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第14話 永井家の絆 そして四男の覚醒
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「・・・ん!やっぱ俺の子、みんな俺に似て、イケメン揃ってやがるぜ!
さぁ、オメェさん達の晴れ姿、こいつ等に、見せつけてやれ!」
ミサオが、ムサシ・コジロー・サンシローを見渡して言う。
作戦開始である。
「コジョ!まずはオメェさんからだ!俺の前に立て!
・・・でけぇ身体に、でっけぇ心。向こうん時と、ちっとも変わんねぇな・・・ヨシ!そんでな・・・。」
コジローに何やら耳打ちをするミサオ。
「・・・うん、やった事ないけど、まぁ、いけるでしょ!
食えるヤツでもなさそうだし、やるか!」
ミサオの狙いを理解し、二匹の異形にその2本の腕を向けたコジロー。
「・・・そういえば、なんで技を使う時、みんな名前言うんだろう?
あれって、詠唱とは違うよなぁ・・・まあ、気合い、入るけど!」
ここでも笑顔のコジロー。
コジローは深く息を吸った。
その太い胸の奥で、焔が鳴る。
「……パピ、いつもより駆け巡る魔力熱いよ!まるで俺に(全部ぶちまけろ)って言ってるみたいだ。」
コジローの両肩から注ぎ込まれるミサオの魔力。
それはかつてない高温と膨張を、コジローの体に宿らせた。
「じゃあ遠慮なく。・・・食えそうにないってのは、こういうヤツの事だよなぁ。」
コジローは指を鳴らし、前を睨みつけた。
「燃え尽きて、骨も残すな!なんてムッちょんみたいな事言ってみたりしてなぁ。紅蓮咬焔(ぐれんこうえん)っ!」
二本の腕から放たれた蒼炎が、まるで命を持ったかのように唸りながら空を裂いた。
その軌道は鋭く、美しく、そして地獄のように熱い。
異形の巨体にぶつかった瞬間、青白い炎は赤に染まり、肉体の表面にまとわりつく。
次第に、皮膚という皮膚が焼ける寸前まで加熱され、全身が真っ赤な鉄のように輝き始めた。
・・・だが、敵はまだ立っている。
苦悶の呻きと共に動きを鈍らせながらも、異形は尚も生きている。
コジローの攻撃は、焼き尽くす事が目的は無い。
これは次の一手を最大限に活かすための布石。
「そういうことか、パピ。これは、みんなで倒す為の・・・。」
「おっ?少しは読めたかサンくん!次は我が家の三男坊の出番だ!この後は頼むぜ!」
コジローは笑顔で、その立ち位置をサンシローへと譲るために開けた。
「サンくん!俺の前に立て。んで、目一杯の冷えっ冷え、喰らわしちゃれ!」
サンシローの背後から、その両肩をムンズと掴むミサオ。
「さぁ、サンくんよぃ!踏ん張って目一杯の男気、かまさんかい!ブースト!」
ミサオの魔力が両手を通じ、サンシローに注ぎ込まれる。
「くぅ~っ!パピの愛情!ダイレクトにくんなぁっ!・・・お前さん達、戻してやれなくて、ごめんな?
