【社会人BL】俺は雌イキしかできんのに彼氏が妊娠を恐れている…!?【トンデモR18】

春Q

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2.チンピラ妹

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「まったく……。すぐに変なウソつくところ、直したほうがいいよ? 本気にする人だっているんだから」

「……そうだな」

 彰永とか。

 俺はため息をついて歩美を見た。

「でも、俺とおまえが兄妹だって言うほうが周りはびっくりすると思うぜ」

 五歳違いで血が半分しか繋がっていない。

 だからって、顔も性格もこんなに似ていないのは変だと思う。

 歩美はきりっとした吊り目で、スポーティな健康美人という風だ。

 ふん、と俺は鼻で笑った。

「エロさのかけらもなくて羨ましいね」

「なにそれ! どういう意味よッ」

 すぐ怒るし。

「で? 何の用?」

 小野の方を窺うと、通りすがりのカップルに新商品のリーフレットを手渡していた。

 熱心なのはいいが、可愛い女子大生を前に男のほうがニヤけてしまい女は不満げだ。

 客の心を掴むのはなかなか難しい。

 よそ見している俺に歩美はぐいっと迫った。

「何の用、じゃないよ。生存確認!」

「おお、ありがとよ。生きてるぜ」

「本当にもう、すぐ音信不通になるんだから。実家にも全然顔出してないって言うじゃん。お母さんだって寂しがってるよ」

「……いや、忙しいし」

「あたしだって忙しいのッ」

「桂ちゃんも忙しいよなー」

「え? いそがしいぃ?」

「うーん。桂ちゃん、ブーブで来たぁ?」

「うん。けぇちゃん、ブーブで来たぁ」

「来たのー。ありがとー」

 飾り紐を離してしまうと手がヒマで、俺は甥っ子の紅葉のような手を触らせてもらっていた。

 こんなに小さいのに、大人と同じように指が五本あって、なめらかに全部ちゃんと動くのが凄い。

 目が歩美に似ている。

 色の黒いところも。輪郭は旦那の方かもしれない。

 結婚式で顔を合わせたきりで、よく覚えていないが。

 俺と彰永に赤ちゃんができたらこんな風に似るだろうか。

 ちょっとずつ、自分たちの体を分け与えるみたいに。

 などと、変なことを考えてしまう程度には俺も彰永に毒されていた。

 俺は、桂太からそっと手を離した。

「よーし。桂ちゃん、ちょっち豪遊してく?」

 何を勝手にと、歩美は怒るだろう。

 そう思って言ったのだが、歩美はなんだか変な顔をして黙っていた。俺は苦笑いした。

「おい」

「えっ? なに?」

「安心しろ。俺は子どもに変なことしない」

 彰永が世間にうといだけで、俺が宇宙人にさらわれていた話は、地元じゃ知られている。

 だから保育士になるのを学校から渋られたりもするわけだ。

 UFOに乗ったなどと自慢できるわけでもなし、歩美に自分から話したことはなかったが、そりゃどっかで耳には入るだろう。

 だが、歩美はそれを聞くなり、「はぁん!?」と怒ったイノシシみたいな声を上げた。

「お兄ちゃんがそんなことするとか、あたし考えたこともないんだけど。なんって失礼なこと言うの。信じられない。謝って!」

「は、はい。すみません」

 チンピラどころかヤクザだ。

 同居していた頃も、いつも怒っていて大変だった。旦那の苦労を察するに余りある。

 二十歳で桂太を授かって、すぐ結婚した時は、めでたいより何か苦い気持ちになった。

 要は嫉妬したのだ。

 俺が喉から手が出るほど欲しいものを、妹は簡単に手に入れられるんだと思って。

 まあ隣の芝生はなんとかってやつだ。歩美だって色々と苦労はあるんだろう。

 だとしても、自分から積極的に会いたいと思う相手ではないが。

 そんなことは何も知らない歩美は、俺に、仁王立ちして言う。

「今日は、これからお母さん達の所に泊まりに行くから。なんかいいヤツ見繕ってよね」

「はいはい。いつもありがとよ」

 思い出したように店に立ち寄っては、色々と買ってくれる。

 それも平日昼間というちょうど暇な時間だから、店としては助かる話だ。

 狂暴すぎるが、兄思いの良い妹ではあると思う。
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