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教会
閑話 品行方正も大変だ
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―――騎士アルバン(元彼)視点
俺は、アードルフィオ国モーイッツ辺境伯領の一都市セーツの街で、騎士をしている。
今日も、仕事の巡回警備が終わった。
皆が敬意を持って接してくれるから、普段は楽な仕事だ。
同僚達が、話しかけてきた。
「結局、手放したんだって」
「まあな、仕方なかったんだ。大人しいからバレないとは思ったが飽きてきてたし、丁度いいかと思ってな」
同僚達が、冷やかして来た。
「良家のお坊ちゃんも、大変だな~」
「一年、続いたんだろ?最長記録達成したじゃん」
「はは、気づいたらそうなってたんだ。手間がかからない子だったからな」
本当に、手間がかからなかった。
普通俺が騎士だと分かると、まず金遣いが荒くなり、ワガママになり、贅沢になる。
そして、別れる際は泣いて縋るんだ。
そういえば、どれもなかったな。
それどころか俺が騎士だとわかっても、働きに出るなんて変わり者だった。
忘れて放置しても、「騎士の仕事で夜間大変なんだ」と言って、焼き菓子を土産に持って行けば良かったからな。
あれが信じられないという顔をして、呆然としている所を出てきたが。
これからは、女が泣く前にさっさと去るのも手だな。
「これで全部だから、当分この話題増えないぞ」
「あー、別れる前に俺達に会わせろよ。可愛がってやったのに」
「昨日だぞ、呼び出しでそんな時間なかっただろ」
もっと前に別れろとか、昨日は無理だなとかヤジが飛ぶ。
「結局、何人掛け持ってたんだ?五人、六人?」
「六人、今回全部清算した。何人かは紹介して、楽しんだだろうが。ほらお前ら好みの派手なエンやアンなんて、喜んでついて行っただろう?」
あいつらも、最初は初々しかったんだよな。
女が泣きわめくと、同僚呼んで相手させたら機嫌直っておさらば出来た。
同僚の評判も上がるし、一石二鳥だ。
「今、どうしてる?」
「知らない。多分、娼館にでも行ったんじゃないか?そこ位しか、働けないでしょう」
「数日相手してやったんだから、十分だろう?」
「そうそう、俺達は奴隷にも娼館にも売っ払ってないから、良心的だよな」
この国以外の人間なんて、賤民でしかない不要物。
神々に愛され、豊穣の神の恵みが与えられた我がアードルフィオ国に集りにくる虫けら達だ。
特に国境に接しているモーイッツ辺境伯領は、その意識が強い。
一時期難民がなだれ込んだり、大変だったから特にだ。
俺は王都育ちだからそこまでではないが、どう扱っても良いもの、とは思っている。
まあ、殺人は別だがな。
下手に殺しなんて発生したら、豊穣の神が嘆くとされ、他国のものでも禁忌とされている。
だからこの国は、平和なものだ。
「それにしても、アルバンは初々しいのが好きだよな」
「それと濃い髪色」
「黒が一番なんだけどな。中々見つからないんだよ」
「当たり前じゃん、豊穣の賢女様の色だぜ」
この国の髪の色は薄いし、好みの色もそうだ。
だが、黒髪だけは別格だった。
俺の好みは、それが拗れたと揶揄われている。
他国に接しているこの領地では、濃い髪色もよく見かけた。
「そういえばさ、大神官が神からの言葉を聞いてからどれ位たった?」
「一年半位じゃないかな」
俺が王都にいた頃だからな。
ちょうどその後に、この街に派遣された。
来た当初は、手当り次第面白い様にポンポンと女が釣れ、つまんでは捨てていった。
さすがに繰り返し過ぎて飽きたので、今では厳選して楽しんでいる。
「まだ、見つかっていないんだろう?」
「黒髪黒目に、一枚布の服に『お・び』と言う紐を巻き付けているだっけ?」
「二百年振りに『賢女様』が、この世界を訪れるっていうから、各街の出入りの緩和で治安維持が大変だよ」
「俺達の仕事が増えたよな」
「これで見つかんなきゃ、いい迷惑だぜ」
あまりにも見つからないので、王族が各地を訪問して探す事になった。
そのお供で俺の兄が来るっていうから、慌てて女を整理したんだ。
おいたが過ぎると、王都に連れ戻される。
ここは程よく、無知で好みの女が釣れるから気に入っているんだ。
「じゃあ、今日は記念に飲みに行くか」
「今日はやめておくよ」
「なんだぁ、せっかく俺が奢ってやろうと思ったのに」
そろそろこの街に着く兄に、品行方正な姿を見せるべく、当分は禁酒禁女なんだよな。
俺は、アードルフィオ国モーイッツ辺境伯領の一都市セーツの街で、騎士をしている。
今日も、仕事の巡回警備が終わった。
皆が敬意を持って接してくれるから、普段は楽な仕事だ。
同僚達が、話しかけてきた。
「結局、手放したんだって」
「まあな、仕方なかったんだ。大人しいからバレないとは思ったが飽きてきてたし、丁度いいかと思ってな」
同僚達が、冷やかして来た。
「良家のお坊ちゃんも、大変だな~」
「一年、続いたんだろ?最長記録達成したじゃん」
「はは、気づいたらそうなってたんだ。手間がかからない子だったからな」
本当に、手間がかからなかった。
普通俺が騎士だと分かると、まず金遣いが荒くなり、ワガママになり、贅沢になる。
そして、別れる際は泣いて縋るんだ。
そういえば、どれもなかったな。
それどころか俺が騎士だとわかっても、働きに出るなんて変わり者だった。
忘れて放置しても、「騎士の仕事で夜間大変なんだ」と言って、焼き菓子を土産に持って行けば良かったからな。
あれが信じられないという顔をして、呆然としている所を出てきたが。
これからは、女が泣く前にさっさと去るのも手だな。
「これで全部だから、当分この話題増えないぞ」
「あー、別れる前に俺達に会わせろよ。可愛がってやったのに」
「昨日だぞ、呼び出しでそんな時間なかっただろ」
もっと前に別れろとか、昨日は無理だなとかヤジが飛ぶ。
「結局、何人掛け持ってたんだ?五人、六人?」
「六人、今回全部清算した。何人かは紹介して、楽しんだだろうが。ほらお前ら好みの派手なエンやアンなんて、喜んでついて行っただろう?」
あいつらも、最初は初々しかったんだよな。
女が泣きわめくと、同僚呼んで相手させたら機嫌直っておさらば出来た。
同僚の評判も上がるし、一石二鳥だ。
「今、どうしてる?」
「知らない。多分、娼館にでも行ったんじゃないか?そこ位しか、働けないでしょう」
「数日相手してやったんだから、十分だろう?」
「そうそう、俺達は奴隷にも娼館にも売っ払ってないから、良心的だよな」
この国以外の人間なんて、賤民でしかない不要物。
神々に愛され、豊穣の神の恵みが与えられた我がアードルフィオ国に集りにくる虫けら達だ。
特に国境に接しているモーイッツ辺境伯領は、その意識が強い。
一時期難民がなだれ込んだり、大変だったから特にだ。
俺は王都育ちだからそこまでではないが、どう扱っても良いもの、とは思っている。
まあ、殺人は別だがな。
下手に殺しなんて発生したら、豊穣の神が嘆くとされ、他国のものでも禁忌とされている。
だからこの国は、平和なものだ。
「それにしても、アルバンは初々しいのが好きだよな」
「それと濃い髪色」
「黒が一番なんだけどな。中々見つからないんだよ」
「当たり前じゃん、豊穣の賢女様の色だぜ」
この国の髪の色は薄いし、好みの色もそうだ。
だが、黒髪だけは別格だった。
俺の好みは、それが拗れたと揶揄われている。
他国に接しているこの領地では、濃い髪色もよく見かけた。
「そういえばさ、大神官が神からの言葉を聞いてからどれ位たった?」
「一年半位じゃないかな」
俺が王都にいた頃だからな。
ちょうどその後に、この街に派遣された。
来た当初は、手当り次第面白い様にポンポンと女が釣れ、つまんでは捨てていった。
さすがに繰り返し過ぎて飽きたので、今では厳選して楽しんでいる。
「まだ、見つかっていないんだろう?」
「黒髪黒目に、一枚布の服に『お・び』と言う紐を巻き付けているだっけ?」
「二百年振りに『賢女様』が、この世界を訪れるっていうから、各街の出入りの緩和で治安維持が大変だよ」
「俺達の仕事が増えたよな」
「これで見つかんなきゃ、いい迷惑だぜ」
あまりにも見つからないので、王族が各地を訪問して探す事になった。
そのお供で俺の兄が来るっていうから、慌てて女を整理したんだ。
おいたが過ぎると、王都に連れ戻される。
ここは程よく、無知で好みの女が釣れるから気に入っているんだ。
「じゃあ、今日は記念に飲みに行くか」
「今日はやめておくよ」
「なんだぁ、せっかく俺が奢ってやろうと思ったのに」
そろそろこの街に着く兄に、品行方正な姿を見せるべく、当分は禁酒禁女なんだよな。
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