せめて、あんた達の無念、俺は忘れねぇから。
・・・いくぜっ!氷・雪・乱舞(ひょう・せつ・らんぶ)!親子の絆、見せてやらあ!」
両手の平を高く空に向け、高らかと叫ぶサンシロー。
天空からハラハラと粉雪が舞い降りる。
それは緩やかに。
しんしんと。
しかしその数は次第に増し。
大きさを変化させ・・・やがて、渦を巻いてゆく。
激しさとを増すと共に、その形に水と大きさの違う氷の粒を纏わせて、2つとなった大渦は二匹の異形を包み、姿を隠す。
轟々と巻く2つの大渦は、次第に勢いを弱めて晴れてゆき、静かになった。
渦の消えた後には、2つの悪趣味な姿の氷像がそびえ立っていた。
戦うコジローとサンシローの2人の姿を見つめながら。
ムサシは不測の事態に備えつつも、心の中で思いを巡らせていた。
向こうの世界での、母クミコ・父ミサオとの別れの日を。
虹の橋のたもとで目覚め、雲の様な地面の切れ目から見えた慟哭する両親の姿を。
その時には状況も理解せず、ただ2人のそばに寄り添う弟の事を。
そして、その弟がいつの間にか、自分のそばに居た日の事を。
ムサシは尚も、想う。
切れ間から見える、愛しい家族に新しい弟が増えて居た日の事を。
傍にいる弟と、あれやこれやと、魂の姿で話した日々を。
そして。
その新しい弟さえも、気付くとそばに居た日の事を。
その時切れ間から見えたのは。
必死に。苦しくても笑顔で、毎日を過ごす家族が居た。そのかたわらには新しい弟の姿。
虹の橋の自分達とは姿も、毛の色も違う弟。
でも、間違いなく我が家の家族。
そのままいつか、ここで邂逅を待つはずだった切れ間の向こう側の家族。
その家族が今、生身の身体で目の前に揃う。
(こんなうれしいことはない・・・。)
闘いの真っ最中にも関わらず、ムサシはその顔に、微笑みを浮かべる。
「さあ、長男坊!永井家の絆の強さ、見せたらんかい!」
少しだけ疲れた顔の、ミサオの激。
「応!」
サンシローと立ち位置を代わったムサシの肩に、ミサオの渾身の魔力が注ぎ込まれる。
ムサシはその身体にミサオの愛をまとい、溢れる魔力を練り上げ・・・2体の氷像と化した化け物へと走る!
そのまま二匹の異形の横をただ走り抜けた・・・かに見えたその時。
「重刃(じゅうじん)・・・墜・斬(つい・ざん!)」
(チャキッ。)
その鞘納めの音に合わせ、頭の先からその姿を、ハラハラと氷をチリのように崩し、黒い霧となってゆく二匹の異形。
幻想的にも見えるその光景に、近くで構えていた聖騎士達もその身を固め、言葉も無い。
終わったとその場の誰もが思ったその時。
離れた場所から声が響く。
「おやおや。我が神兵が、この程度の事で終わると思っておいでかな?随分と目の前の人間達は、は甘い考えをお持ちの様だ。」
現れたのは、細身で白衣のような服をまとった男。
枢機卿のかたわらで、神兵計画の実験課程を話した側近の一人である。
名はエドワルド・ヤルセン。
この地における、国の発展に関わる様々な事をつかさどる、発展庁主席大司教の座にいる男。
エドワルドが発した(我が神兵)という言葉。
国でもなく、教えに対してでもなく、自らの所有物かの様に。
ミサオはエドワルドの言葉に違和感を感じている。
(この野郎が、スタンピードの実質的な責任者って事か?)
そこに又、大礼拝堂上部のテラスから声が響く。
「おおっ!・・・これは、これは一体?」
大礼拝堂の入り口から上の方に目をやると、大きく張り出したテラスから身を乗り出してこちらを見ている人物の姿
顎に白銀の髭を蓄えた、この国の威厳を象徴する男。
枢機卿。
密談の際にかしづいていた内の、残り1人を脇に控えさせ、数名の聖騎士達に周りを守らせながら、下の様子を伺う。
「我が、我が神の使わされし、この世を正しく導く為の神兵がっ!・・・何故、何故あの様な醜悪な姿に!」
枢機卿の身体が小刻みに震えている。
そんな状況のテラスに、エドワルドから声が掛かる。
「おお!我が信仰の導き手なる、この国の象徴!
いや、あなたこそカチオの教えの写し身、枢機卿陛下!
あなたの望みし、この国から世界に向けて始まる清浄化計画!
これこの様に、大いなる力に祝福されしこの神兵、いや、超神兵の麗しき姿をお目通り叶った事、このエドワルド、恐悦至極に存じます!」
大仰に両手を広げ、深々と頭を下げたエドワルド。
深々と折った腰を戻し、又朗々と歌い上げるかの様に話し出した男の目は・・・赤く染まっていた。
「このエドワルド、枢機卿陛下のその高邁(こうまい)なるお考えの元、邪教を駆逐するべくさらなる力を模索し今ここに!
真の神兵を、顕現させる事に成功致しました!さあ、ここから、この世界の邪な者共を、根絶やしにしてやりましょうぞ!
