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『不思議な春の夜と「終わり」を感じた夏の日』初稿版 ─「終わり」を感じた夏の日─
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望んでも再会できない人との時間を過ごした建物が、まだ残っていた。
もう取り壊されたと思っていた、あの建物が。
駅との距離を、勘違いしていたんだね。
今日のような酷暑の日、駅まで一緒に歩いたのは途中からだった。
取り壊されたんだと思ったあの日、一緒に歩き始めた地点に建物がなくて、勘違いをしたんだ。
同じ建物で時間を過ごしていても、不思議と同時に出て一緒に歩く機会がなかったよね……。
あの時も同時には出なかったけど、途中から駅まで一緒に歩けた。
一度きりでも。
まだ残っている建物を見て、ようやく「終わり」を感じることができた。
そっくりな若者に会えたことは、きっと「終わり」の前触れだったんだ。
あの時は、嬉しかったよ。
さようなら。
もう取り壊されたと思っていた、あの建物が。
駅との距離を、勘違いしていたんだね。
今日のような酷暑の日、駅まで一緒に歩いたのは途中からだった。
取り壊されたんだと思ったあの日、一緒に歩き始めた地点に建物がなくて、勘違いをしたんだ。
同じ建物で時間を過ごしていても、不思議と同時に出て一緒に歩く機会がなかったよね……。
あの時も同時には出なかったけど、途中から駅まで一緒に歩けた。
一度きりでも。
まだ残っている建物を見て、ようやく「終わり」を感じることができた。
そっくりな若者に会えたことは、きっと「終わり」の前触れだったんだ。
あの時は、嬉しかったよ。
さようなら。
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