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川が見えました。大きな川です。
この川の上流には大きな湖があるそうです。

川岸に沿って馬車は進んでいきます。

きらきらと光る川の輝きは見ていて飽きません。その上をうっすらと水の色をまとった妖精たちが跳ね回っています。

女の子は楽しげに見つめていました。


川原でお昼の休憩をするようです。

女の子はいつもお手伝いをしたいのですが、邪魔をしないようにと言われてしまいます。
今日は何故か呼ばれたように感じて周りを見まわしました。

休憩場所から少し離れたところに大きな大きな岩があり、女の子と同じくらいの人の形をした影が見えました。

不思議に思った女の子は近づいていきました。

それはべったりと岩に貼りついた妖精たちで形を作っていました。
川の上を遊び回る妖精たちと違って暗い色をしています。


『うれたかじつだとおもったの』
『さいしょはおいしかったの』
『へんになったの』
『『『たすけてたすけて』』』


そこへ川で遊んでいた妖精が近づきました。岩の妖精たちに触れるとたちまち水の色を失い一瞬赤黒くなった後暗い色になりました。


『たすけてたすけて』


女の子は驚いてとっさに手を差し伸べていました。



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