・・・この国から手始めに、ですがな!はーっはっはっはっ!」
「茶番劇だな。」
「何・・・?」
高らかに笑い上げたエドワルドに冷水を浴びせるミサオ。
「あ?お前さん、耳ってもんがねぇのか?
茶番だって言ったんだよ、ナルシスト野郎が!
・・・どいつもこいつも、俺の息子達の晴れ舞台グチャにしやがってよ!
ったく、スマホで動画撮りてぇくれぇの見せ場、潰した罪は重ぇぞ?聞いてんのかこのタコ助!」
「・・・フッフッフッ、今何と言った?下郎!
この崇高なる救済の始まりに、見せ場?
タコ助?無知もここまでくると喜劇だな!キサマは我が・・・。」
「黙れタコ助!いいか、善悪なんてなぁ、そいつ自身の考え一つで変わっちまうもんでな。テメェにとっちゃぁ、俺等は悪なんだろうよ。
だけど同じ様に、俺等ん中じゃお前等は悪だ。
人の想いを踏みにじり、テメェの目的の為だけにもて遊ぶ・・・俺からすりゃあ、ペテン師詐欺師!オレオレ詐欺もビックリだっつ~の!大体2体の化け物、俺等で討伐したってのに余裕かましてるってこたぁ、隠し玉あるってこったろ?見え見えなんだよ!」
エドワルドの言葉をさえぎり、怒りをぶちまけるミサオ。
それでも収まらないミサオは、尚も言葉を重ねる。
「・・・何かお前さんの話聞いてっと、上のおっちゃん達さえてめぇの手の平の上って感じだな?
自分の姿、鏡で見てみな?
いやらしい顔してて悲しくなるぞ多分。」
「・・・悲しくなる?この私が?
この、御方(おんかた)様の想いを今実現せんとするこの私が、何を悲しむと?
話にもならぬわ、この虫けらが!
もういいっ!
踏みにじれ!
この世の人間どもを、根絶やしにしてやるのだ!」
エドワルドその言葉と共に、拡散したと思われていた黒い霧が再び収束し始め、密度を増して何かを形作ろうとしている。
「・・・なんだあれは?」
聖騎士の1人から声が上がる。
黒い霧から生まれつつあるもの。
頭は一つ。
だがその首の付け根は2つに分かれ、左右に異なる2つの体が背中合わせに融合していた。
両側の肩からは、異なる骨格と皮膚を持つ腕が、それぞれ2本ずつ伸び、合わせて4本の手。
足もまた、地を這うような獣の脚と、逆関節の人型の脚が、それぞれ左右に存在する。
まるで、“2つの異なる存在”を無理やり一つの核に縫い付けたような不格好な姿。
だが、その全てが合理的に機能するよう再構成されているという、生理的嫌悪と知的戦慄を同時に呼び起こす異形である。
これが、エドワルドの自慢していた超神兵の姿。
人間と黒い霧との融合体だった化け物・・・エドワルドの言う(神兵)が再び霧となった時に、2体分の神兵の力が混ざり合い、繋ぎ合わさり、さらなる融合した姿。再構成された、(神兵)の進化体だった。
その醜悪な姿の(超神兵)などという欺瞞に満ちた名前でも呼ばれた化け物に、その場の皆が目を奪われた一瞬。
エドワルドの姿が消える。
(・・・何が家族だ。・・・何が愛だ!
下らぬ。その様な綺麗事、あの御方(おんかた)の最も唾棄すべき言葉。
壊してやる。
無くしてやる。
そして知れ!
そんなもの、まやかしでしか無いことを!)
「死ねぇ!」
絶叫と共に現れたエドワルドから振り下ろされる、一瞬の隙を突いたいきなりのクミコへの刃!
(グヮキィーン!)
ミサオが付与したアプリからの防御魔法が防ぐ!
しかし・・・。
「まずっ!ヒビが!」
駆け出すミサオ。
だがその間に、エドワルドの凶刃は2度・3度とクミコの方へと叩きつけられる。
ヒビが大きく広がってゆく。
(間に合わない!マミッ!)
