桃李し男は鬼愛し

佐橋 竜字

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14.これで終わったとお思いか?



 翌朝、先に目が覚めたのは俺の方だった。
「・・・・・・」
 あれ? 先生がいない。そう思ったら、お腹のあたりが凄く温かったので覗いてみた。
「・・・スーッ・・・」
 寝息が聞こえた。
 ははぁ~ん。先生は彼女に腕枕派ではなく、腰に抱きつく甘えん坊派か。
「あ」
 つむじが見える。先生背も高いし中々見れないし。その、よく見て無かったけど、こ、こぅ抱きついた時、背幅もあって、筋肉質で、あ、鬼モードだけかなって思ったけど、普通モードでも羨ましいガタイしてたなぁ。スーツのせいか、細くシュッとして見えるけど、結構いい体付きしてたなぁ・・・て、あぁ俺何乙女モード入ってんの? 童貞捨てる前に処女捨てたとか。
「・・・・・・」
 先生、今、めっちゃ無防備なんじゃね? 嘘だろあの先生が?
 いかんいかん。顔がにやけてしまう。それよりも今何時だろう。
「携帯・・・携帯・・・」
 起き上がろうとしたら、グッとホールドされた。
「? 先生?」
 起きたのだろうか。
「スーッ・・・クゥーッ」
 寝息が聞こえる。反射行動なだけか。
 再び起き上がろうと試みる。
「わっ」
 布団の中に引き吊り困れた。
「もも・・・」
 もも?
 いつもの食べる『桃』とのイントネーションが違う。名前やあだ名のような呼び方。
「せ・・・んぁっ」
 横抱きに、いきなりペニスが入って来た。朝勃ちは男の生理的現象で、でも先生のは絶対にフル勃起だ、完成形態が。
「ふぁ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、せぇ」
 散々昨夜出された精液と共に凶器でかき混ぜて来る。
「ふぁ、や、せ、せぇ、なぁ、せっ」
 ぐちゅぐちょと突かれる度に聞こえるいやらしい音と、中の精液を掻きまわすもんだから、その名残が溢れて零れてきて、太ももを伝う感触に、快感の拍車がかかる。
「あぁ、んっ、せ、らめ、も、イッ」
 もう敏感なこの体はすぐに達した。
「あぁ、あ、ふっあく」
 ビクンビクンと快感に跳ね痙攣する。その体を容赦なく揺さぶり、締め付ける俺の膣の肉襞を擦り、奥へ突き返し、腰を振り乱す。
「フー、フーッ、んんっ・・・」
「ふぁっ・・・あ・・・んん」
 どぶっとまた濃そうな熱い吐瀉物を奥に感じた。散々出したはずなのに。お腹はパンパンでもう入りきらない。
「っつあああああ・・・ぁ」
 入りきれない精液をこれでもかと奥に、奥にと穿って射精する。
「ああん、あん、あ、あひぃぁ、あ」
 ついに逆流し、昨晩の精液が結合部からごぶっと溢れ返る。女だったら確実に妊娠してる。
「んん~?」
 この声の感じ。
「あぁ~?」
「ばか、ぁっ、こら!」
 寝ぼけながら腰振って来るな!
「なんか、きもちぃ~? ん~?」
「あ、あ、あ、せ、んせ、こらぁっ」
「ん~? もういっかい、だすぅ~」
 この甘え声!? 寝ぼけてる!?
「ふぅふぅふぅふぅふぅふぅ」
「あ、あ、あ、ああああああああああ」
 また激しい打ち付けに快感が沸き起こる。
「んんくっ」
「ひぁんっ」
 また射精。
「んんんん~んん~」 
 今度は射精しながらペニスを中でこねくり回す。
「あぁぁ、やぁ、だ、め、せ、せんえぇ」
「ふん」
「っぁ、あ、あ・・・」
 またイかされた。朝から二回も。
「あぁ~締まる~あ~まだ出る~」
 ゴボゴボと結合部から精液が溢れ零れる。
「はぁ・・・はぁ・・・」
 腰が抜けて、力が入らない。
「あ」
 気が付いた、とばかりの声が振って来た。
「と、董一郎・・・」
 思い切り睨み付けた。
「ふぁっ」
 ようやく凶器が抜かれて、その反動でもトロトロと零れた。いやらしく、先生のペニスの亀頭と俺のお尻の穴で濃くて太い粘着質のある糸が繋がり伝う。
「うわぁ、凄い精液。オレ凄いなべっとべとだよ」
「馬鹿! 朝から! この性豪! 腰、抜けて、力入んないだろ馬鹿鬼! うぅ」
「ご、ごめんよ。凄い気持ち良くて、こんな最高な気分の朝を迎えたのは初めてだ」
「んなこと聞いてねぇ! ばかぁぁぁ」
 本当に動けない。
「ごめんごめん。お風呂、行こう」
 俺を軽々と掬い揚げお姫様だっこするなり、甲斐甲斐しくお風呂に入れてくれた。
