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第5章 村編

第113話 狙撃と尋問方法

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 アイテムボックスから出したはいいけど……魔力ライフルの使い方分からないってことに気づいた。

「…ねぇママ?」
「なに?」
「…どうやって使うの?」

 そう言うとマリアが呆れたような顔をする。
 し、仕方ないでしょ!アイテムボックスの肥やしになってたんだから!

「属性付与するなら、付与したい属性の魔力を少しだけ流しつつ、この引き金を引けばいいわ。これは威力調整できるやつみたいだから、このツマミを回して威力調整できるわ」

 ほうほう。見せながら説明してくれたおかげでわかりやすい。結構簡単だね。
 でも……

「……なんで知ってるの?」
「……色々あるのよ」

 なんだろうね…色々って。それ以上話すつもりはないみたいだから聞かないけど。

 とりあえず言われた通りに魔力を流す。
 ……うん。ちょっと流し過ぎで壊しちゃわないか心配だったけど、流石女神が用意したものだね。壊れそうもないや。

「できそう?」
「うん。で、どうする?」
「そうね…」

 気配察知の反応は10。左右半々で扇状に広がっている。

「右を任せていい?」
「端から?」
「ええ」

 左はマリアが担当するようだ。
 私は魔力ライフルを右に向けて構える。スコープが付いているので、狙いはつけやすい。
 しかも重力や空気抵抗を考慮しなくていいから、細かい調整は必要ないらしい。楽だね。

「……いた」

 スコープ越しで見えたのは黒いローブを被った男。まぁ予想はしてたんだけどさ…なんで来た?

「それは後で聞きますか」

 雷属性を付与し、狙いを定めて、引き金を引く。
 するとパンッ!と乾いた音と共に、黄色っぽい白い光の弾が銃口から放たれた。
 その弾は真っ直ぐ、迷いなく、狂いなく、男へと命中する。
 命中した男は痺れるような仕草をした後、その場に倒れ込んだ。

「ふぅ……」
「……ほんとに初めてなの?」
「そうだよ?」

 まぁ射的は得意だったし、このためにあるような祝福ギフトも持ってるし。

「そ、そう……」

 なんかマリアから引かれた…。解せぬ。

「そう言うママだって当ててるじゃない」

 私が1人当てている間に2人も当てている。

「まぁ初めてではないから…」

 ……やっぱりそうなんだね。魔力ライフルの使い方を知ってたから当然かな。

「そう。……後で聞いても?」
「……あまりいい話ではないわよ?」
「それでもね」
「……分かったわ。これが終わったらね」

 マリアが魔力ライフルを構え直す。私も構え直し、残りのローブ男たちを痺れさせた。
 ………というか今更なんだけど、私が光学迷彩で近づいて痺れさせたほうが早かったね。

「中庭に集めるわよ」
「分かった」

 倒れた男たちの元へと向かい、一人一人手足を縛ってから転移させて中庭へと集める。そっちの方が簡単だし、早いからね。



「さて。集めたけど……フィリア、何してるの?」
「んー?魔道具探してるの」

 男たちのポケットなどをあさり、あの時使われた自爆用の魔道具を探す。またやられたら嫌だし、第一としてここで自爆されたらたまったもんじゃないからね。

「……あった」

 案の定、見つけた。透明な水晶のようなもの。またやられないよう調べていたから、間違いない。

「それ……自爆の魔道具?」
「知ってるの?」
「えぇまぁ…それを探してたのね」
「うん。前に自爆されて大変な目にあったから……」

 あの時翡翠が助けてくれなかったらちょっとやばかったかも。アンクルの効果は、物理が無効であって、あの自爆は攻撃とはみなさないらしいからね…。変なとこで役立たずだよ…。

「前……あったの?」
でね。そのせいで森の1部吹き飛んじゃったけど」

 あの森は結局直ったのかなぁ?行ってないし聞いてないから分からないや。

「そうなの…じゃあ情報は聞き出せなかったのね」
「うん。ちょっとしかね」

 分かったのは魔物を召喚して何をしたかったのか。そして裏にエルザではない神がいること。この2つくらいだ。

「じゃあじっくりと聞き出さなきゃね」
「……ママがやる必要はないんだよ?」

 このローブを着ているという時点で、私は使徒として問い詰める必要があると思っている。けれど、マリアがいちいちやる必要はない。

「私たちの家に来たのよ?必要あるかじゃなくて、義務よ」
「そ、そう…」

 まぁそれなら止めないんだけど。

「……あ、そうだフィリア」
「なぁに?」
「制限今外せる?」

 制限……あぁ、アンクルのことか。

「外せるけど…どうして?」
「魅了が役に立つわ」
「……こいつらを魅了しろと?」
「ええ。フィリアの魅了は強力でしょ?」

 まぁ確かに強力かもね。神印だし。

「そんなに効果ある?」
「あるわよ。口を割らせる分にはね」
「……分かった。でも、ママは私のこと見ちゃだめだよ?」

 同性ですら魅了するからねぇ、この目。

「フィリアを見なきゃいいの?」
「正確には目だけどね」

 私の目見た人を魅了するだけなら良かったんだけどね…私の目見た人まで魅了の対象だからね。

「……分かったわ」

 マリアが頷いたのを見て、マリアに背を向けてアンクルを外す。
 そういえば、アンクルを外で外すの物凄い久しぶりかも。最後は確か……翡翠と特訓したとき?だったかな。も、もちろんお風呂入るときは外してるよ!?

「へぇ。それが」
「み、見たらだめだからね?ほんとに」
「しつこく言わなくても分かってるわよ」

 マリアに言ったけど、私も見ないようにしなきゃね。
 さて。魅了でローブ男たちはどんなことを白状してくれるかな?







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