねぇべな?まあ、胡散臭いやつはいたな。俺等の疑問に対して笑顔で協力的・・・に見せておいて、こっちの出方を探ってる。俺の嫌いなタイプだな。ま、表面的な話しかもらしてこねぇし、大したもん拾えなかったわ!」


クミコにツッコミながらも、ムサシに答えるミサオ。


「どっちにしてもさぁ、この信徒地区だっけか?それの上の上・・・なんてったっけ?あそこに行かきゃ埒あかなくね?」


「んとね・・・獣人保護区でしょ?信徒地区でしょ?それでマミとパピが行った神官地区!その地下が・・・聖蹟地区!セルジオのおじちゃんが前に言ってた!」


コジローの疑問に、胸を張って答えるジョロ。


「グラマス、俺の見てねぇとこで何やってんだ?気分は孫にデレてる爺さまか?大体、見た目おっさんだけど俺より実年齢年下だろ?まったく!・・・まあそれは良いとして、その、神官地区にふんぞり返ってるお偉いさんが絡んでねぇ訳、無いわな。こんだけの異変が起きてるのに、聖騎士だかの動きも鈍い。正攻法で無理なら、こっちからゴタ起こすだけだ。」


「マミ、ゴタってなぁに?」


「ん?あ、騒ぎを起こすって意味ね。」


ジョロの疑問に、普通に解説するクミコ。 

天然ではありつつ、しっかりミサオのガラの悪さに感化されている。


「んじゃ、明日も動くこったし、けぇるべか!」

ミサオは店の対応に、この国に来て初めてリラックス出来た気がしている。


店の女将に、気持ちで多めの料金を支払い、宿屋へ向かう永井家一行。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

同時刻、神官地区。


景観を保つためなのか、信徒地区の整然と植えられた木々の中に、ひとつだけ場違いな空気を纏った建物がある。


外壁は白く塗られたまま時を止めたように古び、窓の格子も少し歪んでいた。 

その建物の裏手、目立たぬ位置にひっそりとたたずむ使われなくなった枯井戸。

その枯井戸が、地下である区画と繋がっているなど、誰も気づいていない。


音もなくその井戸から、ひとりの少年が這い上がる。 

身体に付いたホコリを静かに払いながら、サンシローが小さく笑った。


「ふぅ!迷わず来れたぜ。俺、天才かもな」

建物に入る前、サンシローは外でしばらく気配を感じ取っていた。  

この時間帯、決まって集まる人間がいるとサンシローは闇夜に紛れて何度も確認している。今日も建物の中では、何者かが声を潜めて、話合っているようだった。


(こういうヤツら、決まって目立たない部屋悪ぃ事企んでんだよな。)


気配を探りつつ、狙いを定めた戸の前に辿り着くサンシロー。  

僅かに開いたその戸の向こうから、3人の男の会話が漏れ聞こえてきた。



「昨日は散々でしたな・・・あの噂の獣人に倒されて、一人は聖騎士に捕縛されたとか」  

「まあ、上の方々が手を回して始末されたことでしょう。私は運良く離脱出来ましたが・・・。とはいえ、子供たちを・・・それも獣人だけじゃなく、人間の子供まで。あれはいったい、何の意図があるのか。」  

「上の考えを詮索しても意味はない。修行の身で口を滑らせれば、国への批判と取られるぞ!命取りになる。」



(やっぱり、子供達の件は、国の上と繋がってやがるか・・・クソがっ!)


サンシローは息を潜め、壁に身を寄せたまま聞き耳を立てる。  

やがて一つの部屋に居た3人は、それぞれの部屋へと分かれて散っていく。。



その中の1人。

先日、ラティファを攫おうとしたあの夜に、魔法防壁を抜けて逃げた黒尽くめの男と、同じ雰囲気を纏う者がいる。



(あいつだ!・・・間違いねぇ。)


気配を殺して建物内に忍び込み、男の背後へと静かに滑り込むサンシロー。  

男が別の部屋の扉に手をかけたその瞬間。



「よっ!逃げた時の借り、返してもらうぜ?」



囁く声と同時に、男の喉元に冷たい氷の感触。  

動く間もなく男は、サンシローに壁際へと押さえつけられる。



「騒いだら、今度はマジで痛い目みるからな。」



低く、静かな圧力。  

少し間を置いて、ぼそっと続けた。



「うちは家族みんな・・・どっかお人好しなんだよな。  こんな時だって、さらって痛めつけりゃ良いものを。
ま、そんな家族で育てば、俺も似るのは当然ってわけか。お前、俺で良かったな?」

