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17.おちゅきあい
しおりを挟む本当に今週は先生は忙しいらしい。正直ちゃんとご飯食べてるのか心配だ。
業後に先生のゼミ室に向かった。ドアをノックする。
「・・・・・・先生?」
「・・・・・・」
反応が無い。
「先生、開けるよ~?」
開けると誰もいない。第二の部屋の扉が本来ならあるはずの壁と対峙する。
「先生~?」
壁に触れる。
「おわっ」
急に壁が扉になった。これは入ってもいいってこと・・・だよな? 扉をノックする。
「先生? 俺、董一郎だけど、入ってもいい?」
「・・・・・・」
反応がない。
まさか! 先生の身に何か!?
「先生っ!?」
扉を開けた。先生がソファで寝ていた。
「せ、先生・・・」
近づくと様子がおかしい。額にほんのり汗を掻き、うなされている。
「!」
鼻を刺すこの甘いこの香りは!
「先生! 先生!?」
揺さぶってもこっちに戻って来ない。これはヤバい状況なのでは!? 夢渡りがどうのと言っていた。もしかして、陽菜は先生を?
「先生だけは渡さない!」
先生にただのお気に入りの食事だと思われているだけだとしても。
「・・・・・・」
あぁ、そうか、そうなんだ。
すとんと今の自分の気持ちが腑に落ちた。
俺は先生に好意を持っているんだ。だから別に、食べて貰えても良かった。嫌じゃなかった。
「そっか、そうか・・・」
急に、そうか、こういうのは突然ハッと気づくもんなんだな。
先生に好きだって伝えたら、お気に入りの桃セフレに格上げして貰えるだろうか、なんてな。自分で言ったじゃないか。俺は普通の人間の生活をしたいって。普通のおニャの子と結婚して家庭を持つんだって。
でもだからといって、先生を陽菜に渡したくない。
昔から、俺の全ては全部陽菜、おまえのものだった。だけど、もう手放せないものができた。奪われたくない。でもどうしたら。
「・・・っ」
先生に俺の気を感じてもらえば? じゃぁどうしたら? どうやって吸って・・・。
「・・・っぐぬぬぬ」
別に減るもんじゃあないし! そう、これは救助だ! それにもう何度もされてるし!ただ俺からが初めてなだけで。
「ウッ」
先生が呻いた。
ヤバい。
「っ」
先生にキスをした。
「・・・・・・」
反応が少しあった。口が少し開いたので、舌を入れて粘膜接触を試みた。気を循環させるのを止めて、このキスに集中したみた。
先生、頼む、帰って来てよ。
「んっ!?」
先生の舌が動いた。
「うむっ、んんんっ」
後頭部を押さえ込まれた。
「ふぇん・・・ん」
脳を蕩けさすような甘いキスが返って来た。
「せ、んむ、はぁ、ふ、ふぇ」
先生と言いたいのに言わせてもらえない。
「ぷはっ・・・は・・・」
ようやく口を解放してもらえた。
「はぁ~危なかった・・・」
先生が起きた。頭をブルブルと振る。
余程のことがあったのだろうか。
「大丈夫?」
「あ、あぁ、なんとか・・・はぁ~・・・」
「先生、陽菜に?」
「迂闊だったな・・・」
俺の妹がほんとすいません。
「先生、陽菜に気に入られたんだよ」
「オレは美人でもガツガツする女はタイプじゃないんだよね。ありゃ相当鬼喰ってんな」
「あは、あはは・・・」
否定はしない。
先生がまじまじと俺を見つめる。
「何?」
にやりと不遜の笑みを浮かべた。
「いやぁ? まさか董一郎からキス、してくれるとは思って無かったからね。嬉しくってさぁ」
ふくっ。
じわじわと顔が熱くなる。
「こ、これは! 俺の気を感じたら、先生が、こっちに戻ってくれるかなって」
「あぁ、おかげでほんとに助かった。彼女に帰る道筋を絶たれて。いやぁ愛も重いとキツイね」
妹よ。本気、なんだな。
「今度は夢で直接先生の元へ来たってことか。
陽菜は欲しい物は必ず手に入れる主義だから。どんなことをしても」
「だろうね。執念深さを感じたよ」
次は先生か。
「どうした?」
「いや、先生、巻き込んでごめん」
先生は何も言わず、俺の頭を撫でる。
「モテる男はこんなもんだよ」
どうしたらいい。どうしたら。
「どうしたら先生を護れる?」
「え?」
「俺、出来損ないだから、俺のものになるべくだったもの、全部陽菜のものになった。それが当然だと思うようになった」
「・・・うん」
「でも先生は違う。先生は俺のこと助けてくれるし護ってくれるし、出来損ないだって見捨てなかった、最初の他人だった」
「・・ほぅ?」
何か先生の顔が近くなっている気がする。
「そ、そう、だから! 俺だって、せ、先生を護りたいわけ! 何か方法・・・」
先生の顔が、牙が、俺の右肩にかぶりついた。
「っ!?」
この間と同じだ。急激な脱力感に襲われる。でも前と少し違う。段々体が火照り、息が苦しい。動悸がする。
「オレの気にも少しは慣れて来たかな?」
先生の、気?
