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三騎
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「なんだコレ?こんなもんは俺の求めてるものじゃねぇぞ」
小さな黒い鉱石をつまみ上げる。
「いやぁ、とは言っても黒色だからノォ。その剣と関係があると思ったんじゃ」
「ジジィ。あんたの心がけには感謝するがこれはねぇな」
そう言って、触って1分も経たないうちに店主のおじさんに返した。
「他はねぇのかよ」
あたりを見渡しながら口を動かす。
この男、グロウは『人斬り』のレッテルを貼られ、その罪で追われる身だ。それに指名手配犯のランクで言えばかなり高い。宮殿前の広場はただでさえ警備が強化されているのに、高ランクの犯罪者がいるとなると、それはそれは大変だ。
「すまんな。ない」
しかし店主からの返事は寂しいものだった。
「そうか。わかった」
グロウは一度ため息をついて、また明日くると続ける。
店を立ち去ろうとした時。
それは突然だった。
たった一瞬。たった一瞬だけ、グロウの視界に飛んでくるナイフが映る。
「!?」
瞬間、グロウは大きく背中を反らした。
あまりにも不自然な体勢。だが無駄な動きは限りなく少ないもの。
それは戦いをくぐり抜けた者、死にものぐるいで生き続ける者の「勘と能力」があったからできるのだ。
「んだよ今の」
反射的に背中の剣に手を伸ばす。
グロウの目つきが変わる。普段から鋭い目つきが、さらに鋭く研ぎ澄まされる。
「おいおい店の前で暴れるのはやめt「死にたくねぇなら体を隠せ」
横から聞こえる声を遮断して、探る。
しばし、二人の空間に静寂が訪れる。その静けさは不吉な空気を漂わせていた。
自分につばが喉を通る音がはっきり聞こえる。さわやかな風を感じる。
戦において、一瞬の選択や一瞬の気の緩み、一瞬の行動…「一瞬」は全てを変える。
例えば、一瞬だけ写ったナイフを避けたこの男のように。
「いねぇ…どう言うことだ」
柄を握る手に力が入る。
「お、お主。敵は見つかったか?」
「みつからねぇよ。それより、アンタもう喋るな。俺の仲間だと思われたら斬首刑確定だぞ」
店主の体が小刻みに震えた。
それもそうだろう。自分は何もしていないのに、首をはねられるかもしれないのだから。
(おいおいよくそんなもんで武器商売なんてやれたな……ん?)
タッタッタッタッタ…とこちらへ向かってくる音が聞こえる。
その音はどんどん大きく、次の間隔が短くなってくる。
目には見えないが、耳は何かを確かに感じとっていた。
どうして目に見えないのか。
グロウはすぐに分かった。
(白魔術透化、か…)
常闇の絶剣を背中から取る。
それは朝の太陽の下では似合わない、とことん黒い神器。
刃こぼれ一つすらもないその剣は、グロウが握ることで真価を発揮する。
グロウが剣を取った瞬間、走る音が突然と聞こえなくなった。
っと思ったら、前からいきなり
「ほう…間違いはなさそうですね」
独り言が聞こえた。
「姿を現せ」
「人斬りと言われているあなたに、姿を見せるとでも?」
「じゃぁ、この街をぶっ壊してでもお前を斬ってやるよ」
「その前にあなたをぶっ壊しますよ」
グロウは、相手の落ち着いた口調の中にどこか信念を感じた。
「でもお前ら、戦争中に俺を追ってる暇がよくあるよな」
「いえいえ、戦争ももう終わりに近づいている…。あとは相手国の降伏を待つくらいですね。
それに、そもそもこの戦争は圧倒的に我々が有利でしたから。何事も無いような感じなんですよ」
「親切丁寧な説明ありがとよ」
グロウはそう言って、剣を構える。
自分の敵は見えない人間。頼れるものは音ただ一つ。
続く
更新が遅くなり、大変申し訳ありません
小さな黒い鉱石をつまみ上げる。
「いやぁ、とは言っても黒色だからノォ。その剣と関係があると思ったんじゃ」
「ジジィ。あんたの心がけには感謝するがこれはねぇな」
そう言って、触って1分も経たないうちに店主のおじさんに返した。
「他はねぇのかよ」
あたりを見渡しながら口を動かす。
この男、グロウは『人斬り』のレッテルを貼られ、その罪で追われる身だ。それに指名手配犯のランクで言えばかなり高い。宮殿前の広場はただでさえ警備が強化されているのに、高ランクの犯罪者がいるとなると、それはそれは大変だ。
「すまんな。ない」
しかし店主からの返事は寂しいものだった。
「そうか。わかった」
グロウは一度ため息をついて、また明日くると続ける。
店を立ち去ろうとした時。
それは突然だった。
たった一瞬。たった一瞬だけ、グロウの視界に飛んでくるナイフが映る。
「!?」
瞬間、グロウは大きく背中を反らした。
あまりにも不自然な体勢。だが無駄な動きは限りなく少ないもの。
それは戦いをくぐり抜けた者、死にものぐるいで生き続ける者の「勘と能力」があったからできるのだ。
「んだよ今の」
反射的に背中の剣に手を伸ばす。
グロウの目つきが変わる。普段から鋭い目つきが、さらに鋭く研ぎ澄まされる。
「おいおい店の前で暴れるのはやめt「死にたくねぇなら体を隠せ」
横から聞こえる声を遮断して、探る。
しばし、二人の空間に静寂が訪れる。その静けさは不吉な空気を漂わせていた。
自分につばが喉を通る音がはっきり聞こえる。さわやかな風を感じる。
戦において、一瞬の選択や一瞬の気の緩み、一瞬の行動…「一瞬」は全てを変える。
例えば、一瞬だけ写ったナイフを避けたこの男のように。
「いねぇ…どう言うことだ」
柄を握る手に力が入る。
「お、お主。敵は見つかったか?」
「みつからねぇよ。それより、アンタもう喋るな。俺の仲間だと思われたら斬首刑確定だぞ」
店主の体が小刻みに震えた。
それもそうだろう。自分は何もしていないのに、首をはねられるかもしれないのだから。
(おいおいよくそんなもんで武器商売なんてやれたな……ん?)
タッタッタッタッタ…とこちらへ向かってくる音が聞こえる。
その音はどんどん大きく、次の間隔が短くなってくる。
目には見えないが、耳は何かを確かに感じとっていた。
どうして目に見えないのか。
グロウはすぐに分かった。
(白魔術透化、か…)
常闇の絶剣を背中から取る。
それは朝の太陽の下では似合わない、とことん黒い神器。
刃こぼれ一つすらもないその剣は、グロウが握ることで真価を発揮する。
グロウが剣を取った瞬間、走る音が突然と聞こえなくなった。
っと思ったら、前からいきなり
「ほう…間違いはなさそうですね」
独り言が聞こえた。
「姿を現せ」
「人斬りと言われているあなたに、姿を見せるとでも?」
「じゃぁ、この街をぶっ壊してでもお前を斬ってやるよ」
「その前にあなたをぶっ壊しますよ」
グロウは、相手の落ち着いた口調の中にどこか信念を感じた。
「でもお前ら、戦争中に俺を追ってる暇がよくあるよな」
「いえいえ、戦争ももう終わりに近づいている…。あとは相手国の降伏を待つくらいですね。
それに、そもそもこの戦争は圧倒的に我々が有利でしたから。何事も無いような感じなんですよ」
「親切丁寧な説明ありがとよ」
グロウはそう言って、剣を構える。
自分の敵は見えない人間。頼れるものは音ただ一つ。
続く
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