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57話
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「紫乃。もしやそなた、此方に身体ごと来た訳ではないのか……?」
「ふぇ…?」
「実はこの世界における魔物は、その命尽きる時に姿を残さんのじゃ」
そして恐らくは別世界から連れてこられたであろう紫乃の存在。そこから導き出される仮説として、ダンジョンに現れるモンスターは別世界から呼ばれた精神体ではないかと瑠華は睨んだのだ。
「つまり私の精神だけがここにある、と?」
「まぁあくまで予想じゃがな。それで思い当たる節などは無いかの?」
「思い当たる…それならば恐らくは祈祷が該当するかと」
「祈祷、か……そなた、もしや巫覡か?」
「あ、はい。加護の影響で生まれながらにして鬼人である私達は、祈祷によって欲を発散すると伝え聞いておりますので……」
「祈祷による欲の発散……精神のみを別世界へと送り、そこで欲を発散させる、か。確かに理にかなっておる」
「となりますと私はそろそろこの世界から消える事に…?」
「あぁいやそれは無い」
「え?」
迷いなく断言した瑠華に、紫乃が首を傾げる。
「妾が妨害したのじゃ」
「……え?」
「というよりも、せざるを得なかったが正しいかの」
「そ、それはどういう事で…」
問いただそうとした紫乃だったが、瑠華がふいに立ち上がった事で会話が断ち切られる。
「すまんの。奏が帰ってきたようじゃ」
「奏様、ですか?」
「うむ、妾の家族のような存在じゃな。まだ身体は本調子では無い故、暫くは寝ておくと良い」
そう言い残し瑠華が部屋を後にする。紫乃は瑠華の言葉が気になりはしたものの、迂闊に動ける状態でもないと分かっていた為に大人しく布団を被るのだった。
瑠華が下に降りれば、汗だくになった奏が弥生達の足を拭いているところだった。
「おかえりじゃ」
「あっ、ただいま!」
「先にシャワーを浴びてくるのじゃ。その間に用意しておくでの」
「分かった。睦月達も?」
「そうじゃの…頼めるかえ?」
「勿論。いこっ!」
どうやら散歩の間に親睦を深めたようで、弥生達は見るからに嬉しげに尻尾を振って奏の後を付いて行く。その様子を見送り、瑠華は朝食を用意する為にキッチンへと向かった。
「…紫乃の朝餉も用意しておくかの」
運動した後の奏用に普段よりもボリューミーな朝食を作りつつ、紫乃用に弱った身体でも食べ易いものを用意する事にした。
「お腹空いたー!」
「……烏の行水じゃの」
余りにも早く戻ってきた奏に苦笑しつつ、出来上がった料理をテーブルへと運んでいく。
「わっ! いっぱい!」
「運動した後じゃからの。無論残しても構わんぞ」
「そんな勿体無い事しないもん! 頂きます!」
美味しそうに料理を頬張っていく奏に笑みを零しつつ、近付いてきた弥生の頭を撫でる。
「褒美は何が良いのじゃ?」
〈わしゃわしゃ!〉
「わしゃわしゃ…?」
聞いておいて何だが、言葉の意図が分からず小首を傾げる。だがそれに答えを提示したのは奏だった。
「多分ブラッシングじゃない?」
「ブラッシング…あったかのぅ…」
今までペットなど飼った事が無いので、犬用ブラシなどここには無い。一応瑠華が普段あまり使っていないブラシはあるが……まぁ物は試しだと自室にあるブラシを《物体転送》で取り寄せ、撫でるようにして体毛を梳く。すると嬉しげに目を細めて尻尾を振ったので、恐らくはお眼鏡にかなったのだろう。
「買っておく方が良いかのぅ…」
「かもねぇ。私も美影用に欲しいかも」
「美影に毛はあったかの…?」
〈わたしもしてー!〉
「順番じゃ。大人しく待っておれ」
そうして順番にブラッシングを終え、弥生達が満足気に瑠華の影へと戻る。それと同時に奏も朝食を食べ終えたようだ。
「ご馳走様!」
「お粗末様じゃ」
「ねぇねぇ今日こそ渋谷ダンジョンいこ!」
「む…すまん。少しやりたい事があるのじゃ」
「えぇー…何するの?」
落胆を隠すこと無くぐでぇっと机に突っ伏したと思えば、瑠華の用事が気になった為にすぐ身体を起こした。その変わり身の早さに呆れつつ、どう説明したものかと頭を悩ませる。
「……秘密じゃ」
「瑠華ちゃんにしては珍しい返答」