「射精時と、こうやって甘噛みして、君のフェロモンを吸収するのと同時に、オレの気を君に注いでる。こうすることで、より君とオレが繋がる」
「だ、だから、俺だけ、護られて、ばかりで。先生、は」
ふと先生は、見覚えのあるブレスレットを見せつけた。
「・・・え? そ、それって」
俺が前につけていた、吹っ飛んで何処かへ散ってしまったブレスレット。
「探すのに苦労したよ。このブレスレット、幼い君とずっと共にして来たものだから、君の色に染まっていてね。これさえあればいつも君を感じることができるから。実は、悪夢からの脱出、全然大丈夫なんだよね」
「・・・・・・え」
「拙いウブな君の熱烈なキスはいやぁ美味しかったなぁ。またしてくれないかなぁ」
じゃぁなんだ。俺があんなキスをしなくても! 先生は戻れたってこと!? しかも人のブレスレット拾って何してんだよ!?
「あ、このブレスレットはもう君には効果ないから返せないよ」
挙句に見せつけるようにブレスレットをはむっと口に甘く含む。
「ようやく完成したオレの御守りなんだ。だから安心して。オレは君に護られてるから」
むっきゅううう。何だろうこの気持ち。俺のブレスレットが、勝手に先生の御守りになってるのがなんか嫌だ。
「嫉妬しないしない」
いい子いい子と俺の頭を撫でる先生の手を払いのけた。
「心配して損した! 帰る!」
すぐに腕を引っ張られた。
「ごめんごめん」
すっぽりと先生の胸の中に入る。久しぶりの先生の温もりを感じた。
はふぅ。やっぱり先生の香りが安心する。
「家に帰らないでよ」
「先生が忙しそうだし。つか家は帰るためにあるんだからな」
「ねぇ、考えてくれた?」
「? 何を」
「あのねぇ、オレ、君にプロポーズ、したよね?」
あっ。
そういえば色々あってすっかり忘れてた。そう言えばそうだった。だがしかし。
「あれ、だって本気じゃないだろ。この間許婚さんと挨拶したけど」
「いやあれは許婚だけど、玲のやつ面白がって。それにあいつ恋人いるしな」
俺としたことが。先生、可哀想に。
「あっ、フラれて・・・」
「可哀想な目で見るの止めてもらえる? フラれたつもりもないんだけど。許婚システムは取り合えず、幼少時から義務的に決められているもので、変更はいつだって可能なんだよ。君のとこもそうじゃないのかな?」
便利なシステムだなおい。
「俺は論外。陽菜は束縛されるのが嫌らしいよ」
「そう。オレもその気持ち分かる、交友関係は広く浅くで良かったんだよね。だからオレも玲も『許婚』と言う名目さえあれば楽だったわけね。別にそのまま婚約しても互いに干渉しない夫婦ね」
そういう夫婦の在り方もあるのか。
「玲はお気に入りの桃を見つけたらしい。すっごい自慢して来るし、奴がたった一人の桃と一緒になりたいって言った時は、正直驚いた」
「恋、したんだ?」
「そういうこと。オレ以上に束縛嫌いな、自分より下のものを下等扱いするあの極悪非道無慈悲な奴がだよ? あいつを変えた桃がいるんだって」
「その桃さんに会ったのか?」
「会ったよ。至って普通な男の子だったよ」
「普通が一番だよ全く」
また男の子ってのは気になるけども。
「玲は特殊な鬼でね、巫子でもあるんだ。だから色んな意味でお強いのでね。最強の鬼がたった一人の桃にもぅベタ惚れのあまあまの気色悪いこと。まぁ、でも、正直羨ましいって思ったね。オレ、そんな風に他人を思ったことも、思われたこともないからさ」
え、珍しい。先生が真面目に自分自身の話をするなんて。
「え、先生は自分のこと思われたいってこと?」
「うん」
「愛してるの方の好きって?」
「・・・・・・ぅん」
おやまぁ照れ臭そうに。顔面偏差値高すのお顔を両手でお隠しになって。でもお耳が赤いでございます。
「ふぅん。じゃぁその相手を思わないと。ちゃんと愛してる、の方で」
ジトっと凝視された。
「思ってんじゃん」
プロポーズの下りで先生がもしかして俺に好意を持ってくれてる? 感じは受けたけども。
「先生、俺のこと、嫌いじゃない、って言ったよな。これはイコール好きにはならないよな」
「? え、言ったっけ」
この男!
