74 / 361
短絡的思考
しおりを挟む
「すまん、やっぱこれくらいしか思いつかん!」
俺は立ち上がって駆け出した。
「馬鹿っ!蜂の巣にされるかもしれないぞ!」
フレイに止められたが、俺にはこれしかできない。
(こい!矢を射った瞬間に場所を暴いてやる!)
俺が的になった瞬間!その時はきた。
一瞬影が光ったと思ったら矢が飛んんできた。
「待ってたぜ!この時を!」
俺は錬成を始める。
「無茶だ!剣ではその速度の矢を受け止められないぞ!」
彼にはそう言われたが、俺が今錬成しているのは剣ではない。
錬成したそれで矢を受け止める。
「あれは...木製の盾か!」
そう、俺が錬成したのは木製の軽い盾である。
いつもの金属の剣の錬成よりも早く作れるのが利点であるが、盾という装備があまり好きではないので使用頻度は限りなく低い。
だが、これなら見てから防げる。
「悪いが!俺は動体視力はいい方なんだよ!大体敵の位置はわかった、突っ込むぞ!」
「チコ!トウマの援護を頼む!」
「わかっています!」
フレイの命令で、俺の後を追うようにチコがついてくる。
「盾を燃やさないでくれよ」
「私はそこまで間抜けではありません」
俺とチコが突撃すると、敵の正体がわかった。
蚊だ、とてつもなくでかい蚊が羽音混じりに飛翔した。
「なんだありゃあ!デケェ!」
「あんな魔物如きが結界を?...」
何やら不満そうな表情を浮かべるチコを尻目に俺は剣を錬成する。
「チコ!力を貸してくれ、俺じゃ空の敵を撃ち落せない」
「わかりました、私の炎でなんとかしてみます」
「守りは任せろ!俺が死ぬ気で守ってやるからよ!」
俺は宣言通り彼女の前に立ち発射されてくる針を防ぐ。
蚊の放つ針が、さっきフレイの腕に刺さっていた物と一致しているのでこいつが犯人で間違いない。
「やっぱりこいつが犯人か!」
「次来ます!」
「任せろ!」
とにかく俺は防ぐことに集中する。
チコが攻撃の魔法を空に向けて放っているがなかなか当たらない。
確かに奴は素早い。
持久戦になるとフレイの出血が心配になった俺はチコにこう呟く。
「チコ、俺が一瞬だけあいつの注意を割く、その瞬間を狙え!」
俺は弓矢を錬成して構える。
当然盾は構えられないので1発だけ針を腹部に貰った。
針の痛みが脳に伝わり、よろけそうになるが堪える。
「歯ぁ食いしばれ!虫ヤロー!」
俺の矢が空を切り奴の動きを牽制した。
チコの炎と合わせたことで逃げ場が一箇所しかない。
「今だ!」
「わかっています!」
チコの特大の火球が蚊に命中すると、奴は燃え尽きていく。
俺は剣を錬成し、とどめとばかりに黒焦げになった奴を突き刺すと、ボロボロと体が崩れ去った。
「やりぃ!」
俺は飛び跳ねながら喜んだが、腹部の痛みが少し酷くなったのでうずくまった。
「痛てて...、腹が痛ぇな...」
「無理するからですよ」
俺は笑いながらチコの方を向いた。
「でもこれで結界が剥がれたんじゃないか?あいつは倒したみたいだし」
俺がそう言った瞬間。
無数の羽ばたき音とともに大量の奴が現れる。
「なっ!?あり得ないだろ...あの量がここにいたってぇのか!?」
その数約20、途方も無い数に俺の足は震えていた。
しかも、その後ろに大王のような奴が黒い玉座に腰をかけてこちらを見下ろしている。
チコの方を向くと、彼女の体も震えているのがわかった。
くそ、俺も奴らにびびっている...、体が動かねぇ...。
20匹の一斉射撃を受けた俺たちは崩れ去る。
全身がいてぇ...。
目が霞む、針の当たった場所から血が流れ激痛を感じる。
何発かは防いだが全部は無理だ、針が無数に刺さり、針山のようになったチコを抱き寄せて盾を構える。
次に一斉射撃を受けたら無事では済まないだろう。
俺が覚悟を決めて目を閉じた時、最近聞いたことのある声が聞こえた気がした。
俺は立ち上がって駆け出した。
「馬鹿っ!蜂の巣にされるかもしれないぞ!」
フレイに止められたが、俺にはこれしかできない。
(こい!矢を射った瞬間に場所を暴いてやる!)