「そうでも無いとは思うが…すまんの。妾もまだ把握出来ていない問題を調べたいのじゃ」
「ふへぇ…私は役に立たなそ~」
「まぁ昨日はそれなりに大立ち回りをしたしの。今日くらい休んでも罰は当たるまいて」
「そだねー」
シンクに使い終えた食器を入れると、奏はそのままソファーへと向かった。その後ろ姿を後目に作っておいた食事を持って二階へと上がる。
「具合はどうじゃ?」
「んぁ…はっ!」
どうやら熟睡していたらしく、紫乃が微睡みから跳ね起きた。
「休めたようじゃの」
「あぅ…おかげ、さまで…」
クスクスと笑う瑠華に紫乃が恥ずかしさからか顔を赤らめる。だが直ぐに美味しそうな匂いが鼻を擽り、素直な腹の虫が鳴いた。それに更に顔が赤くなってしまう。
「食欲はあるようで何よりじゃ」
「その…申し訳ありません」
「良い良い。妾が勝手に連れて来たのじゃからな」
サイドテーブルに料理を乗せたお盆を置いて、食べるよう促す。するとおずおずとした様子ながらも料理に手伸ばし、それに口をつけたところで身体が硬直した。
「口に合わなかったかの?」
「!? い、いえ。凄く、美味しいです…これは何方が…?」
「妾じゃ。趣味での」
「……龍神様がこれを」
「待て紫乃」
「ふぇ!?」
いきなり語気の強い言葉を掛けられ、紫乃が目を白黒させる。
「……龍神とは、妾の事かえ?」
「え、えと…」
「質問に答えよ」
「はいぃっ!? そ、その…昨日の御姿を拝見しましたので…」
「……そうか。記憶があるのか。しもうたな…」
「えと……もしや龍神様というのは間違いだったでしょうか…?」
「……まぁ、見られた以上否定する訳にもいくまいて。その認識で間違ってはおらん。ただ、今後妾を龍神と呼ぶのは控えるようにの。妾は今は人間として過ごしておる。呼ぶのであれば瑠華と呼ぶのじゃ」
「えと、瑠華様ですね。分かりました」
“様”という敬称も聞かれると面倒だが、自身の真の姿に気付いている以上敬称を外せというのは無理があるだろうと諦める。
「食事は摂りながらで構わんのでな、少し紫乃の身体を調べさせてくれんかの。今のやり取りで気になった事があるのじゃ」
「わ、かりました。龍神…い、いえ、瑠華様の頼みとあらば、この身余す所なく捧げる所存でございます」
「そのように重く捉える必要は無いのじゃがな……」
「ふぇ…?」
「実はこの世界における魔物は、その命尽きる時に姿を残さんのじゃ」
そして恐らくは別世界から連れてこられたであろう紫乃の存在。そこから導き出される仮説として、ダンジョンに現れるモンスターは別世界から呼ばれた精神体ではないかと瑠華は睨んだのだ。
「つまり私の精神だけがここにある、と?」
「まぁあくまで予想じゃがな。それで思い当たる節などは無いかの?」
「思い当たる…それならば恐らくは祈祷が該当するかと」
「祈祷、か……そなた、もしや巫覡か?」
「あ、はい。加護の影響で生まれながらにして鬼人である私達は、祈祷によって欲を発散すると伝え聞いておりますので……」
「祈祷による欲の発散……精神のみを別世界へと送り、そこで欲を発散させる、か。確かに理にかなっておる」
「となりますと私はそろそろこの世界から消える事に…?」
「あぁいやそれは無い」
「え?」
迷いなく断言した瑠華に、紫乃が首を傾げる。
「妾が妨害したのじゃ」
「……え?」
「というよりも、せざるを得なかったが正しいかの」
「そ、それはどういう事で…」
問いただそうとした紫乃だったが、瑠華がふいに立ち上がった事で会話が断ち切られる。
「すまんの。奏が帰ってきたようじゃ」
「奏様、ですか?」
「うむ、妾の家族のような存在じゃな。まだ身体は本調子では無い故、暫くは寝ておくと良い」
そう言い残し瑠華が部屋を後にする。紫乃は瑠華の言葉が気になりはしたものの、迂闊に動ける状態でもないと分かっていた為に大人しく布団を被るのだった。
瑠華が下に降りれば、汗だくになった奏が弥生達の足を拭いているところだった。
「おかえりじゃ」
「あっ、ただいま!」
「先にシャワーを浴びてくるのじゃ。その間に用意しておくでの」
「分かった。睦月達も?」
「そうじゃの…頼めるかえ?」
「勿論。いこっ!」
どうやら散歩の間に親睦を深めたようで、弥生達は見るからに嬉しげに尻尾を振って奏の後を付いて行く。その様子を見送り、瑠華は朝食を用意する為にキッチンへと向かった。