走るミサオの数歩手前で防御の魔法が破られようとするその時。
地面から、複数の土の槍衾が立ち上がり、エドワルドの体を襲う!
すんでの所で交わすエドワルド。
「・・・キサマも、愛された者なのか?こわっぱ。」
謎の言葉を呟くエドワルド。
立ちすくんでエドワルドの目線の先を追うミサオ。
そこには。
「僕の・・・僕達のマミに、お前、何をした~~~~~っ!」
絶叫。いや、咆哮!
両手を地面につけ、魂の叫びを放つ小さな獣人。
永井家の四男坊。
コジマル・ナガイ、愛称ジョロ。
聖獣の血を引く子の、無意識の初めての力の覚醒であった。
その姿を目の当たりにしたミサオの心に、2つの想いが逆巻く。
(助かった!・・・ジョロが、守られる存在だったジョロが!マミを助けてくれやがった!ありがてぇよ。でももし、奇跡が起きなかったら?数歩届かなかった俺の目の前で、クソ野郎の刃がマミに!
・・・俺ぁ誓ったんだ。奥さんを、息子達を、この家族を守るって!でも、実際は届かなかった。
希望が消えるとこだったんだ!
何やってんだ!
ミサオ!
てめぇは口だけか!)
ミサオは自らを責める。
責める。
(ジョロが!
あの瞬間ジョロがいなけりゃ、ジョロが力を使えなけりゃ、俺ぁ光をこっちの世界で又一つ、失うとこだった。
・・・2度と忘れるなよ!
俺っ!
心に刻め!!
2度はねぇってよ!!!
心に刻め!)
自らの右頬に渾身の拳をぶち当て、頭を振って改めてエドワルドを見据えるミサオ。
ミサオは、怒りに震えた。
クミコを危機に追いやった外道に。
大事な息子達を苦しめる、この国の偽善に。
そして、己自身の不甲斐なさに。
(次はねぇ。これを俺の、家族の最終章なんかにゃしねえ!こっからが、俺達家族の、新しいターンだ!)
ミサオは、改めて誓いを立てる。
「ジョロ!やりやがったな、ここ一番で!ありがとな!・・・それとマミッ!アプリの魔法、信用し過ぎてた。本当にすまねぇ!もうこんな怖い思いさせねぇから!」
深々と、ジョロとクミコに頭を下げるミサオ。
「助かったから言いっこなしよ、パピ。ジョロ!ありがとね・・・。」
驚愕から抜け出したクミコも、ミサオをねぎらいつつジョロに感謝を伝える。
「さて、俺の腹も座った。覚悟も出来た。なぁジョロ!こっからパピと、初めてのお仕事だ!いけるか?」
その表情に、笑みを浮かべるミサオ。
「うん。僕は、コイツが許せない。僕も・・・僕も闘う!パピ、やろう!」
「ったく、ウチの息子達は、出来がいいのが揃ってやがる。親父としては、デケェ背中、見せとかねぇとな。」
ミサオは、エドワルドから視界を外さぬまま、クミコとジョロの方へと歩き出す。
「ひゅ~っ!あ~ぶねぇでやんの!一瞬、シッポ丸まっちまったよ。」
胸をなで下ろすコジロー。
「さっすがに会えて早々、マミに怪我なんて、あっちゃならないよな、コジョにーにー!」
敵に目を配りながらも、少し安堵した表情で話すコサンシロー。
「不覚・・・としか言えないな。パピの胸の内を思えば俺も辛い。
だが・・・俺達永井家にはジョロが居てくれた。
俺達の中で、恐らく潜在能力はピカイチの子だ、いつそれが開花すると思っては居たが、いきなりあれは肝を冷やすな。」
動揺を見せず、ただ敵を睨み付けるムサシ。
「さて!」
首と両肩を、ぐるぐると回しだすコジロー。
「そんじゃ!」
右手に剣、左手に盾。氷の武器を作り出すサンシロー。
「・・・永井家、参る!」
一斉に、(超神兵)へと駆け出す3人。
「兄貴達は、カッコいいなぁ!お前もだけどよっ!ジョロ!」
クミコを背に、外道を睨むミサオとジョロ。
現代世界からの絆をそのままに、戦士として、この異世界に並び立つ!
「パピッ!」
「おぅよ!」
2人の思いが、悪に鉄槌を下す!
さぁ、オメェさん達の晴れ姿、こいつ等に、見せつけてやれ!」
ミサオが、ムサシ・コジロー・サンシローを見渡して言う。
作戦開始である。
「コジョ!まずはオメェさんからだ!俺の前に立て!
・・・でけぇ身体に、でっけぇ心。向こうん時と、ちっとも変わんねぇな・・・ヨシ!そんでな・・・。」
コジローに何やら耳打ちをするミサオ。
「・・・うん、やった事ないけど、まぁ、いけるでしょ!
食えるヤツでもなさそうだし、やるか!」
ミサオの狙いを理解し、二匹の異形にその2本の腕を向けたコジロー。
「・・・そういえば、なんで技を使う時、みんな名前言うんだろう?
あれって、詠唱とは違うよなぁ・・・まあ、気合い、入るけど!」
ここでも笑顔のコジロー。
コジローは深く息を吸った。
その太い胸の奥で、焔が鳴る。
「……パピ、いつもより駆け巡る魔力熱いよ!まるで俺に(全部ぶちまけろ)って言ってるみたいだ。」
コジローの両肩から注ぎ込まれるミサオの魔力。
それはかつてない高温と膨張を、コジローの体に宿らせた。
「じゃあ遠慮なく。・・・食えそうにないってのは、こういうヤツの事だよなぁ。」
コジローは指を鳴らし、前を睨みつけた。
「燃え尽きて、骨も残すな!なんてムッちょんみたいな事言ってみたりしてなぁ。紅蓮咬焔(ぐれんこうえん)っ!」
二本の腕から放たれた蒼炎が、まるで命を持ったかのように唸りながら空を裂いた。
その軌道は鋭く、美しく、そして地獄のように熱い。
異形の巨体にぶつかった瞬間、青白い炎は赤に染まり、肉体の表面にまとわりつく。
次第に、皮膚という皮膚が焼ける寸前まで加熱され、全身が真っ赤な鉄のように輝き始めた。
・・・だが、敵はまだ立っている。
苦悶の呻きと共に動きを鈍らせながらも、異形は尚も生きている。
コジローの攻撃は、焼き尽くす事が目的は無い。
これは次の一手を最大限に活かすための布石。
「そういうことか、パピ。これは、みんなで倒す為の・・・。」
「おっ?少しは読めたかサンくん!次は我が家の三男坊の出番だ!この後は頼むぜ!」
コジローは笑顔で、その立ち位置をサンシローへと譲るために開けた。
「サンくん!俺の前に立て。んで、目一杯の冷えっ冷え、喰らわしちゃれ!」
サンシローの背後から、その両肩をムンズと掴むミサオ。
「さぁ、サンくんよぃ!踏ん張って目一杯の男気、かまさんかい!ブースト!」
ミサオの魔力が両手を通じ、サンシローに注ぎ込まれる。
「くぅ~っ!パピの愛情!ダイレクトにくんなぁっ!・・・お前さん達、戻してやれなくて、ごめんな?
せめて、あんた達の無念、俺は忘れねぇから。
・・・いくぜっ!氷・雪・乱舞(ひょう・せつ・らんぶ)!親子の絆、見せてやらあ!」
両手の平を高く空に向け、高らかと叫ぶサンシロー。
天空からハラハラと粉雪が舞い降りる。
それは緩やかに。
しんしんと。
しかしその数は次第に増し。
大きさを変化させ・・・やがて、渦を巻いてゆく。
激しさとを増すと共に、その形に水と大きさの違う氷の粒を纏わせて、2つとなった大渦は二匹の異形を包み、姿を隠す。
轟々と巻く2つの大渦は、次第に勢いを弱めて晴れてゆき、静かになった。
渦の消えた後には、2つの悪趣味な姿の氷像がそびえ立っていた。
戦うコジローとサンシローの2人の姿を見つめながら。
ムサシは不測の事態に備えつつも、心の中で思いを巡らせていた。
向こうの世界での、母クミコ・父ミサオとの別れの日を。
虹の橋のたもとで目覚め、雲の様な地面の切れ目から見えた慟哭する両親の姿を。
その時には状況も理解せず、ただ2人のそばに寄り添う弟の事を。
そして、その弟がいつの間にか、自分のそばに居た日の事を。
ムサシは尚も、想う。
切れ間から見える、愛しい家族に新しい弟が増えて居た日の事を。
傍にいる弟と、あれやこれやと、魂の姿で話した日々を。
そして。
その新しい弟さえも、気付くとそばに居た日の事を。
その時切れ間から見えたのは。
必死に。苦しくても笑顔で、毎日を過ごす家族が居た。そのかたわらには新しい弟の姿。
虹の橋の自分達とは姿も、毛の色も違う弟。
でも、間違いなく我が家の家族。
そのままいつか、ここで邂逅を待つはずだった切れ間の向こう側の家族。
その家族が今、生身の身体で目の前に揃う。
(こんなうれしいことはない・・・。)
闘いの真っ最中にも関わらず、ムサシはその顔に、微笑みを浮かべる。
「さあ、長男坊!永井家の絆の強さ、見せたらんかい!」
少しだけ疲れた顔の、ミサオの激。
「応!」
サンシローと立ち位置を代わったムサシの肩に、ミサオの渾身の魔力が注ぎ込まれる。
ムサシはその身体にミサオの愛をまとい、溢れる魔力を練り上げ・・・2体の氷像と化した化け物へと走る!
そのまま二匹の異形の横をただ走り抜けた・・・かに見えたその時。
「重刃(じゅうじん)・・・墜・斬(つい・ざん!)」
(チャキッ。)
その鞘納めの音に合わせ、頭の先からその姿を、ハラハラと氷をチリのように崩し、黒い霧となってゆく二匹の異形。
幻想的にも見えるその光景に、近くで構えていた聖騎士達もその身を固め、言葉も無い。
終わったとその場の誰もが思ったその時。
離れた場所から声が響く。
「おやおや。我が神兵が、この程度の事で終わると思っておいでかな?随分と目の前の人間達は、は甘い考えをお持ちの様だ。」
現れたのは、細身で白衣のような服をまとった男。
枢機卿のかたわらで、神兵計画の実験課程を話した側近の一人である。
名はエドワルド・ヤルセン。
この地における、国の発展に関わる様々な事をつかさどる、発展庁主席大司教の座にいる男。
エドワルドが発した(我が神兵)という言葉。
国でもなく、教えに対してでもなく、自らの所有物かの様に。
ミサオはエドワルドの言葉に違和感を感じている。
(この野郎が、スタンピードの実質的な責任者って事か?)
そこに又、大礼拝堂上部のテラスから声が響く。
「おおっ!・・・これは、これは一体?」
大礼拝堂の入り口から上の方に目をやると、大きく張り出したテラスから身を乗り出してこちらを見ている人物の姿
顎に白銀の髭を蓄えた、この国の威厳を象徴する男。
枢機卿。
密談の際にかしづいていた内の、残り1人を脇に控えさせ、数名の聖騎士達に周りを守らせながら、下の様子を伺う。
「我が、我が神の使わされし、この世を正しく導く為の神兵がっ!・・・何故、何故あの様な醜悪な姿に!」
枢機卿の身体が小刻みに震えている。
そんな状況のテラスに、エドワルドから声が掛かる。
「おお!我が信仰の導き手なる、この国の象徴!
いや、あなたこそカチオの教えの写し身、枢機卿陛下!
あなたの望みし、この国から世界に向けて始まる清浄化計画!
これこの様に、大いなる力に祝福されしこの神兵、いや、超神兵の麗しき姿をお目通り叶った事、このエドワルド、恐悦至極に存じます!」
大仰に両手を広げ、深々と頭を下げたエドワルド。
深々と折った腰を戻し、又朗々と歌い上げるかの様に話し出した男の目は・・・赤く染まっていた。
「このエドワルド、枢機卿陛下のその高邁(こうまい)なるお考えの元、邪教を駆逐するべくさらなる力を模索し今ここに!
真の神兵を、顕現させる事に成功致しました!さあ、ここから、この世界の邪な者共を、根絶やしにしてやりましょうぞ!
