【社会人BL】俺は雌イキしかできんのに彼氏が妊娠を恐れている…!?【トンデモR18】

春Q

文字の大きさ
17 / 36

★5.爆発の回想

しおりを挟む
 従業員食堂は広い。

 白いテーブルがずらっと並び、窓際にテレビが置いてある。

 隣には給湯ポットと電子レンジ。コーヒーの自販機もある。

 時間によっては食券を買って定食などを食べさせてもらえたりするらしいが、昼時に昼メシを食べられるような仕事でもなし、俺は利用したことがない。

 行けばいつも誰かしらいる。

 同じフロアの顔見知りがいれば、一緒に食ったりもできるけど、今日は自販機を補充している業者と、アパレルっぽいギャル二、三人しかいない。

 ん、奥のほうで契約をしている気配がある。

 制服と雰囲気から察するに地下の百均かな。テレビの音は上げないほうが良さそう。

 ちょっと食べたらスマホのタイマーかけて、テーブルに突っ伏して寝る。

 が、寝る前に彰永からメールが来た。

 放っといて休んでおくべきだが、この手の誘惑に俺はいつも抗うことができない。

「……ふふ」

 文面を見て気が抜けるように笑ってしまう。

 彰永は俺に輪をかけて頭がおかしいので、新居の間取りとかやたら送ってくる。

 実家暮らしの高給取りが本気を出すと恐ろしい。

 経済観念がバカなのだ。このゼロの数はワイドショーの結婚詐欺とかで見たことあるぞ。

 まあ、だとすればその詐欺師は俺なんだけれども。

 俺はテーブルに顔を埋めて笑ってしまった。

 はす向かいに座っていたギャルが不気味そうに席を離れて行くのがわかる。

 クソッ。ぜんぶ彰永のせいだ。

 これは本当に妊娠してやらないと親族その他から訴訟を受ける羽目になりかねん。

 ああ、でも、地球の医療が進むまではセックスしないとか抜かしてた。

 で、それはいつって話なんですよ。

 いやもう答え出ちゃってんじゃん。

 そんな日は永遠に来ねえよ。

 いえ、男同士で子供を授かる技術みたいなものはそりゃ需要があるだろうから、いつかはっていうのがあるかもしれないですね。

 でも、彰永は俺のケツに秘密の赤ちゃんの部屋があると思い込んでいるので、そこから赤ちゃんを引っ張り出す技術の話をしている。

 そんな頭おかしい医療技術がピンポイントに発達する未来は誰も目指していません。

 マジで夢の世界の話なので、俺が後ろから殴って気絶させてやった方が、まだ辿り着く可能性があるんじゃねえかな。

 ついでに俺のことも誰かに後ろから殴ってほしい。

 アレかな。レントゲンでも撮って、現実を突きつけてやれば解決するのだろうか。

 いやもう、事実がどうとか彰永にはもはや、通用しないんだよな。

 単なる思い込みの話だから。

 世界中の医者が口を揃えて説得したって『俺にしかわからないだけで、卯月は絶対に俺の赤ちゃんを妊娠できます』と言うだろう。

 ここでお待ちかね、我慢バトルの結果発表します!

 金曜の夜、俺たちは手を繋いで眠った。

 彰永のチンポが爆発したのは翌日の朝でした。

 予想通り、俺の圧勝★ しかし、ナカには出してもらえなかった。

 夢精していたので。

『ごめぇん……』

 両手で顔を覆った彰永の発した、死ぬほど情けない声。

 そのセリフがコイツの中で最大級の謝罪らしいことはすぐに理解した。

 俺は彰永の夢の中で種付けされたらしい俺に、本気で嫉妬した。

 手を繋いで一緒に寝て、俺を抱く夢を見て夢精するくらいなら、最初っから本人に射精キメれば良くないですか。

 ええっ、俺なにか間違ったこと言ってる?

 頭に来たので、シーツに付いた彰永の精液を犬みたいにペロペロ舐めた。

 土下座するみたいに頭を低くして、口に含んでヂュウヂュウ啜る。

 彰永が声も上げずにびっくり仰天しているのがわかった。

 俺は彰永が悲しんだり情けない顔をしたりするのは耐えられない。

 それなら変態じみた真似をして驚かせたほうがマシというものだ。

 でも、本当はそんな真似をしてでも精子を恵んでほしかった。

 カピカピになったチンポを舐めて、玉も、腿も、へそも全部舐めて綺麗にする。

 いや、俺の唾液で汚す、の間違いだろうか。

 当然のごとく、ヤツは再び勃起しはじめて、でも『ごめん、ごめん』と気持ちよさそうに首を振って謝るばかりだった。

 お願いですからお尻に挿れさせてください卯月様ァとかのおねだりもナシ。

 おいおい、マジかと思いつつ、そのまま口で爆発させた。

 謝りながらイくって最高だよな。

 この機に覚えるといいぜ、と柄にもない親切心でもう一回お掃除してやって、その繰り返しは彰永が本格的に泣きを入れてくるまで続いたが、俺のケツはずっとほったらかしだった。

 俺は一回もイッてないのに、彰永ばかりが気持ちいい思いをする。

 ひでえ話だ。

 彰永は頭が悪いので、フェラチオされた後にキスをしたがる。

 俺が旨そうに精液を貪るから、つい騙されちゃうんだろうな。

 俺は嫌とは言わんが、別にしたくない。

 そりゃ出所は彰永だろうけど、がんばって射精させたのは俺だぜ。

 独り占めする権利があってもいいんじゃないのか。

 そこまでして俺から返してほしがるくらいなら、そもそも出さずに大事にしまっとけよ。

 ちょっと落ち着いてから、俺はコンドームを知っているかと彰永に尋ねた。

 そして俺はコンドームの避妊率が八十パーセントという雑学を得た。
 
 つまりコンドームを使っても十回に二回の確率で俺は彰永に孕まされてしまうらしい。

 そして赤ちゃんは謎の部屋から出て来られず、俺は爆発してホラーかつスプラッタな死に様を晒すことになる……。

 セックス。

 命がかかっていると思うと、ハードすぎるギャンブルだぜ。もはやデスゲーム。

 女は偉いね。まあ、赤ちゃんをケツの中に閉じ込めちゃう男は世界で俺だけだと思うが。

 いいんですけどね。

 どのみち、俺はアナルセックスでナカ出しされないと気持ちよくなれないので。

 あくまで夢精しても俺を抱かなかった彰永のための提案だったのだ。

 まったく、大した男だぜ。

 でもそろそろ、本当に殺しちゃいそうな気がする。

 向こうもそのほうが幸せなんじゃないか?

 夢の中では俺のことめちゃくちゃに抱いて、妊娠させようとしてくれてたんだろ。

 じゃあそのピンポイント医療技術が発達した未来に行ける夢の中にいた方が幸せだろうよ。

 ちょくちょく幸せマイホームの間取りとか、庭付きとか、小学校が近いとか、色々と情報を送ってくれますが、だってそこでラブラブ同居を始めたところで、俺のケツにチンポを挿れてくれる気はないんですよね。

 彰永は、俺と、俺の赤ちゃんのためになることしか、考えてないから。

 俺は、自分が気持ちよくなることばっかり考えているのに。

 はーっ、と、休憩室で仮眠も取らず、深いため息をついてしまった。

 近くに座っていた100均の人らの契約もちょうど終わったらしい。

 書類を持ったエプロン姿の女と、いかにも高校生って感じの眼鏡くんが脇を通り過ぎる。

 これから店頭に立って本格的な研修だろうか。

 高校の頃の彰永も、あんな眼鏡をしていた。

 もっと背は高かったけど。いや高かったっけ。だって俺も身長が伸びたんだし。

 いやいや、なんでこれからバイトがんばるぞーって感じの高校生にまで無理やり彰永を重ねようとするんだ。

 気持ち悪い。この変態。

 ああ。

 もう、ダメなんだろうな。

 そう思った俺は、彰永にメールを送った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…? 2025/09/12 ★1000 Thank_You!!

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?

中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」 そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。 しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は―― ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。 (……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ) ところが、初めての商談でその評価は一変する。 榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。 (仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな) ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり―― なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。 そして気づく。 「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」 煙草をくゆらせる仕草。 ネクタイを緩める無防備な姿。 そのたびに、陽翔の理性は削られていく。 「俺、もう待てないんで……」 ついに陽翔は榊を追い詰めるが―― 「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」 攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。 じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。 【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】 主任補佐として、ちゃんとせなあかん── そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。 春のすこし手前、まだ肌寒い季節。 新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。 風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。 何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。 拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。 年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。 これはまだ、恋になる“少し前”の物語。 関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。 (5月14日より連載開始)

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

処理中です...