「…紫乃の朝餉も用意しておくかの」
運動した後の奏用に普段よりもボリューミーな朝食を作りつつ、紫乃用に弱った身体でも食べ易いものを用意する事にした。
「お腹空いたー!」
「……烏の行水じゃの」
余りにも早く戻ってきた奏に苦笑しつつ、出来上がった料理をテーブルへと運んでいく。
「わっ! いっぱい!」
「運動した後じゃからの。無論残しても構わんぞ」
「そんな勿体無い事しないもん! 頂きます!」
美味しそうに料理を頬張っていく奏に笑みを零しつつ、近付いてきた弥生の頭を撫でる。
「褒美は何が良いのじゃ?」
〈わしゃわしゃ!〉
「わしゃわしゃ…?」
聞いておいて何だが、言葉の意図が分からず小首を傾げる。だがそれに答えを提示したのは奏だった。
「多分ブラッシングじゃない?」
「ブラッシング…あったかのぅ…」
今までペットなど飼った事が無いので、犬用ブラシなどここには無い。一応瑠華が普段あまり使っていないブラシはあるが……まぁ物は試しだと自室にあるブラシを《物体転送》で取り寄せ、撫でるようにして体毛を梳く。すると嬉しげに目を細めて尻尾を振ったので、恐らくはお眼鏡にかなったのだろう。
「買っておく方が良いかのぅ…」
「かもねぇ。私も美影用に欲しいかも」
「美影に毛はあったかの…?」
〈わたしもしてー!〉
「順番じゃ。大人しく待っておれ」
そうして順番にブラッシングを終え、弥生達が満足気に瑠華の影へと戻る。それと同時に奏も朝食を食べ終えたようだ。
「ご馳走様!」
「お粗末様じゃ」
「ねぇねぇ今日こそ渋谷ダンジョンいこ!」
「む…すまん。少しやりたい事があるのじゃ」
「えぇー…何するの?」
落胆を隠すこと無くぐでぇっと机に突っ伏したと思えば、瑠華の用事が気になった為にすぐ身体を起こした。その変わり身の早さに呆れつつ、どう説明したものかと頭を悩ませる。
「……秘密じゃ」
「瑠華ちゃんにしては珍しい返答」
「そうでも無いとは思うが…すまんの。妾もまだ把握出来ていない問題を調べたいのじゃ」
「ふへぇ…私は役に立たなそ~」
「まぁ昨日はそれなりに大立ち回りをしたしの。今日くらい休んでも罰は当たるまいて」
「そだねー」
シンクに使い終えた食器を入れると、奏はそのままソファーへと向かった。その後ろ姿を後目に作っておいた食事を持って二階へと上がる。
「具合はどうじゃ?」
「んぁ…はっ!」
どうやら熟睡していたらしく、紫乃が微睡みから跳ね起きた。
「休めたようじゃの」
「あぅ…おかげ、さまで…」
クスクスと笑う瑠華に紫乃が恥ずかしさからか顔を赤らめる。だが直ぐに美味しそうな匂いが鼻を擽り、素直な腹の虫が鳴いた。それに更に顔が赤くなってしまう。
「食欲はあるようで何よりじゃ」
「その…申し訳ありません」
「良い良い。妾が勝手に連れて来たのじゃからな」
サイドテーブルに料理を乗せたお盆を置いて、食べるよう促す。するとおずおずとした様子ながらも料理に手伸ばし、それに口をつけたところで身体が硬直した。
「口に合わなかったかの?」
「!? い、いえ。凄く、美味しいです…これは何方が…?」
「妾じゃ。趣味での」
「……龍神様がこれを」
「待て紫乃」
「ふぇ!?」
いきなり語気の強い言葉を掛けられ、紫乃が目を白黒させる。
「……龍神とは、妾の事かえ?」
「え、えと…」
「質問に答えよ」
「はいぃっ!? そ、その…昨日の御姿を拝見しましたので…」
「……そうか。記憶があるのか。しもうたな…」
「えと……もしや龍神様というのは間違いだったでしょうか…?」
「……まぁ、見られた以上否定する訳にもいくまいて。その認識で間違ってはおらん。ただ、今後妾を龍神と呼ぶのは控えるようにの。妾は今は人間として過ごしておる。呼ぶのであれば瑠華と呼ぶのじゃ」
「えと、瑠華様ですね。分かりました」
“様”という敬称も聞かれると面倒だが、自身の真の姿に気付いている以上敬称を外せというのは無理があるだろうと諦める。
「食事は摂りながらで構わんのでな、少し紫乃の身体を調べさせてくれんかの。今のやり取りで気になった事があるのじゃ」
「わ、かりました。龍神…い、いえ、瑠華様の頼みとあらば、この身余す所なく捧げる所存でございます」
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