・・・この国から手始めに、ですがな!はーっはっはっはっ!」
「茶番劇だな。」
「何・・・?」
高らかに笑い上げたエドワルドに冷水を浴びせるミサオ。
「あ?お前さん、耳ってもんがねぇのか?
茶番だって言ったんだよ、ナルシスト野郎が!
・・・どいつもこいつも、俺の息子達の晴れ舞台グチャにしやがってよ!
ったく、スマホで動画撮りてぇくれぇの見せ場、潰した罪は重ぇぞ?聞いてんのかこのタコ助!」
「・・・フッフッフッ、今何と言った?下郎!
この崇高なる救済の始まりに、見せ場?
タコ助?無知もここまでくると喜劇だな!キサマは我が・・・。」
「黙れタコ助!いいか、善悪なんてなぁ、そいつ自身の考え一つで変わっちまうもんでな。テメェにとっちゃぁ、俺等は悪なんだろうよ。
だけど同じ様に、俺等ん中じゃお前等は悪だ。
人の想いを踏みにじり、テメェの目的の為だけにもて遊ぶ・・・俺からすりゃあ、ペテン師詐欺師!オレオレ詐欺もビックリだっつ~の!大体2体の化け物、俺等で討伐したってのに余裕かましてるってこたぁ、隠し玉あるってこったろ?見え見えなんだよ!」
エドワルドの言葉をさえぎり、怒りをぶちまけるミサオ。
それでも収まらないミサオは、尚も言葉を重ねる。
「・・・何かお前さんの話聞いてっと、上のおっちゃん達さえてめぇの手の平の上って感じだな?
自分の姿、鏡で見てみな?
いやらしい顔してて悲しくなるぞ多分。」
「・・・悲しくなる?この私が?
この、御方(おんかた)様の想いを今実現せんとするこの私が、何を悲しむと?
話にもならぬわ、この虫けらが!
もういいっ!
踏みにじれ!
この世の人間どもを、根絶やしにしてやるのだ!」
エドワルドその言葉と共に、拡散したと思われていた黒い霧が再び収束し始め、密度を増して何かを形作ろうとしている。
「・・・なんだあれは?」
聖騎士の1人から声が上がる。
黒い霧から生まれつつあるもの。
頭は一つ。
だがその首の付け根は2つに分かれ、左右に異なる2つの体が背中合わせに融合していた。
両側の肩からは、異なる骨格と皮膚を持つ腕が、それぞれ2本ずつ伸び、合わせて4本の手。
足もまた、地を這うような獣の脚と、逆関節の人型の脚が、それぞれ左右に存在する。
まるで、“2つの異なる存在”を無理やり一つの核に縫い付けたような不格好な姿。
だが、その全てが合理的に機能するよう再構成されているという、生理的嫌悪と知的戦慄を同時に呼び起こす異形である。
これが、エドワルドの自慢していた超神兵の姿。
人間と黒い霧との融合体だった化け物・・・エドワルドの言う(神兵)が再び霧となった時に、2体分の神兵の力が混ざり合い、繋ぎ合わさり、さらなる融合した姿。再構成された、(神兵)の進化体だった。
その醜悪な姿の(超神兵)などという欺瞞に満ちた名前でも呼ばれた化け物に、その場の皆が目を奪われた一瞬。
エドワルドの姿が消える。
(・・・何が家族だ。・・・何が愛だ!
下らぬ。その様な綺麗事、あの御方(おんかた)の最も唾棄すべき言葉。
壊してやる。
無くしてやる。
そして知れ!
そんなもの、まやかしでしか無いことを!)
「死ねぇ!」
絶叫と共に現れたエドワルドから振り下ろされる、一瞬の隙を突いたいきなりのクミコへの刃!
(グヮキィーン!)
ミサオが付与したアプリからの防御魔法が防ぐ!
しかし・・・。
「まずっ!ヒビが!」
駆け出すミサオ。
だがその間に、エドワルドの凶刃は2度・3度とクミコの方へと叩きつけられる。
ヒビが大きく広がってゆく。
(間に合わない!マミッ!)
走るミサオの数歩手前で防御の魔法が破られようとするその時。
地面から、複数の土の槍衾が立ち上がり、エドワルドの体を襲う!