「痒いところはございませんか」
「・・・うん」
「お背中流しますね」
「ぅん」
「よっこらせ」
 一緒にお風呂に入る。朝風呂も凄く心地がイイ。
「・・・先生」
「なぁに」
「腰に当たってる。当ててるのかよ」
 俺の背に先生も湯船に浸かって、るのはいいけど、腰にまだアレが当たる。
「君を前にするとどうもね。こんなに相性がいいのは初めてだよ」
「そりゃどうも。嬉しくない。腰が死ぬ」
「スイマセン」
「ひゃっ」
 いきなり後ろから腰を掴まれた。
 俺が死ぬ!
「もう無理だかんな!?」
「分かってるよ。血行をよく促しているだけ、どう?」
「?」
 腰が確かに、お湯じゃない、何かじんわりとした熱を感じる。
「立ってみて」
「そんなすぐには立てない」
「いいから、ほら」
 半信半疑、ゆっくり足に力を入れて、立ってみた、立てた。
「立てた・・・」
「今日も出来ないのは困るから」
「今日もすんのかよ!?」
「でもブレスレットが出来上がったようだし、昨晩みたくちょっと本気にはならない・・・と思う」
「あれで『ちょっと』!?」
 何ソレ怖い!
「あぁ、まぁね」
 笑ってない笑みが復活。
「繁殖期っていうか発情期に入ったら、ねぇ。おニャの子だと壊れちゃうから複数の桃の子に相手してもらってたけど」
 なんかそんなこと聞いたような。
 お風呂に入ってるのに何だこの寒気は。
「君となら一回で得られる快楽が大きいから、二・三日で済むかも」
「こええーから! 一体何日励むんだよ馬鹿!」
 もう聞きたくない。
 慌てて出ようとしたら、足がカクンとなった。
「わ」
 先生が腰を支えてくれた。しかし、その向けられる笑みは純粋なものではない。
「今日は無理しないで。オレがエスコートするからお姫様」
「キーッ! 誰のせいだと思ってぇ」
「責任取りますから」
 ようやくお風呂から上がった。まぁ、腰も大分ましになった。
「これ」
「え?」
 手際よく、見たことのないものを付けさせられた。
「え、ちょ、なにこれ」
 おいおいどう見ても白のTバックに見えるんだけど。
「貞操帯」
「っててててててていそ」
 その上にいつものブリーフパンツを履かされた。
「大をしたい時ズラすか、オレ以外外せないから」
「なんっふがっ」
 パーカーを着せられた。
「他所の鬼にお気に入りの桃を触られたくないからね、牽制だよ」
 自分の物アピールか。
「それに」
 先生は何処か、俺の後ろかその先を見た。
「?」
「桃にも介入されたくないからね」
 ゴクリ。
 先生の殺気を感じた。
「とまぁ、冗談は後にして」
「はぁ、冗談か」
「いや本気」
「どっちだよ」
「どっちも本気」
 もう訳が分からない。
「昨晩君しか食べてないからお腹がすいた。朝食食べよう」
「ほんとにな!?」
 早々に着替えて身支度して、早朝の空気を吸った。
「はぁ・・・」
 自然の空気が美味しい。
 ぶわっと俺の視線に桃色の長い髪が風で棚引く。
 そ、そう言えば。昨晩、気の循環、してたって? いやいやそもそもする余裕無かったし。もしかして。先生と一緒にいる時、俺は気の循環、しなくても安全?
 先生が俺をぼぅっと見ていた。
「とういち・・・」
 抱きついてみた。こ、これは検証だ。せ、セクハラではない。
「あ」
 みるみる髪が戻っていく。
「戻った! やっぱり先生って凄いのな」
 見上げるとギロリと睨まれた。
「オレをブレスレットの代わりにしないで」
「だって押さえられるじゃん」
「君にとっては抑制にはなるよね。でも、オレという鬼には逆効果、なんだよね」
「え」
「鬼が桃のフェロモンを吸収し続けたらどうなるか。昨日身をもって分かったはずじゃなかったかな?」
 ギクリ。
「え、そ、そういう、こと!?」
「鬼の発情期は、蓄積された桃からのフェロモンを子種に変えて孕ますまで行う。桃にとっての地獄の交尾なんだよ知らないでしょうね」
 地獄の、交尾。
「すいません」
 呼吸を整えていつもの気の循環をした。やっぱり。先生とシた後は気が軽くて循環しやすい。でもそれは先生の発情を促してしまったということだ。
「まぁ、小まめにセックスするなら発情期は軽くなるかなぁ」
「・・・検討しておきます」
 俺、死ぬかもしれん。
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