男は観念したように身体の力を抜く。氷のナイフで自供をほどこすサンシローに対して、男はポツリポツリと口を開いた。



誘拐対象は獣人の子供だけではなく、人間の子供まで含まれていた事。  

階層間に張られている魔法防壁は、通常の手段では突破できないが、  登録された者だけが使える特殊な魔道具が存在し、上層部から渡されている事。



ちなみにその魔道具は、見た目は何の変哲もない細い筒。黒く鈍く光り、魔法防壁に対して認証を与える術式が付与されているらしい。


サンシローは男の懐からその魔道具をそっと抜き取った。  

その後念の為、サンシローは男は気絶させて壁際に寝かせる。



「・・・まったく、コイツらって本当、やっていいことと悪いことの区別つかねぇのな。何が神官様だよっ!」

誰にも気づかれない様、サンシローは建物から出て、闇夜の通りを駆ける。  

サンシローは黒い筒を握りしめながら、ひとつ息を吐く。

(これで、あの防壁を抜けられる。その先に、答えがある。)



向かう先は、神官地区。  

かつてのラティファのように、誰かが今も震えているかもしれない場所。



幼き者の涙を止める為にサンシローは駆ける。



「さて、次は本丸か・・・!」



サンシローは静かに闇へと紛れてゆく。

静寂の街に、夜風が吹く。


サンシローは神官地区の境界線、人目に付きにくい路地裏の、魔法防壁の前にたどり着いた。


手には、あの男から奪った黒い筒状の魔道具。


(これが検問関係無しで出入り出来る鍵ってか。)


呼吸を整え、目を閉じる。


「・・・よし、いけっ!」


一瞬、筒が淡く光り、目の前の空間が揺らいだ。


透明な壁を抜ける感覚。隔てられた空気が動く。


神官地区。神に仕える者たちの聖域。


街並みは荘厳で、どこまでも整っていた。 

まるで作り物の理想郷を見ている様な、不気味な静けさ。


だが。


(あの塔だ。腐ったヤカラの巣窟。)


空を裂くようにそびえる、白く巨大な尖塔。


聖カチオ大礼拝堂。この国の象徴にして、枢機卿が居を構える本丸。


「入る場所、どこだ?正面は無理だな。裏口?」


サンシローは足を止め、街路の影に身を潜めながら、周囲を睨んだ。


(絶対何かある。この建物に、全部詰まってる!)


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 

神官地区にある、聖カチオ大礼拝堂、最上階・謁見室。

赤と金で装飾された荘厳な広間。 

高い天井、立ち込める香の煙、そして中央の玉座。


玉座に腰掛けるのは、白銀の髭をたくわえた老神官。 

この国の宗教を統べる男・・・枢機卿。


その周囲には、控えるように3人の側近神官達がかしづいている。


「・・・例の計画、進んでおるのかな?」


枢機卿の落ち着いた声に、最も右の側近が立ち上がり一歩前へ。


「はっ! この世界に正しいカチオの教えを広めんとする、 枢機卿の崇高なるお考え。着々と進んでおります。」


「それは重畳。さて、チョロチョロ動くネズミどもは、計画に支障をきたさないのかね?」


中央の側近が立ち上がり、恭しく頭を下げる。


「はっ! S級冒険者なる者が探りを入れてきましたが、うまくやり過ごしました。 

 また、子供の調達を邪魔する輩もおりますが、近々、神の天罰が下るかと。

枢機卿が、心を痛める事無き様・・・私めが全て処理してまいりますゆえ。」


「苦労をかけるが、これもカチオのより良き世界の実現のため。期待しておるぞ。して、お主な実験の進捗や、いかに?」


左の側近が立ち上がり、一歩前へ出る。


「聖蹟(せいせき)地区地下遺跡からの(黒い霧)との融合。・・・魔物に関して言えば、それなり、といった所にございます。


 やはり人間や獣人との融合における神兵たちの知能・戦闘能力の飛躍的向上の可能性は、目を見張るものがございました。そして、大人よりも子供が、更に力を飛躍させる可能性が、実験にてわかってきつつあります。

