【社会人BL】俺は雌イキしかできんのに彼氏が妊娠を恐れている…!?【トンデモR18】

春Q

文字の大きさ
14 / 36

2.チンピラ妹

しおりを挟む

「まったく……。すぐに変なウソつくところ、直したほうがいいよ? 本気にする人だっているんだから」

「……そうだな」

 彰永とか。

 俺はため息をついて歩美を見た。

「でも、俺とおまえが兄妹だって言うほうが周りはびっくりすると思うぜ」

 五歳違いで血が半分しか繋がっていない。

 だからって、顔も性格もこんなに似ていないのは変だと思う。

 歩美はきりっとした吊り目で、スポーティな健康美人という風だ。

 ふん、と俺は鼻で笑った。

「エロさのかけらもなくて羨ましいね」

「なにそれ! どういう意味よッ」

 すぐ怒るし。

「で? 何の用?」

 小野の方を窺うと、通りすがりのカップルに新商品のリーフレットを手渡していた。

 熱心なのはいいが、可愛い女子大生を前に男のほうがニヤけてしまい女は不満げだ。

 客の心を掴むのはなかなか難しい。

 よそ見している俺に歩美はぐいっと迫った。

「何の用、じゃないよ。生存確認!」

「おお、ありがとよ。生きてるぜ」

「本当にもう、すぐ音信不通になるんだから。実家にも全然顔出してないって言うじゃん。お母さんだって寂しがってるよ」

「……いや、忙しいし」

「あたしだって忙しいのッ」

「桂ちゃんも忙しいよなー」

「え? いそがしいぃ?」

「うーん。桂ちゃん、ブーブで来たぁ?」

「うん。けぇちゃん、ブーブで来たぁ」

「来たのー。ありがとー」

 飾り紐を離してしまうと手がヒマで、俺は甥っ子の紅葉のような手を触らせてもらっていた。

 こんなに小さいのに、大人と同じように指が五本あって、なめらかに全部ちゃんと動くのが凄い。

 目が歩美に似ている。

 色の黒いところも。輪郭は旦那の方かもしれない。

 結婚式で顔を合わせたきりで、よく覚えていないが。

 俺と彰永に赤ちゃんができたらこんな風に似るだろうか。

 ちょっとずつ、自分たちの体を分け与えるみたいに。

 などと、変なことを考えてしまう程度には俺も彰永に毒されていた。

 俺は、桂太からそっと手を離した。

「よーし。桂ちゃん、ちょっち豪遊してく?」

 何を勝手にと、歩美は怒るだろう。

 そう思って言ったのだが、歩美はなんだか変な顔をして黙っていた。俺は苦笑いした。

「おい」

「えっ? なに?」

「安心しろ。俺は子どもに変なことしない」

 彰永が世間にうといだけで、俺が宇宙人にさらわれていた話は、地元じゃ知られている。

 だから保育士になるのを学校から渋られたりもするわけだ。

 UFOに乗ったなどと自慢できるわけでもなし、歩美に自分から話したことはなかったが、そりゃどっかで耳には入るだろう。

 だが、歩美はそれを聞くなり、「はぁん!?」と怒ったイノシシみたいな声を上げた。

「お兄ちゃんがそんなことするとか、あたし考えたこともないんだけど。なんって失礼なこと言うの。信じられない。謝って!」

「は、はい。すみません」

 チンピラどころかヤクザだ。

 同居していた頃も、いつも怒っていて大変だった。旦那の苦労を察するに余りある。

 二十歳で桂太を授かって、すぐ結婚した時は、めでたいより何か苦い気持ちになった。

 要は嫉妬したのだ。

 俺が喉から手が出るほど欲しいものを、妹は簡単に手に入れられるんだと思って。

 まあ隣の芝生はなんとかってやつだ。歩美だって色々と苦労はあるんだろう。

 だとしても、自分から積極的に会いたいと思う相手ではないが。

 そんなことは何も知らない歩美は、俺に、仁王立ちして言う。

「今日は、これからお母さん達の所に泊まりに行くから。なんかいいヤツ見繕ってよね」

「はいはい。いつもありがとよ」

 思い出したように店に立ち寄っては、色々と買ってくれる。

 それも平日昼間というちょうど暇な時間だから、店としては助かる話だ。

 狂暴すぎるが、兄思いの良い妹ではあると思う。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…? 2025/09/12 ★1000 Thank_You!!

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?

中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」 そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。 しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は―― ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。 (……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ) ところが、初めての商談でその評価は一変する。 榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。 (仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな) ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり―― なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。 そして気づく。 「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」 煙草をくゆらせる仕草。 ネクタイを緩める無防備な姿。 そのたびに、陽翔の理性は削られていく。 「俺、もう待てないんで……」 ついに陽翔は榊を追い詰めるが―― 「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」 攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。 じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。 【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】 主任補佐として、ちゃんとせなあかん── そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。 春のすこし手前、まだ肌寒い季節。 新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。 風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。 何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。 拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。 年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。 これはまだ、恋になる“少し前”の物語。 関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。 (5月14日より連載開始)

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

処理中です...