俺が的になった瞬間!その時はきた。
一瞬影が光ったと思ったら矢が飛んんできた。
「待ってたぜ!この時を!」
俺は錬成を始める。
「無茶だ!剣ではその速度の矢を受け止められないぞ!」
彼にはそう言われたが、俺が今錬成しているのは剣ではない。
錬成したそれで矢を受け止める。
「あれは...木製の盾か!」
そう、俺が錬成したのは木製の軽い盾である。
いつもの金属の剣の錬成よりも早く作れるのが利点であるが、盾という装備があまり好きではないので使用頻度は限りなく低い。
だが、これなら見てから防げる。
「悪いが!俺は動体視力はいい方なんだよ!大体敵の位置はわかった、突っ込むぞ!」
「チコ!トウマの援護を頼む!」
「わかっています!」
フレイの命令で、俺の後を追うようにチコがついてくる。
「盾を燃やさないでくれよ」
「私はそこまで間抜けではありません」
俺とチコが突撃すると、敵の正体がわかった。
蚊だ、とてつもなくでかい蚊が羽音混じりに飛翔した。
「なんだありゃあ!デケェ!」
「あんな魔物如きが結界を?...」
何やら不満そうな表情を浮かべるチコを尻目に俺は剣を錬成する。
「チコ!力を貸してくれ、俺じゃ空の敵を撃ち落せない」
「わかりました、私の炎でなんとかしてみます」
「守りは任せろ!俺が死ぬ気で守ってやるからよ!」
俺は宣言通り彼女の前に立ち発射されてくる針を防ぐ。
蚊の放つ針が、さっきフレイの腕に刺さっていた物と一致しているのでこいつが犯人で間違いない。
「やっぱりこいつが犯人か!」
「次来ます!」
「任せろ!」
とにかく俺は防ぐことに集中する。
チコが攻撃の魔法を空に向けて放っているがなかなか当たらない。
確かに奴は素早い。
持久戦になるとフレイの出血が心配になった俺はチコにこう呟く。
「チコ、俺が一瞬だけあいつの注意を割く、その瞬間を狙え!」
俺は弓矢を錬成して構える。
当然盾は構えられないので1発だけ針を腹部に貰った。
針の痛みが脳に伝わり、よろけそうになるが堪える。
「歯ぁ食いしばれ!虫ヤロー!」
俺の矢が空を切り奴の動きを牽制した。
チコの炎と合わせたことで逃げ場が一箇所しかない。
「今だ!」
「わかっています!」
チコの特大の火球が蚊に命中すると、奴は燃え尽きていく。
俺は剣を錬成し、とどめとばかりに黒焦げになった奴を突き刺すと、ボロボロと体が崩れ去った。
「やりぃ!」
俺は飛び跳ねながら喜んだが、腹部の痛みが少し酷くなったのでうずくまった。
「痛てて...、腹が痛ぇな...」
「無理するからですよ」
俺は笑いながらチコの方を向いた。
「でもこれで結界が剥がれたんじゃないか?あいつは倒したみたいだし」
俺がそう言った瞬間。
無数の羽ばたき音とともに大量の奴が現れる。
「なっ!?あり得ないだろ...あの量がここにいたってぇのか!?」
その数約20、途方も無い数に俺の足は震えていた。
しかも、その後ろに大王のような奴が黒い玉座に腰をかけてこちらを見下ろしている。
チコの方を向くと、彼女の体も震えているのがわかった。
くそ、俺も奴らにびびっている...、体が動かねぇ...。
20匹の一斉射撃を受けた俺たちは崩れ去る。
全身がいてぇ...。
目が霞む、針の当たった場所から血が流れ激痛を感じる。
何発かは防いだが全部は無理だ、針が無数に刺さり、針山のようになったチコを抱き寄せて盾を構える。
次に一斉射撃を受けたら無事では済まないだろう。
俺が覚悟を決めて目を閉じた時、最近聞いたことのある声が聞こえた気がした。
0
あなたにおすすめの小説
精霊さんと一緒にスローライフ ~異世界でも現代知識とチートな精霊さんがいれば安心です~
舞
ファンタジー
かわいい精霊さんと送る、スローライフ。
異世界に送り込まれたおっさんは、精霊さんと手を取り、スローライフをおくる。
夢は優しい国づくり。
『くに、つくりますか?』
『あめのぬぼこ、ぐるぐる』
『みぎまわりか、ひだりまわりか。それがもんだいなの』
いや、それはもう過ぎてますから。
才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!
にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。
そう、ノエールは転生者だったのだ。
そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。
異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~
ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。
しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。
やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。
そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。
そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。
これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。
召喚されたら聖女が二人!? 私はお呼びじゃないようなので好きに生きます
かずきりり
ファンタジー
旧題:召喚された二人の聖女~私はお呼びじゃないようなので好きに生きます~
【第14回ファンタジー小説大賞エントリー】
奨励賞受賞
●聖女編●
いきなり召喚された上に、ババァ発言。
挙句、偽聖女だと。
確かに女子高生の方が聖女らしいでしょう、そうでしょう。
だったら好きに生きさせてもらいます。
脱社畜!
ハッピースローライフ!
ご都合主義万歳!
ノリで生きて何が悪い!
●勇者編●
え?勇者?
うん?勇者?
そもそも召喚って何か知ってますか?
またやらかしたのかバカ王子ー!
●魔界編●
いきおくれって分かってるわー!