すんでの所で交わすエドワルド。
「・・・キサマも、愛された者なのか?こわっぱ。」
謎の言葉を呟くエドワルド。
立ちすくんでエドワルドの目線の先を追うミサオ。
そこには。
「僕の・・・僕達のマミに、お前、何をした~~~~~っ!」
絶叫。いや、咆哮!
両手を地面につけ、魂の叫びを放つ小さな獣人。
永井家の四男坊。
コジマル・ナガイ、愛称ジョロ。
聖獣の血を引く子の、無意識の初めての力の覚醒であった。
その姿を目の当たりにしたミサオの心に、2つの想いが逆巻く。
(助かった!・・・ジョロが、守られる存在だったジョロが!マミを助けてくれやがった!ありがてぇよ。でももし、奇跡が起きなかったら?数歩届かなかった俺の目の前で、クソ野郎の刃がマミに!
・・・俺ぁ誓ったんだ。奥さんを、息子達を、この家族を守るって!でも、実際は届かなかった。
希望が消えるとこだったんだ!
何やってんだ!
ミサオ!
てめぇは口だけか!)
ミサオは自らを責める。
責める。
(ジョロが!
あの瞬間ジョロがいなけりゃ、ジョロが力を使えなけりゃ、俺ぁ光をこっちの世界で又一つ、失うとこだった。
・・・2度と忘れるなよ!
俺っ!
心に刻め!!
2度はねぇってよ!!!
心に刻め!)
自らの右頬に渾身の拳をぶち当て、頭を振って改めてエドワルドを見据えるミサオ。
ミサオは、怒りに震えた。
クミコを危機に追いやった外道に。
大事な息子達を苦しめる、この国の偽善に。
そして、己自身の不甲斐なさに。
(次はねぇ。これを俺の、家族の最終章なんかにゃしねえ!こっからが、俺達家族の、新しいターンだ!)
ミサオは、改めて誓いを立てる。
「ジョロ!やりやがったな、ここ一番で!ありがとな!・・・それとマミッ!アプリの魔法、信用し過ぎてた。本当にすまねぇ!もうこんな怖い思いさせねぇから!」
深々と、ジョロとクミコに頭を下げるミサオ。
「助かったから言いっこなしよ、パピ。ジョロ!ありがとね・・・。」
驚愕から抜け出したクミコも、ミサオをねぎらいつつジョロに感謝を伝える。
「さて、俺の腹も座った。覚悟も出来た。なぁジョロ!こっからパピと、初めてのお仕事だ!いけるか?」
その表情に、笑みを浮かべるミサオ。
「うん。僕は、コイツが許せない。僕も・・・僕も闘う!パピ、やろう!」
「ったく、ウチの息子達は、出来がいいのが揃ってやがる。親父としては、デケェ背中、見せとかねぇとな。」
ミサオは、エドワルドから視界を外さぬまま、クミコとジョロの方へと歩き出す。
「ひゅ~っ!あ~ぶねぇでやんの!一瞬、シッポ丸まっちまったよ。」
胸をなで下ろすコジロー。
「さっすがに会えて早々、マミに怪我なんて、あっちゃならないよな、コジョにーにー!」
敵に目を配りながらも、少し安堵した表情で話すコサンシロー。
「不覚・・・としか言えないな。パピの胸の内を思えば俺も辛い。
だが・・・俺達永井家にはジョロが居てくれた。
俺達の中で、恐らく潜在能力はピカイチの子だ、いつそれが開花すると思っては居たが、いきなりあれは肝を冷やすな。」
動揺を見せず、ただ敵を睨み付けるムサシ。
「さて!」
首と両肩を、ぐるぐると回しだすコジロー。
「そんじゃ!」
右手に剣、左手に盾。氷の武器を作り出すサンシロー。
「・・・永井家、参る!」
一斉に、(超神兵)へと駆け出す3人。
「兄貴達は、カッコいいなぁ!お前もだけどよっ!ジョロ!」
クミコを背に、外道を睨むミサオとジョロ。
現代世界からの絆をそのままに、戦士として、この異世界に並び立つ!
「パピッ!」
「おぅよ!」
2人の思いが、悪に鉄槌を下す!
4
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