もう少し数を揃えたく思う故、何卒、しばしの猶予をいただきますればと・・・。」


その言葉に枢機卿は、ゆっくりと目を閉じた。


「・・・先のコルテオでの一件、まさか(上級の神兵)がやられようとは思わなんだが、まぁ良い。

 例のS級だとか言うネズミのさらなる監視、神兵の増強、そして先々は・・・。」


玉座から立ち上がり、枢機卿が両手を広げ言葉を叫ぶ。


「カチオの慈悲のあらんことを!」


3人の側近が、同時に復唱する。


「カチオの慈悲のあらんことを!」


この夜、聖域の闇の奥で、何かが動き出している。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

闇夜の中。

サンシローは一度、礼拝堂の周囲を一周してから、様子を確認した。  

人目につけば、獣人の自分がここにいるだけで大問題になる。  

だが、遠くからでもひときわ目立つこの建物の構造を見て、彼はすでに侵入方法を決めていた。

「行くぞ、氷の梯子(アイスラダー)!」

夜空に向かって、彼は静かに呟いた。

足元から伸びる氷の足場が、礼拝堂の中腹にある大きな窓まで続く。

慎重に登っていくサンシロー。やがて、窓枠に手をかけ、静かに内部へと身を滑り込ませた。

中は思った以上に高い天井だった。祭壇を見下ろすような位置にある足場の縁に立つと、正面には主神カチオ像・・・巨大な白い像が鎮座していた。

「罰当たりかもしれねぇが、子供達を助けるためだ。勘弁してくれよ、カチオ様よっ!」

像の肩に飛び移り、そこから跳躍して下へ着地する。

礼拝堂の内部はひっそりと静まり返っていた。

高くそびえる祭壇。ろうそくの炎が、荘厳な装飾と壁画に揺らぎを落とす。

「・・・何か、おかしいな?」

子供達に繋がる手掛かりを探すサンシローは、ふと違和感を覚える。

ろうそくの光で本来は暗くなるはずの祭壇裏。

その祭壇の下から、、わずかに光が漏れている。

(・・・まさか、こんな所に?)

近づくと、そこには隠し扉の様な取っ手のある床板があった。

大人が子供を抱えても、何とか通れそうな通れそうな広さに見える。

「なるほどな・・・ここから連れ込んだってわけか」

鍵が付いていないのを確認し、サンシローは祭壇の下へと身を滑り込ませ、ゆっくりと床下の階段を降りてゆく。

内部は思ったよりも広く、途中には誰もいない部屋のような空間もあったが、人の気配は感じない。

やがて、サンシローは行き止まりにぶつかるが、前方の壁の一部が崩れ、奥に続く隙間が見えている。

誰かが通った痕跡があり、確かに先がある事を示している。

「・・・これだけ奥に続いてるってことは、相当な規模だな。」

ここからどう動くか考えるサンシロー。

そこに隙間の向こう側から、かすかに響くすすり泣く子供達の声。

(!)

サンシローは我を忘れて駆け出した。

隙間を抜けた通路の先、

広間のような場所。その奥には、鉄の檻があった。

中には、人間と獣人・・・六人の子供たちが押し込まれ、震えていた。

「大丈夫か!今、助け・・・。」

サンシローが声をかけたその瞬間。

(ズゥ~~ン!)

重い音とともに、檻の前に立ちはだかる影。

異形の存在。

長い4本の手。ねじれた背骨。そして赤く光る目。
闇をまとった、異形の闇憑き。

「コイツッ!」

咄嗟に飛び退くサンシロー。

その瞬間、子供の1人が叫んだ。

「この化け物!前は普通の人だったのに!偉そうな服着たやつが、黒い霧の中に放り込んで・・・!」

(コイツが、人だった?)

戸惑いを覚えながらも、間合いを測るサンシロー。

異形が腕を振り挙げた瞬間、前に一歩踏み込んだサンシロー。両手を前にかざして叫ぶ。

「凍れ!」

振り下ろされた腕と足元を凍らせ、カウンターで蹴りを叩き込む。

(コイツ、硬ぇ!)

一撃では倒れない。

再び襲い来る腕。
それをサンシローが躱し、勢いが止まらぬ異形の腕が後方の鉄格子を叩く。

(ガシャァアンッ!)

子供たちの入った檻の扉が壊れる。

「今だ、逃げろ!」

サンシローが子供達に叫ぶ。

震える脚で立ち上がった子供達の1人に黒い筒の魔道具を手渡すサンシロー。

「これを持って、防壁を越えろ!かざせばいいだけだから!聖騎士の目につかないとこ選べ!お前が走れば、みんなついてくる!」

「で、でも!」

サンシローに手渡された、年長に見える人間の男の子が戸惑う。

「俺は後で追いかける!だから行け!」

そう言葉を掛けるサンシロー。


走る子供達を見届けてから振り返ると、破壊された檻の隙間から物音が聞こえる。

(メキッ!メキメキッ!)

闇憑きがゆっくり向かって来る。

「さっきよりも、怒ってるなこりゃヤベえか?」

サンシローは深呼吸し、肩を落とした。

「でもよ、俺にはまだ、会わなきゃなんねぇ人達がいるんだよ。」

氷の刃を両手に形成し、低く構える。

「ここでやられるわけにはいかねぇんだよっ!」

その背後で、子供達は出口へと一目散にかけてゆく。

何とか祭壇の下から這い出して、礼拝堂から外に出る扉に手をかけた子供達。

(ドガァァアンッ!)

礼拝堂の奥、祭壇をぶち破って、別の闇憑きが姿を現す。

「新手が出やがったか!」

地下に聞こえる子供たちの悲鳴、遠くから聞こえてくる聖騎士たちの怒号。

混沌の中、サンシローは1人、咆哮する目の前の異形に向かって駆け出した!

























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