竜使いの伯爵令嬢は婚約破棄して冒険者として暮らしたい

紗砂

文字の大きさ
59 / 69

58

しおりを挟む

そんなこんなで合宿が終わり、私の部屋にリーシャとイフ、イオが増えた。
竜が着々と増えている気がする。

合宿が終わり、すぐにイベントがある。
教官にも条件に出された武闘大会だ。
私は個人に出ることは決定している。
団体戦は3人だが集められる気がしなかったのだ。
レオは多分、了承はしてくれるだろうがもう1人がいないのだ。


「行ってきますわ。
エデン、リーシャをお願いします。
リーシャ、エデンと一緒であれば部屋から出ても構いませんわ」

「うん!
分かった!」

「エデン、昼食の時間にはリーシャ、イオ、イフを連れて食堂へ来てください。
お金は渡しておきますわ。
先に食べていても問題ありません」


エデンならば場所が分かるだろう。
イフとイオは来たばかりなので分からないかもしれないのだ。
なのでどうしてもエデンを残す必要があった。


「承知した。
だが、イフトかイオのどちらかは連れて行け」

「では……」

「僕にしておけ!」


……不安はあるが、ここは本人の意思を尊重しておくとしよう。
最悪、戻せばいい。


「では、イオを連れて行きます。
エデン、イフ、リーシャの事を頼みます」


イオの支度が終わったところで部屋を出ると、部屋の前にはレオが待っていた。


「リア、行くぞ。
……今日はイオも一緒か。
エデンは子守りか」

「えぇ。
イフとリーシャではここのことは分かれないでしょうから。

……そう言えば、レオは既に武闘大会の参加用紙を提出したのですか?」

「いや、まだだ。
リアは出したのか?」

「今日中に出す予定ですわ」


昨日は戻ってきてすぐ赤の依頼を受けてきていたのでバタバタして出せなかったのだ。
そのため、今日には出そうと決めていた。
期限は明日まであるが。


「そう、か。
カナンには話をしたのだが、リアさえ良ければ3人で団体戦に出ないか?」

「団体戦、ですの?
ですが、3人が剣となるとバランスが悪くなりますわ」

「そこはなんとでもなるだろう?
誰か一人が援護に回るでも、弓を使うでもな」


そう言われればそうだが……レオは弓を限定的にしか使えないので前衛は確定だろう。
カナンさんは分からないが私が後衛をやることになる気がするのは気の所為だろうか?


「どうだ?」

「……カナンさんには既に話をしているのでしょう?
ならば受けますわ」

「そうか」


短い言葉ではあったが、そこには確かに喜色の色が伺えた。

私が受けたのはカナンさんのためだ。
レオがカナンさんに話を通してしまった以上、あともう1人を見つけるか、個人に出るしかなくなってしまうのだ。
そうなれば、カナンさんには申し訳ない。
それだけであった。


「あ……アメリアさん、レオニードさん!」

「カナンさん、おはようございます」

「カナン、昼に3人で紙を出しに行くぞ」

「はい!
よろしくお願いします。
僕では足でまといになってしまうかも知れませんが……」


足でまといなんてそんな……私が許すはずがない。
大会までにはどうにかするに決まっている。
これからギルドの依頼を3人で受けるのもいいかもしれない。


「……リア、程々にしろ」

「あら、心外ですわ。
私はただ、ギルドの依頼を3人で受けるのもいいかもしれないと思っただけですのに」

「あ、バランスも見なければいけませんよね……」


カナンさんは検討外れの事を口にするがそれで通しておいた方がいいかもしれない。
さすがに強くするために……などと言っても怖がらせることになるかもしれないし。


というわけで、昼に紙を提出し、リーシャやイフにも校内の簡単な説明をした後私たち3人はギルドへ向かった。
レオは私の目的について分かっているようだが何も言わないということは問題ないと思っているということだろう。


「あ!
アメリアさん、マスターが昇格試験のことでお話があるとのことです!」

「あら……カナンさん、レオ、申し訳ありませんが……マスターの部屋に行きましょう」

「あぁ」

「へっ……?」


私は笑顔で押し切ると、そのまま2人を連れてマスターの部屋へ入っていった。
勿論、ノックはしていない。
下手にやると壊れることがあるからだ。


「……アメリア!!
またノックをせずに……!!
……まぁいい。
昇格試験は来週だ。
担当の受付嬢に伝えておこう。

で、依頼を受けに来たんだろう?
こんなものはどうだ?」


マスターに押し付けられた依頼はAランク依頼、デッドウルフの討伐。
デッドウルフは死をまとうと言われている魔獣だ。
精神に影響を与え、自殺を促す魔法を使用するのでとても面倒な魔獣だ。

まぁ、私やレオには問題無いが。
それを分かっての斡旋だろう。
ただ、カナンさんもいるので少し不安だが経験を付けるという意味ではいいかもしれない。
精神系の魔法を使う人もいるかもしれないし。


そんなわけで、今回もマスターからの斡旋依頼を受けることになった。


……最近便利屋のように思われていそうで嫌なのだが。
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

「お前を愛することはない」と言われたお飾りの妻ですが、何か?

あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することはない!」「そんな事を言うために女性の寝室に押し入ったのですか? もう寝るつもりで化粧を落として髪をほどいて寝着に着替えてるのに! 最っ低!」 仕事大好き女が「お飾りの妻最高!」と恋愛感情無しで結婚したらこうなるよね、というお話。

王太子に理不尽に婚約破棄されたので辺境を改革したら、王都に戻ってきてくれと言われました

水上
恋愛
【全18話完結】 「君は中身まで腐っている」と婚約破棄されたエリアナ。 そんな彼女は成り行きで辺境へ嫁ぐことに。 自身の知識と技術で辺境を改革するエリアナ。 そんな彼女を、白い結婚のはずなのに「膝枕は合理的だ」と甘やかす夫。 一方、エリアナを追放した王都では、彼女の不在の影響が出始めて……。

「不吉な黒」と捨てられた令嬢、漆黒の竜を「痛いの飛んでいけー!」で完治させてしまう

ムラサメ
恋愛
​漆黒の髪と瞳。ただそれだけの理由で「不吉なゴミ」と虐げられてきた公爵令嬢ミア。 死の森に捨てられた彼女が出会ったのは、呪いに侵され、最期を待つ最強の黒竜と、その相棒である隣国の竜騎士ゼノだった。 しかし、ミアが無邪気に放った「おまじない」は、伝説の浄化魔法となって世界を塗り替える。 向こう見ずな天才騎士に拾われたミアは、隣国で「女神」として崇められ、徹底的に甘やかされることに。 一方、浄化の源を失った王国は、みるみるうちに泥沼へと沈んでいき……?

前世で追放された王女は、腹黒幼馴染王子から逃げられない

ria_alphapolis
恋愛
前世、王宮を追放された王女エリシアは、 幼馴染である王太子ルシアンに見捨てられた―― そう思ったまま、静かに命を落とした。 そして目を覚ますと、なぜか追放される前の日。 人生、まさかの二周目である。 「今度こそ関わらない。目立たず、静かに生きる」 そう決意したはずなのに、前世では冷酷無比だった幼馴染王子の様子がおかしい。 距離、近い。 護衛、多い。 視線、重い。 挙げ句の果てに告げられたのは、彼との政略結婚。 しかもそれが――彼自身の手で仕組まれたものだと知ってしまう。 どうやらこの幼馴染王子、 前世で何かを盛大に後悔したらしく、 二度目の人生では王女を逃がす気が一切ない。 「愛されていなかった」と思い込む王女と、 「二度と手放さない」と決めた腹黒王子の、 少し物騒で、わりと甘い執着政略結婚ラブストーリー。

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。 その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。 そこで待っていたのは、最悪の出来事―― けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。 夫は愛人と共に好きに生きればいい。 今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。 でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。 妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。 過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――

「無能」と捨てられた少女は、神の愛し子だった――。 凍てつく北の地で始まる、聖獣たちと冷徹公爵による「世界一過保護な」逆転生活。

秦江湖
恋愛
魔法適性「鑑定」がすべてを決める、黄金の国ルミナリス。 名門ベルグラード公爵家の末娘アデリーンは、十五歳の鑑定式で、前代未聞の『鑑定不能(黒の沈黙)』を叩き出してしまう。 「我が家の恥さらしめ。二度とその顔を見せるな」 第一王子からは婚約破棄を突きつけられ、最愛の三人の兄たちからも冷酷な言葉とともに、極寒の地「ノースガル公国」へ追放を言い渡されたアデリーン。 着の身着のままで雪原に放り出された彼女が出会ったのは、一匹の衰弱した仔狼――それは、人間には決して懐かないはずの『伝説の聖獣』だった。 「鑑定不能」の正体は、魔力ゼロなどではなく、聖獣と心を通わせる唯一の力『調律師』の証。 行き倒れたアデリーンを救ったのは、誰もが恐れる氷の公爵ゼノスで……。 「こんなに尊い存在を捨てるとは、黄金の国の連中は正気か?」 「聖獣も、私も……お前を離すつもりはない」 氷の公爵に拾われ、聖獣たちに囲まれ、これまでの不遇が嘘のような「極上溺愛」を享受するアデリーン。 一方で、彼女を捨てた黄金の国は、聖獣の加護を失い崩壊の危機に直面していた。 慌ててアデリーンを連れ戻そうとする身勝手な王族たち。 しかし、彼らの前には「復讐」の準備を終えたアデリーンの兄たちが立ちはだかる。 「遅いよ。僕らのかわいい妹を泣かせた罪、一生かけて償ってもらうからね」 これは、すべてを失った少女が、真の居場所と愛を見つけるまでの物語。

虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました

たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。

偽りの婚約者だった公爵令嬢、婚約破棄されてから本物の溺愛をされるまで

nacat
恋愛
平民出身ながら伯爵家に養子に入ったリリアーナは、王太子の婚約者“代役”として選ばれた。 王家の都合で結ばれたその関係に、彼女は決して本気にならないはずだった。 だが、王太子が本命の公爵令嬢を選んで婚約破棄を告げた瞬間、リリアーナは静かに微笑んだ――。 「お幸せに。でも、“代役”の私を侮ったこと、きっと後悔させてあげますわ」 婚約破棄後、彼女は外交の任務で隣国へ。 そこで出会った冷徹な将軍との出会いが、すべてを変えていく。 “ざまぁ”と“溺愛”がスパイラルのように絡み合う、痛快で甘くて尊い恋愛劇。 ///////

処理中です...