「言ったわ言った。それで俺は言いました。先生は別に普通の好きの子でもエッチはできるって。エッチは本当に好きな人とするもんだからさ。それをあちらこちらで致してる先生の本気度は、相手には伝わらないと思う」
「ずっとしてない! 君と会ってからしてないって!」
「先生が男嫌いなのは知ってるし。おニャの子可愛いし、そりゃぁ抱き心地も全然違うし。俺は偶々体の相性のいい桃だったわけ。助けてもらって、一緒にいるうちに情が乗ったんだよ」
グッと俺の腰を抱く腕に強い力が入る。
「子供が大人を諭すな」
もしも。
俺と先生が出会わなければ。お互いこんな関係にならずに済んだかもしれない。これからも陽菜のストーカー行為が先生に及び続ける。
「俺、先生に迷惑かけてばかりだし。週末、先生の御実家にお礼の挨拶したら、先生と距離置くよ」
「は?」
「俺の御守りがあるしね」
「それがなん」
「陽菜のストーカーは俺のせいだ。俺側にいるから、陽菜は先生ばかりに目が行く、より夢中になるかもしれない」
距離を取れば、気づいてしまったこの気持ちを忘れられるかもしれない。俺がいる限り、先生に陽菜の魔の手が及び続ける。
だから、離れるべきなんだ。
「君自身はどうなんだ」
「え?」
「君がオレに好意があるから、桃巫女がさらにオレに興味が沸いたんでしょう?」
「・・・・・・え」
「何も思わない関わっただけなら、夢にだけ現れればいい。でも彼女は君を使ってまで現実のオレを誘惑して来たほどだ。つまり、君自身がオレに何かしら心が揺れ動いてるからじゃないのかな?」
今さっきようやく先生の気持ちに気が付いたばかりなんだぞ~こっちは。それを陽菜はもう気づいてたってこと!? 女って、やっぱり凄いのな。
「君はオレを諭してばかりで君自身のことを言葉で何も言わない。それは過去の君の置かれた状況や立場があっただろうから分かる。でももう今は桃源郷にはいない。君を出来損ないだとレッテルを張る者がいない。今、君が本当の君じゃないのは、君自身が自分に出来損ないの桃だと思ってるから言い聞かせて戒めてるからだよ」
俺が、自分に・・・。
「今の君は自由なのに、過去に縛られていては何も変わっていない。変わりたいなら、君は君でいいことを肯定してあげなきゃ」
俺は、あの頃の俺と変わって、いない?
「感情を押し殺すのはもうここではしなくていいんだよ董一郎。何かと理由をつけて、自分から他人を遠ざけなくていいんだよ」
目頭が熱くなった。
そんなこと、誰かに言って貰えるなんて。
「でも、先生に・・・」
「無意識化で気を纏うことで、君は自分を他者から護ってくれていたんだよね。でもそれは他者との壁でもある。君のおじいさまとおばあさまが君に施してくれた術は、本当の君を護る為でしょうね。いつしかそれが出来損ないのレッテルに変わってしまったけれど」
「本当の、俺?」
「そう。何故槐の木の御守りを作って授けたか、何故気を循環させ纏う術をしなくてはいけなかったか。君は他の桃よりフェロモンの量が多いし濃度が濃い、しかもそれを保有できる容量が多い器を持っていた。だから桃巫女に利用された。自分のフェロモンだけでなく、彼女のフェロモンを保有と共有ができるからだ」
結局、そんな能力は不必要だ。
「そんな能力は桃には意味がない」
「意味がない? 本当かな。確かに、桃達には価値がないかもしれない」
「? どういうこと?」
「桃源郷の者達は能力の質を求める癖がある。けれど、鬼にとっては別にどうでもいいことなんだよ。夢渡りができるとか水を動かせるとか、正直どうでもいい」
確かに。鬼には関係ない、ことかもしれない。
「鬼が桃に求めるのは『癒し』それだけ。血の気の多い闘争心を治めてくれる癒しが欲しい、心を沈めてもらいたいだけなんだ。だから、質の話なら、桃のフェロモンの濃度と量が多い方が凄く魅力的な能力なんだよ」
「鬼観点からみたら、俺は魅力的ってことなのか?」
「そう。『鬼癒し』。鬼の心と体を沈めてこの人間世界でも生けていけるようにする。それが本来の鬼癒しの桃の役目だよ。鬼が人間を襲わないようにの理性、ストッパー役なんだよ。だから鬼は感謝して桃を大事にする」
「・・・ふぅん」
れ? 先生は純血の鬼だったよな?