それよりも、クロを探しに魔界へ!
魔界という場所は……とてつもなかった
そしてクロはクロだった。
魔界でも見事になしてみせようスローライフ!
邪魔するなら排除します!
--------------
恋愛はスローペース
物事を組み立てる、という訓練のため三部作長編を予定しております。
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、生命を懸けて鬩ぎ合い、幾度も涙を流す旅路の中で自分の在り方を探す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※基本週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開中(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
婚約破棄された「無能」聖女、拾った子犬が伝説の神獣だったので、辺境で極上もふもふライフを満喫します。~捨てた国が滅びそう?知りません~
ソラ
ファンタジー
「エリアナ、貴様との婚約を破棄し、この国から追放する!」
聖女としての魔力を使い果たし、無能と蔑まれた公爵令嬢エリアナ。
妹に婚約者を奪われ、身一つで北の最果て、凍てつく「死の森」へと捨てられる。
寒さに震え死を覚悟した彼女が出会ったのは、雪に埋もれていた一匹の小さなしっぽ。
「……ひとりぼっちなの? 大丈夫、私が温めてあげるわ」
最後の手向けに、残されたわずかな浄化の力を注いだエリアナ。
だが、その子犬の正体は――数千年の眠りから目覚めた、世界を滅ぼす伝説の神獣『フェンリル』だった!
ヒロインの淹れるお茶に癒やされ、ヒロインのブラッシングにうっとり。
最強の神獣は、彼女を守るためだけに辺境を「極上の聖域」へと作り替えていく。
一方、本物の聖女(結界維持役)を失った王国では、災厄が次々と降り注ぎ、崩壊の危機を迎えていた。
今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくる王子たち。
けれど、エリアナの膝の上には、甘えん坊の神獣様(執着心MAX)が陣取っていて――。
「聖女の仕事? いえ、今は神獣様とのお昼寝の方が忙しいので」
無自覚チートな聖女と、彼女にだけはデレデレな神獣様による、逆転溺愛スローライフが幕を開ける!
(本作品はAIを活用して構成・執筆しています)
捨てられ王女ですが、もふもふ達と力を合わせて最強の農業国家を作ってしまいました
夏見ナイ
ファンタジー
魔力ゼロの『雑草王女』アリシアは、聖女である妹に全てを奪われ、不毛の辺境へ追放された。しかし、彼女を慕う最強の騎士と、傷ついた伝説のもふもふとの出会いが運命を変える。
アリシアの力は魔力ではなく、生命を育む奇跡のスキル『万物育成』だった! もふもふ達の力を借り、不毛の大地は次々と奇跡の作物で溢れる緑豊かな楽園へと変わっていく。
やがて人々が集い、彼女を女王とする最強の農業国家が誕生。その頃、アリシアを捨てた祖国は自滅により深刻な食糧難に陥っていた――。
これは、優しき王女が愛する者たちと幸せを掴む、心温まる逆転建国ファンタジー。
150年のりんご採取で異世界最強の大魔導士になった私は、林檎の聖女と讃えられ可愛い弟子たちと平和なスローライフを満喫します!
風戸輝斗
ファンタジー
「誰かのためにがんばれる子になりなさい」という母からの教えを忠実に守り過労死した降幡理央は、プリオリという若々しい少女となって魔法やモンスターが存在する異世界に転生する。
彼女が転移した地は「林檎の森」と呼ばれる(結界が張られているために世界からは隔絶されている)場所だった。
どれだけ採取しても底尽きることのないりんごであふれるその森で、プリオリはりんご採取の日々に明け暮れる。その間、彼女のスキルである【採取】が機能し、それによりりんごを採取するだけで経験値が入る。
そんな日々を150年繰り返し、プリオリは異世界最強の魔導士となる。
結界の存在を知らず異世界に存在する人間は自分ひとりだけだと思っていたプリオリだが、意図せず結界を壊したことで世界が拓け、人間と交流を育むようになる。
林檎の森が突如現れた謎の地であるため、そこに住んでいたプリオリは魔女だと恐れられ皇女から処刑宣告までされてしまうが、人間と魔族の争いに終止符を打つことで不信感は払拭される。そして、世界を救った林檎の聖女だと人間と魔族双方から讃えられるようになる。林檎の森の聖女様だから、林檎の聖女である。
こうしてはじまる林檎の聖女となったプリオリの新たなスローライフ。
ダンジョンの奥底で助けた謎の金色もふもふペットメープルとふたりで過ごす日常に、盗みたくないけど盗みを繰り返していた13歳の少女モカモカが弟子として加わり、魔族王妃の娘であり人類滅亡を悲願とする13歳の少女ギルティアも弟子として加わって……。
これは、異世界最強の魔導士である林檎の聖女様がスローライフを満喫しようとする物語。
あるいは、お師匠様として、お母さんとして、ふたりの少女を幸せに導こうと奮闘する物語。
※「小説家になろう」「カクヨム」様にもマルチ投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる