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Mission1 前世を思い出せ!
40.モブ以下のモブ扱い
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ライース・アドルミデーラとカルティ・アザの細かな設定は思い出せたのに……だ。
そこがものすごく、もどかしい。
しかも、あたしが知っているふたりには、微妙なズレがある。
それを言うなら、お父様――ジェルバ・アドルミデーラ侯爵――も、人前で号泣するようなキャラではなく、ちょっとやそっとのことでは動じない鉄面皮の厳つい父親だったはずだ。
キャラたちの性格もだが、それ以上にあたし――フレーシア・アドルミデーラ――の存在に問題があった。
カルティとライースの設定を思い出したとき、おまけっぽい感じであたしは、『キミツバ』でのあたしの役割に気づいた。
ゲーム本編では、ライース・アドルミデーラの『年の離れた異母妹』は登場していない。
ゲーム中の会話で、ヒロインに
「幼い頃に亡くなった妹が、今も生きていたらちょうど、あなたくらいの年齢だと思います」
とか
「妹が生きていたら、あなたのよき友となれたでしょうに……」
といったセリフで、ヒロインに語られるくらいだ。
つまり、その時点で死んでいるのだ。
それだけではなく、最後の最後までライース・アドルミデーラは『妹』の名を口にしなかった。
『妹』の名前は、前世のあたしが死んだ(と思われる)時点では、公開されていない。
実は、名前だけではなく、顔も公開されていないのだ。
謎の人物というよりは、それほど重要でもないから、こんな扱いになってしまったんだろう。
最初、目覚めたときに、自分が誰だかわからなかったのは、そういうゲーム設定に影響を受けたからかもしれない。
ライース・アドルミデーラの『妹』が重要キャラとして登場するのは、特別イベントの『ライース・アドルミデーラ 真夏の静養地編』だけだ。
そこでも、名前部分は伏せ字扱い。
容姿にいたっては、前髪が長くて、顔は髪の毛の影にかくれてしまって口元しか描かれないというキャラだった……。
だって、メインは若かりしライースのエピソードだからね。
あたしってば、刺し身のつまくらいな存在なんだろう。
演出上、意図的な表現だったのか、公開まで時間か予算が足りなくて、妹のデザインを断念したのか……。
ファンたちがライース・アドルミデーラの『妹』を想像したイラストをSNSに発表したり、薄い本をだしたりしていたから、今更、顔を公開できなかったのかもしれない。
モブの絵の方が、まだしっかりと描かれていたくらいだ。
モブ以下のモブ扱い。
あまりにも雑な扱われ方だ。
思い出したとき、さすがのあたしもショックを受けた。
あまりのショックに言葉を失ってしまったくらいだ。
そこがものすごく、もどかしい。
しかも、あたしが知っているふたりには、微妙なズレがある。
それを言うなら、お父様――ジェルバ・アドルミデーラ侯爵――も、人前で号泣するようなキャラではなく、ちょっとやそっとのことでは動じない鉄面皮の厳つい父親だったはずだ。
キャラたちの性格もだが、それ以上にあたし――フレーシア・アドルミデーラ――の存在に問題があった。
カルティとライースの設定を思い出したとき、おまけっぽい感じであたしは、『キミツバ』でのあたしの役割に気づいた。
ゲーム本編では、ライース・アドルミデーラの『年の離れた異母妹』は登場していない。
ゲーム中の会話で、ヒロインに
「幼い頃に亡くなった妹が、今も生きていたらちょうど、あなたくらいの年齢だと思います」
とか
「妹が生きていたら、あなたのよき友となれたでしょうに……」
といったセリフで、ヒロインに語られるくらいだ。
つまり、その時点で死んでいるのだ。
それだけではなく、最後の最後までライース・アドルミデーラは『妹』の名を口にしなかった。
『妹』の名前は、前世のあたしが死んだ(と思われる)時点では、公開されていない。
実は、名前だけではなく、顔も公開されていないのだ。
謎の人物というよりは、それほど重要でもないから、こんな扱いになってしまったんだろう。
最初、目覚めたときに、自分が誰だかわからなかったのは、そういうゲーム設定に影響を受けたからかもしれない。
ライース・アドルミデーラの『妹』が重要キャラとして登場するのは、特別イベントの『ライース・アドルミデーラ 真夏の静養地編』だけだ。
そこでも、名前部分は伏せ字扱い。
容姿にいたっては、前髪が長くて、顔は髪の毛の影にかくれてしまって口元しか描かれないというキャラだった……。
だって、メインは若かりしライースのエピソードだからね。
あたしってば、刺し身のつまくらいな存在なんだろう。
演出上、意図的な表現だったのか、公開まで時間か予算が足りなくて、妹のデザインを断念したのか……。
ファンたちがライース・アドルミデーラの『妹』を想像したイラストをSNSに発表したり、薄い本をだしたりしていたから、今更、顔を公開できなかったのかもしれない。
モブの絵の方が、まだしっかりと描かれていたくらいだ。
モブ以下のモブ扱い。
あまりにも雑な扱われ方だ。
思い出したとき、さすがのあたしもショックを受けた。
あまりのショックに言葉を失ってしまったくらいだ。
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