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しおりを挟むそんなこんなで合宿が終わり、私の部屋にリーシャとイフ、イオが増えた。
竜が着々と増えている気がする。
合宿が終わり、すぐにイベントがある。
教官にも条件に出された武闘大会だ。
私は個人に出ることは決定している。
団体戦は3人だが集められる気がしなかったのだ。
レオは多分、了承はしてくれるだろうがもう1人がいないのだ。
「行ってきますわ。
エデン、リーシャをお願いします。
リーシャ、エデンと一緒であれば部屋から出ても構いませんわ」
「うん!
分かった!」
「エデン、昼食の時間にはリーシャ、イオ、イフを連れて食堂へ来てください。
お金は渡しておきますわ。
先に食べていても問題ありません」
エデンならば場所が分かるだろう。
イフとイオは来たばかりなので分からないかもしれないのだ。
なのでどうしてもエデンを残す必要があった。
「承知した。
だが、イフトかイオのどちらかは連れて行け」
「では……」
「僕にしておけ!」
……不安はあるが、ここは本人の意思を尊重しておくとしよう。
最悪、戻せばいい。
「では、イオを連れて行きます。
エデン、イフ、リーシャの事を頼みます」
イオの支度が終わったところで部屋を出ると、部屋の前にはレオが待っていた。
「リア、行くぞ。
……今日はイオも一緒か。
エデンは子守りか」
「えぇ。
イフとリーシャではここのことは分かれないでしょうから。
……そう言えば、レオは既に武闘大会の参加用紙を提出したのですか?」
「いや、まだだ。
リアは出したのか?」
「今日中に出す予定ですわ」
昨日は戻ってきてすぐ赤の依頼を受けてきていたのでバタバタして出せなかったのだ。
そのため、今日には出そうと決めていた。
期限は明日まであるが。
「そう、か。
カナンには話をしたのだが、リアさえ良ければ3人で団体戦に出ないか?」
「団体戦、ですの?
ですが、3人が剣となるとバランスが悪くなりますわ」
「そこはなんとでもなるだろう?
誰か一人が援護に回るでも、弓を使うでもな」
そう言われればそうだが……レオは弓を限定的にしか使えないので前衛は確定だろう。
カナンさんは分からないが私が後衛をやることになる気がするのは気の所為だろうか?
「どうだ?」
「……カナンさんには既に話をしているのでしょう?
ならば受けますわ」
「そうか」
短い言葉ではあったが、そこには確かに喜色の色が伺えた。
私が受けたのはカナンさんのためだ。
レオがカナンさんに話を通してしまった以上、あともう1人を見つけるか、個人に出るしかなくなってしまうのだ。
そうなれば、カナンさんには申し訳ない。
それだけであった。
「あ……アメリアさん、レオニードさん!」
「カナンさん、おはようございます」
「カナン、昼に3人で紙を出しに行くぞ」
「はい!
よろしくお願いします。
僕では足でまといになってしまうかも知れませんが……」
足でまといなんてそんな……私が許すはずがない。
大会までにはどうにかするに決まっている。
これからギルドの依頼を3人で受けるのもいいかもしれない。
「……リア、程々にしろ」
「あら、心外ですわ。
私はただ、ギルドの依頼を3人で受けるのもいいかもしれないと思っただけですのに」
「あ、バランスも見なければいけませんよね……」
カナンさんは検討外れの事を口にするがそれで通しておいた方がいいかもしれない。
さすがに強くするために……などと言っても怖がらせることになるかもしれないし。
というわけで、昼に紙を提出し、リーシャやイフにも校内の簡単な説明をした後私たち3人はギルドへ向かった。
レオは私の目的について分かっているようだが何も言わないということは問題ないと思っているということだろう。
「あ!
アメリアさん、マスターが昇格試験のことでお話があるとのことです!」
「あら……カナンさん、レオ、申し訳ありませんが……マスターの部屋に行きましょう」
「あぁ」
「へっ……?」
私は笑顔で押し切ると、そのまま2人を連れてマスターの部屋へ入っていった。
勿論、ノックはしていない。
下手にやると壊れることがあるからだ。
「……アメリア!!
またノックをせずに……!!
……まぁいい。
昇格試験は来週だ。
担当の受付嬢に伝えておこう。
で、依頼を受けに来たんだろう?
こんなものはどうだ?」
マスターに押し付けられた依頼はAランク依頼、デッドウルフの討伐。
デッドウルフは死をまとうと言われている魔獣だ。
精神に影響を与え、自殺を促す魔法を使用するのでとても面倒な魔獣だ。
まぁ、私やレオには問題無いが。
それを分かっての斡旋だろう。
ただ、カナンさんもいるので少し不安だが経験を付けるという意味ではいいかもしれない。
精神系の魔法を使う人もいるかもしれないし。
そんなわけで、今回もマスターからの斡旋依頼を受けることになった。
……最近便利屋のように思われていそうで嫌なのだが。
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