転生お転婆令嬢は破滅フラグを破壊してバグの嵐を巻き起こす

のりのりの

文字の大きさ
6 / 132
Mission1 前世を思い出せ!

6.よくあるアレ?

しおりを挟む
 あたしはインテリアの歴史には、それほど詳しくない……。特別に勉強したような記憶もない……。

 開け放たれた大きなガラス窓を見る。

 現実世界にタイムスリップした……というのではなさそうだ。

 目覚めたときも感じたが、よくある、中世ヨーロッパ風……というよりは、ゲームやアニメ、漫画などで嫌になるくらい見た、ファンタジー世界の部屋だった。

 さらに情報をつけ加えるなら、かなり裕福な暮らしをしている者の部屋だった。

(どういうことなの……?)

 これはベッドから降りて、部屋の探検をした方がよいのだろうか。
 いや、その前に鏡で自分の姿を確認するのが先だよね?

 さっき見た小さな手がすごく気になる。

(これって、まさか、よくあるアレ?)

 とある単語が脳裏に浮かぶ。
 が、まだ、決めつけるのは早い。

(あせっちゃだめ!)
 
 もしも、予想が違っていたらちょっと恥ずかしい。

 あと数年で三十になる独身OLが、イタイ思いをしてしまう。これ以上、黒歴史を充実させたくはない。

 ここは慎重に、冷静に、客観的視点で、状況確認が必要だ。

 そう、仕事でトラブっても、まずは、状況確認をして、現状を把握することからはじめなければならない。

 朝イチで使う資料の印刷は、状況確認が終わってからだ。

 あたしはもぞもぞと身体を動かし、大きなベッドからゆっくりと床の上に降りる。

 身長が低いせいで、ベッドから降りるのにも苦労した。そして、床の上に降り立った足も子どもサイズだった。
 素足に毛足の長い絨毯はくすぐったい。

 ペタペタと足音をたてながら、あたしは寝台をぐるりと回り、古めかしい大きな姿見を発見した。

 そこに映ったのは、亜麻色の髪に若葉色の瞳の小柄な少女。
 額……頭のところにぐるぐると巻かれた包帯が痛々しい。
 頭でもぶつけたのだろう。

 だが、どこからどう見ても、そろそろ三十歳になるよね……という、疲れたOLの姿ではなかった。

 少女はふんわりとした、かわいらしいデザインのネグリジェを着ている。
 生地はとても艶があって、サラリとしたなめらかな触り心地がする。
 この世界にシルク……というものがあるのなら、これは、シルクのネグリジェだろう。ヒラヒラ、フリフリとした過剰な装飾はなかったが、洗練されたデザインのかなり仕立てのよいものだ。

 亜麻色の髪は、肩のところあたりで切りそろえられており、寝癖ではねまくっている。顔色は青白く、手足はヒョロリと長い。

 鏡の中の少女は、健康優良児というよりも、病弱で、生命の輝きとは無縁の位置にいるようだった。しょっちゅう病気をして寝込んでいるような気配がした。
 走りでもしたら、すぐに息切れしそうだ。

 透き通った肌というよりは、病的? な色白……青白さが残っている。

 ただ、前世では、あたしには妹がいた。
 妹は喘息持ちで、しょっちゅう入退院していた。その妹の病的な肌の色と、少し違うような気がする……。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS

himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。 えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。 ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ! アルファポリス恋愛ランキング入りしました! 読んでくれた皆様ありがとうございます。 *他サイトでも公開中 なろう日間総合ランキング2位に入りました!

何やってんのヒロイン

ネコフク
恋愛
前世の記憶を持っている侯爵令嬢のマユリカは第二王子であるサリエルの婚約者。 自分が知ってる乙女ゲームの世界に転生しているときづいたのは幼少期。悪役令嬢だなーでもまあいっか、とのんきに過ごしつつヒロインを監視。 始めは何事もなかったのに学園に入る半年前から怪しくなってきて・・・ それに婚約者の王子がおかんにジョブチェンジ。めっちゃ甲斐甲斐しくお世話されてるんですけど。どうしてこうなった。 そんな中とうとうヒロインが入学する年に。 ・・・え、ヒロイン何してくれてんの? ※本編・番外編完結。小話待ち。

モブとか知らないし婚約破棄も知らない

monaca
恋愛
病弱だったわたしは生まれかわりました。 モブ? わかりませんが、この婚約はお受けいたします。

公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。

三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*  公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。  どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。 ※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。 ※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした

黒姫
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました。神様によると、婚約者の王太子に断罪されて極北の修道院に幽閉され、30歳を前にして死んでしまう設定は変えられないそうです。さて、それでも幸せになるにはどうしたら良いでしょうか?(2/16 完結。カテゴリーを恋愛に変更しました。)

悪役令嬢、隠しキャラとこっそり婚約する

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢が隠しキャラに愛されるだけ。 ドゥニーズは違和感を感じていた。やがてその違和感から前世の記憶を取り戻す。思い出してからはフリーダムに生きるようになったドゥニーズ。彼女はその後、ある男の子と婚約をして…。 小説家になろう様でも投稿しています。

悪役令嬢の独壇場

あくび。
ファンタジー
子爵令嬢のララリーは、学園の卒業パーティーの中心部を遠巻きに見ていた。 彼女は転生者で、この世界が乙女ゲームの舞台だということを知っている。 自分はモブ令嬢という位置づけではあるけれど、入学してからは、ゲームの記憶を掘り起こして各イベントだって散々覗き見してきた。 正直に言えば、登場人物の性格やイベントの内容がゲームと違う気がするけれど、大筋はゲームの通りに進んでいると思う。 ということは、今日はクライマックスの婚約破棄が行われるはずなのだ。 そう思って卒業パーティーの様子を傍から眺めていたのだけど。 あら?これは、何かがおかしいですね。

処理中です...