「それが最近の桃はフェロモンをバラまいて人間の男をも誘惑して助平放題だよ?」
「うちの妹が本当にすいません」
「でも君は桃源郷色に染まらなかった。だからここへ来た、来られたんだよ。だから君は君でいることを恥じる必要はない。オレは君にもっと自由であって欲しいと思ってる」
「せ、先生・・・」
初めて俺を肯定してくれた人がいた、いてくれた。俺自身のただの俺を見てくれる人がいる。
「そうだよ。オレは先生なんだよ? 忘れてるでしょ」
「はは、そうだった」
何だろう。胸がスッキリした感じ。
「それで?」
「ん?」
「プロポーズの返事は?」
「え」
「どうやら君は恋愛経験が少ないとみた。先生さ、なんか男として雄として君に意識されてないもんね」
「そっ」
「でもオレは君に好かれてないとは思っていないんだよね。ただ、恋愛にあたっていきなりセックスしたり順序をかっとばしちゃったから、思いが追い付いてないだけなんだよね。きっとそうだ。君はオレのことが好きだよ」
俺の気持ちをあんたが言うな! どっか出るのその自信!? 事実だけどなんか癪!
「初心者の君には急すぎたね。まずはお付き合いからしようか」
「おちゅおちゅお、つき、あい!?」
「君は自分の魅力に気づいてない。もっと自覚すべきだ。オレの苦労を知ってもらいたいもんだよ本当。男嫌いのオレがまさか男の子を好きになるなんてさ」
先生が、先生が好きって言った。普通に。こ、これはどっちの好き? え?
「言っておくけど、オレほどいい雄はいないからね? あ、玲の次にね」
一番は玲さんなのか。
「ん?」
雄?
「あれ、玲さんて女性・・・だよね?」
「外見に惑わされたね。あれはれっきとした男だよ。よく美女だって間違えられるらしいけど、あんなおっかない鬼はいない」
「だだだだ男性・・・だったのか・・・」
あんな綺麗なのに男。
「他の雄の話しないでくれるかな。あームラムラする。久しぶりだし溜まってるし今エッチしたら終われないから。ご飯食べてからしよう」
せ、先生は本当に俺のことが好きなのか。
「エッチの時だけ意識されてもね。普段日常からオレが彼氏だって認識してもらわないと。男の沽券に関わるから」
「何それ・・・」
「この間、友樹に、オムライス、作ったんだよね?」
冷たい微笑みが向けられる。
「今日はお付き合い記念日だ。オムライス、作ってくれるよね?」
「・・・はい」
目に見えない大人の圧力。
「浮気、それで許してあげよう」
「はっ!?」
冷ややかな視線が突き刺さる。
「あんな狭い犬小屋で他の男と二人きり」
「犬小屋じゃねぇし俺の家だし!」
「あそこはもう出てもらう。今日から俺の家に住んでもらうことにする」
「へ」
「解約手続きしたからもう。君の荷物ももう俺のマンションに入ってるからね」
「先生のマンション!?」
「久々に帰るか。あっちの方がベッドも大きいし」
俺の世界が、先生に染められていく。
「ということでお嫁さん、よろしく」
お嫁さん。
あれ? オカシィナァ。俺の夢は普通のおニャの子と結婚して所帯持つはずだったのになぁ。何処で間違えたんだろうか。
まぁ。
先生がご機嫌だから、いっか・・・。
「否定しないのは、君はそれでいいって。そういうことでいいんだよね」
「そっ、でっ、ひっ・・・」
そうだけど、でも、陽菜がと言いたいのに言えなかった。
頭を優しく撫でられる。
「決着はつけよう。でも、オレ達の関係性をきちんと認識しておかないと、また彼女につけ狙われるから」
「でも陽菜は最強なんだ」
あの桃には誰も勝てない。
けれど先生はウインクして見せる。
「俺を誰だと思ってるの? 先生だよ? 任せなさい~」
「分かってないマジで陽菜は」
「じゃあ彼女を諦めさせたら」
先生はいきなり俺の左親指の指環に口づけする。
「オレと結婚、してくれる?」
すっごく嬉しい。
顔が熱い。
「・・・・・・」
すぐに「はい」と言いたい。言いたいけど。
「ちゃんと言葉で言って。俺は言霊使いだから、言葉での確証が欲しいんだよね」
「・・・・・・」
言えないんだ先生。
言霊使いは、先生だけじゃない。
「・・・言えない理由が、あるんだね」
「か、考えとく」
今はそれしか言えない。
「・・・・・・」
先生が黙った。
「お、怒らないで先生、ごめん」
「怒ってないよ、『君』には」
「怒っとるやないかいやっぱり!」
「オレの感情が分かるようになった?」
やっぱり笑ってない笑みが十八番な先生だ。
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