転生お転婆令嬢は破滅フラグを破壊してバグの嵐を巻き起こす

のりのりの

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Mission4 ライースガチャをなんとかしろ!

132.乱入者

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「ぬいぐるみが複数体あることで遊びのバリエーションも増えます」

 そう、これは入手困難なビスクドールに対する大きな強みになる。
 別にビスクドールはビスクドールで存在意義はあるし、そこに取って代わろうというわけではない。

「…………?」
「これは女の子にしかわからない遊び方です」
「そう……なの……か?」
「兄弟、姉妹、親子、恋人同士など、ごっこ遊びができるのです」
「なにぃ! こいびとだとぉつ! まだはやいわっ!」

 急に激怒しはじめるカシューおじ様。
 どうやら、幼い少女が恋人の見立て遊びをするのが許せないらしい。
 いや、女子って、早熟だからね。
 女の子にロマンを求めるとは、カシューおじ様もまだまだオコチャマだ。

 しかし、このサイズだとファミリー設定で遊ぶのはちょっと大きすぎる。
 ぬいぐるみが成功したら、もっとミニサイズ……手のひらに乗るくらいのマスコットで、家族セットを作るのもいいかもしれない。
 パパ、ママ、おじいちゃん、おばあちゃん、ぼくにわたし。双子の弟と妹がいれば完璧だ。
 その場合、ドールハウスと付属の家具も必要だろう。

 プンスカ激怒しながらもしっかり、あたしの話をメモするカシューおじ様。

「とにかく、貴族の子女を相手にしますので、型紙の流出を防ぐ必要があります。分解されて真似はされるかもしれませんが、真似ができないくらいのクオリティを追求し、品質で勝負するのです。特別感をだすために、複雑なロゴを……」
「複雑なロゴ?」
「失礼。夫人の監修したうさちゃんぬいぐるみであるということを証明するオリジナル紋章を足に刺繍して、首輪のメダルにも同じ紋章を刻印したものをつけます。ロットナンバーも刺繍しましょう。ぬいぐるみを運搬するときに入れるケースも特別なものにして、それにも紋章を刻印するのです」
「徹底しているな」
「はい。徹底しなければなりません。そして、間違って類似品をありがたがる貴族は、真贋を見抜く目を持たず、サイテーでデキソコナイな貴族の皮を被ったソックリさんだという風潮を形成するのです」
「容赦ないが……。粗悪品に手をだした貴族は社交界から抹殺すればよいのだな。つき合う価値もなしということを世間に知らしめたらよいわけだ」

 いや、そこまでしろとは言わないが……。
 カシューおじ様の方が容赦ない発想をしている。

 まあ、これだけでも様々な人が『うさちゃん布教』にかかわることになる。
 ライース兄様が難しい顔でブツブツ呟いていた「雇用を生みだす特産品はないものか」のちょっとした援護射撃になればいいかな。

「ロットナンバーで生産管理と顧客管理か。鑑定書をつけたらさらによいかもしれないな」
「それでしたら、鑑定書ではなく、出生証明書のような形式のほうが、より顧客ニーズと合致します」
「にーず……? ようは、うさちゃんの価値が高まり、購入者が喜ぶということだな?」
「そうです。購入者が魅力を感じ、喜んで購入できるようにするのです」
「なるほど!」
「なるほどなのです!」
「レーシア、カシュー叔父上。なにがなるほどだって?」
「ひぃぃぃぃぃっ!」
「うわわわぁぁっ!」

 あたしとカシューおじ様は、驚きのあまりぴょんとその場で飛び上がる。
 寝台の死角からライース兄様とカルティが姿を現した。

「ら、ライース兄様!」
「ライース様! いきなり! 気配を消して現れないでください!」

 そうだ! そうだ! びっくりしましたよ!
 心臓が止まるかと思った。
 あたしの心臓はドキドキしたり、止まったりと大忙しだ。

「何度もノックはしたぞ。だが、ふたりともお喋りに夢中になっていたみたいで、それに気づかなかったようだな。ものすごく、楽しそうだったよな?」

 不機嫌な顔のライース兄様はあたしとカシューおじ様を睨みつける。

「しかも、レーシアはベッドの上で嬉しそうにぴょんぴょん飛び跳ねて、なにをしているのかな?」

 こ、これは素直に従ったほうがいい。
 よくわからないけど、ライース兄様が激オコでいらっしゃる。

 しかも、さっきまでライース兄様の後ろにいたカルティの姿が、きれいさっぱり消えていてどこにもいない!
 また逃げた!
 これは、かなりヤバいということだ。

 あたしはいそいそと、ベッドの中へともぐりこむ。
 もちろん、うさちゃんずも一緒だ。

 カシューおじ様とのお話が盛り上がっていたのに、とんだ邪魔が入ってしまった。

「……ん? あれ? レーシアのうさちゃんが増えている? どうしたのだ? このうさちゃんは? なぜ、うさちゃんが二匹もいるのだ?」
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感想 2

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みんなの感想(2件)

くろみつ
2023.12.01 くろみつ

カクヨムさんで読んでから、続きが気になり過ぎて、こちらへとお邪魔させていただきました。
思わず一気読みしてしまい、またも続きが気になるとジタバタしております。

主人公がこれからどう動いて行くのか楽しみにです。

2023.12.03 のりのりの

感想ありがとうございます。
一気読みありがとうございます。
こちら、一番、ストックが乏しい作品ではありますが・・・お付き合いいただけましたら、幸いです。

解除
天河 藍
2023.11.26 天河 藍

楽しい作品ですね 心理描写もゆったりと描いていて好感が持てます 進行が遅いのが気にならないわけではありませんが それよりワクワクの方が勝ります
 連載楽しみにしています

2023.12.03 のりのりの

感想ありがとうございます。
おっしゃるとおり、進行が遅くて、書いている自身が、大丈夫かとハラハラしています。
自覚があるというのに、改善できない・・・。精進します。

お返事が遅くなりまして、申し訳ございません。
まさか、感想を書いてくださる方がいらっしゃるとは、全く予想しておりませんでした。

解除

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